2016/17 マンチェスター・シティ 選手名鑑(レンタル放出組編)
- Joe Hart ジョー・ハート GK 29歳
ここに全部書きました。
20 Eliaquim Mangala エリアキム・マンガラ CB 25歳
バレンシアに(どうやら2年間)ローンで放出。ペップの構想には恐らく端から入っておらず、今後シティに戻る可能性は限りなく低いであろう。ジエゴ・コスタを叩きのめした衝撃のデビュー戦、ハル戦でオウンゴールを喫してからの乱高下、昨シーズン序盤5試合の進化の兆し、からの怪我、からのCLパリ戦大活躍、とパフォーマンスと評価の動きが激しい選手であった。β高すぎ。と言うことは当然価値も下がるわけですけど、さらに一旦預けた先が見るからに金がないバレンシア。大丈夫だろうか。まだ£25mくらいバランスシートに載っていると思うのだが。
人間としてはすこぶる真面目でいい奴だっただけに、今後の幸せを祈りたい。
28 Jason Denayer ジェイソン・デナイエル CB 21歳
マンガラとは逆に、ペップとチキ(FD)が手元に残したがった(らしい)のがデナイエル。ベルギー代表。2年前、レンタル先のセルティックでベストイレブンと最優秀若手賞を受賞、代表でもフランス戦で“大活躍”し、シティファンの期待は高まったが、その後のガラタサライでの今一つ煮え切らない1年間と、EUROでの失敗で熱狂は落ち着いた。今年は色々あった末にサンダーランドにローン。シティとの開幕戦で右バックを努めた若い選手が見るからにどうしようもなかったので、多分重宝はしてもらえると思う。
瞬発力に優れ、ボール扱いにも自信があるようだが、軽率。あと、パスは別に上手くないんだよな。前述のフランス戦も密かに失点モノの凡ミスをやらかしており、多分まだ使うには怖い段階なのだと思われる。とはいえさすがに3年連続ローンはそろそろ愛想尽かして出て行きそうな気がするが、今後のハンドリングに注目。
- Pablo Marí パブロ・マリ CB 23歳
鈴木大輔がいるジムナスティックから引き抜いて、即パートナークラブのジローナにレンタル。言い方は悪いが、海外支社の採用コストを本社で持ったみたいな。所属だけはマンチェスター。
36 Bruno Zuculini ブルーノ・スクリーニ CMF 23歳
スクリーニはどこで何をしているのか?というのは、多くのシティファンにとっての共通の謎である。若く、機動力のあるアルゼンチン人で、加入した年のプレシーズンは好プレーを見せていた。しかし、その後はレンタルされては特に出番も無く終了、を繰り返す2年間。本人もアルゼンチンに帰りたいらしい。そりゃそうよね。今年はとりあえずラージョにローンに出してはいるが。
37 Jack Byrne ジャック・バーン CMF/AMF 20歳
15歳からシティにいるアイルランド人。タフそうなヒゲ面の、点が取れる中盤。キック力はある。去年はオランダのカンブールに貸し出され、降格してしまったもののレギュラー格として1年を過ごした。A代表も召集経験あり。今年はブラックバーンに貸し出し。
47 Luke Brattan ルーク・ブラッタン CMF 26歳
パブロ・マリと同じく本社で採用費持ちました組。ブリズベンにいたところを引き抜かれ、即座にボルトンに貸し出し。が、あっという間に呼び戻され、数ヶ月待機の末にメルボルン・シティ(オーストラリアのグループクラブ)にレンタル。訳が判らないが、多分最初っからメルボルンに入れる気だったのではないか。26歳で代表キャップもない選手をマンチェスターで使うとも思えず。
- Aaron Mooy アーロン・ムーイ CMF 25歳
またの名をモーイ。ブラッタンとは違い、メルボルンで活躍していたところをマンチェスターが引き抜き、現在は2部のテリアーズことハダーズフィールドに貸し出し中。現地採用の若い奴が有能だったので本社に異動しましたみたいな(メルボルンも由緒正しい個別の歴史があるクラブなので、この言い方は語弊があるけど)。逆に言えば、なおのこと目的が何だったのか全然判らない選手でもある。メルボルンはむしろ弱体化するし、かといってマンチェスターで使うレベルかと言われるとね。ご褒美にUK挑戦とか、そういうことなのだろうか。
オーストラリア時代は2年連続ベストイレブンに選ばれ、アシスト王にも輝いた。テリアーズは好調だし、本人もクラブの月間MVP獲るし、代表でもスタメンだし、最近は色々と景気が良い。いずれ日本代表戦でも見られるであろう。マンチェスターではどうだか知らんが。
55 Olivier Ntcham オリヴィエ・ヌチャム CMF/AMF 20歳
ジェノアに貸し出し中のパワフルなフランス人。2年レンタルの2年目だが、実は既にジェノアに売っていて、シティは買い戻しの優先交渉権だか何だかを付けているだけと言う話があったような気がする。昨シーズン序盤は好調だったが、徐々に出場機会が減少。最初はポグバ2世とか騒がれたんだが。今シーズンは新監督の下、開幕からスタメンで起用され、初得点も決めた。
8 Samir Nasri サミル・ナスリ AMF 29歳
最後の最後でペップは手元に残したがったらしいが、自ら望んでセビージャへ。背番号は10らしい。二言目には「問題児」「プロ意識が低い」と言われる選手であったが、個人的にはその評価がいつも腑に落ちなくて、少なくともシティにおいて何か問題になることを言った記憶はない。強いて言えば、「バルサだってメッシ以外は人間」くらいか。まあ、本当のことだし。
むしろシティでのナスリは「俺たちは所詮傭兵だから結果を出し続ける責任があるんだ」とか「俺はポジションを奪い返すために努力するよ」とか、殊勝なことしか言っていなかったし、むしろ移籍してもらっちゃっても、大丈夫なんですけど・・・とこっちが思うタイミングでやけに殊勝なので困ったくらいだった。まあ夏休み明けは毎年太っていたから、それがプロ意識の欠如だと言われればそれまでだが。あと言われているほど守備をしないわけでもなかった。どっちかと言えば、私はボールを持ったときのクオリティこそ不満だった。
色々あったが、清武にはあんまり悪いことを教えず、セビージャで頑張ってもらいたい。
76 Manu García マヌ・ガルシア CMF/AMF 18歳
まだ18歳。引くほど若いアストゥリアス人。2年前にヒホンから引き抜いた。スペイン風スティーヴン・アイルランドという趣のMFで、中盤を回遊しながら攻撃を組み立て、必要なら前線への飛び出しや突破も仕掛けられますみたいな。去年はプレシーズンから度々起用され、カップ戦でプロ初得点。今年は懐かしのアラベス(2部)で1年修行。
27 Patrick Roberts パトリック・ロバーツ WG 19歳
人呼んでイギリスのメッシ。大丈夫かそのあだ名。去年の半ばからセルティックに1年半貸し出し中で、昨シーズンは12試合6得点と、そこそこブレイクした。どのハイライトを見ても左からドリブルで突っ込んできてワンツーかミドル打つかしかしてないが、メッシと言うだけあってスピードとシュート力は大したものなので、今年1年じっくりロジャーズに育ててもらうといいと思う。
35 Oleksandr Zinchenko オレクサンドル・ジンチェンコ AMF/WG 19歳
EUROのウクライナ代表にも入っていた新星。ウファという割とマイナーなクラブから来た。さほどスピードは無いがボール扱いはとりあえず上手そう。ドルトムントが狙っていたり、今年の修行先がPSVだったりと評判が良いので、きっと良い選手なんだと思う。知らんけど。他力本願。上見て暮らすな横見て暮らせ。
59 Bersant Celina ベルサント・ツェリナ AMF 19歳
コソボ人1号。得点力とクロスの精度が魅力という噂。去年はリーグ戦でいきなり1アシストを記録した。適正がどこかは判らんが、サイドの選手では無さそうに見える。ノルウェー育ちだが、代表はコソボを選択。祖国の歴史のために頑張るんだ俺は、みたいなことを言っていたが、気合が入りすぎたのか記念すべきコソボのFIFA公式戦初戦でいきなり退場した。
「ていうか、£40mで移籍してくるようなやつがいるとこで今トップチームに入るとか無理」と、皆思ってたけど黙ってたことをぶっちゃけた後、希望通りオランダのトゥウェンテにレンタル。ノルウェー育ちが長いからか、インタビューでは見るからにアルバニア語より英語の方が喋りやすそうにしていた。練習中、カメラをじっと見つめて最後にニヤっと笑う、という芸が好き。
62 Brndon Barker ブランドン・バーカー WG 19歳
地元生まれ地元育ちの左ウイング。イングランドU20代表。下の年代では間違いなく速くて上手いが、上でも通用するのかはまだ不明。とりあえずボールの持ち方はちょっと奇妙。点が取れるタイプなので、育って欲しいところではあるが。今年は他の若手と4人揃ってオランダのブレダに貸し出し。遠足か。
63 Sinan Bytyqi シナン・ビティーチ AMF 21歳
コソボ人2号。やさぐれた雰囲気のツェリナと比べると、普通の良い子ちゃんっぽい。オーストリア育ちだが、つい先日コソボ代表を選択。地元のインタビューでは、私が見たスポーツ選手史上最高にかわいく「あっ・・こんばんは」と言っていた。石川佳純ちゃんよりかわいい。今夏、2019年まで契約を延長しているが、期待が大きいのか、移籍金目的なのかは不明。もう21だけど、今年のレンタル先もオランダ2部だしなあ。
- Yaw Yeboah ヨウ・イエボア AMF 19歳
イエボア、というとリーズやハンブルガーにいたおっさんを思い出すが、それとは関係ないっぽいガーナ人。去年はU20アフリカ選手権のMVPに選ばれ、既にフル代表にも呼ばれている。FWという噂もあるが、レンタル先のトゥウェンテでは右を担当している模様。
今年の6月頃に「ペップから連絡があってさ~俺来シーズンのプランに入ってるんだって~」と言い出してちょっとしたニュースになったが、全然そんなことは無かった。なんだったんだあれ。もうシティも大分メジャーコンテンツになったのだから、そういう90年代のアフリカノリは止めてもらいたい。
14 Wilfried Bony ウィルフリード・ボニー CF 27歳
最後まで全てが間に合わないまま終了。移籍金を取り返すため、ストークで頑張って頂きたい。
- Marlos Moreno マルロス・モレーノ WG 19歳
今夏アトレチコ・ナシオナルでリベルタドーレス杯を制した若きコロンビア代表。スピードがあってゴリゴリ突破ができ、そこそこパスも出せるとか、出せないとか。アスプリージャに似ているとか、似ていないとか。全てが曖昧な私。今年はデポルティボで修行の予定。枠の問題もあるが、多分現状では労働許可が降りないんだと思う。
- Gabriel Jesus ガブリエウ・ジェズス CF/WG 19歳
こないだのリオ五輪優勝メンバー。先日のA代表デビュー戦でもいきなり2得点。お兄さんをそんなに期待させるとは悪い子だ。この手のブラジル人なので当然のように高速ドリブルがあるわけだが、まともなFWとしてもちゃんと働くので、ちょっと昔のロナウドっぽいかもしれない。ナルシストじゃない方の。
現在ブラジル全国選手権で得点王、冬まではパウメイラスにいる予定。例えばムーイが現地採用で地元組がソルジャー採用だとしたら、ジェズスは本社ブレイン採用ど真ん中。獲得した瞬間からトップチーム入りがほぼ内定。その分ハードルも高いが。
48 Enes Ünal エネス・ユナル CF 19歳
緑の街ことブルサはオスマンガズィ出身のトルコ人。数日滞在したことがあるが、とても良いとこ一度はおいで。
長らく頼れるCF不在のA代表にも既にデビュー。見た感じ、ミドルの射程が長く、遠目からでも狙えるタイプ。去年はまずベルギーのヘンクに貸し出されたが、全く馴染めず早々にローン切り上げ。次にオランダ2部のブレダに出向し、11試合8得点と活躍。今年は1部のトゥウェンテでいきなりハットトリックしており、ファンニステルローイみたいに成長したりしないかと期待している。「Ü」は「ウ」の口で「イ」と言うと出せる。
51 David Faupala ダヴィド・ファウパラ FW 19歳
NACブレダに4人まとめて預けられたうちの一人。フランス人のストライカーで、多分ニューカレドニア系。そこそこ背が高い割には身のこなしが機敏で、ボール扱いも上手い。去年はFAカップ・チェルシー戦で1得点の上テリーを股抜き。