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マンチェスター・シティの16/17シーズン 中間まとめ

16/17 マンチェスター・シティ

以下、『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』さん、@500zooさん、@yuukikouheiさん、@tkq12さんを一部引用しております。

 

 

 

-まずグアルディオラ政権下でのシティの戦いぶりについて、簡単に

「就任自体にも、ピッチ内での戦いぶりについても、基本的にはポジティブな感覚を抱いています。成功や失敗を論ずるには時期尚早過ぎますが。パフォーマンスについては、個人的には勝ってくれさえすれば内容は問わないタイプの人間なので、そもそも不満も満足もさほどありませんが、チーム全体に漂っていた倦怠感が払拭されたことは喜ばしいと思います」

 

-ポジティブな理由は

「戦術の骨格がより強固なものになったことで、見る側としては原因と結果の関係性がわかりやすくなったためです。」

 

-と言うと

マルティン・ペラルナウの本やバルセロナバイエルンの動向を見る限り、グアルディオラのサッカーは、まずリスクを低減するということが根底にあり、そのために試合中のあらゆる不確定要素をコントロールすることを志向しているようです。」

 

-みたいですね

「そのためのグアルディオラにとっての解法が、可能な限りグラウンダーのパスを使用したバックラインからのビルドアップであり、ボールロスト時のプレッシングであり、プレッシングに対応した高いDFライン設定である、ということなんだそうです。

 

今シーズンのシティでは、これらの原則がペレグリーニ時代のシティよりも厳密に徹底されています。導入からの期間が浅いためと、原則を遂行するために十分な選手が揃っているとは言い難いために成績が常に出ているわけではありませんが、成功するにせよ失敗するにせよ、目指すゴールと現在地のギャップがわかりやすくなったため、ピッチ内で起きていることの理屈や、足りないピースや今後の見通しが見えやすくなったことが、個人的には何よりポジティブに感じる原因です」

 

-なぜそれが嬉しいのでしょうか

「個人的な感覚でしかありませんが、褒める貶すよりも、まずパフォーマンスという結果に至った原因や理屈を理解したいという欲求の方が大きいです。『とにかく勝て』でも別にいいですけど、『じゃあどうしたら?』という質問に対して『それはよくわからんがとにかく勝て』と返すのは、個人的には多少気持ち悪いので。」

 

-ペレグリーニ時代と比べてと言いましたが、そのときのシティの総括を

「ピッチ内から話しますが、一部で言われているように『戦術がない』監督では全くなく、特に相手の戦術上の瑕疵を突くことには長けていました。ただし、その狙いを遂行するための戦術的な枠組みが強固でなく、結果中心選手のコンディション低下によって徐々に競争力を失ったという印象です。

 

従って、戦術上の狙いはあるし、コンディションが良いときには攻撃だけでなく守備についても完成形への期待を想起させるパフォーマンスを見せてくれましたが、一方で常にコンディションが保たれるわけはないので、次の試合ではどうなっているのかよくわからない。戦術上の決まりごとが徹底されていないシーケンスが多いので、対処できなかったことは次回対処できるかもしれないし、できないかもしれない。選手が疲れていたのか、事前の練習で仕込まれていなかったのか、次は理屈通り動くのか、そういうことがよくわからない。そこがストレスでした。」

 

―具体的には

「例えば、ボールを前線に供給するということについて、上手く行くときもあれば行かないときもありました。まずもってその不安定性自体が戦術的な骨格の強度が高くないことを示していると思いますが、今日なぜ上手くいかなかったのか、それが次の試合で解決するのか否か、手当てする気があるのか否か、最後までよくわかりませんでした。

 

まず、ペレグリーニはDFラインのタスクとして組み立てへの参加をあまり重視しませんでした。コンパニ、マンガラ、ナスタシッチオタメンディといった選手はいずれも組み立てを得意としておらず、またそれを補うための特段の手当ても行いませんでした。ちなみに、このことはビジャレアル時代からの特徴のようです。子飼いのデミチェリスは多少上手でしたが。」

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-だからボール供給が不安定だったと

「そのこと自体が悪いわけではないのですが、結果としてボールを前で保持するために行われたのは、①ヤヤ・トゥレ、シルバ、ナスリらが降りてくる動き、②ジェコ、ネグレドら長身FWへのロングボール、③高い位置でのプレスでした。

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マンチェスター・シティは、いつものようにヤヤ・トゥレがDFラインに落ちて、そこから縦パスを通す形でしか攻撃を構築することができなかった。シルバ、ヘスス・ナバスもポジショニングをフリーにすることで、ボールを引き出そうとしていたが、ハル・シティのスペースを消す4-4-2の前に、いい場所でボールを受けることはできなかった。

 

 それならば、アグエロとジェコの個人技でどうにかボールをキープしてもらおうとなるのだけど、そもそもそこまでボールが届かない。強引に届けてもさすがに働けないという悲しい状況であった。なお、アグエロはそれでも相手からファウルをもらう粘りを見せていたので、交代されることはなかった

  

ペジェグリーニの手筋~マンチェスター・シティ対バルセロナ~ - サッカーの面白い戦術分析を心がけます

前から行かない。むろん、行くときは行く。ただし、アグエロとジェコの距離が離れてしまうと、ブスケツへのパスコースが空いてしまう。ブスケツを2人で観るのか、中盤の助けを必要とするかの動きは、状況によって判断されていた。ただし、状況による判断が常に正しさを持っているわけでもなく、ブスケツが簡単にボールを受けてしまう場面が何度か見られていた。

 

マンチェスター・シティがボールを保持しているときのバルセロナは、特に何らかの対策を行わず、いつも通りに。よって、マンチェスター・シティにボールを運ばれてしまう場面もあれば、高い位置からのプレッシングが機能する場面もあった。このあたりの曖昧さは悪いときのバルセロナらしさなのかもしれない。ただし、以前に比べると、4-5-1での撤退という選択肢も試合中に見せているので、危機的な状況になるわけもなく。

 

結果としては②はネグレドの退団志願、ジェコおよび代役だったボニーの不振によって年を追うごとに弱体化していきました。③は時と場合によってはフェルナンジーニョを中心として効果を発揮しましたが、FW陣にその動きを徹底させることができず、あるいはするつもりがなく、全体としては成功とは言いがたかったと思います。良い例が14/15のバルセロナ戦1stレグです。

 

③についても、主力選手のコンディションが低下していくにつれて効果を発揮できなくなりました。15/16シーズンに取りこぼしが増加しましたが、ヤヤ・トゥレ、シルバ、ナスリ、アグエロ、デブライネが揃うことがほとんど無かったことが遠因と思われます。」

 

-ピッチ外では

そちらの方では、「グアルディオラへのつなぎ」というある種屈辱的とも言える役割に文句も言わず、かつ常にタイトル争いに絡むという目標を達成したので、役割を十分に果たしたと思います。マンチョと順序が逆だったらと思うとぞっとします。」

www.manchestereveningnews.co.uk

-マンチョは黙ってないでしょうね

「癇癪持ちですからね」

 

-試合内容に行く前に、スカッド編成を見てみましょうか

グアルディオラが志向するサッカーを遂行するためには、DFラインが弱いと思われます。組み立てに長けたCBがストーンズしかいませんので、コラロフを配置転換しましたが、もともとSBなのでドリブル対応等難点が多いです。また全体的に対空性能とスピードが欠けており、リスク計算の収支が合わない原因になっています。

 

中盤もアンカー、CMFが少なく、デブライネとシルバ、フェルナンジーニョのタスク過多傾向が見られます。ギュンドアンは後方からの崩し参加で持ち味を発揮し始めていましたが、離脱してしまいました。」

 

-マネジメントチームは

「CEO、ダイレクター、育成ヘッドに、グアルディオラバルセロナ時代の同僚を揃えているので、監督がやりやすい環境はある程度整えられているのだと思います。チキの手腕はどうなんだとか、色々ありますけど」

 

-ピッチ内でのパフォーマンスは

「序盤は勝ちが続いていましたが、決して磐石の試合内容ではありませんでした。とくにチャンスを作ってはいても、得点まで至らないケースが多く見られました。これについては、500zooさんが『デブライネ、シルバの得点能力』を指摘されています」

 

 

 

-デブライネは点が取れる選手なのでは?

「キックが素晴らしく上手なのでシーズン10点強は取りますが、ゴール前に飛び込んで叩くようなプレーは苦手としています。ただし、チームとして守備面でははっきりと向上が見られましたし、ビルドアップにも大きな問題は発生していませんでした。」

 

-9月末のセルティック戦から、10月・11月の2ヶ月強は3勝5分3敗と停滞します。

「結論としては、試合内容は騒ぐほど悪くありませんでした。結果が出ていないので怒られるのも分かりますけど。

 

セルティック戦、スパーズ戦はどちらも前線からの激しいプレスを交わせなかった試合でした。加えてスパーズ戦では、中盤にデンベレ、ワニャマという重量級のMFがおり、組み立てがさっぱり通用しませんでした。

 

 

対策として、なのかどうかは分かりませんが、次のエヴァートン戦から3バックが導入されます。『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』で解説されていますが、フォーメーション変換が無くなれば、その時間を利用される問題は無くなりますし、餅は餅屋です。チェルシー戦で見せたCMFが絡んだサイド攻略は良い例だと思います。また、後ろで数的優位を保つことでカウンターのリスクを軽減し、攻撃力を高めるという策も、以前のバイエルンで見られています。選手のクオリティとチームとしての練度不足もあって、むしろ失点のリスクは高まっているようですが。」

 

【マンチェスター・シティの攻撃の特徴】マンチェスター・シティ対エバートン【ステケレンブルグ!!!!】 - サッカーの面白い戦術分析を心がけます

サイドバックの選手がアンカーの横でプレーすることを、アラバロールと呼んでいる。この動きは相手のカウンターに対する策として生まれたものだ。ポリバレントなアラバはセンターでのプレーを攻守ともに苦にしないタイプだった。よって、サイドバックだけでなく、プレーエリアを広げることで、アラバ自身にとって、そしてもちろんチームにとってもポジティブな策だった。

 

マンチェスター・シティに在籍しているサイドバックは、センターでのプレーをしていましたよ、という選手は特にいない。思い出してみても、クリシーコラロフサバレタ、サニャ。そんな彼らがアラバロールをこなしているのはなかなかの衝撃だった。ただし、アラバに比べれば、攻撃面での物足りなさは、どうしても否めない。だったら、最初からセントラルハーフの選手を置いてしまえばいい。この試合では、ギュンドアンフェルナンジーニョがセントラルハーフでコンビを組んだ。このポジション変更によるデメリットは、3バックでの守備を強いられることだろう。クリシーストーンズオタメンディは数的均衡のなかでプレーする機会が多くなった。その代わりのメリットが、マンチェスター・シティ攻撃機会の増大に繋がる試合となった 

 

www.plus-blog.sportsnavi.com

3-0で負けているのに、マンジュキッチハビ・マルティネスの采配。負けているのにFWを交代したグアルディオラ。何が悪くてチームが機能していないかを正確に把握できている勇気のある采配であった。

 

 この交代によって、景色はがらっと変化する。レアル・マドリーのカウンターは枚数を揃えたバイエルンの守備陣に捕まるようになり、そもそもカウンターの場面はほとんど観られなくなっていった。また、ビルドアップの面でもハビ・マルティネスベンゼマたちを牽制することで、クロースたちがより自由に振る舞えるようになった。つまり、前半よりもカウンターの恐怖にとらわれないで攻撃を仕掛けられるようになったバイエルンの攻撃の精度が上がり、それがレアル・マドリーのカウンター機会の減少にも繋がった。

 

-これだけ結果が出ていないのに内容が悪くないというのは無理がありませんか

「その意見もわかります。実際、レスター戦は酷い出来でした。とはいえ、エヴァートン戦にしてもボロ戦にしても十分をコントロールすることはできていました。後者の前半はあけすけに言ってフルボッコ状態で、過去15年のシティで最も堅牢な試合だったと言って良いと思います。」

 

-クリーンシートが少ない点については

「プレミアのチームは金があるので、中位下位でも良いストライカーが雇えます。ルカクやロンドン、イガロ、ヴァーディーといった選手は1人でDF2人くらい平気で片付けますから、その点がいまだ収支合わせに苦慮している原因かと思います」      

 

-12月以降はチェルシー、レスターに連敗しましたが

「レスター戦の負け方が酷かったので一気に批判が噴出しましたが、チェルシー戦は良かったです。1-3で負けておいて、良いもクソも無いといえば無いんですが、アグエロ、デブライネがあそこまでイージーなチャンスを外してしまっては。チェルシーをよく崩してはいました。とはいえ、そこで結果を出すコンテとチェルシーが素晴らしいのは言うまでもありません。次のワトフォード戦では、よりオーソドックスな形をとってひとまず結果を出しました。」

【リスク管理をするグアルディオラ】マンチェスター・シティ対ワトフォード【奇襲のマッツァーリ】 - サッカーの面白い戦術分析を心がけます

 

リスク管理』という表現が使われていますね

所謂アラバロール、あるいはファルソラテラルも、カウンターの出所を押さえつつ3枚目の動きを攻撃に追加するという意味ではリスク管理策なのですが、まあ単純に後ろに4枚揃っていた方が不確定要素を減らしやすいという道理はありますから。チェルシー戦、レスター戦と、相手のカウンターを全くチェックできなくなっていたので、対策としては妥当だと思います。

 

-今後の見通しは

「得点効率の低さは、デブライネとシルバがスコアラーを担う構造である限り中々改善しないと思います。彼ら2人自体はシティで最高の選手ですけど。

 

アグエロにしたところで割とイージーなチャンスを外す癖は直っていませんし、タスクも多いので、劇的な改善は望み難いです。むしろ、2月に延長されたはずの契約が発表されていなかったり、ガブリエウ・ジェズス以外にもFW獲得の噂が耐えなかったりと、アグエロに満足していない雰囲気も感じられます。

 

ただし、直近3試合のように、長身のヤヤ・トゥレを含めたよりオーソドックスな形で結果が出始めているので、勝ち点はある程度安定して稼げるのではないかと思っています。ヤヤはSBが出たスペースのカバーに入る仕事もやるようになったので、190cmある彼がいることは対空面でも大きいです。いつまで持つか分かりませんが。」

 

-新戦力については

 

 

 

 

 

-最終的な順位は

「せっかくグアルディオラが来たわけですから、これでCL圏内が目標というのも景気が悪くないですか。優勝目指して頑張ってもらいたいところです。」

 

ーちなみにこのスタイルどうでしたか

「こっ恥ずかしくなったのでもうやめたいと思います」

2016/17 マンチェスター・シティ 選手名鑑(レンタル放出組編)

16/17 マンチェスター・シティ

-             Joe Hart ジョー・ハート       GK          29

ここに全部書きました。

http://media.gettyimages.com/photos/manchester-citys-goalkeeper-joe-hart-salutes-the-fans-after-what-may-picture-id594874490?s=594x594

 

20          Eliaquim Mangala             エリアキム・マンガラ            CB          25

バレンシアに(どうやら2年間)ローンで放出。ペップの構想には恐らく端から入っておらず、今後シティに戻る可能性は限りなく低いであろう。ジエゴ・コスタを叩きのめした衝撃のデビュー戦、ハル戦でオウンゴールを喫してからの乱高下、昨シーズン序盤5試合の進化の兆し、からの怪我、からのCLパリ戦大活躍、とパフォーマンスと評価の動きが激しい選手であった。β高すぎ。と言うことは当然価値も下がるわけですけど、さらに一旦預けた先が見るからに金がないバレンシア。大丈夫だろうか。まだ£25mくらいバランスシートに載っていると思うのだが。

人間としてはすこぶる真面目でいい奴だっただけに、今後の幸せを祈りたい。

http://media.gettyimages.com/photos/olivier-giroud-of-arsenal-wrestles-with-eliaquim-mangala-of-man-city-picture-id529212380?s=594x594

 

28          Jason Denayer     ジェイソン・デナイエル         CB 21

マンガラとは逆に、ペップとチキ(FD)が手元に残したがった(らしい)のがデナイエル。ベルギー代表。2年前、レンタル先のセルティックベストイレブンと最優秀若手賞を受賞、代表でもフランス戦で“大活躍”し、シティファンの期待は高まったが、その後のガラタサライでの今一つ煮え切らない1年間と、EUROでの失敗で熱狂は落ち着いた。今年は色々あった末にサンダーランドにローン。シティとの開幕戦で右バックを努めた若い選手が見るからにどうしようもなかったので、多分重宝はしてもらえると思う。

瞬発力に優れ、ボール扱いにも自信があるようだが、軽率。あと、パスは別に上手くないんだよな。前述のフランス戦も密かに失点モノの凡ミスをやらかしており、多分まだ使うには怖い段階なのだと思われる。とはいえさすがに3年連続ローンはそろそろ愛想尽かして出て行きそうな気がするが、今後のハンドリングに注目。

http://media.gettyimages.com/photos/new-sunderland-signing-jason-denayer-pictured-at-the-academy-of-light-picture-id598305128?s=594x594

             

-             Pablo Marí           パブロ・マリ          CB          23

鈴木大輔がいるジムナスティックから引き抜いて、即パートナークラブのジローナにレンタル。言い方は悪いが、海外支社の採用コストを本社で持ったみたいな。所属だけはマンチェスター

 http://media.gettyimages.com/photos/spain-la-liga-adelante-20152016-pablo-mari-villar-picture-id494799230?s=594x594

 

36          Bruno Zuculini     ブルーノ・スクリーニ            CMF        23

スクリーニはどこで何をしているのか?というのは、多くのシティファンにとっての共通の謎である。若く、機動力のあるアルゼンチン人で、加入した年のプレシーズンは好プレーを見せていた。しかし、その後はレンタルされては特に出番も無く終了、を繰り返す2年間。本人もアルゼンチンに帰りたいらしい。そりゃそうよね。今年はとりあえずラージョにローンに出してはいるが。

 http://media.gettyimages.com/photos/bruno-zuculini-of-manchester-city-passes-the-ball-during-the-cup-picture-id481760320?s=594x594

 

37          Jack Byrne           ジャック・バーン    CMF/AMF 20    

15歳からシティにいるアイルランド人。タフそうなヒゲ面の、点が取れる中盤。キック力はある。去年はオランダのカンブールに貸し出され、降格してしまったもののレギュラー格として1年を過ごした。A代表も召集経験あり。今年はブラックバーンに貸し出し。

http://media.gettyimages.com/photos/jack-byrne-of-sc-cambuur-xander-houtkoop-of-sc-cambuur-during-the-picture-id512707506?s=594x594

 

47          Luke Brattan       ルーク・ブラッタン  CMF        26

パブロ・マリと同じく本社で採用費持ちました組。ブリズベンにいたところを引き抜かれ、即座にボルトンに貸し出し。が、あっという間に呼び戻され、数ヶ月待機の末にメルボルン・シティ(オーストラリアのグループクラブ)にレンタル。訳が判らないが、多分最初っからメルボルンに入れる気だったのではないか。26歳で代表キャップもない選手をマンチェスターで使うとも思えず。

http://media.gettyimages.com/photos/luke-brattan-of-melbourne-city-kicks-the-ball-during-the-ffa-cup-of-picture-id594735484?s=594x594

 

-             Aaron Mooy         アーロン・ムーイ    CMF 25

またの名をモーイ。ブラッタンとは違い、メルボルンで活躍していたところをマンチェスターが引き抜き、現在は2部のテリアーズことハダーズフィールドに貸し出し中。現地採用の若い奴が有能だったので本社に異動しましたみたいな(メルボルンも由緒正しい個別の歴史があるクラブなので、この言い方は語弊があるけど)。逆に言えば、なおのこと目的が何だったのか全然判らない選手でもある。メルボルンはむしろ弱体化するし、かといってマンチェスターで使うレベルかと言われるとね。ご褒美にUK挑戦とか、そういうことなのだろうか。

オーストラリア時代は2年連続ベストイレブンに選ばれ、アシスト王にも輝いた。テリアーズは好調だし、本人もクラブの月間MVP獲るし、代表でもスタメンだし、最近は色々と景気が良い。いずれ日本代表戦でも見られるであろう。マンチェスターではどうだか知らんが。

http://media.gettyimages.com/photos/aaron-mooy-of-australia-controls-the-ball-during-the-2018-fifa-world-picture-id598320516?s=594x594

 

55          Olivier Ntcham    オリヴィエ・ヌチャム            CMF/AMF          20歳   

ジェノアに貸し出し中のパワフルなフランス人。2年レンタルの2年目だが、実は既にジェノアに売っていて、シティは買い戻しの優先交渉権だか何だかを付けているだけと言う話があったような気がする。昨シーズン序盤は好調だったが、徐々に出場機会が減少。最初はポグバ2世とか騒がれたんだが。今シーズンは新監督の下、開幕からスタメンで起用され、初得点も決めた。

http://media.gettyimages.com/photos/jules-olivier-ntcham-during-serie-a-tim-between-crotone-v-genoa-in-picture-id597889736?s=594x594

 

8            Samir Nasri         サミル・ナスリ       AMF       29

最後の最後でペップは手元に残したがったらしいが、自ら望んでセビージャへ。背番号は10らしい。二言目には「問題児」「プロ意識が低い」と言われる選手であったが、個人的にはその評価がいつも腑に落ちなくて、少なくともシティにおいて何か問題になることを言った記憶はない。強いて言えば、「バルサだってメッシ以外は人間」くらいか。まあ、本当のことだし。

むしろシティでのナスリは「俺たちは所詮傭兵だから結果を出し続ける責任があるんだ」とか「俺はポジションを奪い返すために努力するよ」とか、殊勝なことしか言っていなかったし、むしろ移籍してもらっちゃっても、大丈夫なんですけど・・・とこっちが思うタイミングでやけに殊勝なので困ったくらいだった。まあ夏休み明けは毎年太っていたから、それがプロ意識の欠如だと言われればそれまでだが。あと言われているほど守備をしないわけでもなかった。どっちかと言えば、私はボールを持ったときのクオリティこそ不満だった。

色々あったが、清武にはあんまり悪いことを教えず、セビージャで頑張ってもらいたい。

http://media.gettyimages.com/photos/samir-nasri-of-sevilla-fc-attends-the-press-conference-during-his-picture-id598318004?s=594x594

 

76          Manu García        マヌ・ガルシア       CMF/AMF             18

まだ18歳。引くほど若いアストゥリアス人。2年前にヒホンから引き抜いた。スペイン風スティーヴン・アイルランドという趣のMFで、中盤を回遊しながら攻撃を組み立て、必要なら前線への飛び出しや突破も仕掛けられますみたいな。去年はプレシーズンから度々起用され、カップ戦でプロ初得点。今年は懐かしのアラベス(2部)で1年修行。

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27          Patrick Roberts   パトリック・ロバーツ            WG 19

人呼んでイギリスのメッシ。大丈夫かそのあだ名。去年の半ばからセルティックに1年半貸し出し中で、昨シーズンは12試合6得点と、そこそこブレイクした。どのハイライトを見ても左からドリブルで突っ込んできてワンツーかミドル打つかしかしてないが、メッシと言うだけあってスピードとシュート力は大したものなので、今年1年じっくりロジャーズに育ててもらうといいと思う。

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35  Oleksandr Zinchenko  オレクサンドル・ジンチェンコ      AMF/WG 19      

EUROのウクライナ代表にも入っていた新星。ウファという割とマイナーなクラブから来た。さほどスピードは無いがボール扱いはとりあえず上手そう。ドルトムントが狙っていたり、今年の修行先がPSVだったりと評判が良いので、きっと良い選手なんだと思う。知らんけど。他力本願。上見て暮らすな横見て暮らせ。

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59          Bersant Celina     ベルサント・ツェリナ            AMF  19歳      

コソボ人1号。得点力とクロスの精度が魅力という噂。去年はリーグ戦でいきなり1アシストを記録した。適正がどこかは判らんが、サイドの選手では無さそうに見える。ノルウェー育ちだが、代表はコソボを選択。祖国の歴史のために頑張るんだ俺は、みたいなことを言っていたが、気合が入りすぎたのか記念すべきコソボFIFA公式戦初戦でいきなり退場した。

「ていうか、£40mで移籍してくるようなやつがいるとこで今トップチームに入るとか無理」と、皆思ってたけど黙ってたことをぶっちゃけた後、希望通りオランダのトゥウェンテにレンタル。ノルウェー育ちが長いからか、インタビューでは見るからにアルバニア語より英語の方が喋りやすそうにしていた。練習中、カメラをじっと見つめて最後にニヤっと笑う、という芸が好き。

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62          Brndon Barker    ブランドン・バーカー            WG 19

地元生まれ地元育ちの左ウイング。イングランドU20代表。下の年代では間違いなく速くて上手いが、上でも通用するのかはまだ不明。とりあえずボールの持ち方はちょっと奇妙。点が取れるタイプなので、育って欲しいところではあるが。今年は他の若手と4人揃ってオランダのブレダに貸し出し。遠足か。

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63             Sinan Bytyqi        シナン・ビティーチ AMF 21

コソボ人2号。やさぐれた雰囲気のツェリナと比べると、普通の良い子ちゃんっぽい。オーストリア育ちだが、つい先日コソボ代表を選択。地元のインタビューでは、私が見たスポーツ選手史上最高にかわいく「あっ・・こんばんは」と言っていた。石川佳純ちゃんよりかわいい。今夏、2019年まで契約を延長しているが、期待が大きいのか、移籍金目的なのかは不明。もう21だけど、今年のレンタル先もオランダ2部だしなあ。

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-             Yaw Yeboah         ヨウ・イエボア       AMF       19

イエボア、というとリーズやハンブルガーにいたおっさんを思い出すが、それとは関係ないっぽいガーナ人。去年はU20アフリカ選手権のMVPに選ばれ、既にフル代表にも呼ばれている。FWという噂もあるが、レンタル先のトゥウェンテでは右を担当している模様。

今年の6月頃に「ペップから連絡があってさ~俺来シーズンのプランに入ってるんだって~」と言い出してちょっとしたニュースになったが、全然そんなことは無かった。なんだったんだあれ。もうシティも大分メジャーコンテンツになったのだから、そういう90年代のアフリカノリは止めてもらいたい。

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14          Wilfried Bony      ウィルフリード・ボニー         CF          27

最後まで全てが間に合わないまま終了。移籍金を取り返すため、ストークで頑張って頂きたい。

http://media.gettyimages.com/photos/wilfried-bony-of-manchester-city-walks-into-the-stadium-alongside-picture-id531517648?s=594x594

 

-             Marlos Moreno    マルロス・モレーノ WG        19

今夏アトレチコ・ナシオナルリベルタドーレス杯を制した若きコロンビア代表。スピードがあってゴリゴリ突破ができ、そこそこパスも出せるとか、出せないとか。アスプリージャに似ているとか、似ていないとか。全てが曖昧な私。今年はデポルティボで修行の予定。枠の問題もあるが、多分現状では労働許可が降りないんだと思う。

http://media.gettyimages.com/photos/marlos-moreno-of-colombia-attempts-to-avoid-a-sliding-tackle-by-of-picture-id539507694?s=594x594

 

-             Gabriel Jesus       ガブリエウ・ジェズス            CF/WG   19歳

こないだのリオ五輪優勝メンバー。先日のA代表デビュー戦でもいきなり2得点。お兄さんをそんなに期待させるとは悪い子だ。この手のブラジル人なので当然のように高速ドリブルがあるわけだが、まともなFWとしてもちゃんと働くので、ちょっと昔のロナウドっぽいかもしれない。ナルシストじゃない方の。

現在ブラジル全国選手権で得点王、冬まではパウメイラスにいる予定。例えばムーイが現地採用で地元組がソルジャー採用だとしたら、ジェズスは本社ブレイン採用ど真ん中。獲得した瞬間からトップチーム入りがほぼ内定。その分ハードルも高いが。

http://media.gettyimages.com/photos/lukas-klostermann-of-germany-and-gabriel-jesus-of-brazil-challenge-picture-id592331754?s=594x594

 

48          Enes Ünal            エネス・ユナル       CF          19

緑の街ことブルサはオスマンガズィ出身のトルコ人。数日滞在したことがあるが、とても良いとこ一度はおいで。

長らく頼れるCF不在のA代表にも既にデビュー。見た感じ、ミドルの射程が長く、遠目からでも狙えるタイプ。去年はまずベルギーのヘンクに貸し出されたが、全く馴染めず早々にローン切り上げ。次にオランダ2部のブレダに出向し、11試合8得点と活躍。今年は1部のトゥウェンテでいきなりハットトリックしており、ファンニステルローイみたいに成長したりしないかと期待している。「Ü」は「ウ」の口で「イ」と言うと出せる。

http://media.gettyimages.com/photos/michael-dingsdag-of-nac-breda-referee-jochem-kamphuis-enes-unal-of-picture-id531725724?s=594x594

 

51          David Faupala     ダヴィド・ファウパラ            FW         19

NACブレダに4人まとめて預けられたうちの一人。フランス人のストライカーで、多分ニューカレドニア系。そこそこ背が高い割には身のこなしが機敏で、ボール扱いも上手い。去年はFAカップチェルシー戦で1得点の上テリーを股抜き。

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2016/17 マンチェスター・シティ 選手名鑑(トップチーム編)

16/17 マンチェスター・シティ サッカー

1            Claudio Bravo      クラウディオ・ブラボ            GK          33歳

ハートに関するあれこれで、来る前からファンの間に複雑な感情渦巻いてしまったチリ代表の守護神。まあしかし、シティがバルサの正GKを取る時代よの。こないだのストーク戦で明らかになったように、GKからのビルドアップは攻撃だけでなく守備の策でもあるので、試合中のパフォーマンスを安定させる人材としても期待がかかる。

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13          Willy Caballero    ウィリー・カバジェロ            GK          34

サビオラロマニョーリダレッサンドロマキシ・ロドリゲスコロッチーニ、アルカといった錚々たるメンバーとともにワールドユースを制した際の正GK。シティではいまいち信用が無かったが、昨シーズンのリーグカップ決勝でPKを3本止めてヒーローに。今シーズンはハートのサブ降格に伴いまさかのスタメン抜擢と相成ったが、別にハートと比べてさほどつなげるわけではない。いい人。

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54          Angus Gunn         アンガス・ガン       GK          20

父ブライアンはノリッジの名GK、母スーザンは芸術家。15歳のときにノリッジから移ってきた。ハートの移籍によって第3GKに収まりそうだが、さすがにブラボとカバジェロ相手に出番を得られるとは期待し難く、キャリアを考えればレンタルに出してあげたい感じはある。ハートよりも足技に優れているらしく、ペップはそこら辺を評価しているという噂。

 

 

4            Vincent Kompany               ヴァンサン・コンパニ         CB          30

ハートの移籍によって(自前育成組を除けば)チーム最古参となった主将。DF課の課長。昨シーズンは試合に出ているときは良かったが、とにかく怪我に次ぐ怪我で稼働率低すぎ。課長のくせに有給消化しまくり。数年前はバカみたいな機動力とパワーでとにかく相手を捕まえて叩きのめすスタイルだったが、加齢とともに良くも悪くも落ち着きつつある。

キック力はあるが組み立てが巧いタイプとは決して言えないので、ペップ政権下でどの程度の役割を担えるのかは今後の体調と努力次第だが、コンパニの存在感が低下するというのは、寂しいけどクラブとしては健全ではあると思う。

 

 

11          Aleksandar Kolarov          アレクサンダル・コラロフ      CB/LB    30

ファンからの信頼はないが、キック力と味方の祝福力はべらぼうにあるセルビア人。それなりに古参。昨シーズンは序盤好調、からの使われすぎて勤続疲労、後半は言わばそびえたつ糞。本人には特に自覚は無く、後述する今シーズンの大変身にも「いや、おれはずっとちゃんとしてたし(別にペップが来てめっちゃ良くなったわけじゃないし)」と臆面も無く言い放ち、私を脱力させた。

今シーズンは放出候補筆頭と目され、実際にベシクタシュへの話が進んでいたらしいが、恐らくラポルトビルバオ)の獲得失敗もあって残留。CBにコンバートされ、ここまではまさかまさかの素晴らしいパフォーマンスを披露している。ボールを運びながら味方を探すのが巧く、加えてワンステップで逆サイドまでボールを届けられるということで、ビルドアップへの貢献度は高い。果たしてこの感じがシーズン終了まで続くやら。

 

 

24          John Stones         ジョン・ストーンズ             CB          22

エヴァートンから43百万ポンドとかそこらで加入。世界で2番目に高いDFとなったが、ここまではむしろ安かったな的な反応が大勢を占めている。守備も安定しているが、とにかくビルドアップが本当にお上手。直近の試合では恐らく意識的にアンカーと入れ替わって中盤でボールを捌くシーンも見られ、目新しい動きなのでちょっと注目している。

 

 

30          Nicolás Otamendi               ニコラス・オタメンディ      CB          28

加入1年目の昨シーズンは、寝ても覚めてもスライディング。ディスカバリーチャンネルのシャチ特集と見まがうばかりにのた打ち回っていたが、今年はペップの「CBがあんまりスライディングに頼るのどうかと思う」という至極真っ当な指摘によって自重中。ビルドアップはおっかなびっくりだが、力任せにぶっ叩くしかなかった昨シーズンと比べると、相当に進歩はしている。前へのボールには地上でも空中でも滅法強いので、カウンター封じには役に立つ。強面の割に、目はつぶら。南アフリカW杯のときはマラドーナが右バックで使って大失敗した。

 

 

53          Tosin Adarabioyo            トーシン・アダラバイヨ         CB          18

5歳からシティに所属している、190cm超えのイングランドU19代表。自分の名前が読みづらいことを自覚してか、Twitterの公式アカウントにわざわざ「あだ・ら・ばい・よ」と読み方を書いている、かわいいやつ。最初に見たときはあからさまにパス出しがヘッタクソだったが、その後のプレーを見る限りボールを持つのは嫌いではなさそうなので、期待したいところ。現状守備は相当に危ういが、ペップには割と期待されているらしく、CBの4~5番手としてそこそこ出番はありそう。

 

 

3            Bacary Sagna      バカリ・サニャ       RB(/CB)              33

フランス代表でレギュラーを張る右サイドバックのおじさん。安定した守備と高さ、そこそこの攻撃への貢献に加え、サバレタの衰えもあって去年はレギュラー。前線が小兵揃いのチームにあって、高さを活かして貴重なゴールキックのExit先として働く。奥さんは向こうが14歳のときからずっと付き合っているらしいが、その割にはモデルとかやってる超セクシーな美人で、見る目すごいなあんた。引退したらスカウトになったらいいと思う。

 

 

5            Pablo Zabaleta    パブロ・サバレタ    RB          31

人呼んで男サバレタコラロフの2万倍くらいファンの信頼を得ている右サイドバック。昨シーズンは相当に低調な出来で移籍が噂されてしまったが、色々あって残留。今シーズンは副キャプテンを務めつつ、昨年より元気な姿を見せているが、ドリブル対応がめっきり弱くなってしまったのは寂しい限り。インサイドでアラバロールをこなすのはそこそこ上手そう。

 

 

50          Pablo Maffeo       パブロ・マフェオ    RB          19

今年トップチームにデビューした若いスペイン人。もともとはエスパニョールの下部組織にいた。守備がとにかくキビキビとしていて、滅多なミスは犯さない雰囲気。コラロフよりよっぽど規律があった。ボールを持ったときはびびりまくっており、攻撃時の貢献はさっぱりだったが、守備が安定していそうなので使う側からすると気が楽なのではないか。

 

 

22          Gaël Clichy           ガエル・クリシ       LB          31

アーセナル時代の約10年前に1回ベストイレブンに選出。目立たないし、プレミアで最高のサイドバックかと言われるとそうでもないが、大体いつも安定したパフォーマンスを提供してくれるベテラン。アーセナル育ちの杵柄か、今年はいわゆるアラバロールに一試合目から順応しており、やったぜアーセンさすがあんたは最高だな。弱点を強いて言えば、空中戦に弱くパワーで押し込まれやすいところか。あと、ロングフィードはさほど上手くない。

 

 

69          José Ángel Tasende "Angeliño" ホセ・アンヘル・タセンデ(アンヘリーニョ) LB/LWG         19

またの名をアンジェリーノ。ガリシア人で、デポルティボのアカデミーから引き抜いた。スペイン人の若手左サイドバックと言うのはウィング崩れで攻撃大好きでなければならない、というのはEU法に定められているところであるが、彼も当然ウィング崩れで攻撃大好き。爆走兄弟パス&ゴー。まだトップでは途中出場に留まるが、ボール捌きもそれなりに自信がありそうだし、キックの精度も悪くない。アルバやベルナトのようになってくれると良いのだが。

 

6            Fernando             フェルナンド          DMF       29

ラッパーのT.I.にどことなく似ている守備型ボランチ。食いついたボールに触る能力は高く、相手がメッシでもなければある程度の対応は期待できる。反面足元は大したことが無く、大分マシにはなったものの、相手にどストライクのパスをかましてカウンターの火種になることも多々ある。ジーニョがアンカーで使われる以上、守備要員以上の起用は難しいかもしれない。

性格はいたって真面目。ひどい試合のあとでも「僕たちがんばります!」みたいなTweetを即座に上げてくれるが、空気は読めない。

 

 

25          Fernandinho        フェルナンジーニョ DMF/CMF             31

就任後のペップが真っ先に名前を挙げて褒めちぎったブラジル代表。本来はいわゆる8番的な、Box-to-Boxの動きを得意とするが、ペップ政権下ではアンカーとして登場。広いカバー範囲、攻守に役立つ近接戦闘スキルを備え、ブスケッツアロンソとはまた違ったアンカー像を見せてくれている。大体いつもニヤケ顔。こういう顔は珍しい。

 

 

75          Aleix García         アレーシュ・ガルシア            DMF       19

ビジャレアル育ちのカタルーニャ人。昨シーズンのFAカップチェルシー戦でデビュー。シンプルなプレーで組み立てに貢献するレジスタ。ペップの好みにいかにも合致しているのではないか、ということで期待は大きく、実際に今シーズンはトップチームに帯同しているようだ。出てきたときのブスケッツほど衝撃的に上手かったらいい・・・のだが、何試合か見る限り、現実はそんなに甘くないので今後の成長に期待。

 

 

8            İlkay Gündoğan   イルカイ・ギュンドアン         CMF        25

香川の元同僚としてお馴染みのトルコ系ドイツ人。年を追うごとに、トルコのオッサン丸出しの顔になっている。今シーズンから加入。長引く怪我でまだシティではプレーできていないが、まあさぞかし上手いんだろうよ。シルバへの依存がこれ以上高まらないよう、崩しに組み立てに、求められるハードルは高い。

 

 

17          Kevin De Bruyne  ケヴィン・デブライネ            CMF/AMF/WG      25

払って良かった100億円。あっという間にファンの心を掴み、Seven Nation Armyの替え歌チャントも人気が高いベルギー人。「五分のボールをとにかく自分のものにする」「トップスピードでボールを扱う」ことにかけてはシティ1。ペップ政権下では右のCMFで起用されているが、ボールをもぎ取ってからの急加速で一気に大チャンスを作ってくれるうえ、セットピースでは精度の高いボールを入れてくれるという。払って良かった100億円(大事なことなので2回言いました)

一方でエリア内に入っての得点は苦手にしており、CMFにチャンスが訪れる設計の現政権下では役割に苦しんでいる感もある。まあ贅沢な悩みではあるが。私服はダサい。

 

18          Fabian Delph       ファビアン・デルフ             CMF      26

20でリーズからヴィラに移籍。当初は使い物にならないとか何とか言われながら、辛抱強く育ててもらい、ついにキャプテン・・・になったところで思いっきり移籍した。ほんと、ごめんなさいね。

スピードと持久力があってカバーできる範囲が広く、しっかりキープできる足技と左足のミドルもあるが、如何せん稼働率が低いのが惜しいところ。CMFでレギュラーが張れるほど上手かと言われると、そこも苦しかったり。多分、ポジショニングによって相手を動かすということに慣れてないんだと思う。今シーズンはCMFの控えが中心かと思われるが、何かしら使い道が無いものだろうか。

去年、相当に天然であることが露呈。恐らく下の写真も何も考えていない。

 

 

21          David Silva          ビド・シルバ       CMF/AMF             30

日本でのシティ人気に関して確実に一端を担っているであろうチームの重鎮。現地フォーラム等でも折に触れて「シティ史上最高の選手なのでは」という話が出る。私が決めて良いんなら、まあ銅像は建てるわな。8回は建ててる。

今シーズンはAMFからCMFにコンバートされ、相手の視野のコントロールとか、相手の担当範囲を迷わせるポジショニングとか、シルバの得意範囲が存分に発揮されており、楽しいシーズンの予感。サイズこそないが、守備でも勘が良くきっちり走るので、プレッシングが整備された今シーズンは守備でも効いている。弱点はシュートが上手くないということで、体格的に強いシュートも打ちづらいし、よくフカす。まあ「北川景子は食べ方に難がある」とか、そういうレベルの難癖かもしれんが。

 

42          Yaya Touré           ヤヤ・トゥレ          CMF        33

毎年恒例「トゥレちゃん絶対やめへんで!」シリーズの収録を終え、無事残留。近年のシティのタイトルは全てヤヤトゥレ加入後であり、コンパニやシルバにも劣らない功績の持ち主なのだが、近年の怪しい態度によって自分の立場をどんどん怪しくしている。ここ2年で本当に走れなくなり、ついにはボールキープ力も失ってしまった。勘所で通すパスはトゥレにしか提供出来ない価値だが、そのために払う費用を考えると、ついに起用の収支がマイナスになってしまったように思われる。また、足元に貰ってなんぼなので、自分のポジショニングで攻撃を動かす意識が薄いところもなあ。すぐ下がって受けたがるし。恐らくはCMFの控えだが、果たしてペップはどう使うのか。

 

 

7            Raheem Sterling  ラヒーム・スターリング         WG         21

快足ウイング。リヴァプールファンのアイドル・・・という冗談を言う気にも中々なれないところがある。リヴァプール時代からどうでもいいことでめちゃくちゃなことを言われている選手だったが、シティへの移籍以降、その傾向はより顕著に。いくら代表での出来が悪かったからといって、SUN紙のヘイトキャンペーンは常軌を逸している。はあ。

nofrills.seesaa.net

その中で、本人はペップ就任以来生まれ変わったように活躍。ドリブル突破だけでなく、速い切り替え、運動量、クロスの精度などあらゆる面で向上。これであとは点が取れれば申し分ない。

http://media.gettyimages.com/photos/raheem-sterling-of-manchester-city-celebrates-scoring-the-opening-picture-id596879964?s=594x594

 

15          Jesús Navas        ヘスス・ナバス       WG         30

セビージャ時代、この人は本当にリーガの右サイドを切り裂いていたのだろうか。常に全力の清涼感溢れるプレースタイルながら、結果としては恐ろしく右サイドが膠着するという不思議な男。とにかくバタバタしてるし、相手も対応でバタバタするんだけど、遠めで見ると「ああ、やってんな」くらいの静寂さ。

まあ真面目に言えばスピードもまだ残っているし、守備にも戻るし、ドリブルの実効性やクロスの質も今年は多少マシに見える。1つのことしか出来ないが、その分パフォーマンスにムラは小さい。相手DFに対して有利に立つことは少ないが、不利になることもあまりない。ダイレクトのパスが下手なのが、ペップ政権下では惜しいところ。

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9            Nolito    ノリート  WG         29

ハリウッドのザコ悪役っぽい顔をした左ウィング。スカーレットヨハンソンにボッコボコにされてそう。黒服で。見た目はいかついが、点が入ると真っ先に若手を祝福してくれたり、根はいい人のようだ。怪物的とはとても言えないが、ペップの希望で獲った(と言われる)だけあり、攻守に休み無く働いてくれる。得点力もそこそこありそう。

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19          Leroy Sané           リロイ・ザネー       WG         20

父親は元セネガル代表、母親は新体操のロス五輪銅メダリスト。19歳でドイツ代表にデビューし、今年はEUROにも出場。スターリングに似たスピードのあるウィングだが、サイズがある(184cm)のもあり、スターリングよりは強いシュートが打てそう。ひたすら2列目を集めまくっている最近のシティだが、その中でもペップが好きそうな強くてデカくて速いアスリートなので、楽しみにしている。ヒップホップ好きそう。

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10          Sergio “Kun” Agüero         セルヒオ・アグエロ  CF       28

プレミアリーグの過去10年間で唯一、年間平均得点が25点を超える男。でもベストイレブン(Team of the Year)には選ばれたこと無し。純粋な能力としてはそれこそスアレスと並べても恥ずかしくない、と言いたいところだが、シティが世界的にはあんまり人気がないからか、ハムストリングがちょっとシャイだからか、今一つ「世界最高のFW」とは言い難い空気があるように思われる。

ワントップへの要求事項が多く厳しい今シーズン、やや動きすぎてチャンスを逸している感があるが、押しも押されぬ世界屈指のFWに向けて、更なる覚醒のシーズンを期待したい。何も、メッシになれとは言わんから。

http://media.gettyimages.com/photos/sergio-aguero-of-manchester-city-during-the-premier-league-match-picture-id589321754

 

72          Kelechi Iheanacho             ケレチ・イアナチョ  CF       19

人を呪わばイヘ穴チョ。17,8歳のときにナイジェリアから連れてきた若手FW。もともとは下がり目のフォワードだったが、シティでは徐々にワントップとして固まりつつある。

トップチームにデビューした昨シーズンは全大会通じて36試合14得点とブレイク。判断は遅いし、ボールは割と失うし、スピードはあるんだけどちょっと鈍いし、パスも出せるしドリブルもできるけどめちゃめちゃ上手いというわけでもないし、何が良いのかは今一つよくわからんが、とにかく点は取る。エリア内でフリーになるポジショニングと落ち着きは素晴らしい。まあスピードもボール扱いも身体の強さも、19歳としては十分すぎるくらいにあるけど。

 http://media.gettyimages.com/photos/kelechi-iheanacho-of-manchester-city-reacts-during-the-uefa-champions-picture-id594891176?s=594x594

ジョー・ハートに関する個人的なメモ

16/17 マンチェスター・シティ サッカー

ジョー・ハートはシティを去るらしい。

 

開幕からハートは起用されず、カバジェロがスタメンを張った。クラウディオ・ブラボは既にバルセロナのチームメイトに別れを告げ、マンチェスターで学校と家を探しているという。グアルディオラはシンプルに、その瞬間の戦力として、ベストな選考をしたと言った。幸せでないなら、移籍してもよい。残りたければ、残ってもよい。

 

 

私はハートが好きだし、出来ることなら残って欲しい。個人的に年も近いし、ハートがシティに来た頃も覚えている。ジョーが来てからの10年間(厳密には、彼がまともにシティでプレーし始めてからの9年間)、シティはずっと上り調子でやって来た。タクシン・チナワットが来て、投資が為され、夢を見た。タクシンに逮捕状が出て、はるかに金持ちの王子たちが来た。カカーの噂、引きつった笑顔のロビーニョトッテナム戦の敗北、ストークに勝ったFAカップ、「あぐえろおおおおおおおおおおお」、ベン・ワトソン、クビになったマンチョ、This Charming man、バッティングセンター、苦笑するメッシ。ハートがいた10年間は楽しいことばかりだった。シティは、全く新しいチームになり、その中心にいつもハートはいた。しかし、10年後の今、どうやらお別れのときが来たようだ。

 

ハートがシティのトップチームに本格的にデビューしたのは、2007年の秋だった。シティに加入したのはその前年の夏だったが、1年間はほとんどローンで過ごしていた。何を思ってシュルーズベリーからシティに来たのかは定かではない。もしかしたら、正GKだったジェイムズは既に30台半ばだったし、控えもパッとしなかったから、チャンスが大きいと踏んだのかもしれない。

ともかく2007/08シーズン、シティはタクシンの投資を得て、エラーノペトロフ、ジオヴァンニといったスター選手を迎え、生え抜きの若手選手がレギュラーに定着し、素晴らしいスタートを切った。前の年のシティは最低最悪のクソだったから、ことさら希望が持てた。最初の数試合はカスパー・シュマイケルがレギュラーだったが、何試合かしたあと(たしか、アーセナルとまんゆとの試合のあとだった。ニューカッスル戦だったと思う。)ハートがスタメンを任されるようになった。それ以来、1年半だけのギヴンと、わずかな期間のパンティリモンを除いて、シティのGKは常にハートのものだった。

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控え降格の話に戻る。

これは個人的な推測だが、グアルディオラはDistributionだけを理由に、ハートを入れ替えようと決意したのではないと思う。2年前、「選手名鑑」と題してブログを書いたとき、私は彼の項目に「パワーと勇気だけが友達」と冗談めかして書いた。その次の年は、「止めるしか能が無いタイプ」と書いた。彼の名誉のために言えば、ハートはそれまでのイングランドのぼんくらGKたちーロブ・グリーンとか、ポール・ロビンソンとか、クリス・カークランドとか、スコット・カーソンとかーとは違っていた。シティがそれまでに雇ったGK、ニッキー・ウィーヴァーとか、ゲールト・デヴリーガーとか、アンドレアス・イサクソンとか、その辺とも違った。そんなレベルのGKではなかった。

一方で、ハートはブッフォンでもないし、ノイアーでもなかった。ファンデルサールでもなかった。8割の名守護神と、2割の英国的間抜け野郎。ロビンソンとブッフォンの永遠の合いの子。それがハートだった。正直に言えば、この話が出て以来、ハートを「Distribution以外は世界で五指に入る」とまで評価する人間の多さに驚いた。クロスへの対応はショットストップには含めないとか、そういうことなのだろうか。

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実のところ、ジョーを本気で他の誰かに入れ替えようと決心したのはペップが初めてではない。マーク・ヒューズはシェイ・ギヴンを連れてきたし、マンチョはクビにさえならなければ、アスミル・ベゴヴィッチを獲りに行きたがっていた。ジョーはその都度、努力と幸運によってレギュラーの座を守ってきたが、グアルディオラには不十分だったようだ。

 

ただし、何もクラブ全体がハートを不要と看做しているわけではない。オーナーやチェアマンは、ハートが大好きだ。多分。チェアマンのムバラクは昨シーズンの締めのインタビューで、名指しでハートを称えた。彼らは願わくばバルサやレアルのような天下のビッグクラブにシティを育てたいと思っているから、所謂バンディエラが欲しいと思っている。きっと。ガーディアンのイアン・ハーバートが書いたように、「シティほど選手に甘いクラブは滅多にない」。だからこれは純粋にピッチ上の成績を追求する上でペップが下した判断で、かつペップに相当の権力が与えられていることの証左でもある。

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前に言ったように、ハートが去るのはさびしい。さびしいが、それはシティの応援を止める理由にはならないし、同情もしない。ハートは偉大な選手で、もしかしたら“アブダビ以降”のシティの象徴の一人だったかもしれないが、私にとっての、シティのアイデンティティではない。ていうか、アイデンティティって何だ。ハートの前にもシティはあったし、ハートの後にもシティはある。そういうことだ。私の中では。

 

私が少し気にかけているのは、シティがサッカー界のベイビーフェイスを、”オイルマネーの寵児“というイメージからの脱却を目指す上で(いや、笑いたくなるのはわかるが、もう少し我慢頂きたい)、このことがマイナスに働き過ぎないかということだった。功労者を切り捨てる、節操の無いクラブ。これだから成金は。みたいな。そういう話。

確かにそういう言い方もできるだろう。しかし結局のところ、どれほどの功績があり、そしてシティに歴史と伝統とやらが無かったとしても、ピッチ内の起用を歪ませるほどの温情をかけられるに値する選手など、いるべきではないのだ。功労者への決まり文句、”リスペクトを示せ”というのは、要するに、こういうことではないか。ピッチ上の成績を最大化するミッションを負って雇われた監督がいて、彼は自らがよりベターと信じるサッカーのために、よりベターと信じる選手を獲りたがっている。そしてその選択肢は、望めば手に入る。その状況において、ベターではないと評価する選手を、ピッチ外の事象―ファンの人気とか、ロッカールームでの発言力とか―のために、使うことを余儀なくされる。つまり妥協せよと迫る。

あるいは例えば1年間、半年間様子を見てみようと。それだけの貢献をしたはずだと。それもまた同じことだ。過去の貢献は、ベターではないと信じる選択肢をとることに勝る価値なのか。私にはそれは承服し難い。リスペクトを示すというのなら、恐らくそれはあくまでピッチ上のみの基準でもってサブ降格を告げ、そのあとは本人の希望に任せることだ。(だから今一部で報道されているように、クラブがローンを嫌がって、少しでも高く売りつけようとしているのが本当なら、それには反対する)

 

もちろんこれは属人的な問題で、例えばポール・ハートがやってきて、「私のサッカーには合わないから、ハートは使わない」と言ったらどうだろうか。ロイ・ホジソンでもいい。「一昨日きやがれこのハゲ」と私は思う。ペップほどの実績を持つ監督だから、納得しうる。 

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8月の31日以降、ハートがどこで過ごすのかはわからない。エバートンかもしれないし、遠くアンダルシアかもしれない。もしかしたらシティに残るのかもしれないが、それは恐らくベンチかスタンドなのだろう。ハートが正GKであったならどんなに良いことだろう。仮にペップの元でCL制覇を果たせたとして、そのチームのゴールマウスにいるのがハートだったら、どんなに嬉しいだろう。しかし、残念なことだが、私にはどうしようもない。

 

さらばだジョー、愛してるぜ。願わくば、シティを嫌いにならないでくれ。


Hart, Milner & Wright Meet Baseball Legend Bautista

 

 

ニワカと学ぶリオ五輪ロードレース プレビュウ

サイクルロードレース

http://media.gettyimages.com/photos/silver-medallist-rigoberto-uran-uran-of-colombia-gold-medallist-of-picture-id149443373

 

A:優勝候補筆頭

B:優勝の可能性は十分あり

C:展開によってはワンチャン

D:どこかで目立てれば

E:それ以外

 

 

オリンピックは国によって出場できる選手数が違う上、最大でも1チーム5人なので、カオスになりやすい。1チーム9人くらいいると、アシストを使い捨てながら展開をコントロールできるのだが。

さらに、今回は石畳あり山ありの相当厳しいコースだということで、普段ならワンデーレースにあまり出場しない、いわゆる総合系(ツールドフランスで総合優勝を狙うような、長期間の負荷に耐えられ、山岳もこなせるが、単発のアタック力には欠ける選手たち)が多数出場。

その辺り、総合系が勝つのか、瞬発力に長けたワンデーレーサー、いわゆるクラシックハンターが勝つのか、予想が付け難い。

 

 

■スペイン:A

バルベルデ、ロドリゲスの2枚看板で優勝候補筆頭。懸念は過去にもガバガバっぷりを見せてきたチーム内の連携。というか序列か。素直にバルベルデさんエースでまとまれば良いが、ロドリゲスも引退レースなので、また静かに揉めてそうな気がする。

 

アレハンドロ・バルベルデ

負けざる男は勝てざる男。どんなレースでも上位に絡むが、大一番では決め手に欠ける愛らしい36歳。世界選手権で表彰台6回ながら優勝は1回もない。まあビッグタイトルいっぱい取ってはいるんですけど。今回の山岳寄りワンデーというコース設定は、「どんなクライマーよりもスプリントが速く、どんなスプリンターより登れる」バルベルデさんにとってはお誂え向きなのだが。

 

ホアキン・ロドリゲス

日本で大人気。カタルーニャ人なのでホントは、と言うか地元ではジョアキンと呼ばれているはずだが、ホアキンで定着してしまった。引退レースだが、調子が良ければ十分狙えるはず。

 

ヨン・イサギーレ

TTも山もそこそこ強い万能型。バルベルデさんの子分1号。

 

ホナタン・カストロビエホ

元スペインのTT王者。平地の風除け担当。

 

イマノル・エルビティ

スペイン人には珍しい、石畳大好きの巨漢。風除け担当その2。

 

 

■イタリア:A

総合系としては相当にワンデーに強いニバリがエース。リオに向けてツールを調整に使っていたとかいないとか言う噂。スプリントでは勝ち目が無いので、登り・下りで仕掛けてくると思われる。

ヴィンチェンツォ・ニバリ

昔柳沢がいたメッシーナ辺りの出身。グランツールを全て制した大物だが、ワンデーも結構強い。下りが世界屈指、と言われていたが最近はちょっと鈍った気もする。

 

ファビオ・アル

ブエルタ王者。先日のツールでは最終日に大ブレーキしてしまったが、イタリアの次代を担う男。ワンデーはあんまり強くないので、多分アシスト。走り方がやたらとうるさい。走り方にうるさいもクソも無いと思われるだろうが、まあ奥さん1回見て御覧なさいよ。

 

ディエゴ・ローザ

ニバリ、アルの忠実なアシスト。山に強い。

 

ダミアーノ・カルーゾ

ジロ、ブエルタでトップ10に入ったことがある万能型。シチリア人。

 

アレッサンドロ・デ・マルキ

逃げのスペシャリスト。多分今回も逃げグループに入ってニバリたちのためにコントロールする役割。

 

 

■コロンビア:B

近頃グランツールを席巻するコロンビア。クライマーばかりなのでワンデーレースは得意とは言い難いが、今回はド本気のメンバーを送り込んできた。全員小さくて軽いので、平地・石畳をクリアできるかが優勝争いに絡む分岐点。

 

エステバン・チャベス

ジロ総合2位、ブエルタ5位のクライマー。顔が幼い。

 

リゴベルト・ウラン

ジロ総合2位が2回。現在の第3次コロンビア旋風の端緒となる活躍で、国では相当の人気らしいが、ここ2年はさっぱり。登山部みたいな今回のメンバーの中では、平地にも強いほう。4.5頭身くらい。

 

セルヒオ・エナオ

日本では通称エナオモントーヤ。フルームの忠実なる護衛。安定して登れるが、決め手には欠ける印象。

 

ミゲル・アンヘル・ロペス

自転車選手としては相当若い22歳だが、ツールドスイスという相当名のあるレースで優勝。例によってクライマー。もうお前らワンダーフォーゲルに出たほうが良いかも知れん。

 

ハルリンソン・パンターノ

今年のツールドフランスで大ブレイク。コロンビア人としては珍しく、下り坂がめっちゃ速い。優勝は難しいだろうが、展開によっては結構目立ちそう。

 

 

■イギリス:B

ツール王者フルームが参戦。スペインと違って結束の固さが売り。あまりワンデーレースで実績のある選手はいないが、今回はコースがコースなので十分チャンスはある。

 

クリス・フルーム

強すぎてツールがつまらんという苦情が出ているかわいそうな王者。登り、下り、平地と満遍なく強いが、険しい山じゃないとアタックできないのは痛いかもしれない。

 

ゲラント・トーマス

ウェールズ人。相当なアーセナルファン。フルームの第一護衛を務めるレベルで登れる上、フルームよりも石畳に強く、ワンデーの実績もあるので、今回はエースの可能性あり。優勝候補の一人。

 

アダム・イェーツ

今年のツール4位の新星。サイモンという双子の兄弟がいる。

 

スティーヴン・カミングス

男一匹35歳、世界屈指の逃げの名手。高出力を長時間維持することに長け、タイミングを見計らったアタックも得意。天地がひっくり返っても優勝はしないが、イギリス優勝のためには欠かせない。

 

イアン・スタナード

ド根性平地鬼引きおじさん。ひたすら風除け。鼻息に注目。

 

 

■オランダ:B

高地が無いくせにクライマーばっかり輩出する変な国。グランツールでトップ10は入るけど、表彰台には上れないくらいの絶妙な「実力者」を排することにかけては右に出るものなし。勝負弱さではサッカーの代表と良い勝負。勝負だけに。

 

トム・ドゥムラン

なすび似。去年のブエルタでギリギリまで1位だったのに、最後の1日で6位まで落ちた悲運の男。タイムトライアルでは優勝候補筆頭だが、ロードも結構いける。

 

ボウケ・モレマ

今年のツールでギリギリまで2位だったのに、最後の2日間で11位まで落ちた悲運の男。調子は良さそうなので、メダル狙えることは狙えると思う。

 

スティーヴン・クライシュヴァイク

今年のジロでギリギリまで1位だったのに、最後の2日で4位まで落ちた悲運の男。肩幅が驚異的に広い。名前の読み方が多種多彩。

 

ワウト・プールス

スカイでフルームのアシストを務めるひょろ長い男。今年リエージュ~バストーニュ~リエージュという名のあるレースを勝っており、一番勝負強いかもしれない。

 

 

■フランス:B

数年前まで暗黒期だった大国。若くてキラキラした登れるアタッカーを揃えて、今回は割とチャンスありそう。

 

ジュリアン・アラフィリップ

実力的には多分世界屈指のパンチャーなのだが、そろそろ大きなタイトルがほしい24歳。顎が細い。

 

ロメン・バルデ

今年のツール2位。フランスの期待を一身に背負う。他にも背負っているやつはいたが、なかったことにされた。山岳では鋭いアタックを見せるので、平地や下りで遅れなければチャンスあり。顎が細い。

 

 

■ベルギー:C

ワンデーレースに血脈を上げる自転車狂いの国。おかげで本格的に山が登れる選手が少ないが、今回は山がちなコースになってしまった。誇りをかけて賑やかしには来るだろうが、ちょっと苦しいかも。そういえば自転車はフランドルとワロンの争いは無いのだろうか。ジルベール以外はフランドル人だが・・・。

 

グレフ・ヴァンアーヴェルマート

通称GVA。去年の世界ランキング(ポイント)で8位。パワーがあって石畳に強く、スプリントも出来てそこそこ登れるので、最終盤まで残れば優勝候補。残れるかどうかが怪しいが。

 

フィリップ・ジルベール

かつて世界を席巻したパンチャー。GVAよりはパワーに欠ける分、激坂対応では勝る。最近はさすがにちょっと衰えたので、今回は難しそう。

 

ティム・ウェレンス

坊ちゃん顔。近年成長著しく、今回のメンバーの中では山にもそこそこ対応する方。アタックの力もあるので、ワンチャンあるかも。

 

セルジュ・パウエルス

ベルギーには珍しいクライマー。実はエースかもしれない。

 

 

ポーランド:C

元世界王者クフャトコフスキと、ツール山岳賞のマイカを揃える強力布陣。クフャトコフスキには少々登りがつらく、マイカは平地で置いていかれそうな気がするが、優勝もありえなくはないくらいの実力はある。

 

 

アイルランド:C

パンチャー/クライマーとしては世界屈指のダン・マーティンと、グランツールのトップ10経験者のロッシュの従兄弟コンビで参戦。2人以外に世界的な実力者がいないのがもったいないが、展開によってはチャンスあり。

 

 

■オーストラリア:D

今年のツールで5位、総合系の実力者リッチー・ポートがエースだが、他に登れる選手がいないので、優勝争いは恐らくチャンスなし。

 

 

ポルトガル:D

2013年の世界王者、ルイコスタ別人がエース。まあ他、1人しかいないが。ルイコスタはそこそこ登れてアタックも出来るが、さすがに2人では厳しいか。

 

 

南アフリカ:D

ツールトップ10のクライマー、マインティーズを、頼れるベテラン、インピーが支えるコンビ。インピーは平地型だが、山でも結構持つ。マインティーズも最終盤まで保たせるタイプなので、メダル争いに絡む可能性もある。

 

■それ以外:E 

ツールドフランス2016 第10日まで  

サイクルロードレース

http://images.cyclingtips.com/content/uploads/2016/07/CORVOS_00026811-131.jpg

http://cyclingtips.com/2016/07/photo-gallery-2016-tour-de-france-stage-9/

 

 

■SKY

今年もスカイ登山鉄道は安定の定時運行。ピレネーに入ってからこっち、我々はキリエンカと延々睨めっこを余儀なくされていて、あの顔は好きだが少々飽きた。ポートというスーパーアシストが抜けても、隅から隅まで弱点が無い盤石のアシスト陣がいて、フルームは下り形態への進化を身につけさらにキモくなり、これで来年はクライシュヴァイクも買うとか、お前たちはもう本当にもう。山岳でのキンタナにビビっているのは確かだろうが、それでも山岳終盤はスカイ+その他チームのエース勢、という状態ではその刃もフルームまで届くや否や。

 

■Movistar

昨年は「1に落ち着くこと、2に落ち着くこと」を戦術に掲げていたら、気づけば時間切れだったバルベルデと愉快な仲間たち。昨年の反省を踏まえて今年の戦術は「さらに落ち着くこと」。

キンタナ村長はひたすらフルームのケツにロックオン。ついにはVeloNewsに「なんでキンタナはアタックせえへんかってん」という記事が出てしまった。第3週の追い上げでなんとかなると見込んでいるのか。TTを踏まえれば今の差が1分程度まで広がるのはほぼ確実だと思われるが、果たして村長に足は残っているのか。とりあえずバルベルデさんは楽しそうではある。

 

■Astana

「あの、ちょっといいですか、大佐。ちょっと相談が。え?あ、はい、同志。同志大佐。同志大佐であります。すんません。え?ああそう、ツールのことですけど。ツール。いや、何の話じゃないですよ。僕がエースだって言ったじゃないですか。去年のご褒美だって。あの眉毛もいなくなったし。なのになんであの人出るんですか。え?ジロ?いや、だからジロ勝ったから終わりでいいじゃないですか!オリンピックも出るんでしょあの人!?え?アシストに専念?いや絶対嘘ですよ!!あの人そんな人じゃないじゃないですか!わかってるでしょ!!絶対狙ってますって!こないだからみんな口きいてくんないんですもん!ディエゴだけじゃないですか僕の味方!!あ、ちょっと待ってまだ終わってないですって!ちょっと!」

 

・・・・・・

 

「ええ、はい。言いましたよ。はい。アシストに専念してくださいねって。僕エースですからねって。言いました。言いましたけど。だからって山の初日で、ねえ。8分遅れるって、嘘でしょ。あ、ちょっと!まだですって!まだ!!だって8分ですよ!え?なに?疲れてた?いや、そうかも知れませんけど、それにしたって8分はないでしょ。絶対やる気なかったでしょ。アシストもクソも、もう圏外じゃないですか。仕掛けたって相手にしてもらえないでしょ。スカイの列車も通常運行でしょ。定刻通り到着しておりますっつって。白線の内側までお下がりくださーいフルーム参りまーすって。一生一緒にキリエンカじゃないですか。も~・・・」

 

 

という。

 

■Tinkoff

コンタドール無念のリタイヤ。それにしてもアクシデントは不運ではあったが、キシェロヴスキは思った通りほとんど役に立たず、マイカはよくわからない動き、頼りのクロイツィゲルも裏切り疑惑という中では、万全だったとしても厳しかったかも知れない。一応サガンは1回勝ったし、マイヨヴェールは問題なく獲れそうだし、ジャージが2つ取れれば一定の満足ではある。トザットとか、サガンのアシストに徹する方がむしろ向いている。 

しかしサガンという男は、ピュアスプリントでは勝ち目が薄いということをしっかり自覚していて、常にチャンスを窺っている男ですな。

 

AG2R

ピノよりよっぽど頼りになったバルデは44秒遅れの7位。アシスト力は大したことないが、TTが乗り越えられれば総合トップ5が見えてくる。

 

■LottNL-Jumbo

ケルデルマンは総合で5分遅れの20位台、フルーネヴェーヘンは積極的に勝負に絡むも巨星たちの壁は厚く。若手の育成と位置付けたツールなので予定通りといえば予定通りだが。ヴァンマルクはどっかで仕掛けてほしいところ。

 

Trek-Segafredo

モレマはこっそり44秒遅れの6位。シュレックスベルディア、ステティナと山岳アシストがそれなりに揃っていて、かつ平地組もカンチェがシュタイヴェン、テューンスを率いる充実布陣なので、今年もトップ10には食い込めそうな気がする。テューンスは何かのラッキーがあれば1回スプリントで勝てそう。

 

■IAM

マティアス・フランクは12分遅れの25位と苦戦中。ハワードが逃げたり、ナーセンが敢闘賞をもらったり、ホルストエンゲルが踊ったり、パンターノが傘さしたり、最後なので色々と頑張っているのは好感が持てる。もう何でもアリみたいになってきてはいるが。

 

■Cannondale-Drapac

開幕直前にドラパックがスポンサーに参加。ドラえもん感があってよろしい。「あ~・・・ローランが遅れていきます・・・」という実況以外は全く記憶にないが。そのローランは4分遅れの17位。何とかトップ10戦線に踏みとどまりたい。進化したという噂だけが聞こえるTTはいかに。たぶん、だめ。

 

■BMC Racing

リッチーには何か疫病神でもついているのだろうか。勝負では全然遅れてないのに、パンクで2分10秒のビハインド。たぶんTJはほくそ笑んでいた。しかしTJも山岳で若干遅れ気味で、どうやらエースはリッチーということで片付いた模様。ヴァンアーヴェルマートがマイヨジョーヌを着れたのは1つの成功だが、来年以降も見据えて、フルームを何とか脅かしたい。というか、お前らがやらなかったら今年もスカイおめでとうモードの後半になってしまうが。

 

■Dimension Data

やったぜ愉快なカヴ一家。復活のスプリント3勝に、カミングス叔父さん熟練の逃げですでに4勝。もう帰ってもいいでしょ。ぶっちゃけ。その他、今年のテクレハイマノットは山岳賞を放棄した代わりに集団コントロールの術を身につけた模様。ボアッソンハーゲンも安定して勝負に絡んでおり、レンショウの離脱は痛いが、もう1つか2つ勝てるかもしれない。ちなみに山岳ではアイゼル母さんが必死にカヴのお世話をしていた。たぶん割烹着も来てた。

 

■Giant-Alpecin

バルギルが総合2分50秒遅れの15位。イェーツには勝ちたいよね。デゲンコルプは相当厳しいようで今回スプリント勝利は期待できなさそうだが、ドゥムランがクイーンステージを勝ったことで恰好はついた。

 

■FDJ

レースとは難しいものでございますな。ピノやん、山岳初日にて総合の夢、終了。もう、なんかいつ見ても遅れている。とりあえず山岳賞に切り替えはしたが、マイカも狙ってくるし。

 

■Bora-Argon 18

初日にフォスが山岳賞を着たことで、とりあえずひと目立ち。期待のベネットは未だ勝負に絡めていない。あと、逃げ屋のバルタさんは、残念でしたね。新城のやつね。

 

■Katusha

ホアキン、今年は37秒遅れの5位と奮闘。クリストフは全く勝てそうな感じがしないが。

 

■Lampre-Merida

乏しいアシストの中、マインティーズは55秒遅れと奮闘。ルイ・コスタもステージ勝利に向けて惜しいところまでは戦っているということで、まあ上々。

 

Lotto-Soudal

デヘントが山岳賞争いで頑張るも、エースゴリラはとことん不発。隅っこの方で「ウホ・・・」っていじけてる姿しか見てない。ロットというのは、1人1人のタレントでは劣っても、誰が出ても落ちない、どんな時も安定、という信頼性が売りなわけだが、ゴリラがこのオランウータンっぷりでは画竜点睛。

 

■Direct Energie

社長の社長プレイは相変わらず飯が食える芸だった。コカールはキッテルに勝ちかけ、「俺ももう世界のトップじゃね?」と言い出すも、次のステージは全然絡めず。まあ、まだ若いからね。

 

■Etixx Quick-Step

キッテル、アラフィリップは常に勝利に絡むも、未だキッテルの1勝のみ。今ひとつ消化不良。ヴァコッチ、リチェセ、ヴェルモトら一人一人は強力なシーンを見せているのだが、スプリント前は大体揉めているというか、混乱している。

一方、特に力を入れてないと思われた総合はダン・マーティンが3位と絶好調。これはもしかしてもしかするのか。マルティンが山のアシスト1番手とか、その陣容で何とかなるのか。

 

■Cofidis

ブアニが余りにもブアニらしい理由で欠席。何しに行くのかと思ったが、一応山岳のナバーロ、スプリントのラポルトがそれなりに頑張ってはいる。キャラ立ちのためには、もう少しこう、頭突きとか、サグいところを見せ付けてから帰ってはどうだろうか。スポンサーもほら、消費者金融だし。むしろ回収率上がったりするんではないの。

 

■Orica-BikeExchange

イェーツ驚異の2位に、マシューズちゃんがようやく1勝。山岳アシストの不在は懸念だが、平地はヘイマン、ジェランズ、インピーと頼れるおじさんが揃っており、イェーツはひょっとするとひょっとするかもしれない。

 

■Fortuneo-Vital Concept

ドゥラプラス、フォンセカが序盤の逃げで目立ったが、最大の驚きはスプリンターのマクレイ。スプリントステージでほぼ毎回上位に入っており、まだ若いのでこの後スターになれるかも。フォンセカはしかし、200kmくらい一人で逃げた挙句、社長に敢闘賞を持って行かれたのは余りにもかわいそうだった。

 

ニワカと学ぶツールドフランス2016 vol.3

サイクルロードレース

総合トップ5(+ステージ勝利狙い)

総合上位を狙う中でも、トップ5が射程圏内、もしかしたら表彰台も、という面々。ポートとヴァンガーデレンを擁するBMC、ピノがそろそろ一皮剥けたいFDJ、バルデに賭けるAG2Rホアキンとザカーリンを揃えてきたカチューシャ辺りが当てはまるだろうか。ただし、優勝が現実的な目標かと言われると難しいので、カチューシャのようにスプリントチームも抱えていたり、状況によってはステージ狙いに切り替える可能性もある。

 

■BMC Racing ビーエムシー

ファンタスティック4への挑戦者筆頭。ヴァンガーデレンとポートという勝負弱い2枚看板を揃えて事前の評価も高く、コケる前振りは順調に進んでいる。ステージが狙えるデニスとヴァンアーヴェルマートも入れといて、序盤で遅れてからステージ狙い切り替えが目に見えるよう。

 

リッチー・ポート:オールラウンダー

もともとスカイでフルームのアシストだったが、エースとして勝負したいとのことで今年移籍。アシストとしては業界最強クラスに頼れるが、エースになると絶対どこかで体調を崩す脆さが特徴。

 

ティージェイ・ヴァンガーデレン:オールラウンダー

去年のツールで途中まで3位につけながら、体調不良でリタイア。リベンジを期したブエルタも骨折でリタイア。無事にゴールまで行ければトップ5は十分狙える実力者だが、今年は同じく波がある上に実力的にも大差ないポートが入ってきてしまい、どっちがエースで行くやら、観てる方の心労が絶えない。

 

ローハン・デニス:TTスペシャリスト

去年のツールTTステージで優勝。エース2人の平地アシスト。行く行くは総合系に転身するとも言われているが、2歳上にヴァンガーデレンがいる状況では厳しいかも。オーストラリア人なので、オリカに行った方が良かったりしてね。今年どこまで登れるかが気になる。

 

グレッグ・ヴァンアーヴェルマート:パンチャー

遅咲きながら去年はツールのステージ1勝、パリ~ルーベとフランドルで3位と爆発。今や石畳走る系のレースでは世界屈指のベルギー人。ツールだとステージ優勝狙いである程度自由にやらせてもらえるのではなかろうか。

 

 

■Katusha カチューシャ

旧ソ名物薬物不正でポコポコ人が抜けるロシアの強豪。山でもスプリントでも勝利を稼げるタレントを豊富に抱えるが、ツール総合優勝や3位以内を本気で狙っていくかというと少々厳しい。恐らくステージ狙いに絞るのではなかろうか。山でも平地でも、ステージ後半になるとKのだっさいジャージでぶいぶい言わせてくるはず。 

 

ホアキン・ロドリゲス:パンチャー/クライマー

日本でも人気の激坂登りおじさん。グランツール計14勝に、トップ3が3回、トップ5が8回の名手だが、優勝だけはどうやっても手が届かない切なさ。去年は開き直ってステージ勝利に絞って2勝。今年はオリンピックもあるので多分ステージ狙い。

 

イルヌール・ザカーリン:オールラウンダー

ここ2年で一気にロシア最強の選手に成長。今年のジロでもトップ5が狙えそうな位置に着けていたが、雪山の下りで大クラッシュしてリタイア。死ななくて良かった。総合でもトップ10は狙える選手だと思うが、多分今回はホアキンのアシストをしつつ運が良ければステージ、というツールになりそう。

 

ユルゲン・ヴァンデンブルック:オールラウンダー

国民の99.8%が自転車乗りだがその99.9%は平地か坂専門という国、ベルギーでは相当に希少種のオールラウンダー。かつてツールの4位が2回だが、その後はひたすら低迷している。今年はカチューシャ移籍1年目ということで、たぶん激坂おじさんのアシスト。

 

アレクサンデル・クリストフ:スプリンター

ミラノ~サンレモ、フランドルという世界5大ワンデーの2つを制したノルウェー人。スプリンターとしてはそこそこ登れて、アシストが無くても戦えるタフなタイプ。キッテル、グライペルら純正スプリンターと比べると真っ向勝負では少々分が悪いが、アシストをフル活用してステージを狙うはず。

 

マルコ・ハラー:スプリンター

ミカエル・モルコフ:スプリンター

ヤコポ・グアルニエーリ:スプリンター

クリストフのアシストを務めるスプリンタートリオ。3人ともまあ、そこそこの実力者。エースと同じく、ド平地よりはちょっとトリッキーなコースの方が強い。

 

 

■FDJ エフデジ

フランス国民の期待を背負う男、ピノがエース。チーム全体がピノのアシストに向けて組まれているため、それ以外はあんまりステージが狙えそうな選手がいない。去年は山に到達する前にチャンスを失ったが、今年はチーム全体が謎の最新トレーニングで大幅にTT力アップしたという噂。何そのパワプロみたいなイベント。

 

ティボー・ピノ:オールラウンダー

2014年ツール3位。フルームら優勝候補が揃って負傷リタイアした結果だったとはいえ、フランス待望のツール優勝候補がついに現れたか、と思いきや去年は序盤から思いっきり遅れてしまった悩める男。登りの力は確かなのだが、調子の波が激しいのと、下り恐怖症が大きな足かせ。

去年までは登れるだけのクライマーだったが、今年は年初からTTがバカ強くなっており、この力がツールでも維持できるなら本当に表彰台が見えてくるかも。勝負弱さを克服できるか。

 

スティーヴ・モラビト:クライマー

BMC時代、カデル・エヴァンズのツール制覇に貢献した(らしい)スイス人のおっさん。スカイ等々ビッグ4のアシストと比べると心もとないが、山でピノを支える。

 

バスティアン・ライヒェンバッハ:クライマー

こちらもスイス人。割と登れる。去年は弱小IAMでエースを張ったりしていたので、まあそこそこの実力。

 

アルチュール・ヴィショ:パンチャー

現フランスチャンピオン。過去にドーフィネで1勝、パリ~ニースで1勝&総合3位に入っており、割と力はある。状況によっては逃げたりアタックしたりでステージを狙いに行きそう。

 

 

AG2R La Mondiale アージェードゥーゼル

伝統的にグランツールや起伏系レースに力を入れる、フランスの保険・年金共済組合。エースのバルデの成長とともに、いつかはグランツール制覇の夢を抱くが、今年も夢は遠そう。総合トップ5を目指すバルデをポッツォヴィーヴォが支えつつ、ヴュイエルモーズ、グジャール、ゴチエ辺りでステージ狙いか。ジャージがチョコミントっぽくてかわいい。 

http://media.gettyimages.com/photos/cycling-103th-tour-de-france-2016-stage-3-romain-bardet-alexis-team-picture-id544861094

ロマン・バルデ:クライマー

ツールでは2014年に6位、昨年9位。体重が軽いので、長時間高出力が要求される長い山脈よりは、どっちかというと激坂登りの方が得意そう。見るからに優男の見かけどおり、割と良いところで遅れるのがかわいいところ。AG2Rは全体的にかわいい。

 

ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ:クライマー

トッポジージョっぽい名前が特徴の小さいおっさん。これまでグランツールでトップ10が5回と結構大物。ちっちゃいのに大物。かわいい。今年はジロで不調に終わり、ツールはバルデのアシストに回る。

 

アレクシー・ヴュイエルモーズ:パンチャー

昨年ツールで1勝。もう28だが、近年注目されているパンチャー。激坂に強い。今回はちょいちょいステージ勝利を狙っていくものと思われる。あだ名はピカチュウ。いやほんとに。

 

アレクシー・グジャール:ルーラー       

TTが強くて独走力があるということで、こちらも注目されている、フランス人の若手。注目されているフランス人の若手と言うことはすなわち、ひ弱な印象ということである。多分ステージ狙いでいろいろ仕掛ける役。

 

 

Trek-Segafredo レックセガフレード

自転車メーカーのトレックと、カフェチェーンでおなじみのセガフレードがスポンサー。今年は全体的にカンチェさよなら祭りの1年だが、カンチェ以外も年寄りばかりというか、お前らこそ来年引退じゃねえのかという面子。良く言えば経験豊富ではあるが。経験ばっかりあってもなあ。

エース、モレマの総合5位と、シュタイヴェンの逃げ、あと運が良ければカンチェでTT狙いといったところか。 

ボウケ・モレマ:クライマー

グランツールのトップ10が4回、去年は7位に入っているのに、どうにも影が薄いオランダ人。途中までめっちゃ強かったけど崩れた、とかじゃなくて、大体ぼやっとした順位で終始しているせいかもしれない。今年くらいはステージ優勝したいところだが、アシストのオッサンどもが頼りになるやらならんやら。

 

ファビアン・カンチェッラーラ:TTスペシャリスト/ルーラー

稀代のカリスマ、ついに引退。春のクラシックシーズンは本当に引退かという強さを見せていた。昔ほどTTは強くなくなったのでステージは厳しそうだが、まあ、もうカンチェレベルになると、存在感が大事なのだ。

 

フランク・シュレック:クライマー

かつて弟アンディとともに一世を風靡したルクセンブルクの優男。ツールで3位が1回、4位が2回だが、それももはや過去の栄光。近年はドーピング違反とか怪我とか色々と右肩下がっていたが、去年ブエルタで復活の一勝。モレマをアシスト・・・できるんですよね?

 

アイマル・スベルディア:クライマー

今は亡きバスクチーム、エウスカルテル出身。ツールのトップ10に入ること5回、最高4位の大物クライマーだが、さすがに39歳もう苦しい。さすがに実力者ではあるので、なんとかモレマをアシストしたいのだが。後半はステージ狙ったりするかも。

 

ピーター・ステティナ:クライマー

今年加入したコロラド生まれの若手。といってももう28だが。モレマに次ぐエース格・・・っぽい扱いなので、期待はされているようだ。

 

ヤスパー・シュタイヴェン:スプリンター/パンチャー

またの名をストゥイフェンとかストゥイヴェンとか。今(ツール3日目)でまさに山岳賞着てます。まだ24歳、去年のブエルタでステージ1勝、今年はE3で5位だったりクールネで優勝したり、そこそこのワンデーレースなら十分勝てる力を既に持つ。多分この後も逃げて頑張る担当。

 

エドワード・テューンス:パンチャー

シュタイヴェンがスプリントエースかと思ったが、どうやらテューンスでいくのね。パンチャーと言いながらも、石畳系ワンデーにも対応でき、スプリントもそこそこいけるタフなタイプ。器用貧乏とも言うが。今年はベルギー1周で1勝、スヘルデプライス4位、ドワールス3位と、シュタイヴェンと同じくそれなりのワンデーで結果を残している。