ツールドフランス2016 第10日まで  

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■SKY

今年もスカイ登山鉄道は安定の定時運行。ピレネーに入ってからこっち、我々はキリエンカと延々睨めっこを余儀なくされていて、あの顔は好きだが少々飽きた。ポートというスーパーアシストが抜けても、隅から隅まで弱点が無い盤石のアシスト陣がいて、フルームは下り形態への進化を身につけさらにキモくなり、これで来年はクライシュヴァイクも買うとか、お前たちはもう本当にもう。山岳でのキンタナにビビっているのは確かだろうが、それでも山岳終盤はスカイ+その他チームのエース勢、という状態ではその刃もフルームまで届くや否や。

 

■Movistar

昨年は「1に落ち着くこと、2に落ち着くこと」を戦術に掲げていたら、気づけば時間切れだったバルベルデと愉快な仲間たち。昨年の反省を踏まえて今年の戦術は「さらに落ち着くこと」。

キンタナ村長はひたすらフルームのケツにロックオン。ついにはVeloNewsに「なんでキンタナはアタックせえへんかってん」という記事が出てしまった。第3週の追い上げでなんとかなると見込んでいるのか。TTを踏まえれば今の差が1分程度まで広がるのはほぼ確実だと思われるが、果たして村長に足は残っているのか。とりあえずバルベルデさんは楽しそうではある。

 

■Astana

「あの、ちょっといいですか、大佐。ちょっと相談が。え?あ、はい、同志。同志大佐。同志大佐であります。すんません。え?ああそう、ツールのことですけど。ツール。いや、何の話じゃないですよ。僕がエースだって言ったじゃないですか。去年のご褒美だって。あの眉毛もいなくなったし。なのになんであの人出るんですか。え?ジロ?いや、だからジロ勝ったから終わりでいいじゃないですか!オリンピックも出るんでしょあの人!?え?アシストに専念?いや絶対嘘ですよ!!あの人そんな人じゃないじゃないですか!わかってるでしょ!!絶対狙ってますって!こないだからみんな口きいてくんないんですもん!ディエゴだけじゃないですか僕の味方!!あ、ちょっと待ってまだ終わってないですって!ちょっと!」

 

・・・・・・

 

「ええ、はい。言いましたよ。はい。アシストに専念してくださいねって。僕エースですからねって。言いました。言いましたけど。だからって山の初日で、ねえ。8分遅れるって、嘘でしょ。あ、ちょっと!まだですって!まだ!!だって8分ですよ!え?なに?疲れてた?いや、そうかも知れませんけど、それにしたって8分はないでしょ。絶対やる気なかったでしょ。アシストもクソも、もう圏外じゃないですか。仕掛けたって相手にしてもらえないでしょ。スカイの列車も通常運行でしょ。定刻通り到着しておりますっつって。白線の内側までお下がりくださーいフルーム参りまーすって。一生一緒にキリエンカじゃないですか。も~・・・」

 

 

という。

 

■Tinkoff

コンタドール無念のリタイヤ。それにしてもアクシデントは不運ではあったが、キシェロヴスキは思った通りほとんど役に立たず、マイカはよくわからない動き、頼りのクロイツィゲルも裏切り疑惑という中では、万全だったとしても厳しかったかも知れない。一応サガンは1回勝ったし、マイヨヴェールは問題なく獲れそうだし、ジャージが2つ取れれば一定の満足ではある。トザットとか、サガンのアシストに徹する方がむしろ向いている。 

しかしサガンという男は、ピュアスプリントでは勝ち目が薄いということをしっかり自覚していて、常にチャンスを窺っている男ですな。

 

AG2R

ピノよりよっぽど頼りになったバルデは44秒遅れの7位。アシスト力は大したことないが、TTが乗り越えられれば総合トップ5が見えてくる。

 

■LottNL-Jumbo

ケルデルマンは総合で5分遅れの20位台、フルーネヴェーヘンは積極的に勝負に絡むも巨星たちの壁は厚く。若手の育成と位置付けたツールなので予定通りといえば予定通りだが。ヴァンマルクはどっかで仕掛けてほしいところ。

 

Trek-Segafredo

モレマはこっそり44秒遅れの6位。シュレックスベルディア、ステティナと山岳アシストがそれなりに揃っていて、かつ平地組もカンチェがシュタイヴェン、テューンスを率いる充実布陣なので、今年もトップ10には食い込めそうな気がする。テューンスは何かのラッキーがあれば1回スプリントで勝てそう。

 

■IAM

マティアス・フランクは12分遅れの25位と苦戦中。ハワードが逃げたり、ナーセンが敢闘賞をもらったり、ホルストエンゲルが踊ったり、パンターノが傘さしたり、最後なので色々と頑張っているのは好感が持てる。もう何でもアリみたいになってきてはいるが。

 

■Cannondale-Drapac

開幕直前にドラパックがスポンサーに参加。ドラえもん感があってよろしい。「あ~・・・ローランが遅れていきます・・・」という実況以外は全く記憶にないが。そのローランは4分遅れの17位。何とかトップ10戦線に踏みとどまりたい。進化したという噂だけが聞こえるTTはいかに。たぶん、だめ。

 

■BMC Racing

リッチーには何か疫病神でもついているのだろうか。勝負では全然遅れてないのに、パンクで2分10秒のビハインド。たぶんTJはほくそ笑んでいた。しかしTJも山岳で若干遅れ気味で、どうやらエースはリッチーということで片付いた模様。ヴァンアーヴェルマートがマイヨジョーヌを着れたのは1つの成功だが、来年以降も見据えて、フルームを何とか脅かしたい。というか、お前らがやらなかったら今年もスカイおめでとうモードの後半になってしまうが。

 

■Dimension Data

やったぜ愉快なカヴ一家。復活のスプリント3勝に、カミングス叔父さん熟練の逃げですでに4勝。もう帰ってもいいでしょ。ぶっちゃけ。その他、今年のテクレハイマノットは山岳賞を放棄した代わりに集団コントロールの術を身につけた模様。ボアッソンハーゲンも安定して勝負に絡んでおり、レンショウの離脱は痛いが、もう1つか2つ勝てるかもしれない。ちなみに山岳ではアイゼル母さんが必死にカヴのお世話をしていた。たぶん割烹着も来てた。

 

■Giant-Alpecin

バルギルが総合2分50秒遅れの15位。イェーツには勝ちたいよね。デゲンコルプは相当厳しいようで今回スプリント勝利は期待できなさそうだが、ドゥムランがクイーンステージを勝ったことで恰好はついた。

 

■FDJ

レースとは難しいものでございますな。ピノやん、山岳初日にて総合の夢、終了。もう、なんかいつ見ても遅れている。とりあえず山岳賞に切り替えはしたが、マイカも狙ってくるし。

 

■Bora-Argon 18

初日にフォスが山岳賞を着たことで、とりあえずひと目立ち。期待のベネットは未だ勝負に絡めていない。あと、逃げ屋のバルタさんは、残念でしたね。新城のやつね。

 

■Katusha

ホアキン、今年は37秒遅れの5位と奮闘。クリストフは全く勝てそうな感じがしないが。

 

■Lampre-Merida

乏しいアシストの中、マインティーズは55秒遅れと奮闘。ルイ・コスタもステージ勝利に向けて惜しいところまでは戦っているということで、まあ上々。

 

Lotto-Soudal

デヘントが山岳賞争いで頑張るも、エースゴリラはとことん不発。隅っこの方で「ウホ・・・」っていじけてる姿しか見てない。ロットというのは、1人1人のタレントでは劣っても、誰が出ても落ちない、どんな時も安定、という信頼性が売りなわけだが、ゴリラがこのオランウータンっぷりでは画竜点睛。

 

■Direct Energie

社長の社長プレイは相変わらず飯が食える芸だった。コカールはキッテルに勝ちかけ、「俺ももう世界のトップじゃね?」と言い出すも、次のステージは全然絡めず。まあ、まだ若いからね。

 

■Etixx Quick-Step

キッテル、アラフィリップは常に勝利に絡むも、未だキッテルの1勝のみ。今ひとつ消化不良。ヴァコッチ、リチェセ、ヴェルモトら一人一人は強力なシーンを見せているのだが、スプリント前は大体揉めているというか、混乱している。

一方、特に力を入れてないと思われた総合はダン・マーティンが3位と絶好調。これはもしかしてもしかするのか。マルティンが山のアシスト1番手とか、その陣容で何とかなるのか。

 

■Cofidis

ブアニが余りにもブアニらしい理由で欠席。何しに行くのかと思ったが、一応山岳のナバーロ、スプリントのラポルトがそれなりに頑張ってはいる。キャラ立ちのためには、もう少しこう、頭突きとか、サグいところを見せ付けてから帰ってはどうだろうか。スポンサーもほら、消費者金融だし。むしろ回収率上がったりするんではないの。

 

■Orica-BikeExchange

イェーツ驚異の2位に、マシューズちゃんがようやく1勝。山岳アシストの不在は懸念だが、平地はヘイマン、ジェランズ、インピーと頼れるおじさんが揃っており、イェーツはひょっとするとひょっとするかもしれない。

 

■Fortuneo-Vital Concept

ドゥラプラス、フォンセカが序盤の逃げで目立ったが、最大の驚きはスプリンターのマクレイ。スプリントステージでほぼ毎回上位に入っており、まだ若いのでこの後スターになれるかも。フォンセカはしかし、200kmくらい一人で逃げた挙句、社長に敢闘賞を持って行かれたのは余りにもかわいそうだった。