マンチェスター・シティがよく分からない人向けの2018/19選手名鑑 (後編)

MF

18 フェイビアン・デルフ Fabian DELPH***

 左利きの守備的MF。シティに加入して2年、去年の夏まではさっぱり存在感がなかったが、メンディ不在で左サイドバックにコンバートされ、一気にレギュラー格まで昇格した。

 もともとキープ力には定評があったが、中央に絞ってきて組み立てに絡むというシティのSB特有の役割が能力にハマっており、大概のプレスは剥がせてしまう。ボケっとした顔の割に、声が低かったり、売られた喧嘩は買うタイプだったりして、意外と怖い。 

https://media.gettyimages.com/photos/manchester-citys-fabian-delph-during-training-at-manchester-city-on-picture-id1012029862

 

25 フェルナンジーニョ FERNANDINHO

 安心安全、潰しもできればパスも捌ける上、ドリブルで持ち上がったり裏に抜け出したり、更には空中戦も強いという万能ボランチ。表情を変えずに小汚いファウルを犯すところはサイコパス感があってよろしい。

 昨年はアンカーとして不動の地位を築いた。W杯ブラジル大会では1-7の惨殺時に致命的なミスを犯してしまったが、ロシアでもオウンゴールで戦犯扱いと、ブラジル代表では不運なことばっかり起こっている。嫌なことは忘れて、シティライフを楽しんでほしい。

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8 イルカイ・ギュンドアン İlkay GÜNDOĞAN

 ゴール前への突撃大好きドイツ人。基本的にはセントラル・ミッドフィールダー(CMF)。W杯前にはエジルとともにエルドアンに会って物議を醸したが、その話はここでは止めておきたい。今一つ日本のネット上ではシティファンの信頼を得られていない気配があり、それは何故かと1ヶ月ばかり考えていたが、恐らく責任感が無いんですね。この人は。無いように見える。フラフラ前に行く感じとか、中盤の底なのに割と粘りが効かないところとか。まあそれは、今調べたところでは@atosannがずっと前から指摘していたことではあるんですが。

  基本的には6番サードぐらいの立ち位置。上手いんだけどさ。打率は2割5分だが、本塁打は下手すると15,6本打つ。今年はアンカーが獲れなかったということで、フェルナンジーニョの控えとしてそのポジションでも出番が増えそうな気配。それは大丈夫なんだろうか。

https://media.gettyimages.com/photos/manchester-citys-ilkay-gundogan-helps-up-a-dejected-antonio-rudiger-picture-id1011841854

 

17 ケヴィン・デ・ブライネ Kevin De BRUYNE

 今やシティの看板となったベルギー代表MF。シティでは4-3-3の右CMFを担当。ベルギー代表でもさんざスター扱いされていたが、シティでのデ・ブライネはあの3倍凄いので、W杯で興味を持った方にはぜひご注目いただきたいところ。もはや、カカーとベッカムを足して割らないと言ってもさして過言ではあるまい。強い心に丈夫な身体、ダサい私服で、コンパニ後のキャプテン就任の可能性も高い。

https://media.gettyimages.com/photos/kevin-de-bruyne-of-manchester-city-arrives-at-the-stadium-prior-to-picture-id1011379248

 

21 ダビ・シルバ David SILVA

 コンパニ、アグエロと並ぶ、スキンヘッドに髭が目印のシティの重鎮。最強時代のスペインの主力でもあり、W杯が1回にEUROも2回獲っている。割には地味ですよね。日本だと特にね。シティという新興クラブに長らく在籍していることと、極端にメディア露出しない性格ゆえであろう。トータルの貢献度で考えれば、2010年代のプレミアで最高のMFではないだろうか。異論はあるでしょうけど。

 とにかくあらゆることに失敗しないので、私含むシティファンはシルバに盤石の信頼を置いていると思う。どんなに酷い試合でもシルバがいれば試合になる。そんなシティのビッグマザー。

 近年は4-3-3のCMFを担当。キープしてよし、突破してよし、スルーパス出してよし、囮になるのもお手の物。何年かした、ぜひヴィッセルにはシルバを買ってもらいたいものである。唯一の弱点は、まず間違いなく入らない割にはそこそこ打ちたがるミドルシュート

https://media.gettyimages.com/photos/david-silva-of-manchester-city-celebrates-after-the-premier-league-picture-id955339518

 

35 オレクサンドル・ジンチェンコ Oleksandr ZINCHENKO

 ウクライナの天才児。本職は攻撃的MFだが、昨季はメンディの怪我で左サイドバックに抜擢され、デルフの控えとしてちょこちょこと試合に出場。柔らかいパス出しとガバガバな後背地の防御を披露した。ボールタッチが安定しているので、今シーズンの練習試合で起用されたアンカーでも及第点のプレー。ウクライナの大事なお宝をこんな風に便利使いして良いものだろうかという疑念は募るが。

 今シーズンはウォルヴァーハンプトンへの移籍がほぼ決まっていたが、メディカルチェック直前にドタキャンして残留。シティ愛が強いのはファンとしてはまこと結構だが、彼自身の成長にとってメリットがあるのかは疑わしいところ。メンディが復帰し、フォーデンが成長している今となってはどのポジションでも3番手以下なわけだし。本当にうまいんだけどねえ。

 グアルディオラが気にいるだけあって、ドリブルで相手を1人2人剥がすのはお手の物。最近の悩みは、デ・ブライネだと思って寄ってきたファンにがっかりされること。

 

 

38 ドウグラス・ルイス DOUGLAS LUIZ

 ブラジルU20代表のCMF/アンカー。滑らかなドリブルと、パワフルかつ特に正確ではない右足が売り。昨シーズンはジローナに貸し出されるも、スタメンはわずか5試合。それでも今年はトップチームに帯同させる、とグアルディオラの鼻息も荒かったが、労働許可証が降りずあえなく断念。どこかにレンタルで貸し出される見通しだそうです。

 

47 フィル・フォーデン Phil FODEN

 人呼んで“ストックポートイニエスタ”。昨シーズンはU17W杯でMVPを獲得。シティどころか、イングランドの期待も背負う左利きのCMF。しかも、8歳からシティのアカデミーに所属する自前産である。最後にアカデミー育ちがレギュラーに定着してから実に15年近く経っているシティにおいて、フォーデンがその少々残念な伝統を断ち切ってくれるのではないかと期待しているファンは多い。

 しかし好事魔多し、期待が大きいほど失望も大きくなりやすいということで、私は去年から、ジャック・ウィルシャーを見るたびに多少の寒気を覚えることを止められないでいる。華奢で、テクニシャンで、左利き。そっくりなんだよな、本当。ここで言うのも何だが、25,6にもなって「やりたいこと」と「やるべきこと」の区別が一切ついていないあの男のようにはなってほしくない、という気持ちでいっぱいである。

https://media.gettyimages.com/photos/phil-foden-of-manchester-city-is-challenged-by-cesc-fabregas-of-the-picture-id1011427064

 

FW

7 ラヒーム・スターリング Raheem STERLING

 イングランド代表の右ウィング。加速性能はプレミア1。長らく、スピードはあっても最終成果物が出てこない選手だったが、昨シーズンはフィニッシャーとして開眼。全コンペティションを通して23得点を挙げ、リーグ優勝に大いに貢献した。専門職が多いこのチームの前線には珍しく割と器用で、左ウィングやワントップ、CMFもそれなりにこなせるのが便利なところ。今シーズンは、マーレズとのスタメン争いが予想される。

 まだ23歳と若いため、今後も末永くシティの中心となってもらいたいところなのだが、現在契約交渉が難航中。幼少期にジャマイカから渡ってきて苦労したという生い立ちゆえか、異様に癖が強い代理人ゆえか、待遇にはうるさいタイプ。シュートを外したときもうるさい。

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16 リロイ・ザネー Leroy SANÉ

Manchester City’s “True Berry” away kit for 2017/18 season unveiled by Leroy Sane, Danilo and EdersonStay tune in Tokyo Friday night~(テレレッテッテ テレッテ)といった風情のドイツ代表左ウィング。ここ20年弱、男前が慢性的に不足しているシティでは貴重なグッドルッキングガイ。昨シーズンはレギュラーに定着し、得点・アシストともに二桁に乗せて最優秀若手選手賞を受賞した。

 若い頃は100mを10秒台で走ったというセネガル代表FWの父と、ロス五輪新体操銅メダリストの母を持ち、スピードとバランスの良さは天下一品。1人で相手の右サイドを切り裂いてくれる。守備が苦手なので、3-5-2の採用を増やすとグアルディオラが明言している今シーズンは、やや出番が減ってしまう可能性も。

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20 ベルナルド・シルバ BERNARDO SILVA

 昨シーズン加入した、左利きの小柄なポルトガル人。24歳にして、生え際が危ぶまれている。

 本職は右ウィングだが、ワントップやCMFにも対応可能。とにかく相手の逆、逆を取ってくるので、マークする側からすると心底鬱陶しいと思う。純粋なスピードというよりは、重心移動の巧みさで抜くタイプのドリブルが得意なので、右サイドのタッチライン際に張っとけと指示されていた昨季はやや苦戦。今季はダビ・シルバの後釜を見据え、中央での起用が増える見通し。ピッチ外では、ベテランから若手に至るまで満遍なくいじられまくっている。

 

26 リヤド・マーレズ Riyad MAHREZ

 またの名をマフレズ。岡崎とともにプレミアリーグを制覇し、本人はMVPに選ばれてから2年。ダダをこねにこねた末、ようやくシティに加入できたアルジェリア代表のウィング。ラポルトからの対角線フィードが備わったシティにおいて、足りなかったピースは個人で突破できる右のウィングだったので、その左足にかかる期待は大きい。

 しかし、こう思うシティファンもいるのではないか。レスターは何もかもがシティとは違う環境。初めてのいわゆるビッグクラブで、果たしてアルジェリアの魔術師は真価を発揮できるのか―。

 そんな、悩んだシティファンが意見を求むるべきはただ1人。そう、アンチ・アンチ・フットボール教の大司教グアルディオラの盟友、チャビ大司教である。雨ニモマケズ、風ニモマケズ、ハイプレスニモ負ケヌ巧ミナ足技ヲモチ、東ニモウリーニョアレバ口ヲ突ッ込ミ、西ニペップヲ疑ウモノアレバ食イ気味ニ擁護シ。そんなチャビ大司教がマーレズに下した評価はこれ。

 

www.goal.com

 「彼はバルサに値するよ」。はい来た。もらった。活躍間違いなし。チャビ大司教最大級の賛辞である。お前は他人を褒めるのもバルサ基準かい。

https://media.gettyimages.com/photos/riyad-mahrez-of-manchester-city-takes-a-shot-during-the-fa-community-picture-id1011394014

 

27 パトリック・ロバーツ Patrick ROBERTS

 21歳、ロンドン生まれのドリブラー。こいつもまた左利きで、今のシティはどこを探しても左利きだらけである。2015年に、10代としては破格の1,200万ポンドで加入。代表戦で対戦した日本のU17代表の子に、Twitterで「あの7番やばすぎ!!」と騒がれたりと、将来を期待されていたが、以来成長しているんだかいないんだか、3年連続でレンタルしたセルティックへの里心ばっかりがついている状況。今季もスターリング、マーレズ、ベルナルドという厚い壁を破ることは恐らく難しく、レンタル移籍の気配が濃厚。値段がつくなら売ってしまったほうが、お互いのためかもしれない。

https://media.gettyimages.com/photos/manchester-citys-patrick-roberts-in-action-during-training-at-new-picture-id1004832604

 

55 ブラヒム・ディアス Brahim DÍAZ

 モロッコの血を引くスペイン人。父親がアフリカにあるスペインの飛地領出身だったり、“ブラヒム・アブデルカデル”というそれっぽい名前だったりするので、ムスリムなのかもしれない。両足をほぼ同じように使え、強気のドリブルが売り。今年が契約最終年ということで、クラブは契約延長した上でどこかにレンタルしたいようだが、本人は残留を希望。とはいえなかなか出番があるようには思えないし、一方で機嫌を損ねてタダで出ていかれても困るし・・・ということで少々扱いに困っているようだ。ルックスもいいし、ぜひ将来の主力になってほしいところなのだが。

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10 セルヒオ・アグエロ Sergio KUN” AGÜERO

 チームの大エースであり、恐らく非シティファンへの知名度もクラブ1。の割には、今ひとつ日本でスーパースターかと言われると案外知られてない気がするのは私だけだろうか。名前は聞いたことあるけど、という反応が多いように思われてならない。

 毎シーズン、リーグ戦20点は確実に獲ってくれる、頼れるスコアラー。重心の低いドリブルと強烈なシュートが得意技。身長は低いが、ヘディングも巧い。持ち過ぎだったり、守備が気まぐれだったりとアルゼンチン人っぽい弱点も多かったが、グアルディオラ就任以来、着実に短所を克服してきている。でも性格的には合わないのか、1年に1回くらい「もうグアルディオラやだ~」というニュースが出るお嬢様体質。グアルディオラが来るまでは、蝶よ花よという扱いだったからな。

https://media.gettyimages.com/photos/sergio-aguero-of-manchester-city-celebrates-scoring-his-sides-first-picture-id1011392678

 

33 ガブリエウ・ジェズス Gabriel JESÚS

 そのお嬢様扱いを一瞬で普通のレギュラー争いに変えてしまった、ブラジルの神童。先日のW杯にも、1トップのレギュラーで出場。まああんまり活躍はしなかったらしいが。

 単体でアグエロほどスーパーではないが、中盤へのヘルプが抜群に器用だったり、守備も手を抜かなかったりと、グアルディオラのFW観を煮詰めたようなプレーが得意。シティに加入して以来、39試合20点ということで普通に点は取りまくっているのだが、今シーズンこそは20点越えの大爆発が見たいところ。めっちゃマザコンで、実家から御母堂と友達を連れてきて一緒に住んでいる。この、友達も連れてくるというところが、ブラジルっぽい。

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43 ルーカス・ヌメチャ Lucas NMECHA     

 ハンブルク生まれのイングランドU21代表。9歳からシティにいるアカデミー育ち。そこそこのサイズと強さ、そこそこのスピードが売り。今夏のプレシーズンマッチでは何度も裏抜けからGKとの1vs1を迎えて期待を持たせたが、全部外していた。裏抜けが巧いということはわかったので、ローン先のプレストンで一皮剥けてもらいたいもの。まあ成長したところで、相手が悪すぎるだろという気がしなくもないが。

 

https://media.gettyimages.com/photos/lucas-nmecha-reacts-during-training-at-manchester-city-football-on-picture-id880151124

 

74 ルーク・ボルトン Luke BOLTON

 今夏のプレシーズンマッチで右サイドバックが1人もいなかったため、数合わせで呼ばれたイングランドU20代表。本職は右のWGらしいが、右のWBもできる。

 数合わせと言ったものの、自慢のスピードと活力でなかなかに活躍しており、鍛えればプレミアでもそこそこやれるかもしれない。見たところ、プレースタイルはいかにも古風な縦一本槍。大体、FW/WBっていうポジション適正が、90年代後半感満載なんだよな。酒井直樹か。

マンチェスター・シティがよく分からない人向けの2018/19選手名鑑 (前編)

 W杯どうでしたか。楽しかったですか。私は全く見れませんでしたが。とは言え、会社に海外サッカーファンが思いの外多いこともわかったし、その殆どがマンチェスター・シティについてよく知らないということもよくわかった。強いとか何とか言うことは聞いているが、というくらい。

 そういったわけで、今回のプレビューは”シティをよく知らない人”向けに書いてみたいと思う。年に3回も選手名鑑(プレビュー、中間レビュー、シーズンレビュー)を書いていると少々飽きが来るものだし、ポジション、年齢、経歴、チームでの立ち位置を改めて確認してみるというのも悪くないではないか。

 

本社

マンスール・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン MANSOUR bin Zayed Al Nahyan

 オーナー。シティを買収したアブダビ・ユナイテッド・グループのオーナーで、現UAE大統領の異母弟。金は出すけど口は出さない。弱点は最近指摘されている、本国の奴隷労働。

https://media.gettyimages.com/photos/pep-guardiola-meets-hh-sheikh-mansour-bin-zayed-al-nahyan-at-the-picture-id931893446

 

ハルドゥーン・アル・ムバラク KHALDOON Al Mubarak

 チェアマン。米タフツ大で学位を取ったあと、若干26歳でとあるソヴリンウェルスファンドのCEOに就任。29歳でアブダビの国家顧問になり、31歳でシティのチェアマンになったアラブのエリート。父は元在仏UAE大使で、駐在中にテロリストに暗殺されたという壮絶な過去がある。とにかくデカくて分厚いので、コンパニ辺りと並んでも全く遜色がなくて怖い。https://media.gettyimages.com/photos/khaldoon-almubarak-manchester-city-chairman-and-josep-guardiola-of-picture-id955349562

 

 

フェラン・ソリアーノ Ferran SORRIANO

 CEO。元バルサ副会長で、バルサ時代は後述のベギリスタイン、グアルディオラとともに現在の隆盛を形作ったが、派閥争いに負けてクラブを去った。スパンエアーのチェアマンを挟んで、2012年にシティのCEOに就任。(NYや、メルボルンもひっくるめた)シティ・フットボール・グループの基本的な権力構造は、オーナーとチェアマンのアラブ人の下で、ソリアーノが各姉妹クラブのCEOを兼任するというもの。

 ”サッカークラブのディズニー化”という、捉えようによっては結構リスキーなビジョンを持っており、小言を言う人間がいないシティでやりたい放題やっている。

https://media.gettyimages.com/photos/champions-league-group-e-bayern-munich-v-manchester-city-manchester-picture-id907065512

 

チキ・ベギリスタイン Txiki BEGIRISTAIN

 サッカー部門のディレクター。バルサでの選手時代にリーグ優勝4回、CL優勝1回。晩年は浦和レッズでもプレーした、クライフの教え子。シティでは移籍の交渉と最終決定の権限はチキにある(と、少なくともファンは思っている)ので、選手が獲れたり獲れなかったりするたびにTwitterで「はよ辞めろ」「チキを信じろ」「チキが信じたグアルディオラを信じろ」という毀誉褒貶が激しい。

https://media.gettyimages.com/photos/manchester-citys-newest-signing-riyad-mahrez-has-his-photo-taken-with-picture-id995597782

 

ペップ・グアルディオラ Pep GUARDIOLA

 良くも悪くも、現代サッカー界の大正義的存在になってしまった、トップチームの監督。念願のCL制覇に向けたソリアーノの切り札。就任した2016/17シーズンは誤算続きだったが、ガッツリと補強した昨シーズンは圧倒的な強さでリーグを制覇し、評価を回復した。浮気現場に踏み込んだみたいなテンションで相手の選手をひっ捕まえて褒め倒すなど、寝ても醒めても奇行が目立つおじさん。

https://media.gettyimages.com/photos/josep-guardiola-manager-of-manchester-city-talks-with-pablo-zabaleta-picture-id684237460

 

ミケル・アルテタ Mikel ARTETA

 若干36歳、バルサ育ちのアシスタントコーチ。ツヤッツヤの黒髪が目印。現役時代はエヴァートンアーセナルで活躍し、何とかイングランド代表にできないか?という話があった。長らくグアルディオラの右腕を努めたドゥメネク・トゥランが今年からNYシティの監督になったので、今年からはアシスタントコーチの筆頭格。

https://media.gettyimages.com/photos/mikel-arteta-of-manchester-city-looks-on-during-the-premier-league-picture-id949962490

 

GK

1 クラウディオ・ブラボ Claudio BRAVO 

 チリ代表キャップ119、リーガ優勝2回、リーガのベストイレブン1回、コパ・アメリカベストイレブン2回。輝かしい経歴の割には英国に渡ってから始終バタバタしているおじさんGK。“自動ドア”という非常なあだ名すらつけられてしまっている。しかし、ミスしても堂々としているのは大したものだと思う。そんなとこだけは元バルサ

 足技に長け、組み立てへの貢献度も高いが、守備範囲は狭い。正直、今年もリーグやCLでそんなに目にしたくはないが、リーグカップFAカップは頑張ってもらいたいもの。

https://media.gettyimages.com/photos/claudio-bravo-of-manchester-city-celebrates-his-sides-second-goal-picture-id1011429486

 

31 エデルソン・モライス EDERSON Moraes

 昨シーズンから加入し、一瞬で正GKの座を掴んだクレイジーサイコGKボンバー。ブラジル代表。恐怖の感情が欠落しているようにしか見えず、前頭葉かどこかが切り取られているのではないかというもっぱらの噂。

 守備範囲が広い上、相手に寄せられても余裕でボールを捌いてしまう冷静さと技術が売り。また、左足のフィードが飛ぶ飛ぶ。相手エリア前までライナーでかっ飛ばしてアグエロが即裏抜け、という手も使える。もちろん本職の守備面もリーグトップレベルで、もうほんと言うことないな。

https://media.gettyimages.com/photos/9th-may-2018-etihad-stadium-manchester-england-epl-premier-league-picture-id956650300

 

32 ダニエル・グリムショウ Daniel GRIMSHAW*

 自前アカデミー育ちの若手。昨シーズンまではユースチームにいたが、昨シーズンの第3GKだったムリッチがレンタル移籍したことで、トップに昇格。

https://media.gettyimages.com/photos/manchester-citys-daniel-grimshaw-in-action-during-training-at-new-picture-id1004849244

 

DF

4 ヴァンサン・コンパニ Vincent KOMPANY

 勤続11年の主将。アブダビ資本による買収1日前にクラブに加入した、近年のシティの象徴的存在。圧倒的な体格とパワー、瞬発力を武器に、2010年代前半はプレミア最強のCBとしてリーグに君臨した。体調が万全なら今でも守備では頼りになる存在だが、2014年辺りから怪我が目立ち始め、今やシーズンの半分出場できれば御の字というレベルになってしまった。両親の顔よりも「渋い顔でふくらはぎを押さえてピッチをあとにするコンパニ」を見る回数の方が多い、というシティファンは私だけではあるまい。

 ピッチ内でもピッチ外でも、常に模範的な言動を絶やさない外交官。昨年はついにMBAを取得。クラブのフロント入りが噂されている。

https://media.gettyimages.com/photos/vincent-kompany-and-fernandinho-prepare-to-lift-the-community-shield-picture-id1011472210

 

5 ジョン・ストーンズ John STONES***

 自陣ペナルティエリアで平気でドリブルしたり、センターサークル付近のボールキープでファンをハラハラさせたりと、イングランド1チャラいCB。チャラいCB大好きなグアルディオラたっての希望で獲得したらしい。

 昨シーズン前半は攻守に文句の付け所が殆ど無い大活躍だったが、ハムストリングを痛めて離脱。復帰以降はミスが目立つようになり、控えでシーズンを終えてしまった。今シーズンこそワールドクラスになってくれるはず。こうした無謀な期待を繰り返してしまうことを、医学用語では「ウォルコットの沼症候群」と言います。

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14 エメリック・ラポルト Aymeric LAPORTE

 スペイン1チャラいCB。2018年1月、当時のクラブ記録の移籍金で加入。左足からの正確なフィード、組み立ての上手さには、さすが100億という風格が漂う。全体的にトロくさいのが弱点。今シーズンはラポルテ、ストーンズオタメンディが並ぶ3バックも見られると予想され、色んな意味で胸がドキドキしちゃうラインナップである。

 ちなみに、曽祖父の血筋を辿ってビルバオでプレーしてこそいたが、本人はモロにフランス生まれのフランス育ちだし、本名も“エメリック・ジャン・ルイ・ジェラール・アルフォンス“というおフランス感丸出しのものなので、「ラポルテ」ではなく「ラポルト」と表記していきたい。

https://media.gettyimages.com/photos/aymeric-laporte-of-man-city-during-the-fa-community-shield-match-picture-id1011544454

 

15 エリアキム・マンガラ Eliaquim MANGALA

 2014年夏、約4,000万ポンドという大金で加入した、フランス代表の巨漢。しかし安定感に欠け、組み立ても苦手ということで、その後オタメンディストーンズラポルトと次々に加入する新たなCBにポジションを奪われっぱなし。チェルシーとの争奪戦の末に加入したという事実も、もはや忘れ去られた気配がある。どうでもいいが、そのときマンガラと並んで獲る獲ると言っていたのがベナティア。

 昨シーズン後半エヴァートンにレンタルされるが、大怪我でほとんどプレーできず、リハビリのために今季も残留。ピッチ外では、SNSでファンへの感謝を度々口にしたり、新加入選手に真っ先に声をかけたりと、穏やかな人格者。

https://media.gettyimages.com/photos/eliaquim-mangala-of-everton-warms-up-ahead-of-the-premier-league-picture-id916558936

 

24 トーシン・アダラバイヨ Tosin ADARABIOYO*

 シティ1読みづらい名前の長身CB。ほぼ2mある。そこそこ早い段階でトップチームに上がったが、リーグでは全然出番が無いまま、契約最終年。今年はWBAにローンだが、もう2年ほど前にやっておくべきではなかっただろうか。Twitterのプロフィールに「アダ・ラ・バイ・ヨ」と読み方をわざわざ書いてくれている親切な男。 

 

28 ジェイソン・デナイエル Jason DENAYER

 「少しずつだけど 俺たちはお前が夢見たものを叶えてきた でも少しずつ お前の人生の歯車は外れていった」とはoasisの隠れた名曲Little by littleの一節だが、このドレッドヘアのベルギー人CBに対して、私はそういった感情を抱かざるを得ない。2014/15シーズン、若干20歳にしてレンタル先のセルティックで最優秀若手選手賞とベストイレブンを受賞したところまでは、間違いなく輝く前途が待っていたはずなのだが。

 そのあとトルコをレンタル先に選んでしまったのが悪かったのか、以降3年間、特に成長することもなくトルコ周辺をウロウロしている。スピードはあるけどボールウォッチャーになりがちだったり、ボール扱いがこなれてる割に組み立てがうまいわけではなかったり、サンダーランドを降格させた挙げ句「街もクソつまらんし、こんな守備的なサッカーで俺の力は出ない(笑)」と豪語したり、喧嘩相手を道端でボコボコに叩きのめすところをガッツリ撮影されてしまったり、各方面で満遍なく残念。才能はあるんですけど。

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30 ニコラス・オタメンディ Nicolás OTAMENDI

 「身軽だけど足は速くない」「対人戦はめっぽう強いけど背は低い」という、アルゼンチンの正統派ストッパー。山男的な外見とつぶらな瞳が特徴。決断力だけは世界一あるため、他の選手ならまず様子を見るシチュエーションでも全く意に介さずスライディングタックルを繰り出す。

 2年前まではタックルの結果がどうなろうと知らんみたいな感じだったが、グアルディオラの指導で急激に成長。守備が安定したばかりか、今や組み立てでもプレミア屈指のCBになっており、昨季はベストイレブンに選出されるに至った。今シーズンも、守備の要として期待は大きい。惜しむらくは、他人に影響力があるタイプではないので、周りがダメなときはダメですね。アルゼンチン代表とか。

https://media.gettyimages.com/photos/manchester-citys-nicolas-otamendi-during-training-at-manchester-city-picture-id1008333142

 

34 フィリップ・サンドラー Philippe SANDLER

 オランダのズウォレから引き抜いた21歳のCB。(恐らく)グアルディオラが見込んだだけあって、プレーは相当チャラい。ルシオダヴィド・ルイスを足したようなというか、正直CBとしては相当にキワモノ。得意なプレーはドリブル突破。ストーンズどころのチャラさではない。大丈夫かこれ。 

 

50 エリック・ガルシア Eric GARCIA

 代理人になったプジョルデ・ラ・ペーニャに唆されて、バルサの至宝がシティに移籍。すいませんね、なんか、本当。今夏のプレシーズンマッチでは3バックの真ん中で堂々たるプレーを披露。身体も強いし、組み立ても落ち着いているし、末恐ろしい17歳である。惜しむらくは180cmそこそこの身長で、そのうち中盤にコンバートされるのかもしれない。今年は運が良ければ、国内カップ戦で何試合か出番があるかも。

https://media.gettyimages.com/photos/manchester-city-defender-eric-garcia-chases-the-ball-during-an-cup-picture-id1004143348

 

77 キャメロン・ハンフリーズ Cameron HUMPHREYS-Grant

 アカデミー育ちのCB。2015年夏、若干16歳にしてプレシーズンマッチに抜擢され、ロナウドにボコボコにされていた。そこから3年ほど音沙汰がなかったが、今夏のプレシーズンではそれなりに成長した姿を披露。契約は今季までだが、延長のチャンスがないでもないかもしれない。

https://media.gettyimages.com/photos/sandro-wagner-of-fc-bayern-muenchen-and-cameron-humphreysgrant-of-picture-id1006906766

 

2 カイル・ウォーカー Kyle WALKER***

 ムキムキでめちゃめちゃ足が速い右サイドバックサイドバックが弱点だったシティに昨年加入し、パワーとスピードを遺憾なく発揮。ベストイレブンを受賞する活躍で、シティの右サイドを安定させた。もともとは攻撃に特徴があるタイプだが、シティではもっぱら守備にその筋肉を使用中。なにせ圧倒的に速いので、大概のFWは追いつかれてひどい目に合わされている。SNS大好き。

https://media.gettyimages.com/photos/kyle-walker-of-manchester-city-in-action-with-willian-of-chelsea-the-picture-id1011472570

 

3 ダニーロ DANILO

 レアル・マドリーで窓際社員をやっていたところを払い下げてもらったブラジル代表。レアルではどっちかというとネタ扱いだったようだが、どこでどう出しても大体そこそこのプレーを見せてくれるので、シティでは重宝されている。ブラジル人らしく、本気で攻めればかなりの攻撃力。チーム屈指の真面目君でもあり、4-1でボロ勝ちしている試合の後半終了間際でも警戒心を絶やさない。誰も要求してないが。

https://media.gettyimages.com/photos/danilo-of-manchester-city-catches-the-ball-during-the-carabao-cup-picture-id903066876

 

22 バンジャマン・メンディ Benjamin MENDY

 クラブ公式Twitterアカウントだろうが、自分の国の大統領だろうが、滑ることを一切恐れない鋼のメンタルでウザ絡みを止めないパリピな左サイドバック。昨年は開幕早々に靭帯損傷の大怪我を追ってしまい、ほぼ1年を棒に振ったが、試合のたびにTwitterで実況するのでそこらの控え選手よりよっぽど存在感があった。

 立派な体格、単独で突破できるパワーとスピード、常人に真似できない深さから上げてくるクロス、敵どころか味方まで混乱に陥れる運動量等、プレーには怪物感が漂うが、守備はてへぺろでござんす。

https://media.gettyimages.com/photos/benjamin-mendy-of-man-city-celebrates-with-the-trophy-during-the-fa-picture-id1011478296

 

石油王の憂鬱

 マンチェスター・シティが苦しんでいる。2017年夏のダニ・アウベス、2018年1月のアレクシス・サンチェス、フレッヂに続き、2018年夏の移籍市場では、口頭合意に達したジョルジーニョを取り逃した。いずれのケースも、相対的には信憑性が高い複数のメディアが“合意した”と報道した後に、より高い移籍金と給与を提示した他クラブによって掻っ攫われるという失態である。

https://media.gettyimages.com/photos/chelsea-unveil-new-signing-jorginho-with-chelsea-head-coach-maurizio-picture-id998491530

 なぜ失態か。ダニ・アウベスはダニーロという代役が見つかったし、サンチェスは高い移籍金と給料の割にさして成功だったという評価を受けているとは言い難い。結果オーライなのではないか。

 否。まずもって、種々の報道に鑑みて彼らは本気で獲得を目指したターゲットであることにはほぼ疑いの余地がなく、相当の費用と時間が投じられているだ。泣こうが喚こうが、彼らの獲得に失敗した以上、それらはサンクコスト。今後何かの役に立つわけでもない、ただ溝に捨てた時間と金である。また、ダニーロはあくまで結果オーライでしかない。2012年夏の「誰がハビガル連れてこい言うた!ハビマルやハビマル!!」事件は有名であるが、1つのターゲットを追う際にプロフィールや提供価値がよく似た選手を代役候補としてリストアップしておくことが当たり前だとしても、急遽代役に切り替えるのはリスクが高い選択肢と言わざるを得まい。次もダニーロであるとは限らないのである。いや、まあ、ハビガルは良かったんですけどね。

https://media.gettyimages.com/photos/manager-roberto-mancini-of-manchester-city-and-vincent-kompany-look-picture-id168559196

 

 より深刻な問題は、マンチェスター・シティの移籍市場における路線変更が、失敗に終わりそうな気配を見せていることだ。そもそも、サンチェス、フレッヂ、ジョルジーニョは、いずれも「ほぼ決まった」「週末には決まる」「ここ10年で最大の決まり方」とか言われながら、細かい条件を詰めている最中、という報道が散発的に流れつつ何時になっても決まらず、電撃的に(より高い条件を提示した)他クラブへの移籍が決定する、という同じパターンをなぞっている。早い話が、シティが金を出し渋っているのだ。これは由々しき事態である。

 アブダビ化が起きた夏、2008年からずっと、シティのプライシング戦略は「多少のプレミアムを載せても強気でドン」であった。まず2010年までは、シティは (順位表上の問題として) 強いチームではなかった。また、少なくとも2,30年の範囲について言えば、クラブとしての格もなかった。更に、マンチェスターは、相対的に言って、そう魅力的な街ではない。私だって勤務先を選べと言われたらバルセロナか、せめてロンドンに住みたい。だからこそシティは、ウェイン・ブリッジに£12mとか、アデバヨールに£26mとか、コロ・トゥレに£17mとか、そういった法外な移籍金を積んできたわけだし、結果として給与総額がクラブの総収入を超えるような予算編成を、一時的にとは言え、許容してきたのである。

 

 もちろん、シティはまともなビジネスマンが経営しているので、これが許容され続けることはなかった。昔のブログから引用するが、シティの財務状況は毎年飛躍的に改善していった。

 

ここまでの足取りを振り返ると、まずステップ1:戦力補強。2008/09シーズンにロビーニョ(£30.1m)を筆頭に£110.2mの補強を行ったのを皮切りに、2009/10シーズンは£103.1m、2010/11シーズンは£127.7mをつぎ込んだ。当然、実績もブランドも無いシティに有力選手を呼ぶために必要なのは給与だ。売上拡大が給与の増加に追いつかないため、EBITDA(ここでは売上+その他収入-給与およびその他営業費用。すなわち、サッカークラブとして純粋な収支に近い)の段階で赤字の状態に陥るが、成績は改善した。

 

ステップ2:“まとも”なサッカークラブへ。成績の改善に伴う放映権料の拡大とスポンサー獲得で売上を増やすとともに、給与水準を落ち着かせ、スカッド編成の効率性を高める。売上に占める給与の比率は徐々に低下し、2014年には59.2%に達した。これはチェルシーよりも低い。また、ジョーアデバヨール、ブリッジのようにすぐ戦力外になってしまうような高額な買い物が少なくなったため、減損も発生しなくなった。すなわち、獲得すべき選手の査定、獲得交渉、給与設定がより上手になったということだ。これでようやく、2013年にEBITDAがプラスになった。

 

ステップ3:黒字化。これにはあと一歩。2014年はアブダビ化以来初めて給与総額が低下し、売上の拡大と相まって、営業黒字まであと£-17.7m(FFP制裁を除けば£-1.4m)まで到達した。あとは、オーナー頼みのキャッシュフローの改善だ。

d.hatena.ne.jp


  “改善”というのは、もちろんオーナーの直接的資金提供によってではない(というか、それは改善ではない)。一方、移籍市場については、まんゆと並び、少なくとも国内ではトップ水準の額を投じ続けてきたが、それも2017年の夏から方針を変えたようだ。サンチェスらについての、ギリギリまで妥協点を探り、少しでも低い移籍金額に抑えようとする姿勢は、これまで載せていた諸々のプレミアムを落として勝負しようという意志を感じさせるものである。

 

 全く妥当な判断ではある。3年前にブログに書いたが、

ここまで、今回の移籍による費用増が、恐らく多数の人が想像するよりも小さいということを見た。ただし、当然ながら£141.5M(アドオンを含めると£152M)の移籍金は決して小さい額では無い。

Transfer Leagueのデータに従えば、シティが支払った移籍金としては2010/11シーズンの£154.8Mに次ぐ大きさである。この移籍金は今後5年から6年、契約が延長されれば10年近くに渡って減価償却費としてシティのP/Lに計上され続けるので、当然ながら毎年このような移籍を続けていくことは出来ない。

d.hatena.ne.jp

 のだ。

 

 他にも理由はある。まず、グアルディオラ就任後にスカッドの大手術を行った結果、給料が爆発的に増えた。2016-17シーズン決算のWages and salariesは前期の1.3倍。1人当り給与も1.3倍であるから、単純に人を抱えすぎているという問題でもない。しかもこれは、ウォーカー、メンディ、ベルナルド、エデルソンといった選手たちを含めていないのだ。

 また、2019-20シーズン以降のプレミアリーグの放映権料は、少なくとも英国内では実質的な値下がりとなった。Amazon等のWeb系メディアの参入を理由とした楽観視もあるが、これらがシティの首脳陣にプライシング戦略の再考を迫った可能性は充分ある。選手1人にプレミアムを積めば、残りの10人も間違いなく積まれる。ウォーカーに£45mを払った瞬間「 (メンディも) ウォカにゃんの額でヤってよwww」とか言い出したモナコのようなケースは、今後も間違いなく繰り返される。そうした状況から脱却し、移籍金額の抑制を図ったシティの首脳陣の判断は至極まともではあった。問題は、全くうまく行っていないということだが。

www.theguardian.com

(もう一つ、FTの記事を挟みたかったんだが、登録が必要なので割愛。Subscribe to read | Financial Times をご参照ください) 

 

 で、結果としてはこれである。

 引用するBANQUEBLEU氏のツイートに賛同するばかりだが、結局ピャニッチに1億払うなら、ジョルジーニョに£65m払ったほうが何ぼかマシだったのは、言うまで無い。仮にこの後ピャニッチがシティにやってきて、大活躍したとしてもだ。戦略ぶち壊しである。「適正価格」とやらに拘っても自己満足以外に何も得られないことは、アーセナルが10年もの月日をかけて証明してきたが、シティは今、同じ穴に落ちそうなところで踏みとどまっている状態だ。

 

 そしてこの後には何が起こるか。短期的には、当初の方針を貫くか(つまり、誰も手に入れられず、自前の若手に頼らざるを得なくなる。ジョルジーニョピャニッチの騒ぎを見た後に、プレミアムを載せてやろうと思わない経営者が居るとは考えがたい)、「ハビガル違うわいハビマルじゃ」事件のようにお茶を濁すか、開き直って昨季と同じように大量の移籍金を投じるか。そうするにしても、既に市場の閉幕まで1ヶ月を切り、トレーニングキャンプも始まっているのだが。

 

 長期的には、戦略を貫ききれないか、結果を承知の上で”適正価格“にこだわり、競争力を一定程度失うかのどちらかだろうと思っている。そしてCFGの経営陣は、おそらく前者を選ぶほどには盲目ではない。現状でも損失を生むリスクを抱えている(2016-17シーズンのシティは営業赤字で、かつシティは多額の偶発債務を抱えている。早い話、成績連動ボーナスが大きいということで、それを勘案すれば2017-18シーズンも営業赤字の可能性は十分にある)上に、市場縮小の兆しが見られる状況である。CFAの建設に、フランスや南米、アジアでのクラブ買収といった長期的なコミットを続けているCFGが、更に将来への借金を増やす可能性は低いだろう。

 

 つまり我々は、このあと数年、「怒りの撤退」の茶番を見せられなければならない可能性があるというわけだ。振り返ればアーセナル、人を笑わばイヘ穴チョである。

ロシアW杯はこうすべきだったプラン

結局仲良しジャパンで頑張るなら、いっそ本当にホドルで行ってほしかったよな。

www.nikkei.com

www.theguardian.com

http://news.bbc.co.uk/olmedia/265000/images/_269695_eileen300.jpg

 

ケイスケホンダ vs 霊媒師おばさん、めちゃめちゃ見たかったが。

グループリーグ突破に必要なたった一つの大事なこと

つまり、2戦目の論点は、「誰がマネキックを受けるのか」ということに集約されるのだ。

 

https://media.gettyimages.com/photos/sadio-mane-of-liverpool-challenges-ederson-moraes-of-man-city-and-picture-id844807018

https://media.gettyimages.com/photos/sadio-mane-of-liverpool-challenges-ederson-moraes-of-man-city-and-picture-id844807008

 

ある議事録;選手名カタカナ表記審議会アイスランド語部会 露W杯対策会議

https://media.gettyimages.com/photos/fans-are-seen-during-the-2018-fifa-world-cup-russia-group-d-match-picture-id976222596

 

―はい、では皆様お揃いになられましたので、始めたいと思います。ご案内の通り、来月にはロシアワールドカップが始まるわけですけれども、それに際しまして、カタカナ表記についての統一方針を固めるということで、本日の会議で決定致しました案を、来週頭に約会にかけまして、正式決定となります。

 

 お手持ちの資料の2ページ目に前提となるルールを記載しております。ご案内かとは思いますが、改めて確認させて頂きます。えー、まず1つ目が、「現地語の発音をなるべく尊重したもの」です。本日アイスランド語部会になりますので、デンマーク語、あるいはノルウェー語、スウェーデン語等とも相当の違いがございますので、そちらにご留意頂きたいと思います。

 2つ目が、「通俗的な日本語表記に一定の配慮を払ったもの」でございます。こちらは1つ目とやや矛盾するように思われるところですが、例を挙げますと、「マイケル」としてほとんど日本語的に定着している英語の「Michael」についてですね、「マイコゥ」と表記するのは些か度を越しているのではないか、と、まあそういうことです。元より日本語にない音も相当数ございまして、特に今回のようなアイスランド語になりますとほぼ全ての選手名にそうした音が含まれてまいります。当審議会のミッションとして「日本語として無理のない範囲での漸進的表記方法の改善」という一文がございますので、多少基準はファジーにならざるを得ないところではございますが、一般的表記に鑑みつつ、審議を進めていきたいと思います。

 3つ目が、「日本語としての社会的風俗に配慮したもの」です。2つ目と似たもののように聞こえますが、1,2の結果として、日本ごとにして全く別物のように聞こえてしまうとかですね、思わず失笑をかってしまうような響きになるものは極力回避する、ということです。わかり易い例ですと、ペルーの「Reimond Manco」選手。はあ。はい。そういうことです。今皆様ちょっとお笑いでしたけども、そういうものを回避するためには、例えば「マヌコ」ですとか、多少無理があろう、という部分も避けられないという判断があり得るということです。はい。今回のワールドカップには選ばれていないということでですね、まあNHKさんとしては助かったのではないかなと、いやいやサトミキの反応が見たかったぞと、あ、すいません。進めます。

 

 

 ご案内の通り、アイスランド語は綴りによって読み方がほぼ一義的に定まる言語ですので、選手一人一人に入る前に原則を確認することも可能なのですが、それをやっておりますと長くなりますので、原則については選手名表記を具体的に確認しつつ進めていく、という形にしたいと思います。

えー、では1人目、「Hannes Þór Halldórsson」。GKですね。参考までに、NHKでは「ハンネス・ハルドソン」、『エル・ゴラッソ』の選手名鑑では「ハンネス・ハルドールソン」となっておりますが、当部会の初期案としては、「ハンネス・ソール・ハルドーション」を考えております。―はい。そうですね、最初から中々議論を呼ぶ名前ですね。まず「Ó」、Oにアキュート・アクセントを付したものですが、これについては「オウ」あるいは「オー」と。まあこちらは宜しいかと思います。次に「rsso」の「ショ」表記ですが、アイスランド語の「sson」は通常「ソン」ですね。ただ、「r」が無声音になりまして、ほぼ「ルシュ」、あるいは「シュ」に聞こえますので、スウェーデン側で「ラーション」の表記がほぼ定着しているということから考えまして、こちらも「ショ」で宜しかろうと、はい。

で、一番議論があったのが「Hall」の部分でして、こちらは「ハットル」、あるいは「ハットゥル」とすべきではないか、という意見もございました。これはアイスランド語において母音のあとの「ll」の前に「t」の音が入ると。例えば彼らのホームスタジアムである「augardalsvöllur」においても、「völlur」の中に明確に「t」の音が入っておりますし、シガー・ロスの名曲であります「Hoppipolla」を聴いて頂けると分かりますが、ヴォーカルのヨンシー、彼が明確に「ホフピポットラ」と言っているんですね。まあ、正確にはなんといいますか、いわゆる「サ行が言えない人」が発する「キ」に近い音ですが。2010年の噴火で有名な「Eyjafjallajökull」火山、こちらも日本語表記としては「エイヤフィヤラヨークル」と、トの音が入ったものがすでに定着しておりますので、彼も「ハットゥルドーション」とすべきではないか、という意見はございました。ただ、本件に際してForvoを確認しましたところ、やや不正確なソースではありますが、「ト」の音を挟むほどには明確でない、という事情がございましたので、今回は「ハルドーション」としておくべきかと考えております。

 

次に、「Birkir Már Sævarsson」。右サイドバックですね。こちらについては、「ビルキル・マウル・サイヴァション」。はい。まず「á」ですが、こちらは「アウ」ですね。Sigur Rosにも「Ágætis byrjun」、「アウギャイティス・ビルユン」という曲があります。そして「æ」。これは「アイ」です。こちらはあまりご指摘等は、ないですかね。はい。次に参ります。

 

Hörður Björgvin Magnússon」。えー、「ヘルズル・ビェルグヴィン・マグヌソン」。まあこう表記しますと、アイスランド語的な畳み掛ける音が失われるわけですが、母音を明確に発音する我が国の言語との差ということで、致し方ないところかなと思われます。「ö」、こちらは日本語では「エ」の表記が確立されておりますが、一方でトルコ語なんかですと「ウュ」に近いような音に感じられるところでございます。ただ、アイスランド語においては同じ音価のはずではあるんですが、経験則として相当に「エ」に近い音になっておりますので、「」が妥当なところでないかと考えております。

 

 

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はい、では、皆様お戻りですので、再開したいと思います。資料23ページ目、「Arnór Ingvi Traustason」。議論があるところですが、「ルノール・イングヴィ・トルイスタソン」、です。これは「au」ですね。「エイ」あるいは「ウュイ」に近い音ですが、後者に近いという有識者の意見がございましたので、「ウイ」とするのが妥当と考えております。

 

えー、次にですね、「Gylfi Sigurðsson」。エースですね。はい。大エース。こちらは大分「シグルドソン」という表記もなくなってきたということで、成果が出ているのかなというところですが、「ギルヴィ・シグルズソン」。まず「Sigur」に関しては、「シウル」という説もありまして、かつてはSigur Rosもシウール・ロウスと・・・え?ああ、はい、すみません。私が好きでして。馴染みも深いかなと。曲?えーと、そうですね。「Flugufrelsarinn」が一番好きですかね。はい。あ、すいません、脱線しました。まあ、そういう節もあったんですが、「グ」と発音する方も相当数いるという話でしたので、原則の2番めに照らしても「グ」で宜しいかなと。で、「ヴィ」についてですが、これは10年前に比べますと大分理解も進んできたアイスランド語カタカナ表記ですが、まだ手付かずのメディアが多い部分ですね。母音と母音の間に挟まれた「f」は、「v」になります。なるそうです。再登場で恐縮ですが、Sigur Rosの「Starálfur」という曲でも、サビの最後で、「スタラウルヴュル」という歌詞が出てきますね。そういうことで、彼についても「ギルヴィ」とすべきということを、本審議会として明確に打ち出していくべきかと思います。

 

 

 

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えー、はい、では、大分長くなりましたけれども、これにて選手名カタカナ表記審議会アイスランド語部会露W杯対策会議を終了したいと思います。皆様大変お疲れ様でした。タフな会議でしたけれども、来月のワールドカップは各国の選手名カタカナ表記に最も注目が集まる期間ということでですね、当審議会も一層のプレゼンス拡大のために、どうしてもこれを間に合わせる必要がございまして、皆様のご尽力のおかげでこうして大会前に・・・え?始まってる?もう?昨日?。え!?1ヶ月経ってる!!??

 

ワールドカップについて

2018/5/31  2018年の新語法

fujiriko59.hatenablog.com

 

 

もし我々が皆、昨日の試合から上記のような感想を得ることができるとしたら、我々の人生は極めて幸福になることは疑いなく、しかるに我々は皆、彼(彼女)のようになるべきなのだ。

 

 

2018/6/3

「国立!ごもっとも商業サッカー部!!」というタイトルを思いついたが、どこで言っていいやら。

 

2018/6/4

あれはトップ下というか、「5番 指名打者 本田」って感じ。

 

2018/6/10

gunosy.com

www.nikkansports.com

article.auone.jp

www.goal.com

普段一緒に練習しているメンバーじゃないから、とか諸々理由があることはわかるが、日本代表、端的に言って議論好きすぎではないか。ザックの頃からそう思っていたが。下手なホワイトカラーの研修よりグループディスカッションしている。

 

という中で(西野監督話法)、私はこのコラムを思い出す。

sportiva.shueisha.co.jp

マクマナマンが僕に語ったところでは、セードルフの唯一の問題は黙っていられないことだ。レアルのコーチが練習で何かを説明すると、セードルフは前に出て、こう言う。「そんなふうにやるより、こうしよう。で、それから僕にボールを回して」。スペイン人は彼を「エル・プレジデンテ(大統領)」と呼んだ。

 フットボールの世界には、監督を頂点にした厳しい上下関係が存在する。ちょうど19世紀のプロイセンの軍隊のようなものだ。ところがセードルフは、フットボール自己啓発のためのディスカッショングループのようなものと考えていた。

 レアル・マドリードでの試合のハーフタイムに、セードルフは監督のファビオ・カペッロに向かって戦術を解説したことがある。カペッロはジャケットを脱ぐと、いきなりセードルフに投げつけて叫んだ。「そんなにわかっているなら、おまえが監督をやれ!」。セードルフ代理人でさえ、こう助言した。「車を乗りこなすだけでもむずかしいんだから、車になろうとしてはだめだ」

 オランダ代表には18歳のときから入っていたが、彼はほとんど国中を敵に回していた。問題のひとつが「ジダン・コンプレックス」だった。セードルフは長いこと、古典的な司令塔タイプの選手になりたがっていた。

 オランダ代表の監督は、たいてい彼を中盤の右で使った。しかし人格的に成長したいセードルフは、いつも「10番」のポジションに入ってきた。相手選手をいとも簡単に振り切り、そのくせ疲れた素振りも見せないから、真面目にプレイしていないように見えることさえあった。退屈な抽象論をとうとうと話したがる癖もオランダ人に嫌われた。他の選手が獲得したPKを蹴って失敗したり、黒人選手のスポークスマンのように振る舞ったことも不評だった。

 ミラン・ラボのスポーツ心理学者ブルーノ・デ・ミケリスは、セードルフの言葉をさまざまな側面から分析した。すると、セードルフは人をいら立たせることも多いが、彼の発言は周りを助けようとしているという結論に達した。「彼の発言は選手としてのものが10%。70%は監督、残りの20%はGMのようだ」と、デ・ミケリスは言った。彼はミランの選手やコーチたちに、セードルフには自由に発言させるよう頼んだ。