2018/19 マンチェスター・シティ シーズンレビュー個人編(後編)

MF

18 フェイビアン・デルフ Fabian DELPH***

 アラバモード、終~了~。2シーズン保たせるのは難しかったですね。もともと相手を同一視野に置くのが苦手で、DFとしてのポジショニングも良くない、ということに加えて、身体のコーディネーションがガチャガチャなので反転して走るのが遅すぎる、という弱点を研究されまくっており、裏を着かれての失点多数。リーグ戦の出場はわずか11に留まった。今更このチームでMFとして使う見込みも立たないし、もはや売れるうちに出来るだけ高値で売るしかないと思う。つまり今だ。

 ただデルフの良いところは、買った値段が破格に安かったんですね。たった800万ポンド。アストン・ヴィラには本当に悪いことをしたと思う。まだまだプレミアリーグで出来る選手なので、どこか良いところで夢を叶えてほしい。ジェフでも良い。

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25 フェルナンジーニョ FERNANDINHO

 控え無しで始まった今シーズン、さすがに身体が保たずちょくちょく負傷で離脱。一方で、出場したときのクオリティは素晴らしく、WhoScored.comのレイティングもリーグ平均7.31。守備時はCB、ボール持ったらDMFという奇天烈な新作戦も難なくこなしており、そら27試合しかスタメンで出てなくてもベストイレブン取るわという1年だった。何気に10年前のウクライナ時代(リーグMVP)以来、プロとしては2つ目の個人タイトルなんだよね。報われて良かったと思う。

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8 イルカイ・ギュンドアン İlkay GÜNDOĞAN

 いいかい学生さん、ギュンドアンをな、ギュンドアンを控えで使えるくらいになりなよ。それが、人間カップ戦も勝てるリーグ戦も勝てる、ちょうどいいくらいってことなんだ。

 

 そういうことなんですよ。あんまり人気はないが、今年の貢献度で言えばチームでトップ5くらいに入るのではないだろうか。下手すると。プレッシャーを掛けられた際の冷静な処理とか、5バックを崩す裏への浮き玉スルーパスとか、ギュンドアンのおかげで助かったシーンは数え切れない。

 まあ守備とかちょいちょい怪しいシーンはあったが、ジョルジーニョが取れなくても何とかなったのは、間違いなくこのウィル・ウィートン似のおかげだ。契約延長の件はしっかり考えたいとのことだが、残ってくれれば儲けもの。というか他のポジションで買い物の必要性が出てきすぎて、アンカーに回してる余裕があるようには思えず。

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17 ケヴィン・デ・ブライネ Kevin De BRUYNE

 いつか壊れると言われていたが、その通り開幕直後に大怪我。戻ってきても大技を狙いすぎてのミスやしょうもないボールロストが目立ち、ようやく調子を取り戻してきたかと思えばまた怪我・・・ということでシーズンの半分しか出場できず。

 ベルナルドとスターリングが超人になったし、フォーデンも成長してきたので、来年はリラックスしてもう一度、あの一人だけ22世紀から来たかのようなプレーを取り戻してほしい。

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21 ダビ・シルバ David SILVA

 シルバくらいになるともう、居てくださってありがとうございますという心持ちしかない。シルバでも衰えるもんなんですなあ、しかし。

 野球の立浪だったか、衰えるときは足から来るんだと言っていた気がするが、シルバも何気にしっかり足が遅くなっていた。マッチョマンにがっちりスペースを消されるとえぐり込めず、弾かれてウロウロするシーンは少々切なさを感じたが、それでも要所ではさすがのクオリティ。FAカップ決勝の先制点は、その前の空中戦も含めてシルバらしくて良かったですね。意外と空中戦強いんだよな。

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35 オレクサンドル・ジンチェンコ Oleksandr ZINCHENKO

 ウォルバーハンプトンの収容所に送られる前日、青年オレクサンドルは予審判事グアルディオーラに人生を賭けた決意を告げる。純真で無垢な心を持ったオレクサンドルは、すべての人から愛され、彼らの魂をゆさぶるが、アラブ的因習のなかにある人々は、そのためにかえって混乱し騒動の渦をまき起す。この騒動は、汚辱のなかにあっても誇りを失わない美貌の女性デ・ブライネをめぐってさらに深まっていく・・・

 

 ということで、退団報道から一転残留、メンディとデルフの稼働率が低かったので左サイドバックのレギュラー格に収まり、守備力も向上してめでたしめでたし・・・と言いたいところだが、あえて言おう。

  

この方向性はイカン!!!

 

 ゼロ年代テキストサイトみたいで恥ずかしいが、イカンと思う。この方向性はよろしくない。今のジンチェンコが褒められているのは、あくまで「MFにしては頑張ってるね」というだけだ。結局大事な試合では信頼されてない。6-0のチェルシー戦みたいな例外もあるが。そしてこの手の起用が面倒なのは、時折本来のポジションに戻ったときの評価も歪めることだと思う。たまに中盤やってみたら、「ああやっぱり本職だから上手いね」みたいな。でもそれでレギュラーが脅かせてますか?ノーでしょう!んん!?(ガンギマリツイート)。あとこの方向性が機能するのは、ジンチェンコが若いからというのもある。24,5になってもこの状態だったら絶対飽きて出ていくでしょう。

 参考)ガンギマリツイートの例

 然るに、ジンチェンコが取るべきオプションは3つだ。①SBで生きていく覚悟を決める、②中盤に戻ることを志願する。最後はヨシュア・キミッヒのように、SBとしてもCMとしても超一流になるかだが、まあこれはやろうと思ってできるもんでもないしな。結局一流になれ!しか言ってなくて自分でも笑ってしまうが、そういうことだと思います。

 最初の2つのオプションを取ることは、結果としてシティ退団につながる可能性もあるが、長期的には双方にとっていい結果になると思う。プレーは良かったです。

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47 フィル・フォーデン Phil FODEN

 全コンペティション合わせて26試合に出場。平均出場時間で見ると、リーグが25分、FAカップが65分、リーグカップが78分、CLが30分ということで、リーグカップではほぼスタメンを張った。シーズン前半は「シティで飼い殺されていくフォーデン」という記事が(サンチョの活躍もあって)多かったが、出場が増えるに連れて減っていったのは楽しいところだ。

 プレーとしては、ドリブル突破からのパワフルなシュートが目立った一方、無理だろそれはという狭いシーンに突っ込んでは退却・・・というシーンも多かった。でもまだ18だからな。来年は抜けてるかもしれんし。1万回ダメでヘトヘトになっても1万1回目は抜けるかもしれんし。

 セクシーなガールフレンドと子供作っちゃったけど結婚はしないんだよね、という意外なやんちゃさを見せられてドキッとしたが、まあ色々ともう子供ではないということなんだろう。来年も、期待は大きい。

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FW

7 ラヒーム・スターリング Raheem STERLING

 精神の強さにも色々ある。責任を背負って他人の前に立つというコンパニ的強さもあれば、集中治療室にいる息子のためにスペインとイギリスを往復する生活を強いられながらもコンディションを崩さず、自分からは何も言わないというシルバ的な強さもある。怪我続きで稼動できない立場でもSNSで露出し続けるメンディも、あれはあれで一つの強さかも知れない。

  グアルディオラの改造手術で、スターリングもただの素早い人から、精神の強さで勝つ人になった。今のスターリングは、ドリブル、ワンタッチゴー、バックドア裏抜けの三択を、相手が対応しきれなくなるまでひたすら繰り返せる。要はフットボールリセマラおじさんだ。言うのは簡単だが、90分間、週に2、3試合、それを繰り返し続けるのは極めて難しい…そう言う意味で、実は今一番クリスチアーノ・ロナウドに近い選手かも知れない。スターリングにロナウドの身体がついてたらあと10点は取っただろう。

 

 スターリングの心の強さはもう1つあって、黒人差別に立ち上がって声をあげたのは純粋に素晴らしいことだと思った。あのチェルシー戦やSUNの報道…あのクラブのファンベースといえば頻繁に人種差別のトラブルを起こすので有名だったが、いや許さねーよ、と言う姿勢を示すのは・・・なんというか、当たり前なんだが凄いことだ。去年別のクラブのファンに駐車場で襲われたりもしているから、ガチで生命の危険もあるわけだ。あの犯人が武器を持っていたらどうなっていたかとは考えたくない。そういうものに立ち向かえる強さを、今のスターリングは持っている。

 そう言うわけで、今年もリーグ戦17点10アシストの活躍。そのうちレアル・マドリーに行きたいとか言い出しそうだが、まあこっちだってレアルが欲しがらない程度の選手を囲ってるつもりはないからな。もしそうなったら、さしものフロレンティーノも吐き気がするくらいフィーを稼いで欲しい。

Chelsea v Manchester City - Carabao Cup Final : ニュース写真

 

16 リロイ・ザネー Leroy SANÉ

 1年通してほぼムスッとしていたせいで、ゼンデイヤにしか見えなかった。ゼンデイヤと言えば、ジミー・ファロンの番組に出たときのゼンデイヤは可愛すぎるのでみんな見てくれよな。

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 まあええわ。今年もしっかりシーズン10得点10アシストと結果を残し、新たに習得した無回転FKで2回もチームの窮地を救ったが、全体としては評価もいまいち、本人も露骨に満足していない様子が伝わってくる苦しいシーズンだった。これはもう、スターリングとベルナルドが良すぎたとしか言いようがない。

 何だかんだ残ってくれるだろうと思っていたが、今日ネットを漁っていてバイエルンロッベンとリベリ揃って退団という事実を知ってしまい、移籍濃厚すぎるなと思いを新たにした。母国だし、名門だし、ポジション完全に空いてるし。残って欲しいところだが・・・

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20 ベルナルド・シルバ BERNARDO SILVA

 ボール運搬も出来るし、守備でも走れるし、ドリブルで突破もできるし、さらに点も取れるという超人になっていた。ウケる…当然ながら、不動のレギュラーに定着。グアルディオラも「まずベルナルドを選んでからあとの10人を選ぶ」と言い出すくらいすごかった。ベストイレブンも当然。今、海外サッカーで通ぶりたい諸兄が挙げるべきサッカー選手世界1位だと思う。

「誰が好き?んー・・・ベルナルド・シルバ、かな」。

名前の絶妙な長さ、華麗なプレースタイル、通ならではの褒めるポイントとしての泥臭さ・・・完璧か。今夜もコリドーで、恵比寿横丁で、ベルナルド・シルバの名が囁かれているのだ。東京カレンダーが取り上げるべきサッカー選手No.1。

 

 真面目な話、先代シルバが衰えたタイミングでしっかり代役を用意できたというのは素晴らしい兵站力だと思う。補強禁止になる前で良かったですね。あと、良い人っぽく見えるというのもいいと思う。誰からもあんまりライバル視されていないシティにはぴったりのキャラクターだ。そのキャラクターも含めて先代のあとを継ぎ、シティの歴史に名を残す選手になってほしいところ。

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26 リヤド・マーレズ Riyad MAHREZ

 念願の移籍が叶うも、不完全燃焼。常にしょんぼりした顔をしていたのもその印象を強めた。とはいえ右に張ってドリブル、という最低限の仕事はこなしていたので、来年の改造手術に期待したい。コメントが短いのは疲れてきたからです。

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10 セルヒオ・アグエロ Sergio KUN” AGÜERO

 カフカの有名な短編に「流刑地にて」というのがあって、旅行家がどっかの島かに行くわけよ。カフカだから、それはどこにあるどんな島なんだとか聞いても無駄なんだが。そこには1人の将校がいて、流刑地にいる囚人を処刑する機械を管理している。この機械がまたすごいやつで、棺桶を2つ上下に並べてベッドのようにしてあって、間の空間に死刑囚を縛り付けると、上から針が下りてくる。そして半日かけて罪状を死刑囚の身体に刻みつけて殺すのだ。けったいすぎる機械である。

 なぜこんな話をしたかと言うと、シティがワトフォードを虐殺したFAカップの決勝を受けて、「潤沢すぎる資金とまともなビジネスマンが合わさると、ビッグクラブとそれ以外の間にグロテスクな格差が生まれてよろしくない」という議論が出ているんですね。*1シティに限らず今日のビッグクラブは「パワーバランスを崩していて、しかもそれが構造的に固定されすぎている」と。まあ確かにそうで、自分が応援するクラブだから良いものの、他のクラブが今のシティのようなサッカーをやってたら、第三者としては見る気全く起こらないのもわかる。グアルディオラバルセロナも、全然面白くなかったし。そういう記事を読んでいて、今のシティはほとんど処刑機械だなと思ったのだった。90分もひたすら責められて結局殺す。ひどい話だ。

 

 前置きが長くなりすぎたが、何が言いたかったかというと、シティがそういう可愛げがなさすぎるフットボール処刑機械になった要因をあえてピッチ内に探したとき、実は無視できないファクターとしてアグエロの成長があるのではないか?ということだ。グアルディオラが来る前のアグエロはある種びっくり箱で、ものすごいゴールは決めるんだけど、持ちすぎだったり中盤と絡むのが下手だったり、あと展開が速くなると消えてしまったりで、早い話がいても味方の点が増えるわけではない、という選手だった。 が、今やポストプレーは失敗しないわ、90分守備に奔走できるわで、めちゃめちゃ集団で機能する選手になっている。そして、この能力でミスをしない選手がどうなるかというと、弱い者いじめがひたすら上手くなる。それでいてリヴァプール戦の先制点のように、統計的オッズをひっくり返してスーパーゴールも決められる。ひどい話だ。

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33 ガブリエウ・ジェズス Gabriel JESÚS

 リーグ戦わずか7得点とスランプに陥ったように見えて、実はカップ戦で荒稼ぎしたため、シーズン合計では21得点。全部ひっくるめたらアザールやラカゼットより点取ってるのだが、ダメですかね。まあ、ダメでしょうね。期待が高いからな。

 もともとの売りだった守備での献身やポストプレーの面でアグエロが成長してしまったので、点が取れないところばっかり目立った。ここから巻き返すにはまあ色々あるだろうが、あえて1つに絞ろう。シュート。強いシュートだ。ジャストミートした強いシュートさえ打ってれば、人は何となく「こいつ点取りそうだな」と思ってくれるものなのだ。例えばスティーヴン・ドビーみたいに。ミートさえしていれば、多分来年の評価は爆上がりだ。

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www.youtube.com

シュートだけはすごかったドビー先生

*1:一部の過激派(グアルディオラに、「あんたアブダビから袖の下もらってんでしょ?」と聞いたような人たち)はアブダビの人権問題とオイルマネーを主に問題にしたがっているが、ジョナサン・ウィルソンのようなもう少しバランスが取れたジャーナリストはもう少し広く問題を捉えているようだ

2018/19 マンチェスター・シティ シーズンレビュー個人編(前編)

GK

1 クラウディオ・ブラボ Claudio BRAVO 

 アキレス腱を切ったとかで、シーズン全休。話のしようがなくて申し訳ない。最初のシーズンはその余りにイージーな守りで笑いものになってしまったが、控えとしてはやっぱりチリ代表119キャップの男は頼りになるので、来年は復活を期して頑張ってもらいたいところ。

https://media.gettyimages.com/photos/manchester-citys-claudio-bravo-poses-during-the-training-session-at-picture-id1148060830?s=2048x2048

 

31 エデルソン・モライス EDERSON Moraes

 まさかのベストイレブン受賞。完全にアリソンだと思ってたわ。すまんな。

 GKにはサイコを置け、というのは近代サッカーの鉄則であって、ミニョレが微妙なのは良い人っぽいからだとと思う。別にミニョレに恨みはないが。味方(主に、ジンチェンコかベルナルド)がいじめられそうになったら秒でキレ散らかすというサイコムーブを今年も披露。やはりそうでなくては困るというもの。

 今年は自慢のキックが更にパワーアップし、アシストも記録。ペナルティエリアの端に出された無理目のスルーパスに飛び込んでPK、というパターンをやけに繰り返していたのが気になったが、ほぼほぼ文句なしです。

Brighton & Hove Albion v Manchester City - Premier League : ニュース写真

 

32 ダニエル・グリムショウ Daniel GRIMSHAW*

 ブラボの怪我で、すわ第2GKに抜擢か!と思われたが、普通にムリッチが呼び戻されていて切なかった。どこかの新聞が川島をオプションに挙げたことで微妙に注目されたことくらいしか覚えていない。まあしかし、メスゴリラ川島さんとシティをリンクさせた功績は大きいのではないか。こういう2,3日の小ネタを提供した選手は、末永く覚えていてあげたいと思う。(「スティーヴン・フレッチャーにレアル・マドリーが興味」とか。)

Manchester City Training Session : ニュース写真

 

 

49 アリヤネト・ムリッチ Arijanet MURIC

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 どっちやねん!みたいな。

 レンタル協定に則ってNACブレダに貸し出されていたが、ブラボの怪我で急遽出戻り。ようやくまともなGKが来たということでブレダでは喜ばれていたらしく、ほんとすいません。

 流石に決勝は任せてもらえなかったが、リーグカップでは準決勝までの4試合をスタメンとして1点に抑える活躍。結構良いGKなのではないか、これは。しかも数年前に本人「足元苦手っす」と言っていたのに、今年は「アウトサイドで数十メートルのロングパスをサイドバックに通す」という荒業も披露。好調コソボ代表でもデンマーク戦ブルガリア戦とスタメンを張っており、今後に期待が持てるところである。でもこの歳で第2GKはちょっと困るよなあ。アレックス・マニンガーのように第2GK人生を頑張った結果、アーセナル、ユーヴェ、リヴァプールに在籍するという道もあるにはあるが、マニンガーにしたってちょこちょこ試合には出てたからな。新しいアメリカ人も来るし、難しいところだ。

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DF

4 ヴァンサン・コンパニ Vincent KOMPANY

 我らがキャプテン・マーヴェルは今年も終盤戦でレギュラーに復帰し、抜群の安定感を発揮。シティの10年で多分2回目くらいのミドルシュートがスーパーゴールになるという偉業も達成し、全体的に「居てほしいときにいる」というかつての正反対の地位を獲得した。ただまあ、今でこそチームの中では下手な方だが、もともとコンパニって「攻撃面でも破格なCB/DMF」という位置付けの選手だったしね。昔取った杵柄というか、マインドとしては“俺は全然攻めも行けるぜ”的な人なわけよね。身体はついてってないけど。 

 あとは、チケットの値段が高すぎる、という声に賛意を示していたのもコンパニらしい振る舞いだった。サッカー市場が拡大してピッチ外の人材供給も充実してきた結果、欧州中のビッグクラブがそれぞれの集金方法を洗練させつつある。チケットのプライシングもその一つで、要は可能な限り高くファンから分捕ってやろうとしているのだ。そうなれば当然、ローカルなファンは不利になる。一生に一度の経験だと思ってやってくるグローバルファン(例えば、あなたや私)の方が概して大きな財布を持っているからだ。

 一方で、グローバルなファンは、ローカルファンで満たされた、”現地ならではの雰囲気”を味わいたくて渡欧する。自分の周りが全部アジア人の観光客だったら、興ざめを感じるかもしれない。もしかすると、ローカルのファンは今後、ファンと言うよりも一種のキャストとして扱われていくのかもしれない。グロテスクなことだが。

 

 話が逸れた。ピッチの上でのコンパニは、決して常に信頼感抜群というわけではなかった。マイケル・コックスが言うように、しょうもないミスを取り返そうとしてイエローカード、というシーンも多かった。だがピッチ外の振る舞いも含めて考えれば、コンパニは常に素晴らしい、自分が好きなクラブにいることを誇りたくなるキャプテンだった。さらばキャプテン、またどこかで。

Manchester City v Watford - FA Cup Final : ニュース写真

 

5 ジョン・ストーンズ John STONES***

 書くに当たって確かめてびっくりしたんですけど、「前半戦はレギュラーだったが、年末の連敗から風向きが怪しくなり、後半戦は控え降格」という感じでは、実はなかった。前半戦のスタメンは65%、後半戦は50%ということで、別に前半も不動のレギュラーという感じではなかったんですね。そういうイメージがあったが。

 何れにせよ、そこそこやっていたものの去年のスーパーストーンズモードには戻らず。このままレスコット的立ち位置にいるのも勿体無い選手だと思うので、引き続き期待して待ちたい。まあリオ・ファーディナンドも、24のときには結構微妙だったからな。こうやって私は少しずつウォルコットの沼に嵌っていくのだ。

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14 エメリック・ラポルト Aymeric LAPORTE

 裏取られなくなりましたね。何が変わったかは知らんが。それなりに安定した守備と、ほとんどMF的な組み立て貢献で、めでたくベストイレブンを受賞。

 シティの左利きのCBといえば、「一人だけ間に合った男」ルシアン・メットモ、コンパニの初代相方レスコット辺りが思い出されるが、偶然利き足が左だっただけの2人に比べて、ラポルトはもう、黄金の左。去年あたりからシティは、1トップを敷いてくる相手に変則3バックで1トップ脇からパスを出しまくるという形を取っているが、そのポジションでエグい楔を連発していた。相変わらずフランス代表には全く呼ばれずブーブー言いまくっているが、まあデシャンが飽きてやめるのを待ってほしい。「うちの彼氏を呼ばないのはバカ」とか言い出すアレな彼女もいないみたいだし。

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15 エリアキム・マンガラ Eliaquim MANGALA

 1年まるごとリハビリ。もともとは今シーズン末に契約切れだったが、回復のために1年延長した。

 考えてみると、2014年に4,400万ポンドで加入してからシティの選手としてフルに戦えたのは最初の2シーズンだけなわけで、実に2,640万ポンド分はバリューを生み出せずに無駄金というわけだ(まあ実際P/L上は費用計上してるとは思うけど)。しかもこの先、可能な限りリクープしようと思えば試合に出して、やれるぞというところを他のクラブに見せなければならない。つまり、フリーで放出して給料分を浮かすのが関の山という結果になる可能性はすこぶる高い。そう考えると、いい試合もあったし、素晴らしい人格の選手ではあったが、投資としては失敗だったと言わざるを得まい。次の場所では、欧州を震撼させたと言われている、と言われているそのパワフルなディフェンスを見せて頑張ってほしい。

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30 ニコラス・オタメンディ Nicolás OTAMENDI

 将軍閣下はご機嫌斜め。ベストイレブンから一転、完全に控え化。好調時の可能性ではストーンズに、厳しい場面での耐久力ではコンパニに劣るという押しの弱さが悪かったのかもしれない。ただご機嫌斜めと書いたが、最後まで不満を漏らさず役割を完遂したところはプロフェッショナルだと思う。イカルディとは違うってことよ。

 退団する気満々とのことだが、まあキャリアの絶頂期に控えなわけだし、仕方あるまい。さらば、我らがサメ将軍。将来に幸多からんことを祈りたい。

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34 フィリップ・サンドラー Philippe SANDLER

 チャラいエズラ・ミラーみたいな風貌のオランダ人CB。今年は通年トップチームに帯同したようだが、カップ戦での顔見せ出場に終わった。アンカーとして途中から投入され、さっそくチャラすぎるボールロストで大ピンチになっていたところはキャラが立っていて良かった。

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50 エリック・ガルシア Eric GARCÍA

 リーグカップで3試合フル出場。18歳にしては異様なほど落ち着いており、前線に鋭いパスを供給しまくっていた。コンパニとオタメンディが両方離脱ということを考えると、これは4番手として出場機会増!若手大好きファン大喜び!!と思うけど、こういうタイミングで普通にシニアな選手2人くらい買ってきて平気でレンタルに出すのが近年のシティなんすよね。そのこと自体が悪いとは言わんが。

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2 カイル・ウォーカー Kyle WALKER***

年末に不安定な出来が続き、ダニーロに交代。しかしダニーロもどっちもどっちだったので、すぐスタメンに復帰した。WSD等のベストイレブン議論でもカスリもせず、やや残念な1年。それでも、全体的なクオリティは高かったと思う。ベースが高いからな。

ウォーカーというのは、基本的にあらゆる局面に間に合う、力加減が下手、かつ顔がおもしろい(ちょっと田中邦衛っぽい)という特徴がある選手で、これが合わさってどうなるかと言うと、ミスが全部ナメてたかウッカリしてたかにしか見えないんですよね。ちょっと可哀想だとは思う。

もう30歳なのに来年もあの芸風でいけるのかという懸念の裏で、ダニーロは出て行く気満々。1、2年以内に、右サイドバックには大手術がありそうだ。

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3 ダニーロ DANILO

 ウォーカーの不調にもかかわらず、リーグ出場はわずか11。スタメン出場時も悪くはなかったが、リヴァプール戦のヘディング被りとか、スピード不足でラインが押し上げられなかったりとか、やはり筋肉の壁は厚かった。インテル移籍の噂が盛り上がっており、どうやら今年限りの模様。両サイドバック / アンカーの控えという所謂守備のユーティリティポジションとしては、出色のクオリティだったと思う。まあ2,650万ポンドもしたしな。イタリアで夢を叶えてほしい。ジェフでも良い。

Manchester City v Liverpool FC - Premier League : ニュース写真

 

22 バンジャマン・メンディ Benjamin MENDY

 10月に復帰して数試合出て、また大怪我。たまに戻っては来たが、すぐ後遺症が起きて休み、と残りはほぼ全休していた。最初の頃は「まじでこいつおもしれーなwwww」と言っていたファンの反応も流石に雲行きが怪しくなってきている。SNSはするけどリハビリは真面目にやってます、というならまだ良いにせよ、普通にナイトクラブ行ってるしな…

 一方、わずか10試合で5アシストを記録したように、決定機を作る能力が破格すぎて、「もし万全の状態でプレーできたら・・・」という、かつての永井雄一郎みたいな選手になりつつある。サイドバックでそのスタイルは新しすぎるだろ。

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 不良債権化が着実に進行しているが、(マンガラと同じで)苦しいことに、売っ払おうにも最低半シーズンは使えるところを見せないとどうしようもない。もはやこの二進も三進も行かない状況を打破できるのは、人呼んで西の最終兵器、あらゆる靭帯をつなぐ男、ドクター・クガしかあるまい。クガてんてー!がんばえー!!がんばえー!!!という、そういう心持ち。

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あらゆる靭帯をつなぐ男、ドクター・クガ*1

今年のシティ総括、そしてFFPの件はアリかナシか マンチェスター・シティ2018/19シーズンレビュウ(改訂版)

※読み返したら、あんまり面白くなかったので書き足しました。消すのもしょっぱいので残しておくけど。

 

日曜日は飲むためにある。そういう訳で、夕方からカンパリで酔っ払っていた2018/19シーズンのプレミアリーグ最終日は、優勝という最高の結果で終わった(夏はカンパリがうまいからいいですよね)。10年間で4度目の優勝。そしてリーグカップ優勝に、FAカップ決勝進出。素晴らしい。いつもこんなことばっかり言ってるのもダサいが、ジョン・マッケンに僅かな希望をかけていたあの頃、こんな未来が想像できただろうか。人生の春である。

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良かったこと

ピッチ内は総じて良かった。私はチャンピオンズリーグがどうなろうがリーグで優勝できないのは嫌というタイプなので、今年の成績には満足である。

なぜチャンピオンズリーグが割とどうでも良いのかというと、アレは基本的に、他人のコンペティションという感覚なんすよね。シティがアブダビ資本に買われた2008/09シーズン以降、降格を経験していないのはかつてのビッグ4と、スパーズ、エヴァートン、シティだけだ。ブラックバーンも、ニューカッスルも、アストン・ヴィラも、全て降格していった。ということは、これら4チームに比べて特段ファンベースも裕福なオーナーも持っていなかったシティがもしADUGに買収されていなかったら、多分シティも降格していただろう。2007/08シーズンの最終戦ミドルズブラはシティに8-1で勝った。その後の11シーズン、ミドルズブラプレミアリーグで過ごしたのは2シーズンだけだ。シティは“あっち側”のクラブだった。そしてCLには、”あっち側”がない。存在しない。CLは楽しいコンペティションだ。バルセロナvsパリSGリヴァプールvsレアル・マドリーバイエルンvsチェルシー。だが私は、アラブの大富豪の胸先三寸で行けなかったかもしれない世界に、未だもってプレミアリーグほどの親近感を覚えられないでいる。もちろん、シティの経営陣は同意しないだろうが。

https://media.gettyimages.com/photos/fans-display-encouragement-for-their-manchester-city-manager-sven-picture-id81054117?s=2048x2048

 

また、ラポルト、ベルナルド、スターリングと、各ポジションで今後5年程度中核を担ってくれそうな選手が一本立ちしたことも良かった。なにせ3人全員ベストイレブンだし。スターリングが最たる例だが、3人共グアルディオラの改造手術の結果、90分間ひたすら二択を迫り続けるめちゃめちゃ嫌らしい選手になった。それでいて、スペシャルな突破力は残しているという(ベルナルドに至ってはむしろドリブル突破が強力になっている)。他にも、アグエロメガシンカギュンドアンの適応、ジンチェンコの成長、フォーデンの戦力化と、ポジティブなファクターは多かった。ピッチ内には。

 

 

 

悪かったこと

ピッチ外のスキャンダル。なにせUEFAFIFA、FA、プレミアリーグの4つから取り調べが入っているのである。ロイヤルストレートフラッシュかよ。その中でも一番注目を集めたのがFootball Leaksのタレコミに端を発するUEFAからのそれで、細かいところはこれを読んでほしいが、要するに「(FFPのブレイクイーブンルール抵触を避けるために)エティハド航空からのスポンサーフィーと偽ってオーナーの会社から資金を注入し、売上計上した」という疑いだ(ただし後述するが、不思議なことに、今日時点でUEFAの調査機関がシティを「疑わしい」と見ているのはこのこと自体ではない)

調査の結果自体はまだ見えないが、CL出場停止になっても1,2シーズン後になりそうとのことなので、今年どうこうにはならなさそうな気配ではある。補強禁止を食らうと辛いが。ただこの件については、ダンマリを決め込むのかと思いきやいきなり「この動きのウラにはライバルクラブが絡んでると思います」と無理筋の主張をクラブのオフィシャルで繰り出してすぐ消す、という対応がダサすぎたので残念。まあこういうときのPRチームが辛いというのは、よく分かる。FACTAで書かれたりしてね。

 

事実として、シティは2014年にフィナンシャル・フェア・プレイ(以下FFP)のブレイクイーブンルールが満たせなかったことで、CLの登録選手枠削減と、移籍市場(1回)でのネットでの上限額設定という罰を受けた。ここまでは事実だ。

問題はなぜその罰を受けたかということだが、2つの説明がある。

<説明1>

  • なぜ?:費用計算に当たり、FFP導入、ないしは導入が準備される以前に契約していた選手の給与が計算に含まれるか否かに関してシティとUEFAの見解が違ったため、結果としてブレイクイーブンに達しなかったから。
  • なぜ違った?FFP規則の附則第11条に沿って、「対象期間に損失が発生したことは、FY2012の損失のみが原因であること」「損益のトレンドが改善傾向にあり、今後はFFPを遵守できると見込まれること」という条件がクリアできれば、シティの場合£80mが控除でき、損失額は£35mに縮小。FFPはクリア、制裁なし。のはずであった。が、UEFAは2011年に発表した"toolkit"というテンプレートを、2013年4月に更新。更新版は附則第11条に関する部分の計算方法が変わっており、更新版に沿って計算すると、シティは附則第11条を適用できない、すなわちFFPをパスしないことになってしまった。要約すると、途中でルールが変わったから。
  • UEFAは知ってた?:もちろん
  • この話いつ出てきた?:2016年2月
  • この話、全体としてどの程度信憑性があんの?:Colin Savageっていうシティファンのおっちゃんが言っていることなので確証なし。本業はIT/戦略コンサルタントらしい。

www.mcfcwatch.com

es.mancity.com

 

<説明2>

  • なぜ?アブダビ関連企業からのスポンサーフィーがフェアバリューじゃなかった。実際に支払われた額よりも、PwCに妥当と判断された額が小さかった。
  • それでどうなった?:シティの弁護士がUEFAに「んなこと言うなら訴えたるぞ」と強硬姿勢を取り、定かではないプロセスのあと、前述の処分で手打ちになった。Football Leaksは、当時のUEFA事務局長ジャンニ・インファンティーノが(色々と損得を考えて)便宜を図ってやったのだと推測している
  • UEFAは知ってた?:みたいよ。
  • この話いつ出てきた?:2018年11月。Football Leaksのリークに端を発する、Der Spiegelの報道によって
  • この話、全体としてどの程度信憑性があんの?:不明。ただし、Football Leaksのリークが正しいと仮定するなら、シティ内部、およびシティとUEFAの間のメールが証拠になっている。

 

 

で、ここまでがDer Spiegel告発の第1弾だった。この時点では「まあ、そうでしょうね」という反応も多かった。UEFAも知っていることが明確で、既に手打ちになった話なので。が、Der Spiegelは第2弾の記事でとんでもない爆弾を放り込んできた。

 

 <説明3>

  • なぜ?:①アブダビ関連企業からのスポンサー契約をバックデートして締結し、2012/13シーズンに(ブレイクイーブンルールに抵触するほどの損失が発生しないようにした。②更に遡って、2010年の契約で、アブダビ関連企業からの契約のうち、額面の大半をオーナーの会社から支払い、売上計上した。つまり、スポンサーフィーを過大に計上した。
  • それでどうなった?:今どうなるか見てる。
  • UEFAは知ってた?:これが大事なところで、UEFAはFootball Leaksが暴露するまで知らなかったのではないかと思われる。当然えらいこっちゃだ。さっきの話とは全く違うのだから。(調査に入るときに、UEFAは「新事実が出てきたので」というようなことを仄めかしている。)
  • この話いつ出てきた?:2018年11月。Football Leaksのリークに端を発する、Der Spiegelの報道によって
  • この話、全体としてどの程度信憑性があんの?:不明だが、これもメールが出てきている(らしい)

 

このシュピーゲル砲でシティ城は言わば二の丸まで壊滅、もはやこれまでかと覚悟したが、さしものシュピーゲル砲も弾切れだったらしく、第3弾・第4弾は「グアルディオラに強引にアプローチしてバイエルンから寝取ったんや」とか、「テベスの所有権はキア・ジョオラビシャンがごっつ怪しい方法で持ってたんや」とかしょうもない方向に行き始めて沈静化。そして先日、UEFAFFP監視機関がシティを疑義ありと見なしてThe adjudicatory chamber(最終決定機関)送りにしたことで再燃したという次第である。興味深いのは、実はUEFAの調査機関がシティを罰すべきと見なしているのは「FFP抵触」ではなく、「UEFAを欺いた、またはミスリーディングした」ということである一方で、シティの反論は「財務的に不適切なことはしていない」なのだ。この食い違いはなんだろう?

 

 

 

私のスタンスはというと、昨秋にこれを書いたときから変わっていない。上記の仮定がもし本当だったとしたら(この留保は一応大事だ)、これは、アウトだ。ルールはルールで、UEFAプレミアリーグJリーグのようにオーナーがP/Lを気にせず自由にキャッシュを突っ込んでいいリーグではない。EU法に訴えるのもいいだろう。だが私は、自分が好きなクラブに強いだけでなく、正統なチャンピオンであってほしい。その意味で、私の中ではこれはナシだ。どうか嵐が早く過ぎ去ることを、そしてそのためにクラブが努力することを祈る。

wegottadigitupsomehow.hatenablog.com

 

 

 

どうでもいいこと。そして将来

4度目の優勝、しかもこの10年で始めての連覇を迎えて私が心底思うのは、「ガタガタ言うな」と言うことだ。勝負弱い、立ち上がりが悪い、落ち着いてない、セットプレーに弱いと、ぶっちゃけシティファンはガタガタ言い過ぎだと思う。スタジアムも、インターネットも。1点取られて「元気がよろしおすなあ」くらいの反応でいいのではないか。まあそれは冗談にしても。

 

こういうナラティブは歴史が長くて、英国のファンベース自体にも、“Cityitis”(”シティっぽさ””シティ感”。大事なところで失敗してチャンスを逃す歴史的習性といったところ)という言葉があるくらいなのだ。だが事実として、シティはこの10年で最も安定して勝ち点を取っているクラブだ(2位のマンチェスター・ユナイテッドに53ポイント差ある)。失点が多くもない、セットプレーに弱くもない。勝負弱いか?いや、そんなことはなかろう。チャンピオンズリーグを除いて、2011年から向こう、勝たねばならない試合には概ね勝っている。CL除いてだが。優勝できてないのは、大体「そもそも勝たねばならない試合にたどり着けてない」パターンだと思う。まあ感覚的な話でしかないが。

ともかく今のシティは、絶対勝利が義務付けられたプレッシャー下で先行されても、30秒で追いつけるレジリエントなチームなので、私はガタガタ言わず、広い心で応援したい。ファック再現性。93:20、サンダランド戦のヤヤのあっち向いてホイループ、アグエロの左足ニアポスト。今のシティはWhen it really matterな瞬間にスリップしないチームで、私はそれで十分だ。

https://media.gettyimages.com/photos/sergio-aguero-of-man-city-celebrates-after-scoring-their-1st-goal-picture-id1077071470?s=2048x2048

 

 

Der Spiegelの見事なルポライティングによって「シティ=悪の帝国」のイメージ付けは着々と進み、ローン移籍規制で育成戦略は再考を強いられ、財政規律を重視するアプローチはサンチェス、ジョルジーニョに続いてフレンキー・デヨンも取り逃すという窮地にあり、これでもし2,3年後に補強禁止とCL出場禁止(収入減)を食らったタイミングで監督交代と考えると、アルテタになるかどうか知らんが、ペップの後任は相当に辛そうな気もする。ベニテスを1回挟んで全部被ってもらうのが良いのかもしれない。すまんな、ラファ。

https://media.gettyimages.com/photos/newcastle-manager-rafael-benitez-applauds-the-support-after-the-picture-id1142439118?s=2048x2048

(没にしました)マンチェスター・シティ:2018/19簡易レビュウ

 日曜日は飲むためにある。そういう訳で、夕方からカンパリで酔っ払っていた2018/19シーズンのプレミアリーグ最終日は、優勝という最高の結果で終わった(夏はカンパリがうまいからいいですよね)。10年間で4度目の優勝。素晴らしい。ジョン・マッケンに僅かな希望をかけていたあの頃、こんな未来が想像できただろうか。私は人生の春を生きている。私はCL優勝しようがどうしようがリーグで負けるのは嫌というタイプなので、割とOKなシーズンだった。 https://media.gettyimages.com/photos/jon-macken-of-manchester-city-during-the-barclays-premiership-match-picture-id51572513?s=2048x2048

 

 4度目の優勝、しかもこの10年で始めての連覇を迎えて私が心底思うのは、「ガタガタ言うな」と言うことだ。勝負弱い、立ち上がりが悪い、落ち着いてない、セットプレーに弱いと、ぶっちゃけシティファンはガタガタ言い過ぎだと思う。スタジアムも、インターネットも。そして私も含めて。1点取られて「元気がよろしおすなあ」くらいの反応でいいのではないか。まあそれは冗談にしても。 

 

 こういうナラティブは歴史が長くて、英国のファンベース自体にも、“Cityitis”(”シティっぽさ””シティ感”。大事なところで失敗してチャンスを逃す歴史的習性といったところ)という言葉があるくらいなのだ。だが事実として、シティはこの10年で最も安定して勝ち点を取っているクラブだ(2位のマンチェスター・ユナイテッドに53ポイント差ある)。失点が多くもない、セットプレーに弱くもない。勝負弱いか?いや、そんなことはなかろう。チャンピオンズリーグを除いて、2011年から向こう、勝たねばならない試合には概ね勝っている。CL除いてだが。優勝できてないのは、大体「そもそも勝たねばならない試合にたどり着けてない」パターンだと思う。まあ感覚的な話でしかないし、それはそれでもっと悪いことだが。

 最終戦だって、ちょっとパスが通らないとザワザワ、ちょっと先制されるとバタバタ、スタジアムもインターネットも騒ぎすぎなんだってば。今のシティは、絶対勝利が義務付けられたプレッシャー下で先行されても、30秒で追いつけるレジリエントなチームなのだ。ファック再現性。93:20、サンダランド戦のヤヤのあっち向いてホイループ、アグエロの左足ニアポスト。今のシティはWhen it really matterな瞬間にスリップしないチームで、私はそれで十分だ。

 

 ピッチの中が綺麗に締まった一方、ピッチ外ではスキャンダルに見舞われたシーズンだった。なにせUEFAFIFA、FA、プレミアリーグの4つから取り調べが入っているのである。ロイヤルストレートフラッシュかよ。その中でも一番注目を集めたのがFootball Leaksのタレコミに端を発するUEFAからのそれで、細かいところはこれを読んでほしいが、要するに「(FFPのブレイクイーブンルール抵触を避けるために)エティハド航空からのスポンサーフィーと偽ってオーナーの会社から資金を注入し、売上計上した」という疑いだ。

 調査の結果自体はまだ見えないが、CL出場停止になっても1,2シーズン後になりそうとのことなので、今年どうこうにはならなさそうな気配ではある。補強禁止を食らうと辛いが。ただこの件については、ダンマリを決め込むのかと思いきやいきなり「この動きのウラにはライバルクラブが絡んでると思います」と無理筋の主張をクラブのオフィシャルで繰り出してすぐ消す、という対応がクソダサすぎたので残念。

 

 Der Spiegelの見事なルポライティングによって「シティ=悪の帝国」のイメージ付けは着々と進み、ローン移籍規制で育成戦略は再考を強いられ、財政規律を重視するアプローチはサンチェス、ジョルジーニョに続いてフレンキー・デヨンも取り逃すという窮地にあり、これでもし2,3年後に補強禁止とCL出場禁止(収入減)を食らったタイミングで監督交代と考えると、アルテタになるかどうか知らんが、ペップの後任は相当に辛そうな気もする。ベニテスを1回挟んで全部被ってもらうのが良いのかもしれない。すまんな、ラファ。

告知

www.footballista.jp

 

現在発売中の月間フットボリスタ 2019年3月号に、マンチェスター・シティの経営戦略分析を寄稿しました。

マンチェスター・シティ サッカークラブ運営の常識を変える、シティの壮大なマスタープラン』です。

それもまた一つの愛

たまにTwitterを除くと興味深いものを見る。例えば、非常に倒錯した愛。

 

 

 

 

 

 

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この辺は人それぞれ見方があるかもしれないが・・・

 

 

 

 

 

 ――そこへフェチュコーフがすすり泣きながら、バラックへ入ってきた。背中をまるめ、口のまわりにはべっとりと血がついている。どうやらまた、飯皿がもとで袋叩きにあったらしい。だれの方も見ず、自分の泣き顔もかくそうとはしないで、班員たちの前を通り抜けると、上段ベッドへもぐりこんで、マットレスへ突っ伏した。

 よくよく考えてみれば、奴も哀れな男だ。とても刑期をつとめあげることはできまい。もう自分で自分を律しきれなくなっているのだ。――