ニワカと学ぶツールドフランス2016 vol.2

ステージ勝利狙い(スプリント中心)

主に平地ステージのスプリント合戦で勝利を狙う人たち。エースを大事に大事にゴール前まで運ぶ大量のアシスト陣と、ラスト10秒に全てを掛けるエーススプリンターで構成される。ド平坦の実力ならキッテルとグライペルを擁するベルギーの2チームが抜けているが、そう平坦ばっかりでも無いので、駆け引き次第では他のチームにも十分チャンスあり。逆に山の日は、ほとんどやることがない。

ここでは省いたが、多分カチューシャやオリカもスプリント争いには加わってくるはず。

 

■Etixx-Quick Step エティックス・クイックステップ

自転車大好きベルギー1の名門チーム。スカイにも負けないスター集団だが、こちらは春先のワンデーレースに重きを置いているため、選手のタイプ構成は全く異なる。今年も総合にはほとんど興味なく、スプリントやら抜け出しやらでステージ勝利量産だけが目的。

スプリント、長距離逃げ、ゴール前数kmでのアタック、激坂登りと、本格的な山以外ならどのコースでも対応できるメンバーを揃え、しかもほぼ全員がその分野では世界トップクラス。山が無くてつまんなそうな日は、とりあえず彼らに注目していれば、何がしか動きがあるはず。 

 

マルセル・キッテル:スプリンター

平地なら世界最強のスプリンター。とにかくゴール前まで無事に運びさえすればトップクラスのスプリンターを子供扱いするが、重くてデカイので運ぶのが一苦労という、明治の大砲みたいな選手。山どころか坂すら登れない。

2014年までツールで勝利を量産していたが、昨年は体調不良で出場できず。今年はチームも変わって心機一転、ジロでもいきなり2連勝している。顔の良さでも知られており、イベントで来日したときは埼玉の女子高生のハートを鷲掴みにしていたという噂。

 

マキシミリアーノ“マキシ”・リチェセ:スプリンター

最近ツールドスイスという名のある大会でポイント賞を獲得。アルゼンチン人としては史上最高クラスの成績を収めているらしい。エースとしては若干力不足だが、アシストとしては頼れる存在。今回はキッテルのリードアウトマン(最終発射台)を担う。

 

ファビオ・サバティーニ:スプリンター

リチェセと同じくキッテルのリードアウトを担うイタリア人。本人に目立った戦績は無いが、割と長い距離を牽けるのでアシストとしては重宝する。グランツールの経験も豊富。

 

トニー・マルティン:タイムトライアルスペシャリスト

かつて世界選手権TT部門を3連覇した世界屈指のTT専門家。1人で200km逃げて勝ったりすることも。とにかく爆裂に牽けるので、マルティンが牽き出すと相手チームがぽろぽろ脱落していく。マルティンが牽いているということは、エティックスが本気だというサイン。張ったエラと鯉みたいな口が特徴。

 

ジュリアン・アラフィリップ:パンチャー

フランスの期待を背負う若手パンチャー。アルデンヌ系ワンデーレース(アップダウンが激しいやつ)では優勝候補。短めの坂でのパンチ力に平地でのスプリントも兼ね備える。今年はツアーオブカリフォルニアで総合優勝。今回のツールではアップダウン系のコースでステージ勝利を狙うと思われる。

 

ダン・マーティン:パンチャー

アラフィリップとともに、アップダウン系コースでの勝利を狙うアイルランド人。パンチャー寄りのオールラウンダーというか、オールラウンダー寄りのパンチャーというか。アラフィリップにスプリントでは劣る一方、そこそこの山でもこなせてしまう登坂力が売り。顔は常に眠そう。2013年にリエージュバストーニュリエージュという世界5大ワンデーレースを勝っている。そのときパンダの着ぐるみを着たおっさんに追いかけられて以来、自転車にパンダペイントをしている。

 

イリヨ・ケイス:ルーラー

ジュリアン・ヴェルモト:ルーラー

ペトル・ヴァコッチ:ルーラー

3人とも、平地を高速巡航できるタイプ。スプリントのゴール前約20km~5km地点で、エースのためにポジションをとりつつ敵チームを疲弊させる役割を担う。いずれにしても、チームでは一番の脇役だが、それなりの実力者。

 

 

Lotto-Soudal ロット・スーダル

またの名をロット・ソウダル。1980年代から続く古参チーム。同じベルギーのエティックスに予算では及ばないが、エースのゴリラの脇を仕事人集団が固める渋いチーム。スプリントも出来て、平地を長く引けるタイプが多い。ジロでも安定の4勝。ゴリラが大会通して健在なら、なんだかんだで一番ステージ勝つのはこいつらかも。

 

アンドレ・グライペル:スプリンター

通称ゴリラ。ムキムキだからゴリラ。去年はツールで4勝、今年もジロで3勝と、調子を含めて考えると現世界最強のスプリンターと言ってもいいかも。ド平地で真っ向勝負するとキッテルには劣るが、キッテルと比べると100倍くらい登れるので、多少タフなコースも耐えられる。おっさん仕事人集団を率いて結束は固い。

 

トニー・ギャロパン:パンチャー

アップダウン系に強いが、スプリントもそこそこいける器用貧乏。世界選手権で2年連続トップ10入りしており、力は相当ある方なんだが、今一つ殻を破れない日々。嫁さんがかわいい。

 

アダム・ハンセン:ルーラー

グレッグ・ヘンダーソン:ルーラー/スプリンター

マルセル・ジーベルク:スプリンター/ルーラー

ボスゴリラの側近ゴリラ。3人ともデカくて重くて猛烈に牽ける。ハンセンはグランツール14回連続完走の鉄人。

 

ユルゲン・ルーランツ:ルーラー/スプリンター

歳食ったパンクロッカー的渋い表情が特徴のハードボイルド男。石畳系が専門だが、長距離を逃げさせても良いし、状況によってはスプリント勝負も出来なくは無い。

 

トーマス・デヘント:パンチャー

逃げの名手。山系のステージでよくかき回している。

 

ラースユティン・バク:ルーラー

かつて最強スプリント集団として知られたHTCの生き残り。TTがそこそこ速い。逃げに乗ったり終盤でアタックを掛けたりしては、偉そうに集団を仕切っている姿をよく見る。もうおっさんだからね。

 

 

■Giant-Alpecin ジャイアント・アルペシン

もともとはスプリント主体のチームだったが、今年から総合狙いに方針転換。が、総合エースのドゥムランが今年はリオ五輪に注力したいということで、一周回って今回のツールはスプリント狙いになる予定。と、あとはドゥムランがTTステージで、バルギルが山岳系ステージで勝利を狙っていく感じか。エースのデゲンコルプが怪我明けなので若干厳しいが、まあチャンスがあれば。良い選手はいる。

 

ジョン・デゲンコルプ:スプリンター

ミラノ~サンレモ、パリ~ルーベという世界5大ワンデーの2つを制した名スプリンター。キッテルやグライペルに比べて純粋なスピード勝負では劣る一方、坂や石畳への対応力、一人で何とかする体力は段違い。今年は年明けのキャンプ中に逆走してきた婆さんの車に轢かれて指が千切れかける大怪我。最近ようやく復帰したばかりなので、まだちょっと厳しいかも。笑顔と口ひげがトレードマーク。

http://media.gettyimages.com/photos/cycling-team-giant-alpecin-press-conference-degenkolb-john-pc-paris-picture-id531335196

 

トム・ドゥムラン:オールラウンダー

次世代のTT王者として期待される存在だったが、去年いきなり山が登れるようになり、一気にグランツール制覇が見えてきたなすび似の男。山岳ではひたすら差を広げられないようついていき、TTで一気にまくるスタイル。ただし今年はリオ五輪のTTがどうしても取りたいらしく、ツールはその準備だとか。

 

ワレン・バルギル:オールラウンダー

2013年のブエルタで若干21歳にしてステージ2勝。将来を嘱望されるフランス人だが、「将来」「嘱望」「フランス人」の時点でもうほとんど「伸び悩み」と同義なので、どうなるやら。今年も無理に上位は狙わないらしい。一応、チームのエースではあると思われるが、多分ステージ狙い。

 

ジモン・ゲシュケ:オールラウンダー

オールラウンダーというほど全体的に凄いわけでもないが、まあそこそこ登れて平地もイケるヒゲ。アップダウンに強い。去年のツールでは涙の初ステージ勝利。山でバルギルをアシストしつつ、逃げにも入ってチャンスがありそうならステージ狙い、というポジションだと想定される。

 

ローレンス・テンダム:クライマー

もともとオランダのロットNL・ユンボにいたベテラン。一度ツールで総合10位に入ったことがある。よだれをだらだら流しながらTTを走ることで有名。今回はバルギルのサポート。

 

ゲオルク・プライドラー:クライマー

オーストリア人の優男。大学で鉱山工学を勉強しているとか何とか。全体的に、自転車選手はサッカーよりもインテリな傾向がある。今年のジロではドロミテ山塊ステージで3位に入っており、割と登れる。バルギルのアシストもしつつ、逃げに入ったりしちゃう感じなのであろう。

 

 

■Dimension Data ディメンション・データ

今年ワールドツアー(いわゆる一部)に昇格した南アフリカ籍のチーム。アフリカの恵まれない子供たちに自転車を配る活動もやっている、慈善組織でもある。昨年はツール初挑戦ながら、テクレハイマノットがアフリカ人初の山岳賞(途中まで)獲得、カミングスがステージ勝利と大成功を収めた。

今年はスプリントチームに豪華補強を加えてさらに勝利数増を狙うが、まだまだ新興チームな上、アフリカへのアピールもあるので、山岳賞やポイント賞、逃げでのTV映りも狙ってきそう。スポンサーはNTTデータの子会社。

http://media.gettyimages.com/photos/daniel-teklehaimanot-of-eritrea-and-team-dimension-data-during-the-picture-id543954384

 

マーク・カヴェンディッシュ:スプリンター

かつて世界最強の名を欲しいままにした駄々っ子ミサイル。通称カヴ。世界選手権にグランツール全てのポイント賞、ミラノ~サンレモと、スプリンターが獲れる主要タイトルは全部持っている。全盛期の力はもはやないが、有力スプリンターであることには変わらず。すぐ拗ねるので、レンショウとアイゼルの保育が不可欠。

 

 

マーク・レンショウ:スプリンター

カヴェンディッシュの姉。一時期カヴと離れてエースを担ったが、カヴはレンショウがいないと拗ねるし、レンショウはレンショウで全然勝てないしで、結局再合流した共依存関係。カヴの発射台役を担う。

 

ベルンハルト・アイゼル:スプリンター

カヴェンディッシュの母。最終発射台の3つか4つ手前で、スプリントトレインを指揮するベテラン。業界全体でも顔が利く。さすがに35歳なので近年は目立った成績が無いが、貫禄と存在感を買われてメンバー入り。

 

エドヴァルト・ボアッソンハーゲン:スプリンター

スプリントは強いわTTは速いわ登れるわで、神童の誉れ高かったらしいノルウェー人。しかし強豪スカイで便利屋的に使いまわされ、伸び悩み。新興ディメンション・データでようやく第2の春を謳歌しつつある。スプリンターとしては相当に登れるので、ある程度勾配があるゴール前や逃げ集団でのスプリントを担当すると思われる。

 

スティーヴ・カミングス:ルーラー

男一匹35歳、長距離を逃げさせたら天下一品。1人でも高速をキープし続けられる上、逃げのタイミングを図るのが上手いいぶし銀。去年のツール1勝から今年も好調をキープしており、ティレーノ~アドレアティコ、バスク1周、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネと名のあるレースですでに3勝を飾っている。余裕があったら逃げさせて、レースのかき回し担当。

 

ダニエル・テクレハイマノット:オールラウンダー

昨年のツールで数日間山岳賞首位に立ち、アフリカの・・・かどうかは知らんが、少なくとも母国エリトリアの英雄に。大統領から直接表彰もされていた。決して山岳が得意なわけではないが、早めに逃げ集団に乗ってはコツコツ山岳ポイントを貯金する。多分今年も途中までの100円貯金で山岳賞ジャージを着るのが目標。手足が長い。

 

 

■Cofidis コフィディス

プロコン(いわゆる2部)ながら、平地ステージでは常に優勝候補に数えられる有力チーム。それというのもエースのブアニが凄いから。ブアニを筆頭に、頭突きも脅しもなんでもありなチンピラトレインが唯一最大の武器。去年のツールはブアニが早々に怪我でリタイアしたため、まじでやることが無さそうだった。

と思ったら、案の定ブアニが怪我で離脱。本当に、何しにいくんだお前ら。

http://media.gettyimages.com/photos/cycling-103rd-tour-de-france-2016-team-presentation-team-cofidis-picture-id543934786

 

ナセル・ブアニ:スプリンター

フランス国内王者1回、ジロで3勝にポイント賞1回、ブエルタで2勝のスプリンター。体重が軽いため、スプリンターが苦しむアップダウンにもそこそこ対応できる。もともとボクシングをやっていたらしく、今でもオフはボクシングでトレーニングとか、引退後はボクサーになるとか、ちょっと揉めた相手には「オウ拳で決着つけようやコラ」と脅すとか、その手のサグい男。すぐ頭突きとかする。

⇒宿舎で酔っぱらってうるさかったオッサンをぶん殴って手を怪我したとのことで、やる前からリタイア。サグい。サグすぎる。

 

ジョフレ・スープ:ルーラー/スプリンター

幼いころからブアニとマブダチ。悪そなヤツは大体友達。ヒゲとリベリーっぽい顔が特徴の、チンピラトレイン2号車。ブアニの発射台を務めるが、ブアニと同じく相当の武闘派。

 

ボルト・ボジッチ:スプリンター

チンピラトレイン3号車。これまでブエルタでステージ1勝の経験があるスロベニア人。今年からコフィディスに加入したが、サグい面子に囲まれて精神を病んでいないかが心配。

ニワカと学ぶツールドフランス2016 vol.1

ロードレースである。意外と楽しいのよこれが。見てみると。しかし、初めて見る人には取っ付きづらいというのも確かであろう。まずもって何を競っているのかよく判らない。一番最初にゴールした人が勝ちだというのは良いとして、どうもチームでレースをしているようにも見える。アシストだとか何だとか。

それが故に、海外サッカーを日常的に見る人間は往々にして自転車ロードレースも見ることができる環境にも拘らず、両方見ている人間はあまり多くない気がする。感覚だから文句言われても困るが。

 

ということでここはひとつ、ニワカを脱しつつあるロードレース観戦者であるところの私が次のニワカのために、ツールドフランスの観戦用豆知識を一説ぶってしんぜよう。

 

ド基本のところはこの辺を見てもらうとして、レースを楽しむポイントとして重要なのが、「各チームのキャラクターと目的」である。ロードレースのコースはめちゃめちゃざっくり言えば「平地か、山か、アップダウンか」の3種類なのだが、山が得意な選手と平地が得意な選手でまるっきり体形から何から違うので、「どんなコースでも勝てる選手」というのは基本的には存在しない。さらに、ロードレースで勝つにはエースのために風除けや水のボトルを運ぶアシストの存在が不可欠だが、エースをサポートするためには、アシスト達も必然的にエースと似た体形体格能力(脚質という)であることが求められる。

 

かくして何が起こるか。各チームは目標に従って、限られた選手の枠(1チーム9人)をどんな脚質の選手に配分するか、決める必要があるのだ。総合優勝を狙うチームはスプリントで何ぼ勝てても何もメリットが無いため、スプリンターやそのアシストに人材を割く訳にはいかないし、逆にスプリントで出来るだけ多くのステージ優勝を狙うチームは、平地でさほど役に立たないクライマーを多数抱え込む余裕は無い。

また、エースの能力によって狙える目標は制限されざるを得ないから、各チームが抱く目標はそれぞれ異なる。平たく言えば弱いチームが総合優勝を狙うのは無謀で、どっかで1回勝てればいいな!という構成になるわけよ。

 

 

総合優勝狙い

21日間の総合タイムで優勝したい人たち。優勝するとマイヨ・ジョーヌという黄色いジャージがもらえる。ロードレース界では一番の名誉。“ファンタスティック4”と呼ばれる業界最強の4人がいるのだが、平たく言えばその4人がいる4チームがそのままこの枠。去年はスカイが勝ちました。

 

■Sky スカイ

「巨人」とか「ペイトリオッツ」とか、その辺りのチームと大体同じ立ち位置と考えて頂いて差支えない。高額予算、スター軍団、科学的なアプローチ。フィクションならどう転んでも悪役なのだが、これが2012,2013,2015と近年最強を誇るから現実は世知辛いところだ。今回もエースのフルーム以下、どっから見ても隙が無い嫌らしいロースター。アシスト陣も名があるレースの優勝者か、グランツールのトップ10経験者ばっかりで、今回も狙うは優勝。スポンサーは放送局のSKYで、イギリスのチーム。

http://media.gettyimages.com/photos/chris-froome-of-team-sky-alongside-sergio-henao-montoya-vasil-and-picture-id543941042

 

クリス・フルーム:オールラウンダー

昨年のツールドフランス総合優勝。総合系の選手としては驚異的に速いタイムトライアル、ライバルを一瞬でぶっ壊す山岳でのアタック力、何度引き離しても復活してくるリカバリーの速さと、どこをとっても弱点なしの嫌らしい男。強いて言えばよく転んで怪我するくらいか。今年も優勝候補筆頭。

 

ゲラント・トーマス:オールラウンダー

フルームのアシスト一番手。元々は平地系の選手だったが、近年急激に登れるようになり、今年はパリ~ニースで総合優勝。昨年までフルームの右腕だったリッチー・ポートが移籍してしまったため、重責を担う。つぶらな瞳が特徴。

 

ミケル・ランダ:クライマー

今年アスタナから移籍してきたバスク人。眉毛がすごい。アスタナではアシスト一番手としてジロ・ディタリアに出場したが、1歳下のファビオ・アルをエースとして扱うチーム方針にキレて移籍した。キレるだけあって、ジロ総合3位、ブエルタ1勝と実力は折り紙つき。とくに、山の登坂力は世界屈指。腹黒いのと平地が遅いのが欠点。

 

セルヒオ・エナオ:クライマー

高地育ちのコロンビア人。高地育ち過ぎて血液が常人のドーピング状態のため、何度か検査に引っ掛かって一時出場停止をくらっているめちゃめちゃ可哀想な人。カリフォルニア一周総合3位、ツール・ダウンアンダー総合3位など、有名レースでも上位の実力者。

 

ワウト・プールス:クライマー

ひょろっひょろ。昨年のツールでは、山岳で強力にフルームをアシストして評価を高めた。今年はリエージュ~バストーニュ~リエージュという世界5大ワンデーレースの1つを制し、スター選手の仲間入り。今回も山岳でフルームのアシストを担う。

 

ミケル・ニエベ:クライマー

バスク名物、ちっちゃくて登れるおっさん。バスクのおっさん界では多分世界一山が登れる。これまでグランツールでトップ10入りが5回、ジロでのステージ勝利が2回に山岳賞1回のいぶし銀。

 

ワシーリ・キリエンカ:TTスペシャリスト

平地だろうが山だろうが黙々と牽いてくれる、頼れる仕事人。笑うのがめっちゃ下手。アシスト界では相当の大物。タイムトライアルの現世界チャンピオンであり、これまでグランツールで計4勝、世界選手権TT部門で優勝1回と、アシストの枠に留まらないタイトルホルダーである。

 

イアン・スタナード:ルーラー

ルーク・ロウ:ルーラー

平地でのフルーム護衛を担うイギリス人コンビ。どちらも悪路に強く、春先のワンデーレースでは優勝候補に挙げられる水準の選手。ど根性が持ち味でフンガーフンガー言いながら牽くのがスタナード、比較的スマートな感じなのがロウ。

 

 

 

■Astana アスタナ

カザフスタン政府の支援で発足。ドーピングに引っ掛かるやつがちょくちょく出てきたり、出来が悪いとGMアレクサンドル・ヴィノクロフ大佐から怖いお手紙が届いたり、陰鬱な雰囲気を漂わせる正統派の旧ソ連チーム。

戦力的な中心はイタリア人で、ファンタスティック4の一角、ニバリを擁し、過去3年のグランツールで計3回優勝している。今回も目標は総合優勝なのだが、先月のジロでニバリが優勝したので、エースは若手のアル。アシスト陣は相当に強いのだが、アルが他の優勝候補にどの程度着いて行けるかが怪しいところ。

 

 

ファビオ・アル:クライマー

花の90年世代の1人。昨年ジロで総合2位、ブエルタで総合優勝し、大物の仲間入り。今年はエースとしてツールに初挑戦だが、前哨戦では調子最悪。ニバリのご機嫌を伺いつつ、他の優勝候補に対抗していくという複雑なタスクを受け止めきれるか26歳。苦しいときは口がカマボコ型になる。

 

ヴィンチェンツォ・ニバリ:オールラウンダー

グランツール全てを制覇している、ファンタスティック4の一角。2014年のツール王者。割と陰険で、相手のピンチにつけ込むアタックが得意。審判やらチームメイトやらにすぐネチネチと文句をつけるが、プライベートでは静かでいい人らしい。今回はアルのアシストだが、果たしてどこまでその関係が持つやら、アルの強さが試されている。主に胃の。

 

ヤコブ・フールサン:オールラウンダー

またの名をフグルサング。文句を言いつつニバリを支えてきた有力アシスト。エースとして走っても総合10位程度に入る力はあるので、今回も2人を全般的に助ける役目だと思われる。

 

タネル・カンゲルト:クライマー

エストニア人。地味だが相当登れて、本人も本人もグランツールで15位から10位程度に入る力はある。スカイのスター陣に比べるとちょっと見劣りするけど。

 

ルイス・レオン・サンチェス:パンチャー/ルーラー

レアルマドリーモウリーニョに干されていたペドロ・レオン、あのヘタフェとかにいたレオンのお兄ちゃん。山もそこそこ登れるし、スペイン人としてはTTも速いが、最大の特徴は業界屈指のダウンヒル。エースより先行して山頂で待っといて、合流してからの下り坂先導、とか飛び道具的な使い方ができて便利。

 

ディエゴ・ローザ:クライマー

ニバリ班(スカルポーニ、ティラロンゴら)の勢力が強いアスタナで、数少ないアルのお伴。モンテディオにいたブラジル人ではない。本人もミラノ~トリノ優勝とか、イル・ロンバルディア(世界5大ワンデーの1つ)で5位とか、そこそこのレースで実績を残している。アルの胃のために奮闘が期待される。

 

パオロ・ティラロンゴ:クライマー

御年39歳、長年コンタドールやニバリといったチャンピオンに使えてきた名アシスト。めっちゃ小さい。体重50kg台と軽過ぎて平地では役に立たないが、山では頼りになるオッサン。ジロ通算ステージ3勝。

 

 

 

■Movistar モビスター

1980年から続くスペインの名門(自転車界では相当長い方)。キンタナ、バルベルデという2大スターを抱えてUCIチームランキングでは3年連続1位の有力チームだが、ツールでは毎回いいところでポカをこく。

去年最もスカイを苦しめたチームであり、今年こそはキンタナで優勝を狙う、と言いたいところだが、やはりスカイと比べると戦力では劣ると言わざるを得まい。エースのキンタナがフルームを相当圧倒できないと厳しい。関係無いけど、バルサのルイスエンリケがめっちゃファン。

 

ナイロ・キンタナ:クライマー

総合系で世界最強と目される4人、“ファンタスティック4”の一角。もちろんフルームも入ってる。クライマー揃いのコロンビア人の中でも最強の登坂力を誇るが、前述の4人の中ではちょっとTTが苦手なのが惜しいところ。別に遅くは無いのだが。ウルルン滞在記に出てきそうな顔が特徴。

 

アレハンドロ・バルベルデ:オールラウンダー

総合系の格としては、ファンタスティック4から一つ下くらいの選手。ブエルタで総合優勝1回、3つのグランツール全てで3位以内を経験。ワンデーレースにも強く、フレーシュ・ワロンヌ4回、リエージュ何ちゃら3回、世界選手権で2位が2回に3位が4回と、とにかくどんなレースだろうが上位に入り続ける鉄人。スポンサーにとってこれほどありがたい選手はいまい。

大物の割に、姑息な手をこれでもかと使ってくることでも有名。今回はキンタナのアシストに専念するということだが、本当に大丈夫だろうか。世界12億6,000万人のバルベルデさんファンの注目が集まる。

 

ダニエル・モレーノ:パンチャー

長い山もある程度こなせるが、急坂でスプリントする方が得意。2013年にフレーシュ・ワロンヌという格の高いワンデーレースで優勝。長年カチューシャでホアキン・ロドリゲスの右腕として働いていたが、喧嘩して今年移籍。バルベルデさんの子分に。

 

ウィナー・アナコナ:クライマー

仮面ライダー俳優っぽいイケメン。名前は人生の勝者になってほしくてお父さんが付けたらしい。ブエルタでステージ勝利1回の実力者。コロンビア人なのでもちろん山岳アシスト。

 

ヨン・イサギーレ&ゴルカ・イサギーレ:ルーラー

バスク人の兄弟。ゴルカが兄でヨンが弟。ヨンの方がどっちかと言うと大物で、スイス1周、バスク1周、ロマンディなど1週間くらいのレースにめちゃめちゃ強い。そこそこ登れる上、TTも強いので、平地中心に全般的にキンタナをアシストすると思われる。兄は地味。

 

ネウソン・オリヴェイラ:TTスペシャリスト

ポルトガルTT王者。毎年平地で遅れるのがモビスターの悪い癖なので、そこのところをカバーすることが期待される。

 

イマノル・エルビティ:ルーラー

スペイン人と言うのは大体「北のクラシック」(春先にベルギーでやってる、悪天候の中悪路を延々と走る系のワンデー)が嫌いなのだが、スペイン人としてはほとんど唯一、そっち系が大好きな変態。今年は春先の活躍で日本の視聴者に強烈な印象を残した。主に平地の風除け担当。

 

 

 

■Tinkoff ティンコフ

ロシアのザンパリーニこと怒れる男、ティンコフさんがオーナー。ティンコフさんが自転車連盟にキレて今年限りのチーム解散が決まってしまったため、有終の美を飾りたいが、コンタドールサガンという2大スターを抱えながらもアシスト陣は不安。特に山を登れるアシストが少ないのが気になる。去年はキレてTVを壊したティンコフさんが今年は何を壊すのか注目。

http://media.gettyimages.com/photos/alberto-contador-of-spain-alongside-peter-sagan-of-slovakia-and-team-picture-id543941286

 

アルベルト・コンタドール:オールラウンダー

グランツール優勝計7回、自転車界を代表するスーパースター。ランス・アームストロングにいじめられたり、脳血腫で死にそうになったりの苦労人。山もTTも強いが、最近はフルームに押され気味。あんまり頼りにならないアシスト陣を背負って、悲壮な挑戦が始まる。

 

ペテル・サガン:スプリンター/パンチャー

現世界チャンピオン。1人だけ白に5色の線が入ったジャージで、後ろ髪が長い男。

本格的な山以外は何でもできる怪物。余りにも強すぎて面倒事を全て押しつけられ、結局勝利を逃がすパターンが多く、去年のツールはサガンの負けっぷりを楽しむ大会になっていた節もある。誰がどう見ても一番強いのはサガンなのにねえ、みたいな。

ツールでは4年連続ポイント賞。スプリンターとしては異様に山が登れてタフなため、ポイント賞は現行のルールが続く限りサガンの独走だという噂も。最高に強くてイケメンなのに、息子3兄弟を抱えた母親がごとく雑事をこなす姿がかわいい。

 

ロマン・クロイツィゲル

グランツールの総合トップ10が4回。コンタドールの悲哀を傍で支える涙のアシスト。去年までバッソとロジャーズという頼れる大ベテランがいたのだが、2人とも病気で引退。泣ける。

 

ラファウ・マイカ:クライマー

2014年のツール山岳賞、去年はブエルタ3位。相当に格が高いクライマー。クロイツィゲルが過労で倒れるかどうか、マイカの双肩にかかっている感も。

 

ロベルト・キシェルロヴスキ:クライマー

またの名をキセルロウスキー。2010年、2014年とジロ総合10位に入った実力者だが、最近はさっぱり。今年も、頼りになるかと言われれば多分ならない。

 

マッテオ・トザット:ルーラー

マチェイ・ボドナル:TTスペシャリスト

オスカル・ガット:スプリンター

平地担当トリオ。御年42歳の大ベテランというか、ほとんどジジイのトザット、国内TT選手権4回優勝のボドナル、サガンの発射台も兼ねるガット。3人とも経験豊富な実力者だが、他の優勝候補と比べると一歩型落ち感があるような。

 

2016 ジロ・ディタリア チーム別レビュウ

またの名をジロ・デ・イタリア

 

採点基準

5:期待を大きく超える好成績

4:期待通りの成績

3:可もなく不可もなく。期待通りと言うほど良くも無い

2:期待にそぐわない。不満

1:評価ポイントに乏しい。明確な失望。

 

 

AG2R La Mondiale アージェードゥーゼル:1

全く印象無し。ポッツォヴィーヴォとペローの総合2枚看板に、クライマーとルーラー勢を揃えて総合トップ5辺りを狙っていたと思うのだが、ペローは第3ステージで早々にリタイアするわ、ポッツォヴィーヴォも早い段階で遅れるわで良いところが無かった。むしろアシストのユベール・デュポンの方が順位が良かった(デュポン11位、トッポジージョ20位)という。

 

 

■Astana アスタナ:5

やったぜニバリ大先生。ほんとラスト3日までは良いとこ2点くらいの苦戦が続いていたが、最後まで勝負を諦めなかった恐怖のアタック精神と、盤石のアシスト陣が最終盤で効き、最近の何やっても上手くいかない流れをひっくり返した。

フルームのTT、キンタナの山と比べると、ニバリはどの面でも1位とは言い難いのかと思っていたが(下りを除けば)、少しでも隙を見せると喉元喰いつかれる獰猛さと判断力は抜けているかも。ていうか、あれ「リーダージャージが落車で遅れる」って事態だったけど、待たなくてよかったんですかね。

山岳で敵チームのアシストをズタズタにしたスカルポーニおじさん、傍でニバリを支えたフールサン、山岳前待ち作戦で猛威をふるったカンゲルトと自慢のアシスト陣も強さを見せた。見てないけど、多分コージャタイエフとかゼイツとかその辺も頑張ったんだよね。多分ね。ていうか、この2人って一応アジア人だけど、アスタナのアシストを普通に努めてるって、めっちゃ強くね?

 

■BMC Racing team ビーエムシー:3

エースがセンニ。誰だ。調べたらまだ24歳のイタリア人クライマーとのことで、一応エースには立ったものの目立つ活躍は特になし。

「とりあえずダニエル・オスがめっちゃ逃げる」という作戦だったと思われるが、そのオスが中間スプリント賞と逃げ賞、なるジロ特有の賞を2つゲット。まあジルベールもGVAもポートもTJもサムエル・サンチェスもいない中では、及第点ではなかろうか。あとアタプマが最後の山の日にマッドマックス怒りの山登りを見せていた。あんなにインターバル走みたいなペースの上げ方、大丈夫なんだろうか。

 

 

■Cannondale キャノンデール:2

移籍してきたウランがエースで臨んだが、ちょっと残念。まあ戦力的にもやっぱり厳しいんだが・・・。

ウランは11分遅れの7位に沈み、ステージ勝利も無し。モゼールが勝利目前でブランビッラ&トレンティンのエティックスコンビにしてやられたのが悔やまれる。期待されながら伸び悩んでいたモゼールが復調気味っぽいのは好材料だが。あとドンブロウスキーも山で逃げて、惜しいところまでは行った。 

 

 

■Dimension Data ディメンション・データ:3

ワールドチームに昇格して初のグランツール、しかもカヴ一家は揃って不在であったとはいえ、存在感は薄く、これは落第・・・と思ったけど、シウツォウが10位には入ったのか。元スカイのベラルーシ人。キリエンカと同じく、地味だが大体何でも出来る人。

あとは、南ア人のファン・ジルが序盤のステージであわやの逃げを打って奮闘。フライレも第5ステージで離脱はしたが、1日山岳賞着たので、まあ3としておこう。

 

  

■Etixx-Quick Step エティックス・クイックステップ:5

クラシックとスプリントのチームだと思っていたが、総合も山岳も大暴れ。やりたい放題の楽しいジロとなった。

まずはキッテルが圧倒的な力で2連勝してマリアローザ。ゴリラ以下他のスプリンターを子供扱い。キッテルが疲れたとか何とかで帰った後は、ユンゲルス、ブランビッラとマリアローザをリレーし、ユンゲルスが若手賞(マリアビアンカ)、ブランビッラとトレンティンが1勝ずつの計4勝。これ以上望むことありませんぜ。

ユンゲルスは山岳でいくばくか遅れたものの、短い山なら十分にやれることを証明。キッテル列車のラスト10km牽引エンジンとしても素晴らしかった。

ブランビッラは総合エースこそ厳しいが、アップダウンへの対応に高速ダウンヒルを持ち合わせる便利な男。同じく便利なトレンティンも、キッテルの発射台に、無賃乗車からの安定したスプリント上位顔出しに、ブランビッラ救出隊にと大活躍した。

まあ強いて言えば、グランツール対応しようと思うと(マルティンを除けば)今回のメンバーが恐らくほぼベストで、ツールやブエルタの連戦になると、さすがに力が落ちてきそう。シュティバルはともかく、ボーネンやテルプストラを連れて行っても、さして何かしてくれそうな気がしないんだが。まあさすがにそこら辺は仕方あるまい。

 

 

■FDJ エフデジ:1

デマールがエースながらいろんなタイプをバラバラと散りばめて臨んだ結果、とくに何もできず。デマールは2位こそ2回ながら、キッテルとグライペルに歯が立たず、フィッシャーとクルテイユが1回逃げていたような、それくらい。昨年総合9位のジェニエスも早々にリタイア。切ない。

 

 

■IAM Cycling イアム・サイクリング:4

大会中にチーム解散が決定するという苦境に立たされるも、クルーゲが意地の1勝。ハウッスラーか誰かを牽いてたら思わず前空いちゃいましたのラッキーパンチだが、勝てば官軍だからな。あとは、TTステージでブレンドレとラエンゲンが2位・3位。戦力を考えれば満足といってよいのではなかろうか。 

 

 

■Lampre-Merida ランプレ・メリダ:4

イタリア最強のパンチャー・・・・と言っていいんだと思うけど、ウリッシがステージ2勝。モドロは昨年の再現こそならなかったが、ポイント賞3位。全体的に昨期ほどの大成功ではなかったものの、地元のレースでしっかり結果を残すのは偉い。期待の若手モホリッチは、何回か逃げていた。

 

 

Lotto-Soudal ロット・スーダル:5

ゴリラが3つでゴリラ・ゴリラ・ゴリラ。ニシローランドゴリラの学名ではない。グライペルは貫録のステージ3勝。さらにウェレンスも1勝と山岳賞ジャージ3日。大成功。

ゴリラはポイント賞ジャージを捨ててさっさと帰ってしまってやや顰蹙を買ったが、チーム力含め、ド平地でさえ無ければ最強であることを見せつけた。ニッツォーロ、本当に立場ないよな。

ゴリラを支えるアシストも、ルーランツ、ヴァネンデール、リヒトハートとかきちんと列車が組めるし、ドゥビーとかアタックできるし、層が厚い。

 

 

■Movistar Team モビスター・チーム:4

お、バルベルデは力を温存か・・・まあユンゲルス辺りは山で遅れるだろうしな・・・あれ、2分差?大丈夫・・・?あれ?クイーンステージ、あれ?あの、3分差。あの、マリアローザ、厳しくないですか。あれ?

 

と思ったら「いや~今回の目標はステージ勝利と総合3位以内だからね~順調だわ~順調順調~」でずっこけた。いや、まあ、偉業だし、それでいいなら良いんだが。ああそうですかみたいな。ということで、バルベルデさんが3位にアマドールが8位、1日マリアローザ着用という成功ながら、4としておく。それにしても、最終日でささっとクライシュヴァイクを交わして3位に滑り込むバルベルデさんはさすがだよな。あとヴィスコンティは相変わらず色々と仕掛けていた。

 

 

■Orica-GreenEDGE オリカ・グリーンエッジ:5

チャベスが総合2位。最後にニバリに置いて行かれなかったら優勝だったが、さすがにそこまでは苦しいか。元々がクライシュヴァイクの失速によって得た1位だったので、そこまで失望も無かった。

チャベスをエースに立てつつ、平坦ステージではユワンとメズゲツで勝利を狙うという体制は、後者2人が1勝も出来ないままリタイアしたことで半分は失敗。それでもチュルカ、プラサのおっさん2人以外にまともに登れる選手がいない中、2位に食い込んだチャベスは偉い。来年辺り、一回イェーツ兄弟と一緒に出してみたらジロかブエルタの優勝は射程距離内かもしれない。

 

 

■Giant-Alpecin ジャイアント・アルペシン:3

「優勝狙ってないよ」「いや嘘つけ」のやり取りがうっとうしかったドゥムランのTTステージ勝利とマリアローザ着用(6日間)、予想外の最終日スプリント勝利(ニキアス・アルント)となれば、まあ3点以下を付けるわけにはいくまい。ドゥムラン以外の印象はほとんどなかったが。ルドヴィクソンが序盤若手賞争いで頑張っていたくらいか。

 

 

■Team Katusha チーム・カチューシャ:3

ザカーリンをエースに据え、ロシア人8人とエストニア人1人の旧ソ組で総合に挑んだ今回。落車さえなければザカーリンのトップ5は固かったのだが・・・。雨中のTTでの落車に続き、雪積もるチマコッピで大事故からのリタイア。ほとんど死にかけていた。

それでもターラマエが逃げから意地の一勝。ダニ・モレーノとトロフィモフが抜けて山岳アシストが弱体化したカチューシャだが、ターラマエはやはり頼りになった。

あとあのー、スカパーもチクリッシモも、「ツァテヴィック」はまだ許しても、「ツァテヴィツク」はねえだろ。何だよ「ツク」って。カタカナの国から来たのか。 

 

 

■LottNL-Jumbo ロットNL・ユンボ:4

実際、弱小ロットからしたら大成功だ。チャリンギのおっさんが地元で山岳賞を着用し、クライシュヴァイクは優勝目前まで迫る大躍進で最終的に4位。さらに無名のログリッチが2つのTTステージで1位と2位。去年ワールドツアー2勝のチームからしたら大成功で間違いは無い。クライシュヴァイクにしても、ヘーシンクとケルデルマン不在の状況でこれだ。

相当頑張った・・・・にも拘らず5点がつけ難いのは、名門復活への最大最高のチャンスを逃してしまったから。VeloNewsの妄想記事にもあったが、今回のジロはオランダ自転車界の歴史を変え得るチャンスだった。妄想に付き合いすぎるのもなんだが、今回優勝していれば、スポンサーの拡大に、ドゥムランをはじめとする戦力補強もしちゃったり何かして、オランダ自転車界も相当に盛り上がったかも。せめて、ヘーシンクかケルデルマン、どちらかだけでもメンバーにいればねえ・・・もともとはホフラントのスプリントメインで来ていただろうが、少々悔やまれる結果となった。 

http://media.gettyimages.com/photos/cycling-99th-tour-of-italy-2016-stage-17-start-podium-steven-pink-picture-id534238390

 

 

■Team Sky チーム・スカイ:2

ランダの総合とヴィヴィアーニのスプリント、両翼で臨んだらランダは腹痛いとか言いだすし、ヴィヴィアーニはタイムアウトになるし。ロッシュやエナオ弟もぱっとせず、大失敗かと思われたが、ニエベがステージ勝利+逆転で山岳賞を勝ち取り、何とか格好は付けた。

今回休んだメンバーだけでもフルーム、トーマス、エナオ兄、スタナード、ロウ、ケノー、クフャトコフスキ、ケーニッヒ、キリエンカ、プールス・・・とほとんどオールスターなので、今回は大してやる気だして無かったのかもしれんが、それでも悪の軍団にしては最低限とも言えない結果と言わざるを得まい。

 

 

■Tinkoff ティンコフ:3

マイカだけだもんな。ロヴニーとか、ポリャンスキとか、ボアーロとか、当然頑張ってはいたんだが、他の総合上位クラスと比べるとアシスト陣が少々見劣りするのは否めない状況で、マイカはよく頑張っての5位。

 

 

Trek-Segafredo トレック=セガフレード:2

ヘシェダルで総合、ニッツォーロでスプリントの2正面作戦だったが、ヘシェダルは胃腸炎であえなくリタイア。「悪夢だった」とか言ってたね。カンチェラーラも体調不良でリタイアするし、ニッツォーロはキッテルやグライペル、ユワンたちが次々リタイアしたことでの棚ボタポイント賞だし、どうなのよこれ感あるジロであった。

最終ステージ、ついにニッツォーロが勝ったかと思いきや、まさかの斜行で降格。今年も1つも勝てずにポイント賞。百円貯金でTVを買うというか、城の周りでスライム倒してレベル99というか。

http://media.gettyimages.com/photos/cycling-99th-tour-of-italy-2016-stage-21-arrival-giacomo-nizzolo-red-picture-id535357698

 

 

 

(以下プロコンチネンタルチーム)

■Willier Triestina-Southeast ウィリエール・トリエスティーナ=サウスイースト:2

ポッツァートは何回か惜しいところに絡んだものの、1勝もできず。クルーゲに負けたステージが一番惜しかったか。あとズパはちょいちょい逃げで頑張ってはいた。

 

■Barding CSF バルディアーニ:4

ピラッツィの怪しいアシストを受けた若干21歳のチッコーネがステージ勝利。去年勝ったボエムもいるし、パンチャーとしては相当有能なコルブレッリもいるし、ピラッツィはジロ山岳賞取ったことがあるし、これくらい揃ってないとプロコンチも戦えないとはさすがヨーロッパ。

 

■Gazprom-RusVelo ガスプロム・ルスヴェロ:4

ロシア人100%。もともとはカチューシャの下部チームだとかなんとか。エースのコロブネフはいまいちだったが、若手のフォリフォロフが山岳TTでニバリもクライシュヴァイクもバルベルデも蹴散らしてのステージ優勝。ロシアはほんと、お前誰?みたいなやつがごっつ強くて侮れない。

 

Nippo-Vini Fantini ニッポ=ヴィーニ・ファンティーニ:3

山本元喜のブログで確実にファンが増えたであろう伊日混成チーム。山本はスポンサー絡みの出場なのか、「とにかく頼むから完走だけはしてくれ」と懇願されたらしいが、堂々たる走りっぷりではなかったでしょうか。本人も言うように後半は大して仕事もしていなかったが、まあ逃げは乗ったし。

チームとしては、クネゴの山岳賞を最後の最後で守り切れず。とは言え、クネゴ以外に対して登れる選手がいたわけでもなく、頑張った部類だと思う。グレガ先生はかっこいい。 

 

2015/16 マンチェスター・シティ 選手別レビュウ vol.2

AMF

ダビド・シルバ:3

ティファンというのは「シルバの調子が悪い試合」というのに慣れていないわけですよ。出しとけば大体何かしてくれるという経験しかない。

然るに今年のように何もできずに下がったり、あるいはミスパスを連発したりという試合があると、他の選手以上に驚くというか、他の選手よりハードルが高くなっているきらいがあるが、ナスリとデブライネは怪我、ヤヤは不調で、一緒に打開策を考えられるのがアグエロしかいなかったという事実には情状酌量の余地があろう。デブライネ復帰後は、速攻遅攻を使い分けるための鍵として左サイドで奮闘。怪我が惜しまれる。

 

 

 

■ケヴィン・デブライネ:5

「ナスリに毛が生えたやつ」とか言ってすみませんでした。一人でドリブル突破するとかキープ力がずば抜けているとか、そういうわけでは無かったが、「とにかく何とかする」という実効性の高さ、安定感は、ここ15年のシティでも1番ではなかったか。アグエロだって、結構簡単なの失敗しますからね。中央で使って何ぼだというのはよくわかったが、来シーズン、ペップがどう活用し、どんな選手になるかとても楽しみ。

 

 

ヘスス・ナバス:4

「ナバスはクロスが下手だ」というが、本当にそうか。

まずもって「狙ったところに蹴ることが出来ない」という意味の下手ならば、本当の下手はこんなものではない。グロンキアとか。グレン・ジョンソンとか。チェルシーの右サイドやべえな。

結局、「クロスが有効では無い」、つまり狙ったところが悪いとか、タイミングが悪いとかいうことなら、確かにナバスのクロスはよく流れていくし、DFにぶち当てるのも多いので、かかる批判ももっぱら間違いではあるまい。しかしそもそも的が少なすぎるという問題も考慮されて然るべきだ。アグエロは小さく、イアナチョはエリアの外。ボニーは常に遅れている。ジェコがいればこれほどまでに低い評価は、、、いや、ごめん。グロンキアの話がしたかっただけだった。安定して良かったです。お勧めです!4点!!

 

 

サミル・ナスリ:2

シーズンの大半は怪我で不在。主な仕事はリハビリの片手間に髪を染めることだったが、これもまた評価が分かれる選手だよね。今年のように居ないときは、シルバを助けるプレーメーカー、ポゼッションの回復役として不在が惜しまれるわけだが、一方でバルサバイエルンみたいなトップクラスと戦うとそもそもボール保持時の質という、ナスリの(一般論だが)一番の売りの部分が通用しないということもまた我々は知っている。

契約はあと3シーズンあるわけだが、償却は大半終わっているから売ればほとんど純利な一方、ポゼッションを支える人材としての力は確かでもあり。難しいところ。   

http://media.gettyimages.com/photos/samir-nasri-of-manchester-city-wearing-a-denim-jacket-after-the-picture-id529432288

 

 

ラヒーム・スターリング:2

一部のリバプールファンのアイドル。未だ持って何がそんなに悪かったのかよく判らないが、今シーズンは行く先々で怒られてばっかり。

開幕からレギュラーに定着し、最終的には全コンペティション通じて11得点。とくにカウンター中心で戦ったCLでは(途中まで)大いに活躍した。一方、スペースを閉鎖されると仕事が出来ず、パスの精度不足やフィニッシュの粗さが目立った。徐々にコンディションを崩し、怪我から復帰以降は試合に出てもほとんど何もできずに終了。少々厳しい評価だが、来シーズンにも後を引きそうなので2点としておく。

 

 

■ベルサント・ツェリーナ:3

リーグ戦1試合、カップ戦3試合出場。チェルシー戦を除けば顔見せ程度だったが、レスター戦では正確なクロスでアシスト1つ。一方で、スタメンだったチェルシー戦では噂のスキルをほとんど見せられずに終了。まあ今月新たに4年契約を結んだので、それなりに期待はされていそう。

 

 

■マヌ・ガルシア:4

リーグ戦1試合、カップ戦3試合出場で1得点。イニエスタと昔のスティーヴン・アイルランドを足して割ったようなMFで、攻撃面ではある程度やれるところを見せた。グアルディオラは好きそう。

 

 

■パトリック・ロバーツ:4

ちょびっとだけ出て冬にセルティックに18カ月の長期ローン。セルティックではリーグ戦12試合7得点と爆発しており、まあ動画を見るとスコットランドなのでお察しなところもあれど、明るい未来が待っていそうな予感はする。

基本的には中央切りこんで左足ミドルorワンツー、もしくはLBの裏に抜け出しの2パターンしかないので、芸を増やすのは大事。でもシーズン初めの「この人Youtube以外で活躍すんのかな」という印象は無くなりました。頑張ってね。

 

 

■ブランドン・バーカー:--

チェルシー戦で途中出場した左ウィンガー。スピードがあるのはよくわかったが、基本的にボール持ってないときはライン際で突っ立っていた。そらコラロフも困るよ。面白い選手なんだろうけど、「ナバスはバーカーのスパイクを磨いてろ」とか言っちゃう人は(いや本当にいるのよこれが。現地ファンで)ちょっと頭冷やした方が良いと思う。クネクネしているが、佇まいは格好いい。

 

 

FW

セルヒオ・アグエロ:4

アグエロがチームにいるというのは、ちょっとランクが違う女の子と付き合っちゃったときによく似ている。ちょっと不貞腐れたところが見えると、乗り換えられるんじゃないかとびびっちゃったり。ちょっと足が痛そうにしていると過剰に心配してしまったり。誇らしい一方で、いちいち気が気で無いわけだよ。ということで今年も心臓に悪い1年であった。コンディションは最終盤まで割と低調。予定通りの怪我。本気出したときの手のつけられなさも昨年やや落ちていたが、1試合1点着実に稼ぐ安定感は健在であった。コパは、、、仮病使わない?

 

 

ウィルフリード・ボニー:1

ファンブログの「対戦相手のファンに聞こう!」コーナーでとあるスウォンジーファンが語ったように、「30試合出せば結果は残す」んだと思うよ。そうなんだろうよ。でもそこまで使おうと思わせるには、余りにも満たすべき条件が多すぎた。

要するにこの人は、周りにセットアップしてもらわないとダメなのね。外や奥に走って味方のために時間とスペースを作るような、ジェコがやっていたような(出来ていたかは微妙だが)仕事も、運動量とスピードの無さゆえに果たせず。ボールは収まったが、最終的にはあらゆる局面に間に合っていなかった。そしてフィニッシュはイップス

シーズン最終盤には、アグエロ依存を懸念しての最後の戦力化が試みられたが、パフォーマンスは向上せず。残念でしたね。まあサンタクルスとか、ベンジャニよりはマシだったよ。そう言われても嬉しくないだろうが。あとはまあ、プライベートにとやかく言うのも何だが、避妊はした方がいい。

 

 

■ケレチ・イアナチョ:5

ガスパッチョの親戚。ナイジェリアから来た。本人曰く名前の読みは「Ian Nacho」。プロとしてのデビューシーズンだったが、最終的には35試合14得点。まさかこんなに取るとは。文句ないです。

ぶっちゃけ中堅以上には何が通用しているのかよくわからんのだが、エリア内でのポジション取り、フィニッシュの冷静さは素晴らしく、今のところ実効性のある貢献としては「とにかく点を取る」ことに特化している。本人はボール触りたがりなので、トップ下どころかボランチにすら降りてくるんだけどね。あとびっくりする位コメントが真面目で、全然笑わない。目はガンギマリ。どうかそのまま成長してくれ。

来シーズン以降の課題としては、後半戦で明らかになったミスパス症候群と、徐々に出てきたエゴの消化か。アーセナル戦でDF2人相手に3人でカウンターを仕掛け、ドフリーのナバスを無視してショボいシュートを放ったときは力が抜けた。あれボニーがやってたらえらいこっちゃで。あとは、モラタみたいに役割の幅が広がるといいよね。

 

 

ダヴィド・ファウパラ:4

フランス人だから「フォパラ」の方が近い気もするが、ニューカレドニア系の名字っぽいという噂もあり、よくわからない。チェルシー戦で1得点。その他もテリーに股抜きをかましたり、サイズとスピード、ボールスキルをバランスよく持ったタイプに見える。

2015/16 マンチェスター・シティ 選手別レビュウ

採点基準

5:期待を大きく超える大活躍

4:期待通りの活躍

3:可もなく不可もなく。期待通りと言うほど良くも無い

2:期待にそぐわない。不満

1:大失敗のシーズン

 

 

GK

ジョー・ハート:4

ジョーというのは「止めるしかない」「蹴るしかない」という、時流に乗り遅れた古風なGKであるが、今年はその、逃げも隠れも出来ない部分が安定していた。チャームポイントであった「頭上のクロスへの力無い猫パンチ」も少なくなってきたように思う。あと、「ゴールキックの際、ヤヤを全力で呼び続けておいて、そっちには蹴らない」という新技を準備してきたのもポイントが高い。

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■ウィリー・カバジェロ:4

リーグカップ担当。決勝戦の数日前、FAカップチェルシー戦で大失敗。ファンフォーラムやMEN紙コメント欄では「ハートに替えろ!」「これだからペレグリーニは!!」「利敵行為だブチ殺せ!!!」と大荒れに荒れたが、蓋を開けてみたらPKを3つ止めるという大活躍でTwitterには即座「ウィリーにごめんなさいする会」が結成されたという。コント見たいだった。今年限りのようだが、声が小さいことを除けばそこそこのGKだったよ。ありがとう。

 

 

リチャード・ライト:3

今年も「2人の練習に付き添う」というタスクを完遂。おじさんも今年で引退だそうです。お疲れさん。

 

CB

ヴァンサン・コンパニ:1

もう、とにかく居ない。居なすぎる。出てるときは文句ないんだが、あまりにも不在であった。これがホントの不在の騎士かという。

何試合か続けて出ると確実にハムを傷める身体になってしまったので、今後は主力として計算しづらいと言わざるをえまい。ただでさえ組み立てができないコンパニのこと、ペップ政権では脇役としての扱いは避けられないと思われる。そうなると誰かがスポークスマンとしての役割を担わなくてはならないわけで、ジョーがやるのかなあ。一時代の終わりですな。

 

 

■エリアキム・マンガラ:2

オタメンディとの交換でバレンシアに放出されかけたが、志願して残留。成長に期待が寄せられていたとのもっぱらの噂だったが、怪我もあって全体的には今一つバタバタしたパフォーマンスに終わった。コンパニがいた開幕5試合と、PSG戦に代表される最終盤はそれなりに安定していたが、ボーっとしてすぐマークを外す癖は直らず。あとオタメンディとコンパニが異常なのかもしれないが、楔のボールにアタックできてなさすぎじゃない?前から思ってたんだけど。決意の問題なのか、ポジショニングが悪いのか、アジリティが無いのか、あれだけの体躯とスピードがある割には縦の動きに弱いのが気にかかる。まあ、その2人が決意だけはべらぼうにある男だというのもあるが。

隙間に通す、とか、身体の向きと逆に蹴る、ということがとことん下手なので、ペップ政権で出番があるかは怪しいところ。しかも移籍金が£32mじゃなくて£44mだった、ということが明らかになり、要するにこれは£20m以上で売れなかったら売却損が出るということだ。マジかよ!頼むぜまじで。

http://media.gettyimages.com/photos/alexis-sanchez-of-arsenal-is-challenged-by-eliaquim-mangala-of-man-picture-id529161654

 

 

ニコラス・オタメンディ:3

CB陣としては最多出場。コンパニやマンガラと違って頑丈だったということもあり、元を取るべくしっかりと使い倒された。とにかく全部の判断が「一か八かでGO」なので、当たれば綺麗に奪えるし、当たらなければ寝てるだけ。シャチかと思うくらい寝っ転がっていた。その分、ボールを奪いきるパワーとか、瞬発力とか、その辺は凄いんだけどね。凄くなかったらただのアホである。

ボールを持っても「力いっぱいインサイドで叩く」ことしかできないので、鋭すぎるパスが綺麗に通る時もあるが、大概は引っ掛かっていた。それかサニャに渡すか。角度も距離も無さ過ぎてサニャは大分困っていた。グアルディオラが好きそうなタイプには見えないが、一方でこういうダイハードなCBというのは苦しいときに必要になるものだ。

http://media.gettyimages.com/photos/nicolas-otamendi-of-manchester-city-tackles-gareth-bale-of-real-the-picture-id528252812

 

 

マルティン・デミチェリス:2

昨夏には荷物をまとめてアルゼンチンに帰る予定だったところ、リーベルの監督交代で話が頓挫し、急遽残留。コパの疲れもあろうし、そもそも年齢的に限界でもあるし、色々と間に合っていなかった。クローザーとしてのアンカー起用は悪くなかったが、CBとしてはいきなりスパーズに4点食らうわ、ミスパスでハートを怪我させるわと良いところなし。少々残念な終わり方ではあったが、まあ3年間良く働いてくれたと言えよう。ギャンブルはほどほどに。

http://media.gettyimages.com/photos/martin-demichelis-of-manchester-city-reacts-during-the-barclays-picture-id516696224

 

 

■トーシン・アダラバイヨ:3

アカデミー上がりのイングランドユース代表。捨てゲームにしたFAカップチェルシー戦でデビューし、落ち着いた対応で「DF陣の中では一番まし」と言う評価を得た。まあ後ろの方で大人しくしてただけのようにも見えたが。身長もあるし、冷静そうにも見えるし、将来性が無いことは無いと思うのだが、見るからに組み立てがド下手だったのでちょっと不安。来シーズンいきなりの戦力化は可能性が薄い。名前は「アダラビオヨ」とも。ビヨンビヨンしている。

 

 

■キャメロン・ハンフリーズ:--

同じくアカデミー上がり。顔見せ出場。何となく体型的にはビヨンビヨンより期待できそうに見える。

 

 

 

SB

バカリ・サニャ:4

サバレタの衰えもあって右SBのレギュラーに定着。安定した守備、それなりの攻撃への貢献、ジョーのゴールキックの的として年間通して頼れるパフォーマンス。前がナバス、隣がオタメンディという単細胞コンビを必死で支える33歳、その姿はまさしく働くおっさん劇場と呼ぶにふさわしいものであったという。

 

 

パブロ・サバレタ:2

さすがに、さすがに売り切れたか。もともと皆してサバレタを使いすぎだったのだ。13/14フル稼働、ワールドカップを経て14/15もフル稼働、さらにコパアメリカと来たもんだ。まだ31歳とはいえ、消耗が激しいポジションであろうことは想像に難くない。かつてからは想像しがたいほど簡単に振り切られる姿には哀愁が漂う。本人も移籍の可能性を口にしており、愛されつつも別れの時が来ているやも。

 

 

アレクサンダル・コラロフ:2

サバレタと比べるとこの人は徹頭徹尾コラロフというか、そのすっきり爽やか摩擦係数ゼロの守備とか、カタパルトに乗っけたようなスプリントとか、「スピードも精度のうちでしょ」と思ってそうなクロスとか、6年間全然成長もして無いし衰えもしてない気がするのは私だけだろうか。でまあ、こういうタイプはチームの調子が悪いと叩かれる。気持ちはわかるが。

「皆が想像するコラロフとの差がほとんどない」と言う意味では評点3でも良いのだが、クリスマスに面白いネタをやってくれなかったので2。

 

 

ガエル・クリシ:3

怪我で出遅れたが、コラロフが疲れ始めたタイミングでレギュラーに復帰。やはりコラロフと比べると守備には一日の長があり、攻めでも気が利くので後半の重要な試合はもっぱらクリシが出ていた。ひと夏に2枚取っ替えは難しいので、来年もう1年くらいいるかも。

 

 

■アンヘリーニョ:--

NY支店で半レギュラー的に使われたあと、戻ってきてカップ戦で顔見せデビュー。それなりにボールはつなげそうだった。

http://media.gettyimages.com/photos/matthew-willock-of-manchester-united-u21s-in-action-with-angelino-of-picture-id511403750

 

 

CMF

フェルナンジーニョ:4

W杯の惨劇から1年、復活のシーズン。年間通してコンディションを維持した。開幕直後やとってもやる気があるときに見せたハイプレス&ショートカウンター、CLで見せたロングカウンターの両方において、ボール狩りに猛威を振るった。チームの成績が良ければTeam of the Yearの候補にも名が挙がったのではなかろうか。

一方で過去にグアルディオラが重宝してきたような選手と比べると明らかに性能がシンプルと言うか、芸が少ないわけだが、どう使うのかね。ファンボメル的な役割を果たせればいいんだが、あれはあれで相当に上手い選手だったからな。ちなみにフェルナンドとの見分け方は、タックルの失敗がファールになるのがフェルナンド、確信犯で殺りに行くのがジーニョ。

Zlatan Ibrahimovic of Paris St Germain and Fernandinho of Manchester City during the UEFA Champions League Quarter Final second leg match between Manchester City FC and Paris Saint-Germain at the Etihad Stadium on April 12, 2016 in Manchester, United Kingdom.

 

 

ヤヤ・トゥレ:2

 

 

 

 

上記4つが今シーズン、ヤヤについての見解をまとめた呟きになりますが、要するに低調なんだけれどもチーム編成上出さざるを得ないので風当たりは強かった。しかも走らないなら走らないで全部そうやっときゃ「何かコンディションに問題が」と思う人もいるだろうに、決勝戦だったりするとそこそこ走るからまた叩かれるという。当たり前だが。

かくして主に編成上の問題から貢献度に見合わぬ晩年を送ったヤヤも、そろそろ潮時であろう。2010年のある春の夜、ローマのホテルの1室で、悪名高き代理人、ディミトリ・セルクは嘲った。「シティ?」マンチェスター・シティ?ユナイテッドでは無く?「バルサからシティなんかに行くわけ無いだろ?」

シティの担当者は答えた。週に22万ポンド払う、と。かくしてヤヤはシティに来て、リーグを2回、FAカップリーグカップを1回ずつ取って、そして去る。悪くない取引ではなかっただろうか?

http://media.gettyimages.com/photos/manuel-pellegrini-manager-of-manchester-city-and-yaya-toure-are-seen-picture-id531583416

 

 

■フェルナンド:3

昨シーズンは「オクトパスの異名をとる、というのはプレーの質がタコという意味か」という風情であったが、今シーズン後半はこれぞまさしくオクトパスだよこれを待ってたよ、な活躍。スペース管理の概念を唯一持ち合わせるMFとして、素晴らしく効いていた。出ていくときは出ていくときで、ヤヤやジーニョと違って最低でもボールに食いついて帰ってくるのでこれまた有効。

ボール奪取後もそれなりに気の利いたタッチで味方にボールを預けており、何だ意外とボール持てるじゃんみたいな。相手が出されたくないところにボールを付けるとかって芸当はできないけど。来シーズンはより役割が限定される気もするが、ペップなら良い活用方法を編み出してくれるのではないかと期待。

http://media.gettyimages.com/photos/fernando-reges-of-manchester-city-and-miralem-pjanic-of-as-roma-the-picture-id481468318

 

 

■ファビアン・デルフ:2

スターリングよりよっぽどこいつの方が叩かれてしかるべきだと思うが、如何せん見捨てたヴィラが泥船すぎて、(シティに来たことが正しいかは置いといて)移籍自体は正解でしたね。カバー範囲の広さ、ドリブルでの打開力、左足のミドルと良い選手であることは確かなんだが、まずもって壊れてない期間が少なすぎるうえ、他のCMFとの相性がさほど良くなかったため、印象の薄い1年になってしまった。

どちらかというと此方がボールを持ったときに効くタイプだが、本人の体格の問題もあってかつてのヤヤほど突破力があるわけではなく・・・ジェコやネグレドみたいに、身体を張ってくれる選手がいると違ったかもね。ピッチ外では「いやこれビデオだから!」の一件で貢献。誰も想像しなかったデブライネとのコンビが冴えた。

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■アレーシュ・ガルシア:--

FAカップチェルシー戦でデビューしたカタルーニャ人。見た目はグランジロッカー。悪目立ちしない程度のパフォーマンス、ボールを持ったときのプレーは評判ほどではなかったかな、というのが個人的な評価だが、ファンサイト等ではMan of the matchに推す声も。

1-5で負けといてMotMもクソも無いが、まあチェルシー相手に悪目立ちしないというのはそれはそれで凄いデビューだし、試合の後半はもともと評価の高いレジスタ的プレーを何度か見せていたので、今後に期待。

 

2016シーズン ニワカと学ぶUCIワールドチーム・プレビュウ vol.5

◆トレック・セガフレード Trek-Segafredo

カンチェさよなら祭りが最大のテーマだったわけだが、だらだら書いてるうちに北のクラシックが終わってしまった。結果はストラーデ・ビアンケ優勝、E3とヘントで4位、RvVで2位、パリ~ルーベは40位。トラブルに見舞われたパリルーベを除けばサガンと並んで最強の実力を見せたが、ビッグタイトルには手が届かなかった。とは言えアルガルベとティレーノのTTステージ制覇も含めて、ほんとにこれで辞めちゃうの?という成績ではある。

 

昨年のチームはカンチェがティレーノで1勝にTDFのマイヨジョーヌ着用、ニッツォーロがジロで無勝ながらポイント賞獲得、フェッリーネがバスク1周で1勝、シュタイヴェンとファン・ポッペル弟、シュレック兄がブエルタで1勝ずつ、そしてモレマがTDF7位にジャパンカップ優勝とそこそこの出来。カンチェがいる石畳クラシックと、ニッツォーロを中心としたスプリントチームは結構強かった。あとスベルディアのおっさんもブエルタで1回勝ちかけてたな。

 

今期は総合系を強化ということで、元ジロ王者のヘシェダルとアメリカ人のステティナ、あとは豪チャンピオンのボブリッジと、ランプレにいたスプリンターのボニファツィオを獲得。一方でユンゲルス、サンレモかどっかで車に轢かれたサージェント、前述のファン・ポッペル弟といった若手~中堅を放出。全体としてはさらにおっさん化が進んでしまった気がする。まあ、自転車っておじさんの方が基本的には強いから良いんだけど。

 

にしてもカンチェを筆頭に、37歳のスベルディア、35歳のデヴォルデルとヘシェダル、34歳のイリサール、ポポヴィッチ、ラスト、シュレック兄ととにかく中年だらけである。スベルディアグランツールのトップ10が7回の実力者だし、デヴォルデルもRvV連覇という凄まじい経歴だが、全員ピークを過ぎて久しいもんなあ。グランツールは今年もモレマ中心にトップ10入り、できればトップ5を目指していくのだろうが、ヘシェダルは別としてスベルディアシュレックのあんまり頼りにならないコンビがどこまで貢献してくれるか。スプリントチームは絶対的なエースこそいないが、別府、シュタイヴェン、ファン・ポッペル兄とアシスト勢が安定しているので、相手を選べばそこそこ勝てると思われる。

 

ボウク・モレマ オランダ オールラウンダー 

ヘーシンクが伸び悩んでいるうちに登場したオランダ人総合ライダー・・・だったのだが、彼もまた伸び悩んでしまった。

2011年のブエルタで4位に入ったが、その後はTDFで6位、10位、7位と、トップ10には入るのだが、表彰台以上にはどうにも進めなくなっている。TTもそこそこ速いし山も登れるんだけどねえ・・・伝説的ライダー、ベルナール・イノー氏にも「モレマはぶっちゃけ大したことない」とか言われてしまったり。 

 

ファビアン・カンチェッラーラ スイス TTスペシャリスト/クラシック・スペシャリスト 

スペシャリスト」が2つも並んだら矛盾しとるがな、と言われそうだが、カンチェくらいになるとそれも許される。怒り心党でも取り上げられて、日本での知名度も高いカリスマ。

キャリア序盤から中盤はTT星からやってきたTT星人として地球を荒らしまくり、世界選手権のTT優勝を4回制覇。中盤からはクラシック星人に生まれ変わり、パリ~ルーベを3回、ロンド・ファン・フラーンデレンを4回、さらにはミラノ~サンレモも制してしまった。2000年代中盤から2010年代初頭の北のクラシックはほとんどカンチェッラーラボーネンの二人相撲であったとか。

とにかくパワーが半端無いので、5秒離されたら1人では絶対追いつけず、4~5人程度ならまとめて相手が出来てしまうくらい。TDFでもステージ優勝8回を誇り、非優勝者のマイヨジョーヌ着用日数記録を持っている。というくらいの超人だが、2016年を持って引退。お疲れ様でした。

 

ジャコモ・ニッツォーロ イタリア スプリンター

あんまり勝てないスプリンター。の割に去年のジロでポイント賞を取ったり、安定はしている。そこそこ登りも対応していた気がする。 

 

ライダー・ヘシェダル カナダ オールラウンダー

グランツール王者なのに圧倒的に影が薄いというか、大した扱いを受けていない気がする元ジロのチャンピオン。元々はMTBの選手で、リレーでは世界選優勝2回、個人でも2位1回に輝いている。

他のグランツール王者たちに比べるとそこまで爆裂に登れるわけでもTTが速いわけでもないが、何度離れても食いついてくるど根性は見ていて楽しい。去年のジロでは前半不調に喘ぐも、後半追い上げまくって5位。後半のタイムだけなら優勝していたとか。

 

2016シーズン ニワカと学ぶUCIワールドチーム・プレビュウ vol.4

◆ティンコフ TINKOFF

ティンコフさん劇場も今年で終わりかと思うと寂しいものがあるが、それよりチーム経営どうすんのかとか、このレベルのチームですら採算が取れないのかとか、もっと深刻な問題が横たわっている。まあサッカーですら最近ようやく黒字でやれるようになったレベルだから仕方ないのかもしれないが。

 今年はコンタドールが一応のラストイヤーということで、彼のTDF制覇が最大の目標となろう。まあ去年もそうなんだけど。マイカをどれだけコンタのアシストに集中させるのかが気になるところ。バッソがいなくなったので総合系エースが薄く、マイカをジロとブエルタに出してTDFのアシストにも回すのは厳しい気がする。

 

一応去年の成果としては、コンタドールがジロ総合優勝、ボドナールがポーランド1周で1勝、マイカがTDF1勝、あとサガン先生がティレーノ~アドレアティコ1勝、カリフォルニア総合優勝、スイス1周2勝、ブエルタ1勝、そしていつものTDFポイント賞に、世界選制覇。なんか去年の夏からずっと、みんなサガンのことばっか話している気がする。サガンくらいになるともう勝てないことが逆に面白いし、何の欠点にもならないみたいな。

http://media.gettyimages.com/photos/race-winners-lizzie-armstead-of-great-britain-and-boels-dolmans-and-picture-id518880592

とはいえポイント賞は獲り続け、世界選まで制覇して、今年はついにRvV優勝。確実にタイトルを獲れる選手になってきた。あとはミラノ~サンレモとパリ~ルーベも獲って(まあ、アクシデントが無ければそう遠くは無いように見える)、ほんで総合に転身とかするのかなあ。カンチェとボーネンを足しっぱなしにした存在みたいになってくれてもいいが。

 

バッソの引退にロジャーズの活動休止で、コンタドール五奉行もややパワーダウン。マイカが成長したにしても、グランツールは若干厳しい気がする。去年のジロもだいぶボロボロにされてたように見えたしなあ。新加入トロフィモフと、最近大人しいキシェルロヴスキの復活が欲しいところ。

 

 

ペテル・サガン スロヴァキア パンチャー/スプリンター

現世界王者。2012年、初出場のTDFで22歳にしていきなりステージ3勝とポイント賞を獲得。そのまま4年連続でポイント賞を獲得している万能スプリンター。最近は何をやっても2位止まりなのにポイント賞はとれちゃう(上れるから)ので、ステージ優勝が無いのにポイント賞ってのもねえ・・と批判されていたが、今年のTDFではめちゃめちゃに逃げまくるわ、山は登るわ、独走を始めたプラサを誰もおっかけないのに業を煮やして時速90kmで山を下るわの大活躍で、もうここに至っては批判はできないわというレベルに達してしまった。体格もキャリアも顔もイブラヒモヴィッチっぽいのだが、性格はお人よしらしい。

2015年の終わりに世界選を制覇すると、2016シーズンはRvVとヘント~ウェヴェルヘム優勝、E3とティレーノにオムループ2位、ストラーデ・ビアンケ4位と北のクラシックで大暴れ。

 

アルベルト・コンタドール スペイン オールラウンダー 

ぶっとい眉毛がトレードマーク。TDF2回、ジロ2回、ブエルタを3回制しており、実績で言えば世界最高と言ってよい存在。もちろんファンタスティック4の一人である。

山岳ではダンシング(いわゆる立ち漕ぎ)でグイッグイ登っていく上、TTもまじ強。今年のジロではトラブルに付け込んで差を広げたアスタナ勢を一人で粉砕し、アスタナの若い衆(アルーとランダ)に「お前ら調子乗んなよ」というメッセージを強烈に叩きつけた。

勝った時はピストルをバキューン!とするポーズがお気に入りで、全然似合ってないという声も気にせずやり続けている。あれ、引退までやるんだろうか。

 

イヴァン・バッソ(引退) イタリア クライマー 

コンタドール5奉行の筆頭格。かつてはランス・アームストロング引退後にロードレース界を統べる存在になると思われていたらしい。TDFでは2002年に新人賞を受賞し、2004年にステージ優勝。2006年にはジロ総合優勝を果たし、順風満帆と思われていたが、ドーピング違反で約2年間の出場停止。一番いい時期を逃してしまったが、それでも復帰後の2010年にジロで復活優勝して面目は保った。

今年から加入したティンコフでは、アシスト陣の父親のような風格。よく日本語ネット上で「バッソさん」と呼ばれるが、これは決してバルベルデさんと同じニュアンスでは無い。登坂力に優れ、特に長い山で際立つ。TTと下りが苦手。

・・・と思っていたところで、昨年のTDF途中に睾丸癌が発覚し、リタイア。癌の治療は順調なようだが、そのまま引退と相なってしまった。さらば名選手。

 

マイケル・ロジャーズ オーストラリア オールラウンダー

コンタドールの名アシスト陣の1人。若い頃は世界選手権のTT部門を3年連続で制しているが、最近はそこまで圧倒的にTTが速いわけではない模様。その代わりかどうかは知らないが、36歳の今は山岳でも安定してコンタドールを守ることができ、不在時はグランツールのステージ優勝もきっちり達成できる実力者。アシスト界では相当に大物。顔は共和党の政治家。 

 

ロマン・クロイツィゲル チェコ オールラウンダー 

バッソ、マイケル・ロジャーズ、ベンナーティ、マイカと並ぶコンタドール5奉行の1人。私が勝手に呼んでいる。アムステル・ゴールドレースやツール・ド・ロマンディといった名のあるレースも制してきたオールラウンダーで、ジュニア時代はアンディ・シュレック、ヴィンチェンツォ・ニーバリのような後のグランツール勝者と競り合ってきたらしく、チームがチームならエースを任せられているであろう。伸び盛りの時期にドーピング疑惑で1年くらい出場できなかった(結局潔白が証明された)のは残念無念。今年のジロではアスタナ勢にティンコフのアシスト陣がバラバラにされる中、一人山岳でコンタドールを支え続けていた。 

 

ラファウ・マイカ ポーランド クライマー 

コンタドールを支える有力アシストの1人。2013年初出場のジロで7位に入り、翌年のツールでは山岳賞を獲得。昨年のブエルタではティンコフのエースとして臨み、あまり得意でないTTも無難にこなして3位に入った。

キンタナやロドリゲスのように急激なペースアップで相手を叩き潰

 

すというよりは、じわじわ自分のペースで差を縮めていくタイプっぽい。コンタドールが来年限りでの引退を表明しているため、ティンコフの次期総合エースとして期待は大きい。まあティンコフじゃなくなるんだけど。JSportsのCMでは、「サイクゥルゥ、ロードレース、ミロナァラァ、Jsports」というじわじわくる棒読みを披露。