プレミアが終わったので全チームの感想を言おう(4月~5月編)

 

4/4 レスター ○2-0 (A) | 🦊

鬼門の5-3-2が相手、しかもこちらは代表戦明けでギュンドアン、カンセロ、ベルナルド、フォーデン、スターリング、ストーンズ、ジンチェンコを使わないという構成。これまでならハメられていたこと間違いないが、今回はそうでもなかった。

これは結構えらいことで、このメンバーでもレスター相手に2-0相撲ができたら、国内で勝点を落とす余地は更に少なくなる。例えば1月末のシェフィールドU戦では、この日のようにウォーカーとラポルトフェルナンジーニョを使って、攻撃が詰まりまくっていた。

 

変わった点としては、

  1. ロドリがデ・ブライネ、マレズと一緒に相当広範囲を動いて流動性を提供していた。ロドリはドリブルが上手い上に、周りに人が居さえすれば、CMFとしてもちゃんと役割が果たせる。この二人が3枚の相手MFの横に流れてプレーするので、アヨセは大分面倒くさそうにしていた。
  2. ジェズスとアグエロ縦に動いて相手のDFラインを上下に動かしていた。
  3. こちらの密集度も下げてしまうサイドチェンジを減らして、攻撃を横に狭くしていた。一時期使いまくっていたサイドチェンジだが、どうせすぐ寄せられるから多用すると損、という結論になったようだ。
  4. 硬直型メンバー(具体的にはメンディ)もサーキュレーションがちょっとうまくなっていた。57:32のシーンはいい例だ。

という感じで、5-3-2の泣き所(WBの前、DFラインの裏)にパンチを繰り返して、DFラインとMF3枚の間が空いたらその隙間にデ・ブライネを突っ込む、ということを繰り返していたら、レスターのバイタルエリアがメロメロになった。あとカウンタープレスがむちゃ効いてた。

 

気になった人:ケレチ・イヘアナチョ

皆さんご存知、人を呪わばイヘ穴チョ。2015/16シーズンにはシティ最大の希望だったストライカー。

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速くもないし強くもないけど点は取れるという選手だったが、2年目に点すら取れなくなってどうするべこいつみたいになったところでレスターに2,500万ポンドの高値で売りつけてしまったので、めっちゃ罪悪感があった。リーグ月間MVPを取るところまで仕上げてきてくれて、心の底からホッとしている。

ナチョの良いところは体勢が悪くても強いシュートを枠に収めてくる技術と、ファンタジスタっぽい雰囲気だ。あとシュートを撃つのに時間が要らない。

昔はそれにかまけてあんまり走らない選手だったが、最近はヴァーディーを見習ってか、ちゃんとゴール前に飛び込むようになっているので成長が伺える。ただこの試合では、受けに降りてくるんだけど別に振り切る速さも強さもない、というナチョらしい微妙なところを見せてくれてシティ的には助かった。

 

4/6 CLベスト8 ドルトムント ○2-1(H)

CLってトーナメントだからリーグ戦よりも後先考えずにリソース割けるし、作戦も立てやすいし、そもそも相手が強い(給料の違いは、国が違えば比較できない。例えばあなたの仕事はアメリカでやれば給料2倍だが、だからってアメリカに行けとか言われても困るだろみたいなもんだ)。だからCLで当たる相手が今リーグ5位とか6位といってもあまり参考にならない。それが見事に表れた好ゲームであった。

ドルトムント

  1. シティのDFラインは基本放置する
  2. 中盤に強い選手を5枚並べて圧縮し、必要ならDFラインにも入ってスペースを空けない
  3. でもバイタルも空けないよう、逆サイドはある程度捨てる

をバッチリ決めて、シティが最も流動性を発揮できる面子で揃えてもいつもの流暢さは発揮できなかった。シティもピンチがそんなにあるわけではなかったが、エデルソンがミスって炎上しそうになった。ルールは知らんが、ベリンガムは可哀想というしかない。あとルベンがホーランにぶっ飛ばされた件か。決められなくて良かったねって感じだ。

 

気になった人:マッツ・フメルス

もともと速くないCBが年取って完全についていけなくなっているが、組み立てはべらぼうに上手い。そして対面する選手は不在か、たまに戻ってくるベルナルドだ。ドルトムントはこの賭けに勝った(2失点に目を瞑れば)。多分ジェズスかスターリングを当てた方がフメルス的には嫌だっただろうが、ビッグゲームはベルナルドで手堅く行きたいというグアルディオラの気持ちはよく分かる。

単体ではあまり勝負できないベルナルドを尻目に、ダフード、ゲレイロの激ウマトリオでビルドアップを成功させまくり、マレズにシャトルランを強制していた。その結果が、マレズがスペースを埋めきれなかった同点シーンだと思う。

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4/10 リーズ ●2-1 (H) | 🎸

後半開始のマンチェスター。1-0でリーズがリードも、主将クーパーが一発退場で数的不利。リーズは自陣への後退を選び、ピッチ中央には広大なスペースが残された。ここには誰もいない。ここには誰もいない、から?

そう、ストーンズ大感謝祭の開幕である。

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かくして全世界は、45分に渡ってストーンズの果敢なドリブルとバイタルエリアでのタコ踊りを目撃するになったのだった。もう、ドリブルするする。引かれたらCBがドリブルで運ぶというのはセオリーの一つだろうが、途中からお前完全に好きでやってるやろ感があった。試合は終了間際にカウンターを食らって撃沈。

 

気になった人:マルセロ・ビエルサ

本題はここからで、そのストーンズ大感謝祭、決定的なチャンスになったかというと別になってないのである。

ストーンズは何回仕掛けてもボールを奪われることはなく、何度も相手のゴール前まで迫ってはいたが、いくらドリブルが上手いと言っても所詮CBだし(本当に上手かったらそもそもCBやってない)、ストーンズはミドルが撃てるタイプのCBではない。結局点が取れたのはフェルナンジーニョが代わって運んだときだけだ。

 

じゃあなんでストーンズが一人ロックフェスやってたかというと、多分意識してフェルナンジーニョだけマークして、ストーンズを空けてた。戦力的に劣るチームが勝とうと思ったらどこかを捨てるしかない。数的不利なら尚更だ。

その意味で、「ストーンズにやりたい放題させるのが恐らく一番有利な賭け」と見込んでベットしたビエルサの慧眼と勇気、指導力には脱帽なのだった。ここに救いはない。

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4/14 CLベスト8 ドルトムント ○2-1 (A) 

花火騒動で萎えたので言いたいことも特に無いが、この辺りから大分ギュンドアン=ベルナルドを中心とした全員CMFみみっちサーキュレーションが通用しなくなり始め、かと言ってジェズスもアグエロもフェランも点を取るという意味ではほとんど戦力化できてないので、「フォーデンがなんとかする」というソリューションに頼り始めた。

 

4/17 FAカップ決勝 チェルシー ●1-0

外出していたので見れず。かなり景気の悪い試合だったようで、英語Twitterが荒れていた。でも世の中思い通りに行くことばかりではないので、2年前に勝った大会の決勝で負けた程度で荒れていたら人生どんどん苦しくなるばかりだ。受け入れて酒を飲むしかない。

 

4/21 アストン・ヴィラ ○2-1 (A) 

序盤押せ押せのヴィラだったが、シティが焦りだしてからは押し返せず前半のうちに逆転。ストーンズの退場も、かえって丁寧に行こうとしすぎて上手く行かなかった。ワトキンズは縦横無尽に優位を作れていたので、ワトキンズ一本足打法でもうちょっと行ってみても良かったような気がしなくもない。ドウグラス・ルイスの髪は湘南にいそうで良かった。

 

気になった人:マーベラス・ナカンバ

名前が強い。ジンバブエ代表には他にもタレント・チャワピワ、エルビス・チペゼゼ、ティーンエイジ・ハデベ、ナレッジ・ムソナ、ハードライフ・ズヴィレクウィ、パッション・エンドロなど、ファーストネームがかっこいい選手が揃っている。

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4/24 カラバオカップ決勝 トッテナム ○1-0 | 🐔

既に明らかになったシティ対策を実装できていないところから見て、スパーズは内情かなりドタバタしているのだろうと思った。モウリーニョがつい1週間前に解雇されたのだから無理もない。

シティで一番弱いギュンドアン=カンセロ=ラポルトの三角形(というかもう、ラポルト)をルーカスで突進しまくる作戦は理にかなっていたと思うが、そこまで繋げないのが痛かった。あと左サイドのBTSガメラ2レギオン襲来がウォーカー1人に完全にシメられていたのも辛かった。ウォーカーは結構うっかりが多いというか、変則的な相手には弱いのだが、真正面から当たると厳しい。

 

気になった人:ハリー・ケイン

さてケイン。

ケインのことだけに限って言えば、本当に移籍したいのかどうかは置いといて(したいようにしか見えんが)、もう長期契約しちゃったから逃げられない。

ケインにできることといえば「このままじゃやる気なくなるかも・・・」とかってソフトに脅すくらいしかない。多分移籍はできないだろうと見ている*1

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それはそれとして、アザールなりケインなりコウチーニョなりサネなり、プレミアのメガクラブから主力がどうしても移籍したがっているときは、なるべくプレミアの中で移籍さした方がいい。IPとしてのクラブやリーグの価値に恐らく最も効くのはスター選手の有無なので、プレミアの中に留めておいてリーガやブンデス、セリエへの選手供給を干上がらせ、プレミアとしての放映権料契約を高めるという戦略のほうが、CLに出るか出ないかで収入が大きく変わるというリスクを抑えられる。また売る側にしても、シニアな選手2,3人交換で貰えばかなりの戦力を削ぐことができる。

 

ですけど、ファン感情が難しいわな。私は個人事業主の転職なんだから別にいいじゃんと思ってる方だが、それでも例えば「フォーデンがチェルシーに行きます」とか言われたら嬉しい気持ちにはならないし。

 

5/1 クリスタル・パレス ○2-0(A)

電車の中で途切れ途切れにしか見れなかったが、完全ターンオーバーのサブ組で2-0勝利。こういうやりくりで勝つと嬉しくなるが、パレスの元気の無さがちょっと気になった。もう残留も決まったし、やる気が出しづらかったのだろうか。

シティは中盤をスカスカにして前線を厚くし、WBのクロスか降りてくるアグエロからのコンビネーションで点を取る、というサッカーをしていて、これアレじゃね?日本人にはお馴染み「ミシャ式」じゃね?と思った。

victorysportsnews.com


まあミシャ式は4-1-5で、これは3-1-2(WB)-4だが。ただ、ミシャ式はその変形にかかる時間の長さ、距離の遠さ、途中で関節に挟まってしまう鈴木啓太が最大の(そして負の)特徴であり、そこはトランジション分けたがらない人間のグアルディオラとは設計思想が違うのかも知れない。

 

4/28  CL準決勝 パリSG ○2-1(A) & 5/4 CL準決勝 パリSG ○2-0(H)| 🛢

FIFAアンセムの代わりにUEFAクラブ財務管理機関審査室を称える歌で始まったスポーツウォッシングダービー。「スポンサーフィー」と書かれた飛行機型の風船がパンパンに膨らんで観客席を漂うシーンには、思わずボリス・ジョンソン首相もダウニング街でニッコリ。

というのは置いといて。

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1stレグの前半はシティのプレスがパリに巧みに回避され押し込まれる、苦しい展開。でもデ・ブライネのクロスが直接入って同点になったらパリのメンタルがトロトロ♥になってしまった。とろけるおパリ。

2ndレグも開始直後からこれはちょっとやばいなあと思ってたが、案の定アピールとファールに忙しく、我を忘れて自分たちでどんどん空気を悪くしていった。来年からクラブ名をパリ❤サンジェルマンにしてはどうか。かわいいし。とか言うとじゃあシティは「マンチェスター$シティ」にしろとかって揉めるのでやめましょうね。

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シティは2試合通して(1stレグの後半除いて)「パリのCBからこちらの中盤裏にボールを通される」というまずい状態が継続していたが、ルベンと覚醒ストーンズがいて、中盤も早めに戻ってくるようになった今は耐えられた。あとはお得意のみみっちいサッカーと、ジンチェンコ起点のカウンターでなんとか点を取って勝ち抜け。あの二人には悪いが、今のスターリングとジェズスではカウンターは決められなかったかもしれない。フォーデンとマレズで良かった・・・。

 

ところで、NYTとか色んなメディアで「シティはついに究極の目標に王手をかけた」という趣旨の表現がされていて気持ち悪い。現オーナーの目標はそうかも知れんが、一つのコンペティションで優勝するかしないかということをプロサッカーチームの「究極の目標」になんかしないほうがいい。

そもそも「優勝する、しない」ということはほとんどのクラブにとっては重要なイシューではなく、たった十数個のメガクラブの幸せふわふわワンダーランドの中でしか通用しない極めて特殊な条件だ。存続し続けること、コンペティティブな試合をし続けることの方がよほど重要だろう(もちろん、適度に勝ってないとファンの不満が溜まってしまうが、これはコンペティションの競争バランスと期待値コントロールの問題だ)。スーパーリーグ構想や海外資本の参入にもっともらしく眉をひそめてみる割には、大手メディアはその原動力の方には無頓着である。

長くなったが、要するにこっちが喜ぶのはこっちの勝手だけど、それを他人から「究極の目標だよね笑」とか言われると、知らんしサステナビリティがねえんだよこの野郎って感じだ。

 

気になった人:マルキーニョス

高くて速くて強くて上手い。世界最高のCBの一人だと思う。プレスを物ともせず、ネイマールディ・マリアに縦パスをビシバシ通しまくっていたのは痺れた。惜しむらくはもう少し前に出て潰せるとパリ全体がもっと楽になるんだろうと思ったが、それは能力と言うより戦術上の問題なのかも知れない。

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気になった人:レアンドロ・パレデス

パラグアイにいた別のパレデスと行動原理が全く一緒。

ameblo.jp

 

5/8 チェルシー ●1-2(H)

パリ戦からエデルソンとルベンを残して9人を替えて完全ターンオーバー、先方もチアゴ・シウバジョルジーニョ、マウント、ハヴァーツなどお休み。

密かにプレミアを席巻しているトゥヘルの5-4-・・・2・・・3・・・まあなんだかよくわからんがあの5バックフォーメーションを、同じ5バックを使って機能不全に追い込んだグアルディオラの差配、放り込みの中で躍動する控え連中、インサイドハーフとWGを同時にこなしているスターリングとフェラン、そしてそこから尚も切り返して後半はチャンスを量産したトゥヘル、シティとチェルシーがお互い5バックで刺し合ってるという10年前に聞いたら頭おかしくなったのかと思われそうな事実・・・など全てが「!!!!!!?????」という感じでハイになってしまい、めちゃめちゃ楽しい試合だった。あるいは僕がシャブやってたからかもしれないね。

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こういう感じ

 

中身は後半からプレスが掛からなくなり、チェルシーの裏抜けに対応しきれなくなって最後は決壊。チェルシーにとっては、リース・ジェイムズがメンディを圧倒できていたところが突破口になった。

 

ギュンドアン、フォーデンといった主力を使って勝ちに行ったように見えたシティだったが、やっぱり普段のみみっちいサッカーとこの日の放り込みは活きる選手の特性が結構違うので試合中に方針転換するのが難しい。例えばウォーカーとストーンズはこのフォーメーションだと多分共存できないし、フォーデンとデ・ブライネは裏にスプリントを繰り返すのが上手い選手ではない。でも代わりに今のスターリングとジェズスを出すかと言われるとかなり勇気がいる。

また今日泣き所になった左ウィングバックのポジションはシティのアキレス腱で、ジンチェンコも前後に広いスペースに出ていって潰し合う、走り勝つというのは得意にしていない(多分、カンセロを使うのが一番マシだが、あいにく最近のカンセロは完全に精神が弱っている)。よってCLの決勝でどっちをベースにするのかはかなり難しい判断になりそうだ。いずれにせよ、良いもの見せてもらいました。

 

気になった人:ティモ・ヴェルナー

100エーカーはありそうなオフサイドの森に暮らしているクマちゃん。寝ても覚めてもオフサイド。その姿はあの元シティのFW、そしてノリッジのレジェンド、ダレン・ハッカビーを彷彿とさせたという。

しかしラポルトは裏抜けにほとんどついていけないので、ヴェルナーのしつこい飛び出しはかなり有効打になっていた。決勝点もヴェルナーのアシストだったし。

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5/14 ニューカッスル ○4-3(A)| 🐧

第3GKカーソンのおっさんを筆頭とした控え選手への福利厚生的なメンバー。レスターに5点取られた頃のサイドブレーキかけっぱなしシティが戻ってきており、直線的なパス回しが引っかかってはカウンターを食らっていた。

 

ニューカッスルはサン=マクシマン、アルミロン、ウィロックの突撃が楽しすぎるチームで、前半戦で「日本経済のようにしょぼくれている」とか言ってごめんなさい。ウィロックのパワーと突貫力は、右ウィングとしては最近中々見られないタイプだ。戻ってウーデゴール、サカと組んだらアーセナルの弱点が埋められそう。

 

後半から1トップに入ってハットトリックしたフェランは、1点取るごとに目に見えてあらゆるプレーに自信が溢れまくっていったのが面白かった。何が良いんだか相変わらずよくわからないが、あえて列挙してみるとこんな感じだろうか。

  1. シュートの前のトラップが結構上手い
  2. 強いシュートを撃つのに準備時間があまりかからない
  3. 体勢を崩してもミートするのが上手い
  4. 点が取れそうなところにしっかり走る目と体力がある
  5. WGなのにCFで使っても全然窮屈そうにしてない

5は要するに学習力で、プロダクトとしての能力というより、自分というプロダクトをマネジメントしていく能力だ。で多分グアルディオラが欲しがったのなら、ここが高い選手なんだろう。

 

気になった人:アラン・サン=マクシマン

イソギンチャクっぽい髪型、バカでかいリストバンド、白いスパイク、キレキレのスピンなど、いっぱしのドリブラーが備えているべき要件をしっかり兼ね備えた模範的好青年。縦だけじゃなく斜めにも速いというのが強い(例えばシティのウォーカーやスターリングは斜めにはあんまり速くない)。

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vsブライトン ●2-3 & vs エヴァートン ○5-0

消化試合なので割愛。でもブライトン戦はいい試合になったし、エヴァートン戦はアグエロが記念の点を取れたので良かった。昔、シティがアブダビ資本に買収される前もそうだったが、強豪相手に一発勝つとめっちゃ思い出になるんですよね。トッテナムに4-3で勝ったやつとか、マンチェスターユナイテッドに4-1で勝ったやつとか。

*1:ちなみに、私はシティファンだけどシティには全然来てほしくない。競争バランスがひどく崩れそうだから

プレミアが終わったので全チームの感想を言おう(1~3月編)

(基本、各試合の直後に書いたものです)

 

 

 

1/23 FAカップ チェルテナム ○3-1 (A)


4部のチェルテナムと対戦。キャプテンのベン・トーザーだけ知ってた。昔ニューカッスルにいたよね。

固い5-4-1、荒れた芝、狭いピッチの三重苦で80分過ぎまで負けてた。3バックで臨んだことが批判の的になっていたが、いつもの並びだってボール持ってるときは結局ほぼ3バックになるわけだから、大した違いではない。

問題は、ポジションを交換しながらプレーできる選手と、相手を引き付けてリリースできるDFが11人の中に何人いるかということで、この日はそれがフォーデンだけだったということだ(あとギリギリ、ジェズスとマレズ)。

交代で出てきたのがインサイドでプレーできるギュンドアンとカンセロ、後ろから運んで時間を作れるルベンだったのはそういうことだと思う。ともあれ、とにかく主力を休ませることが最優先だと思っていたので、個人的にはクオリティはどうでも良かった。

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1/26 WBA ○5-0 (A)

引き分けに持ち込まれてビリッチやるなあ、とか言ってたらクビにされていたWBA

意外にも、1月の9連勝の中で、内容で圧倒したのはこの試合だけだった。あとは、ブライトン戦の前半くらいだろうか。この試合はもうギュンドアンが点は取るわ、流れて組み立ての仕上げはするわ、ポケットに抜けてアシストはするわ、もはやギュンドアンさんとしか呼びようがない縦横無尽の活躍だった。さんをつけろよ、デコ助野郎。

この試合のシティは一番旋回力が高いメンバーだった。忍法ポジションチェンジの術。これを初見でやられたらキツイだろうなとは思う。ただこのメンバーは割と小粒で、「弱者のサッカーを高価なメンツでめっちゃ頑張ってやってる」という感じなので、CLで同格の相手に通用するかどうかはよくわからない。

 

気になった人:ロメイン・ソウヤーズ

プレーがどうこうではないが、地元生まれでWBA育ち、放出されたあと10年のときを経てWBAに帰還して昇格に貢献、という経歴が熱い。それだけでカムバック賞を与えてしまいそうだ。

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1/30 シェフィールド・ユナイテッド ○1-0 (H)

この日も煮え切らない内容で、xGも1.53。でも相手のxGも0.15に抑えてたからまあ良いかみたいな。全然ハマってないのに試合に出すと不思議に得点に絡むフェラン・トーレスが粘ったボールを、ジェズスが押し込んで1点ゲット。後半のロングボールをなんとか耐えきって勝点を稼いだ。

ブレイズの5-3-2はかなり強度が高く、何回左右に回してもスペースが全然空かなかった。なんとか中央に入れたいが、後ろの左右がウォーカーとラポルトだとまたこれが今ひとつ入らんのよね。

こういう試合で勝ちが拾えるから今シーズンは首位に立てているが、これは微妙なバランスで、CB陣に故障が起きたり、インサイドチーム(ギュンドアン、ベルナルド、カンセロ、フォーデン)がいなくなったりすると引き分けや負けに転んだりする可能性も全然あると思う

 

気になった人:オリー・マクバーニー&デイヴィッド・マクゴールドリック

最終盤に放り込み要員として登場し、きっちり仕事を果たしてシティファンを冷や冷やさせていた。マクゴールドリックは10年以上前にセインツで得点を量産しだした頃に一度見たことがあったが、まだいたんかい!という感じだ。相変わらずガタイの割にそこそこ足技がうまい。

ブレイズはマクゴールドリックに限らず、フィル・ジャギエルカとか、ビリー・シャープとか、ロドウェルとか、おっさんを雇用し続けているところが熱い。そしてロドウェルは相変わらずジムで「いや~まだ無理」とか言っているんだろうか。

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コンディションが整った試しがないロドウェル先生

 

2/7 リヴァプール ○4-1 (A)

リヴァプールは「お前ら、ボール持たれたらどうなんじゃい?」という問題を突きつけてきた。特に前半は、プレスを物ともせずヘンダーソンファビーニョサイドバックにビシバシ長いパスを通しており、さすがリヴァプールというクオリティだった。

近年のリヴァプール戦が苦しかったのは、こちらのプレスは効かないがあちらのプレスは効く、こちらは引いて守れないがあちらは引いて守れる、という不均衡で戦わなければなかったからだ。この試合ではそれが逆だった。サイドバックに通されても、中央を割られるシーンがなかったので耐えることができ、後半はハイプレスからミスを誘って立て続けにゲット。みみっちい戦い方だが、勝ったので良いとしよう。

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ところで、今年のリヴァプールは怪我人が多すぎてコメントが難しい(シニアなCBが3人全員シーズン絶望、なんて聞いたことないでしょう)のだが、投資ファンドが買収した場合のケーススタディとしては興味深い。

例えば、やはりクラブが変革期にあるときはプロ投資家とファンの利害が一致しやすいが、一度安定期に入ると足並みを合わせるのが難しくなるなとか。

リヴァプールがCLに常時出場できるまで強くなること、そしてリーグで優勝することはFSGにとっても重要な命題だっただろう。しかし、連覇するとか、王朝を築くとかになってくると、投資対効果が著しく下がる。

なんとなれば、マンチェスターUは「クラブの価値を上げるためにタイトルを獲る必要なんかない」ということを証明してしまってすらいる。ロヴレンを放出して代わりを買わないというところにもそういう姿勢は表れているように思われる。

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そもそもFSGはそのビジネスモデル上、手金を突っ込むということがダイレクトにリターンの減少につながってしまう。だから今後も、よほどのことがない限り、あっても貸付という形でしか金は入れてこないだろう。

と、考えていたが、今期はそのよほどのこと、つまりCL権を逃すという自体が起こりかけた。こうなると投資家としても普通に美味しくなさすぎるので、ファンにとっては多少心配事が減るかもしれない。皮肉なことだが。(→とか言ってたらスーパーリーグに飛び込みましたね。ヘンリー氏の濡れた子犬のような顔での謝罪ビデオは面白かったが、謝るだけならタダだからな。次はぜひ世界のヘイポーメソッドで謝罪してほしい)

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気になった人:ジョーダン・ヘンダーソン

本職じゃない「のに」なのか「だから」なのか分からんが、ベルナルドのプレスを物ともせずDFラインからSBにビシバシ浮きパスを通していた。しかも左CBから左SBという、かなり難しめのやつだ。さすが。

 

気になった人:モー・サラー

今シーズンのサラーを評するのは難しい。

 

まず結果は出しているわけだ。とっても。

サラーの素晴らしいところは、技術がシームレスにつながっているところだと思う。まずボールをしっかり収められる。そしてエリア内、あるいはペナルティアークやいわゆるデルピエロゾーン(右版)から、小さいモーションで強く正確なショットが撃てる。これを嫌がって厳しくマークしようとすると、プレミア1の敏感BODYで即イキボンバーしてしまう。一連の技術、あるいは体質がゴールに直結する形でつながっているので、守る方からすると、あっちを止めるとこっちが止められなくなる。技術の高さは、GKとの1on1の安心感にも表れている(シティのFWと比べると雲泥の差だ)。

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一方で今シーズンの試合を見ると、そもそもプレーする位置がゴールから離れてしまって、ドリブルとかクロスとか、そもそもサラーがあんまり上手じゃないことをやっていた印象が強い。端的に言うとサラーが本来持っているはずの姿より怖くなかった。このタイミングで売ってしまうというのはファンの思い入れからすれば難しい選択肢かもしれないが、売らないだろうと皆が思うタイミングで売ってこそ美味しい、と投資家のFSGが考えてもおかしくはないと思う。

あと皆言ってるがカーティス・ジョーンズは素晴らしい選手で、こういうのをちゃんと起用して一人前にするリヴァプールは偉い。

 

2/10 FAカップ スウォンジー ○3-1 (A)

ウォーカーのクロスが直接入っちゃって気まずかった思い出があるが、それ以外はほとんど覚えていない。相手の攻撃的MF、インド系のヤン・ダンダはかなりいいプレーをしていた。

 

気になった人:ジョエル・ラティボディエール

イカした名前のシティ育ち。フォーデンが最優秀選手賞とったU17W杯でキャプテンをやっていたが、シティでは未来がなさそうなので移籍した。

この日は5バックの右CBで出場したが、隣のWBロバーツがかなりおっちょこちょいだったこともあり、正直辛いパフォーマンスだった。でも顔がかっこいいし名前もイケてるので将来に期待したい。

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2/13 トッテナム ○3-0 (A)

前半戦はケインとBTSダイナマイト打線に一蹴されたトッテナム戦。

今回は、エンドンベレとホイビェアのボランチ2枚を裏抜けでしっかり引っぱって、カウンターの窓口になる2列目の3枚はしっかり潰す、というやり口が機能した。多分、WBA戦かこの試合が、一番「圧倒」できて、常に相手を後手に回らせていた試合ではないだろうか?

1月はずっと苦しんでたし、この試合のあとはもうエヴァートンアーセナルウェストハムと研究されてまた苦しくなっている。そう思うと、優位を確立しても追いつかれるのは一瞬ですね。

 

気になった人:エリック・ラメラ

たまにあるカウンターのチャンスを潰す潰す。TWICEどころの回数ではない。

放っといてもボールロストするので、シティの守備は大分助かっていた感がある。とくに脚が速いわけでもないし、カウンターのチームでこのロストっぷりはキツすぎる。でも普段はもっといいところがあるんだろうとは思う。パッションもあるしね。
あと、どうでもいいところで激しすぎるタックルを決めて、案の定イエローもらったのに何が悪いか全くわかりませんみたいな顔で驚いていて、もうすぐ三十路なのにこいつ全然変わってねえなと思った。

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気になった人:ギャレス・ベイル

かつて一斉を風靡した大型遊撃手も、度重なる怪我と不摂生ですっかり一塁専の実質代打屋になってしまった。パワプロの能力値もCAAADからEBDCFくらいになって寂しい限り。

と思ったらこの試合の後は往年の打棒を部分的に取り戻し、打率.315のホームラン12本くらいでシーズンをまとめた。でもまあ、スパーズの経営としては週給30万ポンド出して雇う選手ではない。エモーショナルな価値があることは認めるが。

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2/17 エヴァートン ○3-1 (A)

この試合だけしこたま飲んでて観ていない。観てないが、シティお得意の旋回作戦を人ビッタリ貼り付けてエヴァートンが消す。そうなるとペナルティアークが空くのでマレズとベルナルドがミドルで打開、という流れだったという話は街角の靴磨き屋から聞いた。

この辺から地味にマレズ無双が始まるのだが、なんかマレズ、ギュンドアンにゴール近くで打たせる、という形から逆算してチームを作った方が強い気がしてきた。ジェズスやスターリングは頑張っているし、それぞれ全コンペティション含めてシーズン20点強取る力はあるが、一方で取れる形が狭すぎる。例えば、左のハーフスペースに抜けてもこの二人はまず取れない。ステップサイドもできないし。

 

気になった人:ギルヴィ・シグルズソン

若いときから決して運動能力は高くなかったのが、年取って余計に固定砲台っぽくなってきた気がする。でもそれなりに身体は強いし、やはり良いボールは蹴るし、PKも上手い。代打制があったらそれだけのためにシティが雇ってしまうかもしれない。

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2/21 アーセナル ○1-0 (A)

開始2分で先制したときはどうなることかと思ったが、その後は双方の守備が機能した。シティの選手に全員マンツーでひっつけて、DFラインが空いたら中盤が降りてカバーする、中央が空かないように逆サイドは捨てる、というアーセナルのやり方は機能していて、この試合とその後のウェストハム戦、そして約1ヶ月後のドルトムント戦をもって、今シーズンのシティは完全にネタがバレた感があった。やっぱりアルテタは相手を分析し、それを練習を通して対策に落とし込むという手腕は確かだと思う。

ただ、この日のアーセナルは守れてもいざ出ていくときにはポジションがメタメタになっていて、辛うじて「サカのポストからティアニー」の左フックだけを繰り出せる感じだった。ワンパンチで戦うのは結構キツい。

 

気になった人:パブロ・マリ

シティが昔ツバつけてジローナやNACブレダに貸し出してた左利きのセンターバック。鋭い楔をたびたび打ち込んでおり、組み立てに貢献できる選手であることが明らかになった。失礼な言い方だけど、左利きで楔が上手くて、ちょっと機動力には欠ける感じ、廉価版ラポルトという趣もある。

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気になった人:エクトル・ベジェリン

こ、こんなんだったっけ?ボールはまるで持てないわ、パスはズレるわ、守備も後手後手だわ、失礼ながら全方位的にかなりキチぃことになっていて衝撃を受けた。やはり怪我の影響なのか。これでもパリが数千万出して買うというなら、売ってしまった方がお互いのためになるかもしれない。

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2/27 ウェストハム・ユナイテッド ○2-1 (H)

戦術的優位、終~了~。モイーズの研究成果がバッチリハマって、ウェストハムに終始優位に立たれる苦しい試合だった。具体的にはxGで負けた。

ウェストハムは、行くぞ!というときの決断力、前に出る人数の掛け方、確信の強さが素晴らしい。恐らく指導部に対しての選手からの信頼も厚いのではないか。モイーズをケヴィン・ノーランとスチュアート・ピアースが支える指導部、戦術指導力はわからんがとりあえずパン焼くのとかは上手そうだ。

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ペップシティは、かなり「インサイドで細かくプレーできる連中がどのくらいいるか」が内容に直結している感が出てきた。具体的には

そういう意味でこの日のメンバーはそんなに悪くはなかったが、右のウォーカー、左のフェラン柔軟性がなかったのと、戻ってきたデ・ブライネのネジがかなり狂っていたことで苦しんだ。失点シーンも、デ・ブライネとジンチェンコのダブルデブライネが盛大に対応を間違えたことからきている。

とはいえ、細かいことが上手い連中は概して無理が効かない。プレスがかかってないときのギュンドアンはただの遅いおじさんだし、自ゴール前のベルナルドは非力なハゲだ。カウンターに強いウォーカー、3mスプリントの勝負なら絶対勝てるスターリング、周りと合って無くても一撃で点が取れるデ・ブライネのような選手は、前提条件が変わってきたときにかならず役に立つ。

 

一方で、一芸派は高く売れそうなので、売っちゃっていっそ細かい派に振り切ってみるという手もある。つまり、セントラルMFができそうな面子ばかりを揃えてみるのだ(どうせ試合中はみんなCMFをやっている)。さて、来季の編成はどうなるだろうか。

 

気になった人:ヴラジーミル・ツォウファル

チェコ版のサバレタという雰囲気の右WB。爆裂に根性がありそうだった。ちなみにウェストハムは昔からラバントとか、コヴァーチとか、チェコスロバキアの選手がちょくちょくいるが、やっぱり「世界一激怒してるサッカー選手」「デビュー戦と2戦目で連続退場した世界初の男」ことトマーシュ・ジェプカ師匠のせいなんでしょうか。

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3/2 ウォルヴァーハンプトン ○4-1 (H)

前半何もさせずに押し込みまくったが、1点しか取れずにセットプレーで追いつかれたときはやばかった。泡食って5トップ化の悪癖が出たところでカウンターを食らって死ぬところだった。

そこでルベンかストーンズが対応できるところが今年と去年の違いで、やはりどうしてもコントロールできないカオスのことを考えると、後ろには極限状態で守れる人間がいたほうが良いのだ。多少組み立てが下手でも(ルベンは全然下手じゃないけど)。

 

気になった人:キ=ジャナ・フーヴァー

多分リヴァプールから借りてるDFだったと思うが、プレミア史上こんなにジェダイマスターっぽい名前の選手はいなかったのではないか。絶対頭超長いやつですよね。

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3/7 マンチェスター・ユナイテッド ●0-2 (H)

緊張感溢れる勝ち点差12で迎えたマンチェスターダービー

試合は開始30秒でのPKと、疑似カウンターで2発食らって完封負け。マンUは事故以外には中々点が取れなさそうな雰囲気で、下位相手に引き分け連発しているのもさもありなんだったが、点が入ってさえしまえば非常に強かった。後半はかなりシティが泡を食ってバランスを崩しており、マーシャルさえまともなら3-0になっていたはずの試合だった。

 

個人的に驚いたのは、英語圏Twitterで、「結局このチームはいつもこう」「チームセレクションの時点でおかしかった」という失望と批判がかなり激しめに寄せられていたことだ。

確かに、カンセロやジンチェンコを使って正面から主導権を握りに行くより、ウォーカーや、ひょっとしたらラポルトを使ってガチガチに引きまくった方がスールシャールは嫌だろうなとは思ったが、そういう意地の悪いやり方はグアルディオラはやってくれない。それでもここまで連勝を続けていたら、とことんボールを握りに行って勝つことを志向してみてもおかしくはないし、21回連勝もしていたらそれくらいの冒険は許されるだろう。そう思っていたが、自分はマイノリティだったようだ(Twitterの意見をマジョリティとみなすかどうかというのはまた議論があるところだが)。

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別にそういう反応があること自体が悪いとは全く思わない。思っちゃったこと、そういう感情が多くの人に生まれたことは事実なわけで、それを隠してもしょうがないし、そういうエモーションもスポーツ観戦の醍醐味の1つだろう。過去にCLで似たような展開から破れてきたという経緯も拍車をかけたのも間違いない。ただ、あれだけ支配的なサッカーができて、あれだけ連勝を重ねても、このチームはファンから信頼を勝ち得ていないのかもしれない、という可能性には面食らった。

どんな負け方であれ、1試合でもう見放されてしまうのだ。ということはきっとこれからも無理だろう。チャンピオンズリーグに勝てば信頼が築けるのかもしれないが、運の要素が大きくて競争も極度に厳しいあのコンペティションで勝てないと信頼されないチームというのは、あまりにも脆い。自分はグアルディオラを解任したほうが良いと思ったことは一度もないが、今回ばかりはもう潮時かもしれんなという思いがちらと頭をよぎった。関係性として、もう袋小路に入ってしまっているからだ。なんかちょっと悲しくなった試合であった。

 

気になった人:ダニエル・ジェイムズ

多分、最終成果物はなかなか出ない人なんだろうなと思った。格下相手だとフラストレーションが溜まりそうだ。逆にこの日のように、リードを守ろう!カウンターを撃とう!という試合だと良さがとても活きる。多分、15年前のシティに来てたらかなり人気が出ただろう。右のジェームズ左のムサンパだ。アイドルになったかも知れん。

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気になった人:ハリー・マグワイア

守備の中心として効きまくっていた。マグワイアといえば「俺じゃダメか?」と言いながらのあすなろ抱きで相手FWをトゥンク・・・♥とさせることで有名だが、これが全然ファールにならない。多分「え、これがファールなわけなくないですか・・・?意味わからない・・・」みたいなスッ・・・とした顔ができるのが良いんだと思う。先日ブライトン戦でウェルベックを倒したときもめちゃめちゃスッ・・・とした顔でやっていた。

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気になった人:アントニー・マーシャル

「マルシャル」とカタカナ表記するのは別に良いんだけど、マ「ル」をどこから持ってこようか悩んでいる。英語読みに近づけるならマーシャルだし、フランス語読みに近づけるならマシアル、あるいはマハシアルだ。最悪でも「マルシアル」だろう。つまり「マルシャル」というのは前後分断されたキメラで、そこがちょっと気持ち悪いのである。

別に日本語読みなんだから元の言語の読みと違っていいじゃん、つーのはまあそうなんだけど、日本語にするにしても一貫性がほしい。「ファンダイク」も同じ問題があって、オランダ語だと「ファンデイク」に近いし、英語読みなら「ヴァンダイク」だ。

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というどうでもいい話は置いといて。プレーは良かった。これまで批判され続けてきたマーシャルだが、敵と戦うのではなく、笛と戦うという割り切りをしてきたのは潔かった。打開するのではない、ファールを稼ぐのだ。泥にまみれろよ・・・。ベンチの田岡先生も涙ぐんでらっしゃいましたね。

 

3/10 サウサンプトン ○5-2(H)

セインツは強い!

シティは中々ボールを奪回させてもらえず、奪っても一番柔軟性のないメンバー、つまりウォーカーとラポルトに持たされて、狭いところに追い込まれてカット。

1失点目なんかモロにそれで、ウォーカーはフェイクがかけられないので、中央にボールが入れられない。追い詰められて困って困って、その場でクライフターン!して案の定引っかかってCKから取られた。

という感じでかなりシティも研究されてしまっていたが、この状態を保つためにサウサンプトンもかなり無理筋の圧縮をかけており、普通にロングパスで裏取られたり(1点目)、ドリブルでまとめて捌かれると脆かったり(3点目)、パスカットから即死もののクロスカウンターを食ったり(4点目)、出入りが激しすぎた。10回やったら2,3回は負けるかもしれんが、トータルの得失点差50-15とかになりそう。

 

気になった人:イブライマ・ディアッロ

途中から出てきたボランチ。かなり上手かった。ヌメヌメっとしたドリブル、ギリギリまで我慢できるパスフェイクが嫌らしい。エンドンベレとカンテを足して3で割った感じだ。

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3/13 フラム ○3-0 (A)

7人休ませての3-4-3。まあ機能しないだろうなと思って、案の定ぎこちなかった。

シティが3-x-x系で組むと、まず中盤センターがガチガチにマークされ、ウィングバックがトップに吸収されて5トップになる。そうなるとこちらのCBがドリブルで運ぶ形になり、極端に前後の距離が近い、うっすーくて平べったい形ができる。そうなると隙間がなくなってもう手詰まりだ。3バックが問題と言うよりは、ウィングバックに旋回できる選手がいないということの方が大きいが。

で、この日のように複数のタスクをこなすのが比較的苦手なメンバーで組むと、旋回ができないから余計滞る。結果、ストーンズがスルーパスを出したり、ジェズスが左サイドから切れ込んだり、得意じゃないことばっかりやらざるを得なくなるというのも難点だ。

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これははんぺん

とあれこれ言ったが、私は全然ネガティブじゃないので、色々好きに試してもらったら良いと思う。本当にやってほしいのは、「ボールを放棄してみる」というチーム構成だけど、この日の3バックもある種それに近いのかもしれない。ただチームビルディングにかかる時間を考えると、素人が言うほど簡単にはできないだろうなと言う気もする。

フラムは中盤をマンマークしてシティのCBがドリブルで出てきたところをひっくり返す、しっかり繋いでシティの保持時間を削るという作戦はセンス良いと思ったが、カヴァレイロとルックマンが中々押し返しが効かず、最終的にアンデルセンとアダラバイヨがビルドアップをミスって撃沈したのが惜しかった。こういうときのためにリーグアンの身体能力高めのウィンガーを買っとくと良いんだが、安いやつ買うと概して稼働率が低いんだよな。あの手のやつ。

 

気になった人:アルフォンス・アレオラ

フィリピン系なんだとは知らなかった。このクオリティでケパの半分しか給料をもらってないとは信じられない。ちなみに、トップGKたちの給料は、デ・ヘア>>>>>ケパ=アリソン>>>ヨリス=レノ>>>エデルソン=メンディ=アレオラという感じだ。良いところに就職できれば、給料1.5倍は狙えるだろう。ていうかデ・ヘアのもらい方よ。

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3/16 CLベスト16 ボルシアMG ○2-0 (H)

内容では今シーズン一番かも。3週間でデ・ブライネが完全にチューンナップされており、ウォーカー以外全員がポジションチェンジできる大旋回ロボが完成した。あっちもこっちもぐるぐる回る。

ポジションチェンジをしていると当然それ自体がひっくり返される種になる(例えばボール奪われたときにロドリが前線にいて、ベルナルドがアンカーにいたり)。それは全員が別のポジションもそこそこ対応できるように改造されていることで、それでもダメならカウンター対応が上手いルベン、キレキレに仕上がったストーンズ、そしてウォーカーの筋肉でなんとかするという設計だ。

前回対戦は中盤で奪ってカウンターがいい感じだったBMGも、4トップがまるでハマらないのでかなり後手を踏まされていた。テュラムとエンボロのコンビはかなり良い線行ってたが。

 

気になった人:ヨナス・ホフマン

ハイデルベルク出身というところが熱い。シュトゥットガルトから近いし、ハイデルベルク城はきれいだし、ワインは旨いし、地味に良い観光地だからだ。何の話だろうね。でもおすすめです。

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3/20 FAカップ準決勝 エヴァートン ○2-0 (A)

ローテーションでスターリング、ジェズス、フェルナンジーニョラポルト、ウォーカー、ステッフェンが先発。当然流動性は落ちるし、エヴァートンはよく練られた5-3-2でかなりタイトに試合を運べていた。惜しむらくはリシャーリソンにもっと突破力があれば、シグルズソンがもっと縦に間に合えば、あるいはWBから良いクロスが飛べばというところ。

シグルズソンのところは本来ドゥクレがいるが、リシャーリソンは難しい。8,000万ポンドくらいでマンUに押し付けたらサン=マクシマンとサン=マクシマン廉価版みたいなやつを買えると思うが、多分そいつらはリシャーリソンよりフィニッシュができない。

 

そう考えると、エヴァートンは頑張って戦力を揃えたが、市場で高値が付きやすいポジション・機能がボトルネックになって詰まっている。でもFFPの壁があって、もう買えない。すでに人件費は売上の8割程度まで来ていて、あっぷあっぷだ。このままだと4位以内に入っても、FFPに引っかかって結局出れないだろう。今年CLに出れなかった時点で、1つのプロジェクトとしては残念タイムアップである。

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でも別にそれでクラブが無くなるわけでも現体制が崩れるわけでもない。やるべきことは更に人を積んで積んでの倍プッシュではなく、若手の育成と売却、営業・マーケ強化で収支構造を漸進的に改善し、2024年の新スタジアム完成を待つこと、そしてそのためにファンに長期ビジョンを示し、アンチェロッティなり次なりの監督を守ることだと思われる。

っていうことになるとですね。必然的に、今CL圏内にいない、売上規模も歴史的に大きくないクラブをCL常連まで押し上げようとすると、5年では効かない時間がかかる。そんな長い投資ホライズンを持った投資家が西欧にいるのかというとかなり怪しい。ダニエル・エクもね。

最近の米国のスポーツファンドは10年程度見る準備があると聞くが、やっぱりロシアなり中東なりのストラテジックな投資家の存在感は高まるだろう。そうなると何か怪しい取引があった際にやれUEFAは無能だ取り締まれ論が出てくるだろうが、いや予算ないんだから無茶言うなと。

そうなったときに、自チームの短期の成績を捨てて、この欧州サッカーという知財全体の長期利益を提示できるメガクラブのオーナー、経営陣が出てきたら、サッカー界の次の20年を引っ張る存在になれそうだ。

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それにしてもシティの話に戻ると、25試合やって24勝というのは異常だ。それでもハーフタイムにゼロゼロだと、Twitterの公式アカには、「Fuck」「替えろ」「ひでえ」というリプがつく。高級紙の記者が必死になって「シティが勝つのは当然、国内三冠も当たり前」なんてやっているのには呆れるが、そんなリプがファンベースから出るようならどっちもどっちやなという気もする。試合やって自動で勝つマシンだと捉えてるという意味では一緒だからだ。フラストレーションが溜まる気持ちはわかるが。

 

気になった人:アラン

シャツをパンツに入れて口ヒゲを生やした短髪のおじさん。アテネでもマルセイユでも兵庫県たつの市でも、こういうおじさんには絶対に近づいてはいけない。倫理観という概念は知っているし、何ならしっかりとした思想も持っているが、一旦脇に置いておくことを何とも思わなさそう。これとリシャーリソンを扱えるのはさすがパパ・カルロだ。

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2020/21 マンチェスター・シティ 個人レビュウ

 

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みたいな。

 

指導部

リージョ含めてみんなでムニャムニャッと会議した結果、

『よし、基本に帰ろう』

『だな』

で改善したという話が舐めていてよい。

www.goal.com

リーグを奪還し、ここ5年で3回目の優勝。すごいけど、ちょっと勝ちすぎ。バランスが取られた方が世界のためだ。

 

あと途中でグアルディオラアリゴ・サッキに電話したら「キミィ、最近プレスをしとらんじゃないか、プレスを」と言われたエピソードも良すぎる。この調子で、ちょっと調子が悪くなったらイタコを呼んでロバノフスキーの亡霊に相談するとか、クライフに憑依してもらうとか、そういう方向で新境地を開拓していく、両利きの経営を実現していってほしい。イタコの連絡先はグレン・ホドルが知っている。

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GK

エデルソン・モライス

1人目をすげーどうでもいい話から始めて申し訳ないけど、この人ちゃんとしてれば結構男前というか、チャニング・テイタムを洗濯機に入れて乾かしたくらいの器量はしてるはずなのに、マンチェスターに来てから年々身だしなみに無頓着になってきている気がする。

 

謎のファール判定で助かったドルトムント戦のポカは思わず叫んでしまったが、それ以外は本当に言うことない。ただエデルソンがいる毎日に感謝して過ごすしかない。人類は無力だ。

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ザック・ステッフェン

IBMを買ってクビになったやつはいません」とは昔のIBMの宣伝文句だが、アメリカ人GKを買ってクビになったやつはいない。ザックも例に漏れず、限界はあるが安定した良いGKだった。

細かいことを言い出すと、そんな足元が達者ってわけでもないな?とか、FAカップのあれはやっぱり飛び出しに失敗しましたね?とか色々あるが、もうそんなことはいい。

私は個人的に、自分が応援するサッカーチームだろうと、自分の職場だろうと、チームにやる気のあるアメリカ人を入れるのが好きなので(テキサス人だともっといい)ザックのちょっとした瑕疵はもう全然許してしまう。

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スコット・カーソン

FFPが施行されてから、若手の売却はビッグクラブにとって体の良い資金源になった。育成分の費用はFFPの計算から控除されるので、育てて売れば利ざやがでかいからだ。

そういうわけで第3GKに若手を遊ばせておくのは勿体なくなり、グリーン、グラント、ライト、ロナガンと、ビッグクラブがこぞって実績があるおじさんGKを雇い始めた。その最新作がこのカーソンであり、カーソンは今年も黙ってスタンドに座っているという役目を果たすことで週に2万5千ポンド貰っているのである。

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CB

ルベン・ディアス

やっぱりルベンがナンバーワン!

やっぱりルベンがナンバーワン!

やっぱりルベンがナンバーワン!

 

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はい。まあ、たまにこういうの入れないと、眠くなっちゃうんで。

でもナンバーワンなのよ。前に出てもネイマールやムバッペを潰せる、後ろに下がってもカウンターを捌ける。守備だけで言えば体調がいいときのストーンズも負けず劣らずだが、ルベンは稼働率が違いすぎるのだ。連戦で使っても全然疲れない。そして精神力も強い。プレーが切れるたびにスッと味方に寄っていって精神を整えてくれるキメの細かさ。

 

昔、Numberで塩野七生の婆さんが欧州サッカーと古代ローマをくっつけて語るというコラムがあった。趣旨としては「リーダーになる男ってのは違うのよね~ジダンなんて古代ローマなら絶対百人隊長だわ。醜男でも絶対モテるもの」というどうでもいい話だったんだけど、でも今となっては婆さんの言うこともわかる。加入1年目で23歳なのに、もう4,5年いて20代後半のウォーカーやストーンズラポルトより遥かにリーダーシップあるし。もう一目瞭然。残酷な真実ですよね。

 

ジョン・ストーンズ

CBのレギュラー格として、ルベンとのブロマンスを育んだ1年。とにかく身体が動いた。ほぼ戦力外の状態から完全に持ち直したのはそれが全てだ。速いし強いし跳べるし潰せた。縦横に無理が効きすぎ。

 

ストーンズの運用における最重要点は、本人も使う方もとにかく、「調子こかない」ということにある。疲れるとすぐ判断が怪しくなってドボンで、3試合連続で使ったら絶対ダメ。

それが分かってないサウスゲイトが3月に代表で使いまくってまたちょっとダメにしたが、その後は慎重に慎重を重ねて運用したのでシーズン末まで何とかなった。結局守備の局面でどれだけ相手を潰せるか、守れるか次第で選手としての評価が決まるというのは、「組み立てが上手い」「足元が上手い」という俗説がありつつ、最大の長所は対人戦の強さだったリオ・ファーディナンドを思い出させる。

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エメリック・ラポルト

ヴァン・ダイクの次にすごいCBとか言ってたら、気づいたらシティでも3番手になっていた。やっぱり裏抜けに弱すぎるのが辛くて、オフサイド取りに行くか、ファール貰ったふりするか、ファールするかしか対処法がない。

得意なはずのポゼッションも、①シティ対策の進歩(横幅占拠)でサイドチェンジの有効性がガタ落ちする、②パスは出せるけどインサイドでプレーはできない(ボールキープ下手だから)ことが明らかになる、という二連パンチで大分辛いことになっている。レベルは高いんだが。

 

今のやり方にピッタリ合ってはいないし、代わり(アケ)もいるし、何より本人が控えで満足する性格には思えないので、早めに移るのも前向きな選択肢だろう。

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ネイサン・アケ

聞いてたんと違う!と思ったかどうかは知らんが、移籍してきた頃はラポルトしかまともなCB/LBがいなかったのに、ストーンズは残留するわ、ルベンは即ハマるわ、ジンチェンコは成長するわ、自分は数ヶ月怪我してるわで、シーズン終盤にやっと戻ってきた頃にはすっかり4番手になっていた。

 

スピードはあるし組み立てにも貢献できるが、試合に出すと何となく点を取られる非力さが、ちょっとベン=ハイム味がある。ラポルトとアケを両方抱えるというのは無理があるので、左SB一枚削るか、どっちか売るかした方が健康的だ。

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エリック・ガルシア

5番手CB。契約延長を断ってバルサに復帰ということで、その話が出た1年半くらい前はちょっと残念だったが、ルベンとストーンズが台頭したのでめっちゃどうでもよくなった。

今年はヴァーディに根性焼きされた以外はほとんど出番もなかったが、いつもニコニコしてるし、不満も口にしないし、20そこそこでかなり人間が出来ている。ピッチの外では。

ともするとある種の傲慢さすら感じるくらい堂々としているが、多分バルサとレアルはそれくらい確信持ってないとやっていけないところなので、このままでいいと思う。

 

プレーのレベルは今一つ、二つ・・・うん・・・という感じだが、ピケもマンUにいたときはしょうもないDFだったので可能性はあるだろう。地元で頑張ってください。

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フィリップ・サンドラー

足首の手術でシーズンアウト。もう24なのに、この3年で11試合しか出場できていない。来年の夏で契約切れなので、もうこの夏で売るしかないだろう。本人的には1年ローンでプロモーションかけてからフリーで出たいのかも知れんけど。

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テイラー・ハーウッド=ベリス

地元生まれ、アカデミー育ちの通称THB。デビュー当時はTwitterで検索するとお姉ちゃん(素人)のアカウントが出ていたが、本人はアカウント作ったんだろうか。

 

今年はカップ戦でちょこっと出場したあと、ブラックバーンのモウブレイ道場で修業。レギュラーに収まり、本人も「もう1年いたいかも」みたいなことを言っている。

経営側としては17か18くらいで5年契約でロックアップしちゃってローンで放牧するのが理想的だが、選手側もそれがわかってるから自信があるやつは17歳の段階で逃げる(例:サンチョ)。THBについてはもう24まで契約結んじゃったので、しばらくローン修行だろう。チャンスがあるといいけどね。

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SB

カイル・ウォーカー

細かいことはできないんですよね。身体が重いから。それでカンセロとジンチェンコに取って代わられたが、CLが大詰めになるに従い、やっぱりウォーカー1人置いておくとカウンター対策の安心感が違いすぎるっつって、RB兼CBとしてレギュラーに復帰した。

 

ウォーカーがいいのは、シティの中で恐らくほぼ唯一、「競う場所が広くなればなるほど強くなる」選手なことだ。他は皆(KDBは例外かもしれない)、狭ければ狭いほど強くなる人で、みみっちくやってる分には良いんだけど、相手を常に制御できるとは限らない。

そういうときにウォーカーを一人置いておくと、とにかく何とかしてくれる。ムバッペでもネイマールでも相手ができてしまうウォーカー。ペドロ・ネト程度なら秒殺だ。画面外からうおおおーっつって走ってくる姿も東京駅ののぞみ感があって良い。たとえその後のクロスは残念でも。

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ちなみに、相手の変化だけでレギュラーに戻ってきたわけではなく、どっかの試合でスタンディング状態からまともな曲げるクロスを入れてきたときは驚いた。ウォーカーがインフロントでクロス?まともな?

そう、30になっても、人は進化できるものなのである。

 

ジョアン・カンセロ

「私大文系」しかあるまい。四文字熟語で言うなら。

 

カンセロといえば攻守にとにかくリスクを取ることで知られているが、特に守備でのリスクの取り方が「状況が全部、自分に都合が良い方に転がることに全ベットする」という感じなのである。見逃してくれたらいいな~みたいな。

そのくせ、失敗したときに自分が悪いということを認識する程度の常識はある。過去のシティにも何人か無責任男、あるいはリスクテイカーがいたが、例えばコラロフのように完全に俺関係ありません的態度を取るのでもなし、デミチェリスのように周囲にキレてみせるわけでもなし、失敗したときにはかなり気まずそうな顔で目線は逸らしている。

 

私文大生カンセロ、多分趣味はパチンコとウイイレ。「俺、パチンカスやから」が口癖だろう。煙草は無論吸う。SBのくせに巧すぎるのでサッカーサークルでは「キング」と半笑いで呼ばれていることは間違いない。その辺の女子大から来た後輩のマネと付き合っているが、卒業してすぐ別れてそうだ。

 

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下らない話をしたが、今シーズンは年末から3月頃にかけてビルドアップお化け兼アシスト提供機として猛威を奮った。「上手いSB」ったってせいぜいドリブルとクロスでしょと思ってたんだけど、インサイドレジスタ役が完璧にできちゃうんかい!という感じだ。その上手いカンセロに、インサイドハーフサイドバック、ウィングを試合の中で全部担当させるというアイディアには感心した。

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終盤、ウォーカーが再覚醒するのに合わせて加速度的にしょんぼり。控えに再降格したのには笑ってしまったが、イジりようが色々あって面白いので、来年も新しい戦術の開発にフル活用されてほしい。「縦クロス」とかな。知らんけど。

 

バンジャマン・メンディ

たぶん、右サイドバックもできる。とにかく速い。超特急。味方のフォローがないと、クロスを上げるだけマシーンになりがちなサイドバックとは一線を画します。突破のドリブルも使いこなし、超攻撃的な左サイドバックとして、世界屈指になる日は近いです。マンチェスター・シティに移籍に噂があるようで。アウベスのようになるのか、アラバロールをやらされて脳みそがパンクするのか楽しみにしておきます。

building-up.com

 

彼こそ真のコアUT選手と呼べる選手です。メンディーは左サイドバックとしてもプレー出来るだけでなく左ウイングバックとして左全域をカバー出来る選手でもあり(中略)偽サイドバックとしてDMFの位置で潰し屋にもなれLCBとして受け止めることも可能、また通常のサイドバックとして左全域をカバーしながらの偽サイドバックも可能な稀有な左サイドバックなのです。

lilin18thangel.hatenablog.com

 

そうなのよ。左足に戦術兵器がついてるカイル・ウォーカーに、革命的なSBになる素地はあったのよ、確かに。膝の靭帯を2回もやってしまって夢と消えたが。モナコのことも夢のまた夢。

スピードは大きく失われてしまい、出場機会もない中で複雑なタスクを消化しきることもできず、今シーズンは完全に控えの控え化。もう少しシンプルなタスクのチームに行ってやり直したほうが本人のためにもなるだろう。例えばエヴァートンとか、ターゲットはいるのにクロスが弱いチームなんか良いと思う。面白いやつではあった。

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オレクサンドル・ジンチェンコ

ロジが上手い人といった風情。

特別頭が切れるとか言うわけではないが、目的や論点は理解してて、打ち合わせのセッティングなりQAリストの取りまとめなりが卒なくできるので、彼がいるとチームのパフォーマンスが上がる。そういう人。

 

と思ってたら、マッチョになって左センターバックサイドバックとして普通に良い選手に成長したので嬉しい。もはやダブルデブライネ。昔からジンチェンコには中盤に戻るかDFに振り切るかどっちかにせい!と言ってたが、後者で、しかもCBっぽいSBとしてやっていくというのはかなり良い線行っていると思う。

SB/WBとしてみると広範囲をカバーするのが苦手だが、相手を待ち構えて対応できるCBは彼にぴったりだ。しかも状況が許せば相手DFラインの裏まで出ていくこともできると来ている。あとパスカットを即座にカウンターに繋げられるのも良い。失礼な言い方だが、身体のどこを切っても便利な選手なのである。

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MF

フェルナンジーニョ

ちびまる子ちゃん』の作者さくらももこが、実際の祖父のことを「ズルくてイジワルで怠け者で、嫁イビリはするし、母も私も姉も散々な目に遭った。」と評しており、あの友蔵じいさんは彼女の理想像だというのは有名な話だが、人は歳を取ると無意味に意地悪をしたくなる。

フェルナンジーニョもレスター戦でマディソンか誰かに、な~~~~~~~~んも意味ないところで蹴りを入れて詰め寄られ、ニタニタ笑うというキモいジジイプレイをかましていた。ま~~~じでどうでもいい場面だった。でも人間30超えると無意味に若人をからかってやりたくなるという現象はちょっとわからんでもない。

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CLパリ戦でディ・マリアを退場に追い込んだ挑発もバカバカしすぎて笑わせてもらった。あんなのに引っかかるディ・マリアもどうかと思うが。どうでもいい話を散々したが、ロドリが一本立ちしたので、フェルナンジーニョは控えアンカーとして十分に休息を得て良い働きをしていた。

 

ロドリ

アンカーとしての地位を確立。ロドリは足が遅くて、戦術的齟齬を一人で解決したりできない人なので、ロドリを見るとその日のシティがどの程度上手く行ってるかがよくわかる。彼が相手を追っかけていたら大概苦しい試合だ。あとはラポルトとウォーカーがサイドチェンジしてるとき。

 

周りに人が居さえいれば、自分含めて誰がどう動けばどこにどうスペースができるかわかってる人で、かつデカくて強い。しかもボールをほじくり出すのもキープするのも上手いので、今季はカウンターの出どころをしっかり抑えて回収しまくっていた(逆に、人が周りにいないと絶望的にスペース管理ができない)。加えて、ドリブルで小細工ができるので崩しにも参加できる。困ったときの空中戦もある。そして頑丈だ。めちゃいいとこあるやん。ヒュー。

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イルカイ・ギュンドアン

とか言ってたら、途中で冗談にならないくらい爆発した。

www.theworldmagazine.jp

www.youtube.com

 

今シーズンは、英語のカタカナ表記にはうるさいがトルコ語には無頓着なベン・メイブリー氏からずっと「ギュンドヤン」と呼ばれていた。でも大阪弁基準やねんと言われたらまあそうか・・・という感じだ。

 

ギュンドアングアルディオラからの信頼が厚い割にファンからの人気はなく、ずっと愛人起用とか言われていた。実際最初の方は上手いけど試合に入っていけないというか、かなり木偶の坊感はあったと思う。

それが今や、ギュンドアンとベルナルドを中心とするみみっちいパス交換とポジションチェンジが、シティのベースになっている。デ・ブライネが戻ってきてから点を取ることは減ったが、流石に今年はベストイレブンくらい取るでしょう。

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ケヴィン・デ・ブライネ

怪我してる間にギュンドアン=ベルナルド体制が確立してしまっており、本人もチューニングズレズレで帰ってきたので最初の1,2試合はかなり苦しくなってたが、1ヶ月程度で完全に戻してきた。迷惑かけてるやんとか言ってすいませんでした。

まあ私はデ・ブライネが移籍してきたときに「ナスリいるし別によくね?」とかほざいてたので、もうこれ以上謝りようもないんですが。

 

形式上FWで使われてる割にはあんまり点取ってくれないとか、注文がないわけでもないが、やはりシティの中でも一人だけ、自分に課してる要求レベルの高さが全然違うのだ。困ったときはデ・ブライネ。今年もチームが戦術的に厳しくなったタイミングで、力技で解決しまくっていた。引退直前までシティで頑張ってください。

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トミー・ドイル

プロジェクトビッグピクチャーに始まり、スーパーリーグ構想で大混乱をきたした欧州サッカー界。その未来はドイルにかかっている。

 

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話がデカい?まあ聞いてくれや。

 

今の競争の不均衡はいずれ維持できない水準に達するが、スーパーリーグ的な下層切り捨て策に走らないとすれば、ビッグクラブが既得権益を手放すしかない。でもそのためには、端的に言ってもっと負けるのをファンが許容するしかない。どうすれば我慢できるか?というと、1つの緩和策はアカデミー育ちの若手が成長するのを見ることだ。

 

だからお祖父ちゃんが両方ともシティのレジェンドであり、しかもインサイドハーフが足りてないシティでドイルを育てられなかったらかなり希望は薄い。そういう意味で、今回はきっちり使ってほしいのだ。まあそんな期待をして、デナイエルもロニー・ロペスもデニス・スアレスもあっさり売ったんですが。

 

今シーズンはカップ戦で右往左往していたが、その中でも試合を追うごとに進歩は感じられた。身体は強いし、ボールタッチは細かいし、右足インフロントのキックは一級品だ。5年契約を延長した来シーズンは、ギュンドアンの控えとして暴れてほしい。

 

FW 

ベルナルド・シルバ

 

もし換えの効かなさで選ぶなら、シティのMVPに選ばれるべきはベルナルドだと思う。

シティが他チームに出してるクイズは主に「選手が入れ替わるからマークしづらいのにクオリティが変わらんばい!」と「入れ替わってるはずなのにバランスが崩れないからカウンターしづらいばい!」の2問で、これを成り立たせる上で一番効いてるのが、どこに降りても変わらない質が担保できる、FWからウィングからボランチまで一人で全部プレスに間に合う、というベルナルドの能力だからだ。途中まで全然使われてなかったベルナルドがスタメンに復帰したのと、調子が上向いたのが同じタイミングなのはきっと偶然ではない。

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今シーズンはFW兼インサイドハーフとして大車輪。やらしいことを言うと、単体での破壊力がないので監督を選ぶ選手のはずで、その点クラブ側からすると年俸交渉にプラスに働くと思う。

 

フィル・フォーデン

私の若手を見る目といえばそれはそれはかなりのもので、いちばんひどいのが昔ルーニーがデビューした1週間後くらいに言った「最終的にはマクファデンの方が点取ると思いますよ」なんだが、フォーデンについても「WGで使っててもスケールが小さくて悲しくなる」とか開幕した頃にほざいてたらチームで一番頼れるWGになってた。すいませんでした(2回め)。

 

シーズン後半はだいぶシティ対策が進んでしまっており、フォーデンが気合でなんとかするの待ちになっていた気配がある。それでまたしっかり応えるんだこれが。リヴァプール戦のこれ↓とか、あるいはブライトン戦のこれ↓とか。

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youtu.be

 

BT Sportの放送とか見ると、解説のキーオンもジーナスも、みんなフォーデンのこと甘やかしまくり。とは言えそれもわかるくらいの爆発で、次は安定してシーズン15点から20点安定して取るレベルになれば、押しも押されぬ欧州トップのFWになれるだろう。そう、つまり去年までのスターリングだ。

 

 

 

あれ?

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いやもちろん、7割くらいは冗談だが。

 

ラヒーム・スターリング

控えに降格。昨シーズン序盤の全能感がさっぱり消え、ボールは全然足につかないわ、チームの崩し方が変わっちゃったから点は取れないわで、観る側からするとかなりスッキリしない選手になっていた。売ってホーランを買う金にしろという意見も根強い。忠誠心とはファンと選手の間でかくも不均衡なものだとも言える。

 

ちなみに、「スターリング(とラポルト)を売る」というアイディアをちょっと考えてみたことはあったが(以下の連ツイ参照)

それも「普通手放さないだろうという人気銘柄を売る」から投資として面白いのであって、最近のスターリングは普通にちょっとバリュー下がってて売ってもあんまり面白くないなとは思う。多分そんなに高く買ってもらえないし。

 

でも見方を変えると、過去3シーズンで23点、25点、31点取った選手でもレギュラーが保証されていないというのは、競争が正に働いている証拠でもある。

17/18シーズンはザネが鮮烈に活躍し、最優秀若手選手賞を取った。次のシーズンはスターリングの全方位的進化とベルナルドの覚醒がザネをベンチに追いやった。昨シーズンはマレズがそこそこ仕上げてきて、今シーズン地味に爆発した。

と思ってたらいつの間にかフォーデンが「単体のクオリティでは一番上じゃね?」って感じになっている。だからスターリングのことは復調を信じて応援したいし、クラブにはこの激しい競争をテコにして上手いこと昇給を抑えてほしい。デ・ブライネと同額は無茶。

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リヤド・マレズ

開幕前に「上手いけどサラーやマネと比べるレベルじゃないよね」とか言ってたら、今シーズンはもうほとんどチームMVPレベルの活躍だった。その二人とどっちが上とか言い出すとキリがないから言わないが。

 

2月から3月にかけてゴリゴリに調子を上げて得点にアシストに決めまくり、優勝を実質的に決めるのに貢献。実は3年かけて地味にグアルディオラの改造手術が完了していて、5球種を出し入れして後出しジャンケンする、そこそこエグ目の技巧派変化球投手に仕上がった。

  • ペナ角からインスイングのクロス、からの
  • フェイク入れて縦、のフリして
  • 切れ込んでペナルティアークから左でミドル、の全部を見せ球にして
  • ドリブルで斜めに押し込む、というとこまで見せておいてからの
  • カンセロ/ロドリのロングパスで裏に抜ける、

という見合いができるようになったのが強い。もはや、かつての無理筋ミドルマシンの面影はない。また、実は身体が大きい上に走れるようになったので、守備でも効く。かつてレアルでフィーゴソラーリマクマナマンが守備でも良い働きをしていたのと同じだ。

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あと、過去4シーズンでエリア外から決めた点数では実はプレミア1なんですよね。ハリー・ケインより上だというのは凄い。マレズとギュンドアンが一番シュートが上手いので、こいつらにどうやってエリア内から良い体勢でシュートさせるかから逆算してチームを作った方が良い気がしてきた。

 

どうでもいいが旧友を温めたがるタイプで、リヴァプール戦後にマネ、サラーとアフリカトリオで内緒話したり、ウルヴズ戦後にル・アーヴルで同僚だったサイスと内緒話したり、内緒話ばっかりしている。

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フェラン・トーレス

今年バレンシアから来た20歳。ウィングとしての突破力は絶望的にないが、出しとくと得点に絡む。ロビーニョ然り、ヘスス・ナバス然り、リーガ名うてのドリブラーがプレミアに来ると全く脅威じゃなくなるのって何なんでしょうね。みんなキャラ変が必要になる。

まあ自由なドリブラーだったマクマナマンがめちゃめちゃ走るマンとしてしかレアルではやっていけなかったように、逆も然りなのかもしれない。

 

今年のシティは完成度が高まった代償に発展性が全然なくなっており、攻撃のオプションが実質「ジェズスを入れる」か、「ジンチェンコかカンセロを入れる」しかない。

そういう意味ではフェランもオプションにすらなっていないのだが、セカンドセットとしては34試合で13点取ってるから悪くない結果だ。運動神経が良くてエリア内で強い。グアルディオラの選手らしく、ウィングでもワントップでも全く苦にせずやってるので、多分来年にはこいつもグルグル旋回し出すと思う。

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セルヒオ・アグエロ

最後のシーズンは、コロナと怪我でほぼ離脱。攻撃のオプションにすら入らなくなってしまった。離脱してる間はゲーム実況に精を出す本田翼路線を追求していた。

 

でもやっぱり思い出は尽きない。アグエロの良いところはとにかく手が掛からないところで、遠かろうが角度がなかろうが、その加速力と巨大なケツ筋で何とかしてくれるので、最終的にどういう形で持たすかとか考えなくてよかったのだ。アグエロの尻がシティを救ったことは数知れない。

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バルサに行くらしいが、ちょっと心配なのは親友のくせに選手としてはメッシと全然相性が良くないことだ。クーマンがやらなければならない仕事は多い。でも最後に一花、咲かせてほしいですね。

 

では最後に、アグエロのゴールの中で好きなやつを一つ載せておきたい。足が振り回せるところまで行けば、もうこっちのもの。

youtu.be

 

ガブリエウ・ジェズス

そろそろ現実に向き合うときが来てしまった。おっそいのだ。ジェズス。ほんとに。チャキチャキ動けるのとバネはあるからごまかせてるだけで、めっちゃ足遅いの。ほんでシュートモーションもデカいから引っかかるのなんの。どんどんブラジリアン柳沢化が進んでいる。あるいはデライアス・ヴァッセル2.0化。結果として言えば、点が入るレンジがめちゃんこ狭いのである。エリア内中心半径5mくらい。たまに例外もあるけど。

 

良いところも勿論いっぱいあるが、なんか「FWなのにインサイドハーフ仕事ができる」とか、「前線で使うとヴァランやクリステンセンみたいに事故が起きる」みたいな、ん?て感じなんすよね。9番の仕事なのかそれは的な。

 

ウィングかインサイドハーフに点が取れる選手が生まれて、ジェズス本人はセッターに専念すれば、それはそれで新しい境地が開けるかもしれない。

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スーパーリーグ1.0の顛末

私の古い友人であり、名門ユヴェントスのチーフ・コマーシャル・ディレクターであるジョージ・コンスタントプロスからの電話が鳴ったのは、ロンドンを約半年に渡って覆っていた雲もようやく晴れ始めた5月初旬の夕方のことであった。

 

theathletic.com

 

 

 

 

「参ったよ、マドリードバルセロナも電話に出ないときた。きっと密かにUEFAと合意に達する算段を練っているに違いない。あの小賢しいアメリカ人やペテン師のシーク共はとっくに逃げ出してしまった。これでは最終的に我々だけがスーパーリーグに残ることになってしまう」

 

「少なくとも1チームだけでリーグを組成した世界初のクラブにはなれそうだが」と私は皮肉を言った。

 

「それも悪くないが、やはりどこかと対戦した方がいい。選手たちが飽きてしまうからね」ジョージの口調からは焦りがはっきり伝わってきた。

 

「それでいったいどうしようというんだね、ジョージ?」

 

「早急に新しいフォーマット案を考えなければならん。最悪でも対戦相手が決まればなんとかなる。アンドレーアとの打ち合わせは明日の9時なんだ」

 

「ふむ」。私はその日3本目のマールボロ・ブライトに火を点け、窓の外を眺めながら思考を巡らせた。庭の大きな楡の木は春の日差しに照らされて網目状の模様を芝生の上に投げかけ、その横をハイイロリスが急いで駆け抜けていくのが見えた。

 

ユヴェントスマングースというのはどうかね」。私はジョージに言った。「何も毎週マングースである必要はない。毒マムシでもいいし、カブトムシでもいい。可愛らしい哺乳類なら女性ファンの取り込みにも困るまい」

 

「悪くない案だが」ジョージが鼻を鳴らした。「誰を噛むかの相談は可能かね?。毒を持っているやつとやるとなると、当然被害が出るからね。我々だってクリスティアーノを失いたくはないし、毒サソリが毎週モラタばかりを刺すとは限らんだろう」

 

「そいつは放映権料の配分次第だな。もう30年も昔のことだが、チャンピオンズカップの放映権料配分に不服だったライオンの組合長が日本の女優を引きずり回したことがあっただろう」

 

「だとすると難しいな。非創設メンバーへの配分は総収入の4.5%までと決めているからね」

 

「対パイプ椅子は?音は派手だし、きっとチャレンジングな試合になる」

 

「それには反対だな。パイプ椅子との1対1だと稼働しない選手が多すぎるし、かといってパイプ椅子との11対11だとあまりにも騒々しすぎてテレビ中継に向いてない」

 

「対モンスタークレーマーはどうだろう。フェデリコ・キエーザが割り箸はきちんと入れたと抗弁するところが見られたら、そこらのe-sportsなんか目じゃないほどティーンエイジャーが興奮するだろう」

 

「ぜひ私も見てみたいがね」

 

「何か問題でも?」

 

「言葉が問題だな。うちの選手たちが理解できる言語を話す国の人間は、恐らく選手たちにクレームをつけようとは思わない。彼らにクレームをつけようと思うような国の人間は、恐らくラテン言語を解さない」

 

「もっともだな」私はすでに5本目の煙草に火をつけんとしていた。「こうなると、もう一度審判控室の鍵を空港に持っていって、世界中からスーパーリーグの記憶を消してしまうしか思いつかんよ」

 

「うちのボスがそうするかは疑問だな。まあいいさ、手を煩わせて悪かったね」電話口からは彼の落胆がはっきり伝わってきたが、彼もこんなところで時間を無駄にしてはいられないと思ったらしかった。

 

その時突然、私の脳裏にこの20年だれも思い付いていないような素晴らしいアイディアが浮かんできた。

 

「おい待てよジョージ、良いことを思いついた。地球温暖化と戦うことにしてリーグを組みたまえ。選手たちは今は食事をエネルギーにして動いているだろうが、電動式にすれば二酸化炭素の排出量はゼロになる。ゼロ・エミッションを達成したサッカークラブは未だない。ESG銘柄ということにすれば投資家を集めるのも難しくはないさ」

 

「しかし、バッテリーの交換にはコストがかかるだろう」

 

「充電ステーションを使うならな。カートリッジ取替式にすれば、充電が切れた選手をわざわざステーションまで持っていく手間が省けるから、大幅にコストを削減できる。バッテリーを一人分交換するたびに試合の無料視聴権かマイレージを付与するようにすれば、審判たちがこぞって交換を買って出るのは間違いないよ。念の為、本拠地をイタリアからオランダかベルギーに移せるかね?ベネルクスならグリーンエネルギーに対して税制優遇が受けられるから、いくらかの経費削減にもなるだろう」

 

「試して見る価値はありそうだな。資料を準備してみよう。恩に着るよ、スーパーリーグが成立した暁には、君に数年分の炭素排出権をプレゼントしよう」

 

「なに、大したことじゃないさ。」

 

 

 

 

 

この原稿を書いている時点でジョージからの続報は届いていないが、恐らく上層部は彼の提案を気に入るに違いない。イングランドのファンの激しい反対によって一度は頓挫したかに見えたスーパーリーグだが、数年も経てば、未来を見通す目を持っていたのが誰なのか、はっきりとすることだろう。天は常に、深い思索を巡らせるものに報いるのである。

スーパーリーグ騒動に関する雑感

その名も「ザ・スーパーリーグ」(以下TSL)である。「ザ」て。
「ヨーロピアン」をつけないところに、俺たちの客は中国と中東・アフリカだが?という意気込みをビンビンに感じる。

www.nikkei.com

 

日曜深夜の宣言初日こそサッカー界に激震をもたらしたTSLだったが、その後いつまで経っても記者会見もオフィシャルウェブサイトもデモムービーも出てこず、意思決定を下したはずの各クラブの経営陣は雲隠れという異様な手際の悪さで加速度的に状況が悪化。

辛うじて月曜深夜に首魁の一人フロレンティーノ・ペレスが地元トークショーに出てみたものの時既に遅し、火曜午後の段階で

  1. 英国を中心にファンの抗議行動が勃発、
  2. プレミアのTSL参加組の選手が断固反対で一致妥結、
  3. 大御所監督陣からも総スカン、
  4. さらにボリスにウィリアム王子まで前のめりで反対派へのサポートを表明

というブリテン4連パンチを叩き込まれ、イングランド勢が腰砕けとなって一瞬で決着した。

最後はアニェッリが「俺たちの戦いは終わらない」という車田正美感あふれるメッセージとともにプロジェクトの停止を仄めかすも、レアル、バルサ、ユーヴェの3巨頭は結局TSLから離脱せず、恐らくは違約金を人質にしての籠城を決断。スポンサーのJPモルガンも弱気のステートメントを発する中で、もはや令和の鳥取城といった様相を呈している。

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そもそもそんなにその主張に義があると思うなら、TSL側は日曜深夜11時にプレスリリース1枚だけ出してあとは黙り込むのではなく、ファンにも各リーグにも選手にもUEFAにも正面から宣言して回るべきだっただろう。UEFAの新CL案に対して真正面から反対宣言出すとか。アニェッリもビジョンや危機感はわかるが、わざわざ前日にUEFAのチェフェリンに「うんうん、全然嘘!大丈夫!安心して!!」と電話で明言してから裏切るなど、今回はシンプルにおもろい嘘つきすぎており、今から明るい未来をサッカー界に提示しようとしている人が取る態度としては厳しいものがあった。顔を晒す勇気があるのがフロレンティーノだけってあんた。

 

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私は騒動が始まってからは下らないことばっかりTwitterで呟いていたが、色々思うところもあったのでいくつかまとめておきたい。

 

 

TSLは何がまずかったのか

思うに致命的だったのは、その「サッカー界を救う」「これまでにない観客体験」の具体的なイメージが全然示されなかったことではなかろうか。今回の提案は要するに「欧州サッカーという知的財産の価値の源泉は我々ビッグクラブのブランドであり、(現状の管理団体では埒が明かないので)我々に好きにさせてくれた方がみんな豊かになるのだ」という主張であり、これ自体は理屈としては成り立ちうるが、それだけ言うからにはさぞすごいものを見せてくれるんでしょうねと思ったら特になにもないのである。口頭説明と文章だけでは厳しいだろ。

 

これだけ大きく構造を変えようとするからには、記者会見と同時にオフィシャルYouTubeInstagramTikTokチャンネルに動画を投稿、スーパースターの共演をスマホで観て中国のティーンエイジャーが熱狂するおしゃムービーが全世界を席巻する、とかやってたらまだ空気は違ったと思うが、74の爺さんが「今の10代は」とか言ってるだけではかなり厳しい*1。あれではTSL肯定派も擁護するのにいちいちTwitterで言葉を重ねざるを得ず、伝播力がなさすぎた。

 

まあ、というようなことは既にNYTが書いているが。

www.nytimes.com

 

財務的インパク

TSLに入るメガクラブの経営が改善するのかという点に加えて、フロレンティーノの言葉を借りれば「フットボールを救う」のであるから、TSLに入らない無数のクラブにとっても経済的に良いディールである必要があるが、報道されている内容を見ると、実体はまず間違いなく「TSLに招待されなかったクラブから収入を剥がしてメガに配分する」という結果になっただろう。このままだと皆死んでしまいます、よってまずあなたを殺します。

 

TSLが今よりも高額の放映契約を得られるとすると、それだけTSLメンバーのブランドに価値があることになり、つまりTSLの価値が高い分だけCL/ELの価値は下がることになる。また、CL出場権を争う必要がなくなる国内リーグの価値も下がるので、放映権料は下がる。

 

「その分改革して魅力を高めてトップラインが伸びて補填できるんですよ」と言いたいのだろうが、TSL発足で失われる分を埋め切るためには

  1. 放映権料がDAZNが払うと報道された額よりも圧倒的に上振れし、
  2. CL/EL・国内リーグの放映権料がさほど落ちず、
  3. TSL側が相当量の連帯分配金支払に合意する、

というミラクル3連発が重なる必要があり、しかも③がTSL側の胸先三寸とあっては信じろという方が無理があった。「連帯分配金(TSLに参加しないクラブへの分配)が今後成長の中で100億ユーロを超えていくと予想されます」というプレスリリースに至っては、報道されているDAZNの放映権料が全体で35億ユーロなのにお爺ちゃんいくらなんでもフカシにも限度がありますよという他はない。
(→この部分は誤解で、こういうことでした↓。一見すると6割増しじゃん!という感じだが、上に書いたようにCLも各国リーグも多分放映権料が減るので、全体としては雀の涙、しかも額固定だから多分金利上昇分とか無視というすごい条件になっている)

 

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あとビールを2パイントくらい入れたあとの友人との会話で出てきた説なのでどう扱っていいか自分でも困惑してるが、TSLは欧州サッカーのブランド価値を短期的にキャッシュに換えて投資に充てようとというものであるが、DCF的に言えば事業の価値を決めるのは5年程度のキャッシュフロー予測よりも圧倒的に長期の成長率である。その点でこの記事にもあるように、クラブ以外の育成組織が弱い欧州各国において、アマチュア市場を焼け野原にしていくTSLの計画が長期の成長率を担保できるかは怪しく、少なくともこれだけの変化を起こそうというには説得力が無さすぎた、というのも一理あるなと思っている。

 

ちなみに、「TSLのメガクラブの売上が伸びればその他のクラブは選手の売り手として商売ができる」説についても、20クラブ×25人=500人しか市場がないこと、TSLの中では移籍金の比率に制限がかかることから、現実味は高くないと見ている。

 

競争バランス

個人的にTSLの残念な点は、競争のバランスを取り戻すという課題を解決しなさそうなことだ。まずメガクラブとその他の格差については、コレはもういっそ切り離してなかったコトにしましょうという話であり、部屋の中に象がいるからといって目を瞑っても解決にはならない。

 

メガクラブ間の競争バランスに対しては「給与とネット移籍金が売上の55%」というキャップがある分多少マシになっているように見えるが、結局P/Lの外でどれだけ有利な条件を構築するかの勝負になって、結局は軍拡競争の末のキャッシュ枯渇という今と同じ状況に陥ると思われる。

例えばシティ、PSGといった産油国勢をどう制限するかという問題があるが、彼らが有利なのは突き詰めると①投資ホライズンが長い(だから短期的に利益を追求しなくて良い)、②リターンの間口が広い(だから他の株主を入れることもできる)、③手元キャッシュがある(だから育成や施設といったFFPの対象範囲外だが間接的に利益につながるものに投資できる)という3点から来ているのであり、TSLの仕組みでも別にこれは解決しない*2

アブダビのオーナーはもう6年間もシティに直接金を入れていないが、それでもシティは資金的にマンUを除くライバルに対してある程度優位にあるのはそういうことだ。この差を本当になくそうと思うと全クラブをリーグの子会社にして株式発行を封じて費用は上から配った分だけにするという手もあるが、そうなるともはやペレスとアニェッリ間ですら刺し合いが始まってしまうだろう。

 

 

ステークホルダーの利害

と色々言ったが、本件様々なステークホルダーの利害が錯綜しており、魔法の杖は存在しない。 

例えば日本で大人気の「UEFAが元凶」論。多分Niziuより人気がある。今回の件に至ってはUEFAはCL放映権料の7割を懐に入れている」というかなり思い切った怪情報が飛び出す大盛況であった。

 

実際のところUEFAは総収入の87%をクラブ・各国協会に分配しており、残りの13%も審判の派遣、情報通信機器の整備、イベント開催費用など必要経費に消えて、最終的には赤字である*3。よって、これ以上UEFAが絞り出せる金はほぼ無い。「UEFAちゃんとしろ論」に立つならば、むしろUEFAはもっと受け取るべきですらある。

 

それはさておき、この記事に詳しいように、UEFAはアマチュア含めたサッカー界全体の統括団体なので、「UEFA vs メガクラブ」という利害対立があるとしたら、それは「弱小国・弱小クラブ vs メガクラブ」の対立である。文句を言われながらもUEFAネーションズリーグを止められないのは、そこで稼いだ金を各国協会の草の根の活動資金に充てるというミッションがあるからだ。そして、そのNLや親善試合もメガクラブの圧力を受けて昔に比べるとかなり減っている。悪評高い新CLの方式も、元はと言えば「試合数は増やしたいし安定してCL出場を確保したい」というメガクラブの圧力で形成されている。ギュンドアングアルディオラUEFAに文句を言うのは結構だが、自分たちの雇用主にも同じように文句を言うのが筋ではなかろうか。

note.com

 

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TSLのような、ブランドを目先のキャッシュに変えて下を切り捨てて生き延びるという戦略は持続性がなく、価値の源泉である選手と、雇用主であり資金調達主体であるクラブ、市場拡大機能を担っている各国協会(代表)の三者が長期的に安定した関係を築けるスキームを模索していくより他はない。で、実際には短期的には誰かが痛みを享受するしかなく、キャパが小さいところがそれをやっても意味がないので、それを引き受けるとしたら主にビッグクラブと選手ではないかと思っている。

 

価値を生む資産である選手の保護のためにカップ戦を中心として試合数を減らすが、その代償として給与の削減・ボーナス比重の増加に合意を取り付ける。試合数を減らして減った収入に対しては下位・辺境国への分配を増やして補填するとともに、CLとその他の段差を小さくし、過剰投資を抑制する。分配ルール変更でメガクラブの資金繰りが厳しくなる場合、長期のデットかエクイティを引いて対応する。メガクラブの資産はその耐久力のあるブランドであり、セリエAブンデス、プレミアに投資ファンドが殺到している情勢から見ても、メガ・準メガなら資金調達できそうに思われる。併せて、売上比率か絶対額でサラリー+移籍金キャップを設けて競争バランスをコントロールし、リーグの競争性を高めてパッケージとしての価値を高めていく。

 

とかね。メガクラブにとっては既得権益を一定程度手放すことになるが、それを嫌って焼畑農業しても長期の成長率を保てないと思う。上手くいくかは何とも言えないが。
(追記:NYTのこの記事が良いこと言っているが、ビッグクラブが痛みを引き受ける、というのはとどのつまり、ファンがもっと負けることを許容するということだ。しかしながら、Twitterのようなメディアの普及と近年の各リーグの寡占化によって、事態はかなり逆の方に行っているように見える)

 

で若いファンを開拓するというのは、それはそれでやれば良いと思う。NBA・NHLがやっている新しいソーシャルメディアや配信系サービスへのアプローチとか、周辺層にコンテンツ制作に参加させてファンにしていくような間接的なエンゲージメント施策とか、やれる余地は広い(広くなければCVCがセリエAの放映権料管理会社に出資したり、ブンデスの配信プラットフォームにファンドが群がったりしてないだろう)。

 

マンチェスター・シティ

ちなみに我がマンチェスター・シティだが、直前の金曜日になって初めてマジでTSLやるということを聞かされ、じゃあ皆行くなら・・・ということで最後尾から参加、情勢が危うくなると真っ先に逃げ出すというなんともご立派な醜態を晒していた。唯一強みがあるとすれば、ペレスが言うところの「違約金があるんだぞ!」は、アブダビが本気になれば痛くも痒くもなさそうなところだろうか。強みて。

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で、競争のバランスを取り戻すという意味ではそろそろ潮時だと思っている。そもそもシティとPSGはFFP疑惑を通じてUEFAの権威失墜に一役買ってしまっており、メガクラブの無法化を加速させたと言われても反論できない立場にある。また、「FFPの計算対象外になる育成や姉妹クラブで利益を生んで本社に還元」みたいな合法だけどそりゃ資金力で差が付くわなみたいな戦略を取りながらリーグのブランドの恩恵には預かる、というのは他のクラブからずるいと思われるのも無理はなく、そろそろ規制入れていかないとスポーツ自体の価値を損なうと思う。 

 

TSLへの提案

さて。ボヤッとした提案ばかりしていても何なので、最後にどうしてもTSL籠城を選ぶ場合の具体的ソリューションを提示しておきたい。TSLが焼畑農業的であるもう一つの理由は、世界のトップ20だけを囲い込んでリーグ化しても、そのうち味噌っかすになるクラブが出てくるという点にある。ブランドが希薄化してしまうのだ。また今回シティとチェルシーが示したように、数を増やせばそれだけ切り崩しにも弱くなる。

 

そこで提案したいのが、スーパー空(キャ)リーグの設立である。

世界最高のクラブが虚空を相手に戦う、これ以上ブランドの希薄化しようがない究極のスーパーリーグ。それがスーパー空リーグ。スポーツは違うが、イメージとしてはこんな感じだろうか。

 

スーパー空リーグには対戦相手との接触が存在しないため、選手の疲労は現状よりもかなり小さくなり、興行上のボトルネックである「試合数が増やせない」という問題を大幅に改善できる。恐らく年間300試合は可能だろう。

また、調整の必要がないため試合時間も区切り放題であり、45分間はCMを入れられない既存のサッカー中継よりも遥かに多く露出機会をスポンサーに提供することが可能である。相手をなくすことで試合展開の操作性と多様性は比較にならないほど向上するため、オンラインベッティングやライブ配信での投げ銭にも相性が良い。「空」というオリエンタルな概念を取り入れているところも、巨大な中国市場で顧客との親密な関係を築く上でプラスになるものと見込んでいる。

 

 

 

どうだろうか。

 

実にしょうもない話をしたという確信は、私にはあるが。

イメージ 1

*1:そもそもGenZにアピールしたいと言っているわりにオーセンティシティを丸無視しているところもなんかセンスねえなと個人的には思う

*2:ちなみに、((「UEFA元凶説」と並んで大人気の「FFP機能してない説」であるが、その空想上のFFPが完璧に機能したところでこれは解決しない。そもそもFFPは各クラブが競い合って投資するという行為を止めるようには設計されていないからだ。欧州クラブの財務健全性を改善するという当初の目的についてはバリバリ機能している

*3:欧州選手権がある年だけは、全体の2%程度が純利益として残る

プレミアビッグ6の給料の払い方を比べよう

 

「素人は移籍金を見るが、プロは給与を見る」。皆さんご存知、かのマザー・テレサの名言ですね。

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ということで、各クラブが誰にどのくらい払ってるのか、払っただけの働きはさせられてるのかということを考えたい。プロじゃないけど。どうするかというと、出場分数と給与を下のようにプロットしてみるのだ。

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イメージ図

 

その前に、一旦全体感を確認したい。

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source: SPORTAC

まずマンUが飛び抜けていて、それ以外は(トッテナムを除くと)かなり似たりよったりだということがわかる。

 

これは結構エライことで、リヴァプールやシティとアーセナルでは売上に百十億円の差がある。でも選手には同じくらい金をかけているのだから、アーセナルはかなりリスクを取っているということだ。

マンUは、相変わらず払う能力は高いが、結果にはあまり結びついてない。でも最近新しいスポンサーが取れたことを公式アナウンスで「とんでもない成功」と言ってたから、試合に勝つとか負けるとかいうことでガタガタ言うなと。古いぞと。そういうイノベーションかもしれない。

 

トッテナム3階建てのベイル御殿

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トッテナム 給与と出場分数 (全大会)

ベイル
ケイン / ソンフンミン / エンドンベレ
その他の三階建て
という、ものすごくいびつな構造をしている。

 

ベイルはぶっちぎりでプレミア最高額だ。過去10年のトッテナムは、人件費に対して獲得した勝ち点の効率が異様に高い、奇跡のクラブだった。それは主に「本来もっと高い給与が払われていてもおかしくない選手を、安く囲ってしまう」という手練手管に長けていたからだが、これはある種時限爆弾を抱えているようなもので、勝利がついてくると「何で俺たちこんな強いのに給料こんな安いの?」という心理を持つ選手が増える。そうなると戦力がキープできなくなる。

 

爆発を遅らせる方法の一つは全員の給与水準を合わせて団結させることだが、今の3階建てではそれもままならない。自分の6倍給料もらってるのに自分より働かない人間と団結するのは簡単ではない。しかも上司でもないし。

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もう一つ気になるのが、ローズ、アリといった発言力がありそうな面子が試合に出てないこと。自国の選手は主力になればチームの雰囲気作りの点で多大な貢献を果たしてくれるが、関係がこじれてしまうと、発信力がある分だけリスクが大きいように思われる。キャプテンのヨリスが「近頃は正直言ってまとまってない」と公言していたように(する方もどうかと思ったが)、スパーズのロッカールームは理想的な状態とは言い難いようだ。こんなところにその原因の一端を感じてしまうのである。

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リヴァプール:再編成に影を落とすX構造

今回一番奇っ怪な曲線を描いているチーム。

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リヴァプール 給与と出場分数 (全大会)

Xなんですよね。ここだけ。

 

まず右下、一番試合に出ている面々の給与が安い。とくにアレグザンダー=アーノルドとロバートソンのSBコンビとワイナルドゥムの3人は、このレベルの選手としてはかなり安い。ワイナルドゥムが今シーズン限りでバルセロナに行く、というのは待遇の問題もあるかもしれない。逆に、SBの二人がリヴァプール愛ゆえにこの給料で全然構いませんということなら、雇う方としては願ったり叶ったりだ。

 

 

また、週給10万ポンド付近に達するような高給取りが、結構試合に出ていない。ヴァン・ダイクは不慮の事故だとしても、チェンバレン、ケイタ、マティプ、ゴメスといった辺りは毎年長期離脱していて、稼働率が中々上がらない印象がある。そのもう一つ下の層、シャチリ、南野、オリジ、ツィミカスといった辺りもバカにならない額がかかっているが、あまり戦力になっているようには見えない。

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ちょっと厳しいのが、チーム自体がピークをやや過ぎて、刷新しようというフェーズにあるということだ。怪我人が戻ってくれば来年はまた優勝争いに絡めるかもしれないが、多分2年後以降はキツい。そのときに、いま左半分にいる面子の中で主力にとって代われそうな選手がいるかというと、なんかいなさそうだ。

だから、

  1. ヴァン・ダイク、チアゴといった既存の高給取りのパフォーマンスを最大限に発揮させるチーム作りをする
  2. SBコンビやジョーンズの契約内容高騰を慎重に抑える
  3. 左の選手をまだ売れるうちに換金して、トップチームをスリム化しつつ、10万ポンド前後の主力候補を買ってくる

という治療と手術がいるんじゃないかな、と思う。

 

 

チェルシー:柱が見つかるか?

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チェルシー 給与と出場分数 (全大会)

平均額はマンU、シティに次いで高いチェルシーだが、実は最高額はそんなに高くない(チルウェルの19万ポンド)。一見すると左下から右上へのきれいな曲線を描いているが、この「飛び抜けて高い選手がいない」というのは、アザール後に絶対的な核がいなくなってしまった、そして監督選びが中々落ち着かないチェルシーを象徴しているなという気がする。

 

数年前のトッテナムのように、「待遇としては差がついてない」「でも実体としてはケインという唯一絶対の戦力がいる(でもケインには色々個別の事情があって給与は抑えられている)」という状態だと、費用を抑えつつ戦力を保てるが、今のチェルシーは、言い方は悪いが「ハイレベルな烏合の衆」になりうる可能性がある。単純に、主力中の主力でありリーグ屈指の実力者、という選手がいないだけの話だからだ。

ただ、ヴェルナー、ハヴァーツ、コヴァチッチ、プリジックといった、ワールドクラスになりそうな若い選手はいるので、トゥヘルがハマればそういった絶対的主力は育てられる。言い換えると、編成の問題は過ぎていて、あとは技術の問題だと思うのだ。

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それより気になるのは、ロフタス=チーク、バチュアイ、ドリンクウォーター、ザッパコスタ、バカヨコといった、この表に乗ってない大量のレンタル選手だ。シニアな選手がこれだけバランスシートに載ってるのは不健康でしかない。給与をどっちが負担してるのか知らんが、もし全部チェルシーが負担してたら年間4,800万ポンドにもなる。もし負担が小さいにしても、トモリとアンパドゥを除けば時間が経つほど価値が目減りする年齢の選手ばかりなので、早く換金してトップチームの補強に充てた方が良いだろう。

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アーセナル:体制に筋を通そう

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アーセナル 給与と出場分数 (全大会)

意外と高給取りが多い。ちょっとトッテナムやシティっぽい2層構造だ。でもそれ以上にアーセナルが珍しいのは、とにかく死に金が多いことだ。コラシナツ、ムスタフィ、パパスタソプロス、サリバ、チェンバーズ、そして何よりエジルと、そこそこ金払ってるシニアな選手なのに、様々な理由でほぼ貢献できてない選手が多すぎるのである。それもまた、エジルしかりサリバしかり、理由がよく分からんというのが健康的ではない。

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マンUにもそういうところはあるが、

  1. 良からぬ利害関係がありそうな人間をフロントに据える
  2. 彼らが現場のニーズに合致しない選手を取ってくる
  3. 合致しないから成績が上がらない
  4. 成績が上がらないからフロントが挿げ替えられる
  5. 挿げ替わるから方針が変わる
  6. 方針が変わるから能力を十分に発揮できない選手が更に増える
  7. 結果として払っただけの金に対して成績がついてこない

という現象が起きているように思われる。

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勝負事なので、勝ち点が上がらないことについて、コーポレート側や編成側で直接どうこうはできない。それは仕方ないんだけど、チーム最大の大物が謎の理由で試合に一切出場しないとか、キャプテンがプレシーズンツアーをばっくれてより給料が安いであろうクラブに強行移籍するとか、半年追いかけて既存のCBより給料払うことにした選手が全く試合に出てこないとか、そういうことが起きるようなマネジメントをやってると、CL復帰や優勝戦線への復帰は中々近づかない。「金を投じる」ということと、「実際に集団を機能させる」ということの間には、当たり前だが、踏まなければならない数多のステップがあるからだ。

 

マンチェスター・ユナイテッド:改善の余地は大きい

 

高い!とにかく平均の水準が高い。

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マンUtd 給与と出場分数 (全大会)

ケインがあれだけ頑張ってようやく週給20万ポンドなのに、ラッシュフォードやマーシャル、マグワイア、ブルーノと、その水準がごろごろしている。シティも平均水準は高いが、デ・ブライネ、スターリング、アグエロ以外の選手は上限15万ポンドに抑えられているから、15万ポンド超えが9人いるマンUの水準の高さがよく分かる。

  • まず、マタ、カバーニ、ポグバ、デ・ヘアといった、あまり試合に出ていない選手の給与が異常に高い。
  • 加えて、イガロ、ファン・デ・ベーク、マティッチといった辺りの稼働率の低い選手も、10万ポンド以上もらってるのは気になる。

 

高いこと自体は別に構わないが、結果につなげようと思った場合、止めたほうが良さそうな思うことは2点ある。

 

まず、どうせ1,2年しか保たない超大物ベテランを買ったり借りたりするのは止めたほうが良い。ファルカオカバーニのことだが。彼らは給与が下げられないくせに、チームに居るのはどう長く考えても2年だから、せっかく高給を払っても、能力がディスカウントされた状態になる可能性が高い。ベテランではないが、ディ・マリア、ムヒタリャンといった短期放出組にも同じことが言える。

あと、デ・ヘアヘンダーソン、マーシャルとラシュフォードとカバーニのように、ポジションが被ってる高給取りを揃えるのも効率が悪い。この5人を3人に減らして、浮いた金でボランチを買ったりマグワイアの相方を雇ったりしたほうが強くなりそうだ。

 いずれにせよ、これだけ給与を出す力があるのは事実なので、使い方が改善されれば強くなる余地は大きいように思われる。

 

マンチェスター・シティ:一見バランスは良くても

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マンチェスター・シティ 給与と出場分数 (全大会)

一見バランスが良い。

というのは、左上に選手が少ない。つまり、給料は高いのにあまり試合に出ていない選手がいない。怪我や不調で試合に出ていないシニアな選手といえばメンディとアケだが、彼らの給与は相対的には低い方だ。その他のそこそこ給与が高い選手は、皆かなり試合に出ている。つまり、バランスは良さそうに見える。

が、そう言い切れないところもある。

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デ・ブライネ、スターリングとその他の差がめっちゃでかい

彼らは確かに継続的に結果を残してきたし、怪我も少ないし、ピッチ外でのリーダーシップもあるのだろう。あと広告塔としても価値がある。それでも2倍以上というのは大きな差で、相当なパフォーマンスがついてこないと納得できない選手も出てきそうだ。

 

加えて、獲りたいというドルトムントのホーランは、週給35万ポンドを要求している。デ・ブライネ、スターリングと同額だ。ベルナルド、ギュンドアン、マレズ辺りは面白くないだろう。最近マレズに契約更新するのしないのという噂が出るのも、根拠のない話ではないのである。

ただし、マレズは契約の切れ目が2年後で、その頃には32歳になっている。そうなると「更新しないでタダで出ていくぞ」作戦も使いづらい。これがあと1,2年若かったら生涯年収が億単位で変わってくるわけだから、マレズがレスターを早めに出たがってゴネていた理由もわかる。

 

あと、今は安く使えているが、フォーデン、カンセロ、ジンチェンコは次の契約更改で間違いなく大幅増額を求められるだろう。フォーデンとジンチェンコはシティの若手育成戦略の中ではかなりの例外で、10年かけてこの二人しか育成組からトップに定着していない。と考えると、今シーズン増えそうな勝利ボーナスを差し引いても、多分全体的に人件費は上がるだろうと思われるのである。

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『プレミアリーグ完全ガイド』を読んだら過去のキワモノチームたちの記憶が蘇ってきた件

 

献本してもらいました。

予測不能の プレミアリーグ 完全ガイド (エルゴラッソ) | 内藤 秀明, サッカー新聞エル・ゴラッソ編集部 |本 | 通販 | Amazon

 

一番共感したのは、あとがきのこの部分。

ただ何回もプレミアパブの会員の皆さんに壁打ちをさせてもらって「結局、〇〇のクラブの今の魅力って何なんでしたっけ?」「散々語られてきてるなかで、僕たちが面白いとしている部分ってどこでしたっけ?」なんて議論を重ねながら書き進めていったわけなのですが

そうなんですよ。プレミアは20チームのいずれにも愛すべきポイントがあり、そしてそれが見つけやすい(あと英語圏だから継続的にアクセスしやすい)。サッカー観戦がグローバルに広がれば広がるほど、ビッグクラブとその他の差は広がってしまう。最近では欧州スーパーリーグという、「もうビッグクラブ以外全部2部で良いでしょ!w」的な提案をする奴も出てきているが、ビッグクラブ以外にも、面白いチームは山ほどあった。というか、ビッグクラブ以外こそ面白いのである。この本を読んでいると、ラブリーさが溢れていた過去の記憶が蘇ってくる。

 

 

例えば03年から05年のエヴァートン

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ダブルボランチ、グラヴェセンとカーズリー

まずもう、ダブルボランチのビジュアル的存在感がすごかった。ジンチェンコとデブライネでダブルデブライネとか言ってる場合ではない。

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例えば04-05シーズンのボルトン。世界のロングボール史に燦然と輝くこのチームは、とにかくどさくさ紛れで点を取ることがべらぼうに上手かった。

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これとか

 

youtu.be

 

これとか

youtu.be

あるいはこれとかな。

 

 

 

しかもそれをやらせたメンバーが凄かった。凄かったと言うか、キワかった。

 

レアル・マドリーで野次られすぎて鬱になった男、イバン・カンポ

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イングランドで一旗揚げたいガチムチチュニジアレスリング、ラディ・ジャイディ。

Arsenal's French forward Thierry Henry ( : ニュース写真

 

リヴァプールが扱いきれなくて追い出されたセネガルの火薬庫、ディウフ

Bolton Wanderers v Sunderland - Premier League : ニュース写真

 

レアルのキャプテンとしてCL優勝3回、もうキャリアでやること1つもなし!の余生過ごしおじさんフェルナンド・イエロ

Bolton Wanderers v Everton : ニュース写真

 

上手すぎて何でボルトンにいるのか誰もわからんジェイ=ジェイ・オコチャ

Bolton Wanderers v Tottenham Hotspur : ニュース写真

 

若いときに「シアラー二世」の看板が壮大にコケたあと、FWから尻相撲取りにクラスチェンジしたケヴィン・デイヴィス

Bolton Wanderers v Sunderland - Premier League : ニュース写真

 

レスターが優勝したときに「雑草軍団」という評があったが、あっちが雑草軍団ならこっちはアストロ球団であった。

 

 

あるいは08-09シーズンのWBA

最終的には降格してしまったが、このシーズンのWBAはとにかく「丁寧」であった。4-1-4-1のフォーメーションで、アンカーには後にセリエAベストイレブンにも輝くボルハ・バレロインサイドには交通整理マンのジョナサン・グリーニングと、スロヴァキアのダビ・シルバことロベルト・コレン。これに点は取れないがポストプレーは上手いFWのロマン・ベドナーシュが絡んで、とにかく丁寧に丁寧に崩す。


West Bromwich Albion v Burnley - FA Cup 4th Round : ニュース写真

さっきも書いたように結局降格したのだが、なんか見てると爽やかな気分になるチームだったと思う。未来があるな、みたいな。実際あって、監督だったトニー・モウブレーは現在ブラックバーンを指揮しているが、今やブラックバーンは丁寧なサッカーが身につくチームとして、チェルシーリヴァプール、シティなどから若手のレンタル先として人気がある。

www.footballista.jp

(まあ、この記事はThe Athleticの記事をそのまんまコピーし過ぎで、ボリスタの記事として出すのはどうかとは思ったが)

 

 

あるいは、09-10シーズンのブラックプール

ブラックプールは、持ってる戦力とやりたいことの差がプレミア史上最も激しかったチームの1つであった。1人を除いてどう見ても2部の中堅レベルのメンバーで、むちゃんこ攻めたのである。

Blackpool v Bolton Wanderers - Premier League : ニュース写真

 

ボールを持ったら前に7人。後にリヴァプールでもプレイしたチャーリー・アダムが繰り出すタッチダウンパスめがけて走る3トップ。突っ込むMF。がら空きの後ろ。リヴァプールアーセナル、シティといった強豪を苦しめたブラックプールは、ハチャメチャに失点を重ねて降格した。

 

あとブラックプールは、監督のたとえ話力が高かった。

Tottenham Hotspur v Blackpool - Premier League : ニュース写真

例えばグアルディオラなりモウリーニョなりが、ギリギリ勝った試合を「紳士的な例えで言うと、ナンパ行って、最高とは言えないけどまあとりあえずタクシー乗せてお持ち帰りはできましたと。あっ、でも明かりの下で見たらあんまり可愛くねーな、ってなって、じゃあ送って帰ろうかなって思ったら、向こうめっちゃ乗り気で、コーヒーでも飲んでく?って言われちゃって、どうすんべみたいな感じかな」とか言ってくれるだろうか?絶対言ってくれないでしょう。

 

 

 

 

話が長くなったが。プレミアを見ていると、そういう愛すべきチーム、愛すべきシーズンが見つかる。そのためにはまず全体像を掴めていると役に立つ。昔はそれがコージー東元先生のテッキトーなコラムだった(若い子は知らなくて良いが)。今はこんなにしっかりした本があるのである。

 

ということで、『プレミア完全ガイド』おすすめです。ちなみに内容はこのブログより相当ちゃんと書いてあるので、お前のキワチームは自分で見つけろよな。

予測不能の プレミアリーグ 完全ガイド (エルゴラッソ) | 内藤 秀明, サッカー新聞エル・ゴラッソ編集部 |本 | 通販 | Amazon