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ニワカと学ぶツールドフランス2016 vol.2

ステージ勝利狙い(スプリント中心)

主に平地ステージのスプリント合戦で勝利を狙う人たち。エースを大事に大事にゴール前まで運ぶ大量のアシスト陣と、ラスト10秒に全てを掛けるエーススプリンターで構成される。ド平坦の実力ならキッテルとグライペルを擁するベルギーの2チームが抜けているが、そう平坦ばっかりでも無いので、駆け引き次第では他のチームにも十分チャンスあり。逆に山の日は、ほとんどやることがない。

ここでは省いたが、多分カチューシャやオリカもスプリント争いには加わってくるはず。

 

■Etixx-Quick Step エティックス・クイックステップ

自転車大好きベルギー1の名門チーム。スカイにも負けないスター集団だが、こちらは春先のワンデーレースに重きを置いているため、選手のタイプ構成は全く異なる。今年も総合にはほとんど興味なく、スプリントやら抜け出しやらでステージ勝利量産だけが目的。

スプリント、長距離逃げ、ゴール前数kmでのアタック、激坂登りと、本格的な山以外ならどのコースでも対応できるメンバーを揃え、しかもほぼ全員がその分野では世界トップクラス。山が無くてつまんなそうな日は、とりあえず彼らに注目していれば、何がしか動きがあるはず。 

 

マルセル・キッテル:スプリンター

平地なら世界最強のスプリンター。とにかくゴール前まで無事に運びさえすればトップクラスのスプリンターを子供扱いするが、重くてデカイので運ぶのが一苦労という、明治の大砲みたいな選手。山どころか坂すら登れない。

2014年までツールで勝利を量産していたが、昨年は体調不良で出場できず。今年はチームも変わって心機一転、ジロでもいきなり2連勝している。顔の良さでも知られており、イベントで来日したときは埼玉の女子高生のハートを鷲掴みにしていたという噂。

 

マキシミリアーノ“マキシ”・リチェセ:スプリンター

最近ツールドスイスという名のある大会でポイント賞を獲得。アルゼンチン人としては史上最高クラスの成績を収めているらしい。エースとしては若干力不足だが、アシストとしては頼れる存在。今回はキッテルのリードアウトマン(最終発射台)を担う。

 

ファビオ・サバティーニ:スプリンター

リチェセと同じくキッテルのリードアウトを担うイタリア人。本人に目立った戦績は無いが、割と長い距離を牽けるのでアシストとしては重宝する。グランツールの経験も豊富。

 

トニー・マルティン:タイムトライアルスペシャリスト

かつて世界選手権TT部門を3連覇した世界屈指のTT専門家。1人で200km逃げて勝ったりすることも。とにかく爆裂に牽けるので、マルティンが牽き出すと相手チームがぽろぽろ脱落していく。マルティンが牽いているということは、エティックスが本気だというサイン。張ったエラと鯉みたいな口が特徴。

 

ジュリアン・アラフィリップ:パンチャー

フランスの期待を背負う若手パンチャー。アルデンヌ系ワンデーレース(アップダウンが激しいやつ)では優勝候補。短めの坂でのパンチ力に平地でのスプリントも兼ね備える。今年はツアーオブカリフォルニアで総合優勝。今回のツールではアップダウン系のコースでステージ勝利を狙うと思われる。

 

ダン・マーティン:パンチャー

アラフィリップとともに、アップダウン系コースでの勝利を狙うアイルランド人。パンチャー寄りのオールラウンダーというか、オールラウンダー寄りのパンチャーというか。アラフィリップにスプリントでは劣る一方、そこそこの山でもこなせてしまう登坂力が売り。顔は常に眠そう。2013年にリエージュバストーニュリエージュという世界5大ワンデーレースを勝っている。そのときパンダの着ぐるみを着たおっさんに追いかけられて以来、自転車にパンダペイントをしている。

 

イリヨ・ケイス:ルーラー

ジュリアン・ヴェルモト:ルーラー

ペトル・ヴァコッチ:ルーラー

3人とも、平地を高速巡航できるタイプ。スプリントのゴール前約20km~5km地点で、エースのためにポジションをとりつつ敵チームを疲弊させる役割を担う。いずれにしても、チームでは一番の脇役だが、それなりの実力者。

 

 

Lotto-Soudal ロット・スーダル

またの名をロット・ソウダル。1980年代から続く古参チーム。同じベルギーのエティックスに予算では及ばないが、エースのゴリラの脇を仕事人集団が固める渋いチーム。スプリントも出来て、平地を長く引けるタイプが多い。ジロでも安定の4勝。ゴリラが大会通して健在なら、なんだかんだで一番ステージ勝つのはこいつらかも。

 

アンドレ・グライペル:スプリンター

通称ゴリラ。ムキムキだからゴリラ。去年はツールで4勝、今年もジロで3勝と、調子を含めて考えると現世界最強のスプリンターと言ってもいいかも。ド平地で真っ向勝負するとキッテルには劣るが、キッテルと比べると100倍くらい登れるので、多少タフなコースも耐えられる。おっさん仕事人集団を率いて結束は固い。

 

トニー・ギャロパン:パンチャー

アップダウン系に強いが、スプリントもそこそこいける器用貧乏。世界選手権で2年連続トップ10入りしており、力は相当ある方なんだが、今一つ殻を破れない日々。嫁さんがかわいい。

 

アダム・ハンセン:ルーラー

グレッグ・ヘンダーソン:ルーラー/スプリンター

マルセル・ジーベルク:スプリンター/ルーラー

ボスゴリラの側近ゴリラ。3人ともデカくて重くて猛烈に牽ける。ハンセンはグランツール14回連続完走の鉄人。

 

ユルゲン・ルーランツ:ルーラー/スプリンター

歳食ったパンクロッカー的渋い表情が特徴のハードボイルド男。石畳系が専門だが、長距離を逃げさせても良いし、状況によってはスプリント勝負も出来なくは無い。

 

トーマス・デヘント:パンチャー

逃げの名手。山系のステージでよくかき回している。

 

ラースユティン・バク:ルーラー

かつて最強スプリント集団として知られたHTCの生き残り。TTがそこそこ速い。逃げに乗ったり終盤でアタックを掛けたりしては、偉そうに集団を仕切っている姿をよく見る。もうおっさんだからね。

 

 

■Giant-Alpecin ジャイアント・アルペシン

もともとはスプリント主体のチームだったが、今年から総合狙いに方針転換。が、総合エースのドゥムランが今年はリオ五輪に注力したいということで、一周回って今回のツールはスプリント狙いになる予定。と、あとはドゥムランがTTステージで、バルギルが山岳系ステージで勝利を狙っていく感じか。エースのデゲンコルプが怪我明けなので若干厳しいが、まあチャンスがあれば。良い選手はいる。

 

ジョン・デゲンコルプ:スプリンター

ミラノ~サンレモ、パリ~ルーベという世界5大ワンデーの2つを制した名スプリンター。キッテルやグライペルに比べて純粋なスピード勝負では劣る一方、坂や石畳への対応力、一人で何とかする体力は段違い。今年は年明けのキャンプ中に逆走してきた婆さんの車に轢かれて指が千切れかける大怪我。最近ようやく復帰したばかりなので、まだちょっと厳しいかも。笑顔と口ひげがトレードマーク。

http://media.gettyimages.com/photos/cycling-team-giant-alpecin-press-conference-degenkolb-john-pc-paris-picture-id531335196

 

トム・ドゥムラン:オールラウンダー

次世代のTT王者として期待される存在だったが、去年いきなり山が登れるようになり、一気にグランツール制覇が見えてきたなすび似の男。山岳ではひたすら差を広げられないようついていき、TTで一気にまくるスタイル。ただし今年はリオ五輪のTTがどうしても取りたいらしく、ツールはその準備だとか。

 

ワレン・バルギル:オールラウンダー

2013年のブエルタで若干21歳にしてステージ2勝。将来を嘱望されるフランス人だが、「将来」「嘱望」「フランス人」の時点でもうほとんど「伸び悩み」と同義なので、どうなるやら。今年も無理に上位は狙わないらしい。一応、チームのエースではあると思われるが、多分ステージ狙い。

 

ジモン・ゲシュケ:オールラウンダー

オールラウンダーというほど全体的に凄いわけでもないが、まあそこそこ登れて平地もイケるヒゲ。アップダウンに強い。去年のツールでは涙の初ステージ勝利。山でバルギルをアシストしつつ、逃げにも入ってチャンスがありそうならステージ狙い、というポジションだと想定される。

 

ローレンス・テンダム:クライマー

もともとオランダのロットNL・ユンボにいたベテラン。一度ツールで総合10位に入ったことがある。よだれをだらだら流しながらTTを走ることで有名。今回はバルギルのサポート。

 

ゲオルク・プライドラー:クライマー

オーストリア人の優男。大学で鉱山工学を勉強しているとか何とか。全体的に、自転車選手はサッカーよりもインテリな傾向がある。今年のジロではドロミテ山塊ステージで3位に入っており、割と登れる。バルギルのアシストもしつつ、逃げに入ったりしちゃう感じなのであろう。

 

 

■Dimension Data ディメンション・データ

今年ワールドツアー(いわゆる一部)に昇格した南アフリカ籍のチーム。アフリカの恵まれない子供たちに自転車を配る活動もやっている、慈善組織でもある。昨年はツール初挑戦ながら、テクレハイマノットがアフリカ人初の山岳賞(途中まで)獲得、カミングスがステージ勝利と大成功を収めた。

今年はスプリントチームに豪華補強を加えてさらに勝利数増を狙うが、まだまだ新興チームな上、アフリカへのアピールもあるので、山岳賞やポイント賞、逃げでのTV映りも狙ってきそう。スポンサーはNTTデータの子会社。

http://media.gettyimages.com/photos/daniel-teklehaimanot-of-eritrea-and-team-dimension-data-during-the-picture-id543954384

 

マーク・カヴェンディッシュ:スプリンター

かつて世界最強の名を欲しいままにした駄々っ子ミサイル。通称カヴ。世界選手権にグランツール全てのポイント賞、ミラノ~サンレモと、スプリンターが獲れる主要タイトルは全部持っている。全盛期の力はもはやないが、有力スプリンターであることには変わらず。すぐ拗ねるので、レンショウとアイゼルの保育が不可欠。

 

 

マーク・レンショウ:スプリンター

カヴェンディッシュの姉。一時期カヴと離れてエースを担ったが、カヴはレンショウがいないと拗ねるし、レンショウはレンショウで全然勝てないしで、結局再合流した共依存関係。カヴの発射台役を担う。

 

ベルンハルト・アイゼル:スプリンター

カヴェンディッシュの母。最終発射台の3つか4つ手前で、スプリントトレインを指揮するベテラン。業界全体でも顔が利く。さすがに35歳なので近年は目立った成績が無いが、貫禄と存在感を買われてメンバー入り。

 

エドヴァルト・ボアッソンハーゲン:スプリンター

スプリントは強いわTTは速いわ登れるわで、神童の誉れ高かったらしいノルウェー人。しかし強豪スカイで便利屋的に使いまわされ、伸び悩み。新興ディメンション・データでようやく第2の春を謳歌しつつある。スプリンターとしては相当に登れるので、ある程度勾配があるゴール前や逃げ集団でのスプリントを担当すると思われる。

 

スティーヴ・カミングス:ルーラー

男一匹35歳、長距離を逃げさせたら天下一品。1人でも高速をキープし続けられる上、逃げのタイミングを図るのが上手いいぶし銀。去年のツール1勝から今年も好調をキープしており、ティレーノ~アドレアティコ、バスク1周、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネと名のあるレースですでに3勝を飾っている。余裕があったら逃げさせて、レースのかき回し担当。

 

ダニエル・テクレハイマノット:オールラウンダー

昨年のツールで数日間山岳賞首位に立ち、アフリカの・・・かどうかは知らんが、少なくとも母国エリトリアの英雄に。大統領から直接表彰もされていた。決して山岳が得意なわけではないが、早めに逃げ集団に乗ってはコツコツ山岳ポイントを貯金する。多分今年も途中までの100円貯金で山岳賞ジャージを着るのが目標。手足が長い。

 

 

■Cofidis コフィディス

プロコン(いわゆる2部)ながら、平地ステージでは常に優勝候補に数えられる有力チーム。それというのもエースのブアニが凄いから。ブアニを筆頭に、頭突きも脅しもなんでもありなチンピラトレインが唯一最大の武器。去年のツールはブアニが早々に怪我でリタイアしたため、まじでやることが無さそうだった。

と思ったら、案の定ブアニが怪我で離脱。本当に、何しにいくんだお前ら。

http://media.gettyimages.com/photos/cycling-103rd-tour-de-france-2016-team-presentation-team-cofidis-picture-id543934786

 

ナセル・ブアニ:スプリンター

フランス国内王者1回、ジロで3勝にポイント賞1回、ブエルタで2勝のスプリンター。体重が軽いため、スプリンターが苦しむアップダウンにもそこそこ対応できる。もともとボクシングをやっていたらしく、今でもオフはボクシングでトレーニングとか、引退後はボクサーになるとか、ちょっと揉めた相手には「オウ拳で決着つけようやコラ」と脅すとか、その手のサグい男。すぐ頭突きとかする。

⇒宿舎で酔っぱらってうるさかったオッサンをぶん殴って手を怪我したとのことで、やる前からリタイア。サグい。サグすぎる。

 

ジョフレ・スープ:ルーラー/スプリンター

幼いころからブアニとマブダチ。悪そなヤツは大体友達。ヒゲとリベリーっぽい顔が特徴の、チンピラトレイン2号車。ブアニの発射台を務めるが、ブアニと同じく相当の武闘派。

 

ボルト・ボジッチ:スプリンター

チンピラトレイン3号車。これまでブエルタでステージ1勝の経験があるスロベニア人。今年からコフィディスに加入したが、サグい面子に囲まれて精神を病んでいないかが心配。