#僕の私のドリームチーム 素材本位のイングランド代表  

 

みんな、堕ちた天才の話は好きか?

 

そうか、先生も大好きだ。ネスタと財前の話なんか聞くとワクワクするよな?よーし、じゃあ今日は一つ、「ポテンシャルをフルに発揮していたらすごかったはずのイングランド代表」を選んでみようじゃないか。

https://media.gettyimages.com/photos/theo-walcott-of-arsenal-celebrates-scoring-his-sides-first-goal-the-picture-id628913858?s=2048x2048

(まあこの人は今回選んでないんですが)

 

そういうわけなんですよ。元のネタはアトさんの「私選:素材本位の”日本代表”」ですけれども。ワクワクしない?こういうの。みんなも自分のドリームチームを教えてくれよな。

atlanta.blog24.fc2.com

 

そういうことで、以下の選考基準で25人を選んでみたわけよ。

  1. 素材、(私の考える)最大ポテンシャル重視
  2. 代表レベルできちんと”本領”を発揮したのを、私が見た記憶の無い選手。(ただしその”代表”自体は、年代別でも構わない)
  3. 2000年以後を対象。ただしこれから「発揮」しそうな選手は除外。

 

GK      フォースター              ジェイムズ                 

CB       キング                         ウッドゲイト

CB       リチャーズ                  ロドウェル

RB       ハーグリーヴズ          アントニオ

LB       マット・テイラー       リッジウェル 

CM      ミルナー                     M. ジョンソン         

CM      ダイアー                     ウィルシャー 

RM      アダム・ジョンソン   ベントレー                 

LM      ジョー・コール          ザハ

FW      ヤング                         K. フィリップス

FW      キャロル                     スタリッジ

 

GK

フレイザー・フォースター

やっぱり、デカいのが良いですよね。201cm。それでいてフォースターはひょろ長いわけじゃなくて、筋肉質で運動能力が高いというのが安心感が高い。やはりそれまでのロビンソンなり、ライトなり、グリーンなり、カーソンなりに感じる不安は「こいつらひょっとして、普通にどんくさいんじゃないか?」みたいなところがあったんで。

 

デイヴィッド・ジェイムズ

「Donkey」「疫病神」として有名だったジェイムズ先生。よく「至近距離からのシュートに対する反応はピカイチ」と言われてきたが、実は全然そんなことなくて、ジャンプ力とヤマカンに頼っているだけのGKだったんですよね。私が思うに。これが30代後半のポーツマス時代になると、ミスも少なかったし、シュートストップの性能も高かったし、ハートを除けば国内で最高のGKと言って差し支えなかったと思う。ジャンプ力や走るスピードに自信がなくなってきたのが良かったのかもしれない。ああいう雑な育ち方をするのは、時代的にしょうがなかったでしょうけどね。イギリスが一番調子こいてた時代の、一番調子こいてたクラブ(リヴァプール)の出身だし*1

 

 

CB

レドリー・キング

治療法が見つからない怪我で有名だったスパーズのキャプテン。もう、とにかく常に怪我をしていた。アンリが「プレミア最高のDF」と言ったとか言ってないとかいう話もあったが、強くて速くて頭も良かったし、ボールもつなげたし、頑丈でさえあればキャラガーよりよっぽど出世していたであろう、と思います。

 

マイカ・リチャーズ

シティ・アカデミーが生んだ最後のレギュラー。シティがアブダビ資本に買収されたあとはサイドバックに転身していて、代表でも基本的には右サイドバックだったが、ほんとはセンターバックなんすよね。この人は。ほんとはってことも無いけども。右サイドバックだと確かに強くて速いんだけど、カイル・ウォーカーを日常的に見ている今となってはあまり新鮮味もないし、あとドリブルに弱い。一方で真ん中やっているときはその快足をカバーリングに活かしまくっていて、CB一本で育成されてほしかったところ。

 

ジョナサン・ウッドゲイト

もはや「レアル・マドリー史上最悪の買い物」、という文脈でしか触れられなくなって久しいが、天才的なCB。リベロ風の佇まいで誤解されがちだが、結構純粋なストッパー型だったと思われる。組み立てとかはそんなにできないけど、強くて、高くて、常に反応が速くてね。

 

ジャック・ロドウェル

CBに置いてるのは間違いではなく。かなり無理はありますけれども。もともとユース時代はDFとMF兼任だったらしくて、「リオ・ファーディナンド二世」という評判もあったしね。後から出てきたバークレーとかと比べてもボール扱いの巧みさとかには限界があって、中盤ではエヴァートンで威張るのが関の山だったように思う。シティ移籍後の初戦で隣のヤヤに思いっきりビビりまくっていたのも、同じポジションでのクオリティの差を考えれば已む無いところだったのかと。CBならあの縦への持ち上がり、長いパスレンジが特徴として活きたのではないか。そういう意味で、CBに選出。

 

 

サイドバック

オーウェン・ハーグリーヴズ

バイエルンマンUで活躍したおなじみの天才ボランチだが、右サイドバックに置いたのはここを担当した2006年W杯が余りにも良かったからです。走力もあったし、ボール扱いも上手いし、賢くボールを動かせたしで、10年遅く生まれてたらそれこそラームみたいになれたんじゃないかと思うわけ。

 

マイケル・アントニオ

ウェストハムで活躍中のウィンガー。強くて速いじゃん?とにかく。あのゴリラっぽさ、右サイドバックに置いたら相手のエースをめちゃめちゃ殺してくれそうな気がする。まあ聞いたところによると「実際、右サイドバックもやったことある」らしくて、普通にそこそこの出来に収まってしまってる(だから現実にはウィングやってる)という可能性はあるわけですが、私が未見なので、可能性だけを信じてサイドバックに配置。

 

サイドバック

マシュー・テイラー

ポーツマスで脚光を浴びた左ウィングバック/ウィング。後年は「後ろから来る長いボールに異様に強い」という奇妙な特徴を買われて、アラダイス政権のボルトンでレギュラーに定着。1回だけリーグで10点取ったりして、かなり活躍した方ではあるんですが、ウィングではかなり「飛び道具」的な使い方に限定される選手だったので、サイドバックで見たかったですね。後方からあのパワフルな左足でサイドチェンジをするところがもっと見たかった。ちょっとコラロフっぽい選手だったと思います。身体も強かったしね。

 

リアム・リッジウェル

ごめん、ちょっと思い浮かばなかった。リチャードソンと迷ったが、サイズがある、身体が柔らかくて無理が効く、そこそこボールが扱える、という点で選出。ちょっと流石に厳しすぎるかもしれない。

 

 

セントラルMF

ジェイムズ・ミルナー

十分活躍してるやろという意見はもちろんありますが。シティでリーグ優勝2回、リヴァプールでCL優勝1回取ってるし。20代後半以降になってどんどんチーム内での価値が高まっていって、ネット上でのファンダムからの評価も「いぶし銀」としてうなぎ登っていったところは、人徳の為せる技という気がします。

それがなんで入ってるかというと、2009/10にヴィラで見せたMF中央でのプレーが眩しすぎたからです。ほぼスコールズでしたよあれは。あそこでシティに行かずに、それこそマンUにでも行ってればイングランドのMFに君臨するミルナーが見れたかもしれない。そういう意味での選出。すごい選手だけどね、今も。

 

マイケル・ジョンソン

知ってる?知らんやろ、みんな。多分この中では最もまともにプレーしてない選手で、実質的には10代でキャリアが終わっちゃってるんですね。1シーズンも保ってない。でも2007/08にシティで出てきて、十代でレギュラーを張っていたときは、ランパードとジェラードを足して2で割ったような可能性を感じさせました。前線に飛び出していくタイミングの良さと、長いストライドを活かした突進力と。パスレンジも長かったし。惜しい人を亡くしました。(死んでないけど)

 

キーロン・ダイアー

覚えてますか、キーロン・ダイアー。「ベラミーと同じくらい足が速いCMF」という、訳のわからないプレースタイルの選手だった。今でいうと「スターリングと同じくらい足が速いCMF」という感じか。 そんなん見たことある?ないでしょ。“ラン&ガン”のロブソン政権ニューカッスルでやってた全盛期は、他の誰かでは出せない威力がありました。Wikipediaでは「右ウィングが本職」と書かれてますが、絶対中央の方がよかった。今だったらペップが4-3-3のMFで使ってカウンターで走らせまくりそう。

 

ジャック・ウィルシャー

CLバルセロナ戦の衝撃をもって選出。怪我もさることながら、30近くなっても一向に成長しない精神面が、勿体なかったですね。

 

 

右ウィング/アタッキングMF

アダム・ジョンソン

ドリブラーじゃなかったですよね。なかったと言うか、そんなにドリブル自体には実効性がなかった。バタバタしてるだけで、そんなにスピードも無いから抜けないし。ただシュートにせよスルーパスにせよクロスにせよ「通す」のが天才的に上手くて、他のイングランド人には全く無い美しさがあった。ほんとその瞬間だけ切り取れば、ダビド・シルバやナスリより「優雅」ではありましたよ。

 

デイヴィッド・ベントレー

端正な顔と、射程距離の長い右足が売りだったMF。多分属性とタイミング的に「ベッカム二世」的な扱いをされすぎたのが良くなかったと思う。あとは、あの時代のスパーズに行ったこと。実際はセカンドトップ/トップ下に置かれてた方が、飛び出しもできるし、自慢のキックももっとゴールに近いところで使えるし、良かったんじゃないすかね。

 

左ウィング/アタッキングMF

ジョー・コール

ご存知天才児。モウリーニョに改造されて超ハードワーキングなウィングになって、一回ベストイレブンに選ばれるくらいの活躍はしましたけど、もっとチームの中心として輝くところが見たかった。

 

ウィルフリード・ザハ

このあと全盛期を迎える可能性も全然あるんで若干反則ですけども、まあ「イングランド代表で」見ることは二度と出来ないという意味で。ほとんどウイイレ的な突破力があって、身体が強いから苦しいときに頼ることも出来て、文句ないですね。早くアーセナルとか行ったら良いと思う。

 

 

FW

ケヴィン・フィリップス

彼自身の全盛期は、ナイアル・クインと組んだときの「得点特化型」FWとして来てるわけですけど、実際はもっと万能型だったんすよね。視野も広いし、中盤に降りてきて捌くこともできるし、クロス上げても正確だし。単に得点だけ狙ってても勿論すごいけど、ミニ・アグエロみたいになれたと思います。

 

アシュリー・ヤング

間違いじゃないよ!!いやマジで。ワトフォード~ヴィラ時代のトップ下兼ウィングとしてのヤングはスピードもあったし、裏を取るセンスもあったし、フィニッシュも正確で、もうちょっとちゃんとFWとして育ててほしかったと思います。まあ35になってサイドバックに転身して頑張ってるのもすごいけどさ。

 

アンディ・キャロル

(あのときの)リヴァプールに行っちゃったのがね・・・。2000年代の終わりに一瞬だけ猛威を奮ったニューカッスル育ち。プレミアのCBを子供扱いする異様な空中戦の強さに加えて、そこそこボール扱いも柔らかかったし、どっからでもブチ込める左足もあったんで、二桁得点1回で終わるような選手では無かったはずですが。

 

ダニエル・スタリッジ

2013/14にスアレススターリングと組んでたときの万能ぶり、それでいてのクリティカルさは、近年のイングランド人FWにはほぼ比類なきレベル。それこそ、一番点取ってたときのルーニーくらいじゃないかと。もっと見たかったっすね。シティのOBだし。賭博て、お前。

 

 

そういうわけでみんな、それぞれの「ホントだったらすごかったはずのベストイレブン」、教えてくれよな。待ってるぜ。

 

*1:リヴァプールの選手がどれくらい調子こいてたかは、「Spice Boys」で検索してみよう