2017/18 マンチェスター・シティ 中間レビュー個人編(中編)

42 ヤヤ・トゥレ Yaya TOURÉ

シティ3賢者の一人。昨シーズン終盤は半レギュラーに舞い戻っていたが、ジーニョの復活でベンチへ。リーグでは殆ど使われず、専ら国内カップ戦要員化している。本格的に身体が動かなくなり、完全に過去の人状態。腐ってもヤヤ・トゥレであるから、出しても大惨事と言うほどではないんだけど。

苦しいときのために力を温存しておいてもらいたい・・・というところだが、トゥレの「凄さ」というのはひたすら守りを固められたときに最後の一撃として出て来るものであって、例えばCLの拮抗した局面で使うほどインテンシブな選手ではもうなくなってしまったのだな。どっかで1点取って、気持ちよくシティでのキャリアを終えてもらいたい。

https://media.gettyimages.com/photos/yaya-toure-reacts-during-training-at-manchester-city-football-academy-picture-id894786368

 

47 フィル・フォーデン Phil FODEN*

日本代表も参加したU17W杯で最優秀選手賞を獲得。一躍イングランドの星となったBaby Shark。ちなみに2000年代以降の同賞受賞者は、シナマ=ポンゴル、セスク、アンデルソン、クロース、サニ・エマヌエル、フリオ・ゴメス、イヘアナチョ、ケレチ・ヌワカリ、フォーデン。クロース以降の怪しさが気にかかるが、欧州人は基本的に外れないものと信じたい。

リーグに顔見せ出場しつつ、CLの消化試合や国内カップ戦ではスタメンで出場中。まだトップで良さを発揮するまでには至っていないが、まずまず順調。ピッチ外では未だに遠足感が漂う。

https://media.gettyimages.com/photos/phil-foden-of-manchester-city-and-pep-guardiola-the-head-coach-of-picture-id895732638

 

17 ケヴィン・デ・ブライネ Kevin DE BRUYNE

歩く完璧。蹴ればベッカム走ればカカー、仲が良いのはフェビアン・デルフ。煽っているつもりは全くなく、私は純粋に、数年前に「まあ売ってもいいか」と思ったチェルシーに感謝している。それくらい、デ・ブライネを毎週観ることが出来るというのは悦ばしいことなのだ。右SBの位置に降りての組み立ても良いし、ドリブルはほとんど止められなくなっているし、何より精神的に強い。先日はデレ・アリの足裏タックルで左足の関節が1つ増えそうになっていたが、直後に左足でスーパーゴールでロリスを粉砕。かっこよすぎか。

https://media.gettyimages.com/photos/kevin-de-bruyne-of-manchester-city-celebrates-after-scoring-his-sides-picture-id893904548

 

21 ダビド・シルバ David SILVA

シティ3賢者の一人、みんな大好きダビ・シルバ。コンパニがハムストリングスとワルツを踊っている関係上、今年は専らゲームキャプテン。揉め事の仲裁とかあんまり出来るタイプに見えないというか、そもそも英語喋るところすらシティ7年目の今年にして初めて映像に収められたぐらいなのだが、大丈夫なんだろうか。ビッグフットだってもう少し目撃されているのではないか。

デ・ブライネほどインパクトがあるわけではないが、シルバの価値は「絶対にミスをしない」ところにある。いや、まあ、するよそりゃ。するけど。それは見るからに無理目なボールの尻拭いだったり、相手ゴール前のタイトな状況だったりする場合だけで、普通の選手なら10回に1回は滑ったり、ボールタッチを間違えたりして起こすボールロストを、まず間違いなく犯さない。これは凄いことですよ。絶対に期待を裏切らない。実家の飯の如き安心感。永遠のぬるま湯。Mother Shark。ファン甘やかしマシーンである。ちなみに、今年もミドルはクソ。2秒前くらいから「ああ・・・外すんだな・・・」と分かるし、腹も立たない。絶対に裏切らない男。それがシルバである。

 

35 オレクサンドル・ジンチェンコ Oleksandr ZINCHENKO*

20そこそこのウクライナ人。今年ようやく労働許可が降り、プレミアに出場できるようになった。本職は中盤の攻撃的MFだが、メンディの怪我もあってここまでは左バックで国内カップ戦に出場。前線の選手だけあって、距離を詰められてもしっかりボールを止めて前を向けるところが宜しい。マフレズを1vs1で数回止めるというシーンもあり、前途は洋々。

ただし、ザネーのように左ウィングを務めるタイプには見えず、かといって左バックもいずれうるさい人が戻ってくるわけだから、今後の使い方は少々難しそう。CMFの控えにもフォーデンが出てきたし、どの位置で活路を見出すのかが気になるところ。

どうでもいいが、シティのウクライナ人というのは、アンドレイ・カンチェルスキス以来ですね。まんゆのレジェンドでもあるシベリア超特急。代表はロシアだが。

https://media.gettyimages.com/photos/jan-2001-andrei-kanchelskis-of-man-city-skips-the-challenge-of-steve-picture-id981276

 

55 ブラヒム・ディアス Brahim DÍAZ*

笑顔が素敵なガチャ歯の貴公子。カップ戦計3試合に出場。消化試合だったシャフタール戦では、むしろフォーデンより通用していたという噂。意外とスピードもあるので、左ウィングで十分やっていけそうな雰囲気はある。ただ難しいのは、まだ18歳なので、恐らく控え一番手でフルシーズンを戦う体力が無いのではないかという点。一度ローンに出すのも勿体無いし。

あと、私はグアルディオラというか、バルセロナ系の人間がこの手のウィングを育てる手腕を信用していないところがある。クエンカとか。そういうのばっかりじゃないのかお前ら。

 

72 トム・デレ=バシルー Tom DELE-BASHIRU*

全く存じ上げなかったが、リーグカップのレスター戦で途中出場。ただ、さぞ年代別のリーグではブイブイいわしていたのだろうなという顔と身体はしている。ちょっとジョン・ボイエガ風味。