雑談:2021/22シーズンのマンチェスター・シティ プレビュウ

いきなり何言ってんだと思うだろうけど、今年リーグで優勝しないくらいが良いと思うんですよね。もう。この5年で3回優勝でしょ。で今年も勝ったら4回でしょ?ちょっとバランス悪くないですか。

 

スーパーリーグ構想のときに最後まで荒れて実力に訴えていたのはマンユナイテッドのファンだったが、言うちゃなんだけど結局結果が出てるか出てないかの影響が大きいと思っている。シティにせよリヴァプールにせよチェルシーにせよ、今の経営体制でいい思いさしてもらっているが、マンUのファンは(ほとんど)していない。ドイツは今のところ国に金があるので何とかなっているが、競争のバランスが崩れたところに金がなくなるともうスーパーリーグ自爆スイッチを押すしかなくなるのはイタリアやスペインの通りだ。だから色んなところがある程度順繰りで勝つようになってた方が良いんだよな。

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と、去年勝つとまあこんな調子ぶっこいたことも言えるということでもありますが。そういう意味では、今年はチェルシーマンUの補強が豪華すぎ、またケイン獲得失敗の顛末もあって、どうも「シティは移籍市場で失敗した」というナラティブが巷に感じられる。

 

私の記憶が正しければこんなナラティブがあったのは2012年の夏が最後だが、CL優勝しなければ失敗、優勝したら「国家プレイ不公平だと思います。人権侵害。」という袋小路に追い込まれてしまっている(自業自得だが)シティにとっては決して悪い状態ではないなとか思ったりする。

 

 

ひと夏のハリケーン

シティが試合に負けるときは構造的に必ず決定力不足が原因になるようになっていて、というのは誰が相手でもチャンスは作るのだから、負けるとしたら決定力不足か撃ち負けるかしかない。CL決勝のチェルシーくらいか、例外は。

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昨年末の段階で、ケインは移籍できないだろうなと思っていた。案の定そうなったわけだが、別にそれは難しい予想ではない。今時珍しい売却条項なしの長期契約を結んでしまった時点で、移籍したい選手、つまりケインにとっては取れるオプションが実質「色んなやり方でゴネる」しかない。ケインが移籍したがっているのは誰の目にも明らかだったが、ダニエル・レヴィにとって生え抜きでエースで主将の選手を手放すハードルは高く、当たり前だがシティも価値に見合った額だと思っている額しか出す気はなく、ケインにとっては初手からほぼほぼ詰んでいた。

 

気になった人:ハリー・ケイン

さてケイン。

ケインのことだけに限って言えば、本当に移籍したいのかどうかは置いといて(したいようにしか見えんが)、もう長期契約しちゃったから逃げられない。

ケインにできることといえば「このままじゃやる気なくなるかも・・・」とかってソフトに脅すくらいしかない。多分移籍はできないだろうと見ている*1。

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ゴネるためには同僚や上司やファンに白い目をされながらも突き通す根性が必要になるが、ケインにそれだけの根性はなかっただろうことは、EURO明けで練習をサボってはみたものの、数週間もしないうちに「練習をサボったわけではない!それだけはわかっていただきたい!」みたいな声明(じゃあ一体何なんだよ、と世界中が思っただろう)を出して保身を図っていたことからも明らかであった。根性ないと言うと聞こえが悪いが、それだけスパーズを愛していたのかもしれないし、倫理観があるとも言える。スパーズファンの一部が「まだ移籍したいのかどうかは確かじゃない」みたいなピンクユニコーン探しをしていて切なくなったが、例えば明日フォーデンがチェルシーに行きたいと言い出したらシティファンもそうなるだろう。サッカーファンダムは切ない。

 

まあどっちにせよ、今の職場が一番良いんだと自分に言い聞かせて頑張るしかない。頑張ってほしい。

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換えが効かないベルナルド

昨シーズン中盤の連勝を支えたギュンドアン=ベルナルド=カンセロのポジションローテーションは既にシーズン終盤には対策が編み出されており、CLの最後の方はセットプレー以外には「フォーデンが気合でなんとかする」しかソリューションがない状況であった。で、結局他チーム比でそんなに決定的なセンターフォワードが来なかったので、色々やるけどイマイチ点が入らんな症候群は続くだろう。

 

ただ、守備が機能していれば寄り切り寄り切りで勝ち点は拾える。一つの条件はルベン、ストーンズ、ウォーカーが故障なく出場することで、これは一応3人揃っているのであとは怪我しないように祈りたい。サウスゲイトのアホがストーンズを使いすぎないように、タイロン・ミングスアゲ↑アゲ↑運動を展開していく仲間を募集しています。

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でもう一つは「明神智和界のメッシ」「水を運ぶ人スーパーDX」ことベルナルド・シルバがコンディションを保って試合に出続けることで、ベルナルドがいるとひとまずプレスが形になる。そういう意味で今のシティで一番換えが効かないのはルベンでもデ・ブライネでもなくベルナルドかエデルソンなので、本人は出ていきたくても後1年2年頑張って働いてほしい。

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スターリング再覚醒どうかね

去年はできないことをやらされすぎて出来ることもさっぱり出来なくなったスターリングだが、やっぱり色々考えるとこいつオモロすぎか?って思った。120分間ずっとあのスピードで走り続けられるの超人すぎる。どんだけチャンスに間に合っとんねんと。EUROでスターリングに対応し続けたヴェスターゴーアが最後足に来てヘロヘロになっていたのはいいシーンだった。

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しかもコンディションと使い方が整えば強烈に得点力がある。グアルディオラがグリーリッシュについて「スターリングのように点が取れるようになるよ」と言ってみんな嘲笑していたが、じゃあどこのウィングが3年で80点取れんねんと。モー・サラーくらいのもんで、例えばサンチョは上手いけどまずそんなに点は取れないだろう。

 

ただ基本ボール扱いが下手だし、おそらくは身体の構造上の問題で強いシュートが(条件が揃わないと)打てないので、注意して使わないとすぐイライラ製造機になってしまう。見てないけど開幕戦もなんかそんな感じだったんでしょ?タンガンガにせよ、ワン=ビサカにせよ、左ウィングで狭いところに入れて勝負さしたらいかんのよね。やっぱりCFか右のウィング、あるいは何ならインサイドハーフで使うのがカッコいい。

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じゃあ現実的にはやっぱり右なのか、という話になるが、ノリッジ戦・アーセナル戦でガブリエウ・ジェズスが右ウィングとして3アシストを叩き出してきた。いや、たしかにウィングの方がいい選手だと思うよって言いました。言ったけど、更に右ウィング増やしてどうすんじゃい。しかもフェラン・トーレスを今年は中で使うという。いや、面白いは面白いが。

 

 

グリーリッシュ、あるいは巨人の石井浩郎

そのヴィラから来た人だが、きっと活躍することでしょう。もうハマってるし、基本めちゃくちゃ上手だからな。ドリブルが上手くて複数のエリアを横断しながらプレイできたらもうあとはグアルディオラに改造されるのは目に見えている。

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それは良いけど、「ウィングにマレズ、スターリング、フォーデン、グリーリッシュが揃っています」って、ぶっちゃけどう?あんまりクールじゃなくない?いや4人揃って豪華だなとは思うが。トップトップのシニアな選手が4人て。これはどういう意味かと言うと、シティはコール・パーマーとか、トミー・ドイルとか、ジェイムズ・マカティーとか地元生まれ地元育ちのアンダー代表、しかも肉体的にもトップレベルでそこそこやれそうな選手が結構いるが、彼らは基本3番手以下だということだ。3番手て、基本計算には入ってないっつーことですからね。育てて売って原資が入るねやったーモデルはもうわかったのよ。

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そういう意味では、メンディがまさかの起訴されてしまった左サイドバック / ボランチはいいチャンスなのだが、流石にあのポジションで要求を満たせる肉体的技術的素質を満たせる選手がいると思えないので、カンセロを騙し騙し使っていくしかないのだろう。

 

まあ今年はそんな感じで、書いている人が最近疲れているのでこの辺で。